権利関係
宅建の未成年者|取り消せる契約と同意不要の例外【2026年度試験対応】
未成年者の契約が無効ではなく取消可能となる理由を解説。法定代理人の同意、単に利益を得る行為、処分を許された財産、営業許可、詐術と追認を整理します。
要点 4件・基本問題 4問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

記事内容を表す生成イメージ。
2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
未成年者の法律行為は、原則として法定代理人の同意が必要で、同意のない行為は取り消すことができます。初めから当然に無効という扱いではありません。単に権利を得る行為や、処分を許された財産、許された営業などには例外があります。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-12
原則は同意が必要、違反した契約は取消可能

未成年者の同意のない契約は当然無効ではなく取消しの対象。単に権利を得る行為等には例外。
図を大きく見る民法4条では18歳をもって成年となります。未成年者が法律行為をする場合、原則として法定代理人の同意を要します(5条)。契約相手が未成年者だと知らず、注意しても分からなかったというだけで、この取消しが一律に封じられるわけではありません。
取消しがされるまでは有効な行為として扱い、取消しによって初めから無効であったものとみなします(121条)。未成年者自身も取消権者です(120条)。取消しのために改めて法定代理人の同意を得る必要はありません。
根拠:民法
同意不要となる例外は利益と許可の範囲で判定
単に権利を得、又は義務を免れる法律行為は同意不要です(5条1項ただし書)。負担なしの贈与を受ける場合と、返済義務を負う借入れを同じ「お金を受け取る行為」として扱わないことがポイントです。
法定代理人が目的を定めて処分を許した財産はその目的内で自由に処分できます。目的を定めず処分を許された財産も同様です(5条3項)。目的付きのお金を目的外で使う場合は、同じ許可の範囲とはいえません。
| 行為 | 基本的な整理 |
|---|---|
| 負担なしの贈与を受ける | 単に権利を得る |
| 返済義務を負って借りる | 原則、同意が必要 |
| 目的付きで処分を許された財産 | 許された目的内で処分 |
| 許された種類の営業 | その営業に関して成年者と同じ行為能力 |
根拠:民法
営業の許可と、詐術による取消制限
一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業について成年者と同じ行為能力を持ちます(6条)。ある営業を許されたからといって、営業と無関係な全ての私生活上の契約まで自由になるわけではありません。
行為能力者であると信じさせるために詐術を用いた場合、その行為を取り消すことができません(21条)。相手が善意であったという事情と、未成年者自身が詐術を用いたという事情を分けて確認します。
根拠:民法
成年後の追認で、取消可能な状態を確定させる
取消し得る行為を追認すると、以後取り消せなくなります。本人の追認は原則として取消原因が消滅し、取消権を知った後に行う必要があります(122条・124条)。法定代理人等による追認には別の規律があります。
令和5年度問8の公式正解は3です。同意のない建物購入を題材に、本人による取消し、相手方の善意無過失、成年後の追認が比較されました。「成年になっただけ」と「取消権を知って追認した」を区別して復習します。
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和5年度 問8
同意のない契約、本人の取消し、相手方の善意無過失と成年後の追認
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
未成年者の保護
未成年者が単独で法律行為をするには法定代理人の同意が必要で、同意を得ずに行った行為は原則取り消せる(本人・法定代理人のいずれも取消可)。取消しは善意・悪意を問わず第三者に対抗できる。例外として、単に権利を得るだけ・義務を免れる行為、法定代理人から処分を許された財産の処分、法定代理人から営業を許された特定の行為は取り消せない。
覚え方未成年『同意なし契約したろ』→親『取り消し!』、得だけ・営業許可はセーフやで
最重要・比較表
成年後見・保佐・補助・未成年
「同意権、取消権、代理権、日用品、追認、相手方の催告」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 未成年者の保護最重要 | 未成年者が単独で法律行為をするには法定代理人の同意が必要で、同意を得ずに行った行為は原則取り消せる(本人・法定代理人のいずれも取消可)。取消しは善意・悪意を問わず第三者に対抗できる。 | 取消権者を「法定代理人だけ」に絞る罠。本人も取消可 | 覚え方:未成年『同意なし契約したろ』→親『取り消し!』、得だけ・営業許可はセーフやで |
| 制限行為能力者の種類 | 4種類。未成年者=18歳未満の者(保護者は親権者・未成年後見人)。成年被後見人=精神上の障害により事理弁識能力を欠く常況にある者で後見開始の審判を受けた者(保護者は成年後見人)。被保佐人=事理弁識能力が著しく不十分な者で保佐開始の審判を受けた者(保護者は保佐人)。 | 未成年は「18歳未満」。20歳未満とすり替える罠に注意 | 覚え方:制限された四天王『未成(みせい)・後見・保佐・補助』、四(4種)人そろって単独NG |
| 成年被後見人の保護 | 成年被後見人の財産上の行為は原則として成年後見人(法定代理人)が代理して行う。代理によらず行った行為は原則取り消せる(成年後見人の同意を得て行った行為も取り消せる点が未成年者と異なる)。例外として日用品の購入その他日常生活に関する行為は取り消せない。 | 成年後見人の「同意を得た行為」も取り消せる点を突く罠 | 覚え方:後見『同意もらったも〜ん』、それでも取消!でも日用品の買い物だけは許したろ |
| 被保佐人の保護 | 被保佐人は保佐人の同意がなくても有効な契約を結べるが、重要な財産上の行為は保佐人の同意(またはこれに代わる家裁の許可)が必要で、同意なしに行うと取り消せる。重要な財産上の行為の例=借金・保証、不動産等重要財産の売買、新築・改築・増築・大修繕、長期賃貸借(土地5年超・建物3年超)等。 | 長期賃貸借の年数(土地5年超・建物3年超)のすり替え | 覚え方:保佐(ほさ)さん普段はOK、でも借金・不動産は同意が要る、土地5年超・建物3年超もな |
| 被補助人の保護 | 被補助人は補助人の同意がなくても有効な契約を結べる。ただし重要な財産上の行為のうち、家庭裁判所の審判で補助人の同意を得なければならないとされた特定の行為を、同意なしに行った場合は取り消せる。取消しは善意・悪意を問わず第三者に対抗できる。 | 被補助人は「審判で定めた特定行為」のみ同意が必要な点 | 覚え方:補助(ほじょ)さんほぼ自由、家裁が指名した『特定の行為』だけ同意なきゃ取消せる |
| 制限行為能力者とは・3つの能力 | 制限行為能力者とは判断能力が不十分なため単独で有効な法律行為を行う能力(行為能力)を制限された人。権利能力=権利義務の主体となる資格(人は生まれながらに持ち、胎児も不法行為の損害賠償・相続・遺贈では権利能力を持つ)。意思能力=法律行為の結果を理解する能力(意思能力がない状態=泥酊等の行為は無効)。 | 権利能力・意思能力・行為能力の3つを混同させる罠 | 覚え方:権利で生まれ、意思で分かり、行為で契約、三(3)つの能力そろって一人前 |
未成年者の保護
最重要- 基本ルール
- 未成年者が単独で法律行為をするには法定代理人の同意が必要で、同意を得ずに行った行為は原則取り消せる(本人・法定代理人のいずれも取消可)。取消しは善意・悪意を問わず第三者に対抗できる。
- 例外・ひっかけ
- 取消権者を「法定代理人だけ」に絞る罠。本人も取消可
判断ポイント
覚え方:未成年『同意なし契約したろ』→親『取り消し!』、得だけ・営業許可はセーフやで
制限行為能力者の種類
- 基本ルール
- 4種類。未成年者=18歳未満の者(保護者は親権者・未成年後見人)。成年被後見人=精神上の障害により事理弁識能力を欠く常況にある者で後見開始の審判を受けた者(保護者は成年後見人)。被保佐人=事理弁識能力が著しく不十分な者で保佐開始の審判を受けた者(保護者は保佐人)。
- 例外・ひっかけ
- 未成年は「18歳未満」。20歳未満とすり替える罠に注意
判断ポイント
覚え方:制限された四天王『未成(みせい)・後見・保佐・補助』、四(4種)人そろって単独NG
成年被後見人の保護
- 基本ルール
- 成年被後見人の財産上の行為は原則として成年後見人(法定代理人)が代理して行う。代理によらず行った行為は原則取り消せる(成年後見人の同意を得て行った行為も取り消せる点が未成年者と異なる)。例外として日用品の購入その他日常生活に関する行為は取り消せない。
- 例外・ひっかけ
- 成年後見人の「同意を得た行為」も取り消せる点を突く罠
判断ポイント
覚え方:後見『同意もらったも〜ん』、それでも取消!でも日用品の買い物だけは許したろ
被保佐人の保護
- 基本ルール
- 被保佐人は保佐人の同意がなくても有効な契約を結べるが、重要な財産上の行為は保佐人の同意(またはこれに代わる家裁の許可)が必要で、同意なしに行うと取り消せる。重要な財産上の行為の例=借金・保証、不動産等重要財産の売買、新築・改築・増築・大修繕、長期賃貸借(土地5年超・建物3年超)等。
- 例外・ひっかけ
- 長期賃貸借の年数(土地5年超・建物3年超)のすり替え
判断ポイント
覚え方:保佐(ほさ)さん普段はOK、でも借金・不動産は同意が要る、土地5年超・建物3年超もな
被補助人の保護
- 基本ルール
- 被補助人は補助人の同意がなくても有効な契約を結べる。ただし重要な財産上の行為のうち、家庭裁判所の審判で補助人の同意を得なければならないとされた特定の行為を、同意なしに行った場合は取り消せる。取消しは善意・悪意を問わず第三者に対抗できる。
- 例外・ひっかけ
- 被補助人は「審判で定めた特定行為」のみ同意が必要な点
判断ポイント
覚え方:補助(ほじょ)さんほぼ自由、家裁が指名した『特定の行為』だけ同意なきゃ取消せる
制限行為能力者とは・3つの能力
- 基本ルール
- 制限行為能力者とは判断能力が不十分なため単独で有効な法律行為を行う能力(行為能力)を制限された人。権利能力=権利義務の主体となる資格(人は生まれながらに持ち、胎児も不法行為の損害賠償・相続・遺贈では権利能力を持つ)。意思能力=法律行為の結果を理解する能力(意思能力がない状態=泥酊等の行為は無効)。
- 例外・ひっかけ
- 権利能力・意思能力・行為能力の3つを混同させる罠
判断ポイント
覚え方:権利で生まれ、意思で分かり、行為で契約、三(3)つの能力そろって一人前
01未成年者の重要暗記項目
未成年者の保護
未成年者が単独で法律行為をするには法定代理人の同意が必要で、同意を得ずに行った行為は原則取り消せる(本人・法定代理人のいずれも取消可)。取消しは善意・悪意を問わず第三者に対抗できる。例外として、単に権利を得るだけ・義務を免れる行為、法定代理人から処分を許された財産の処分、法定代理人から営業を許された特定の行為は取り消せない。
覚え方未成年『同意なし契約したろ』→親『取り消し!』、得だけ・営業許可はセーフやで
ひっかけ注意取消権者を「法定代理人だけ」に絞る罠。本人も取消可
制限行為能力者の種類
4種類。未成年者=18歳未満の者(保護者は親権者・未成年後見人)。成年被後見人=精神上の障害により事理弁識能力を欠く常況にある者で後見開始の審判を受けた者(保護者は成年後見人)。被保佐人=事理弁識能力が著しく不十分な者で保佐開始の審判を受けた者(保護者は保佐人)。被補助人=事理弁識能力が不十分な者で補助開始の審判を受けた者(保護者は補助人)。
覚え方制限された四天王『未成(みせい)・後見・保佐・補助』、四(4種)人そろって単独NG
ひっかけ注意未成年は「18歳未満」。20歳未満とすり替える罠に注意
成年被後見人の保護
成年被後見人の財産上の行為は原則として成年後見人(法定代理人)が代理して行う。代理によらず行った行為は原則取り消せる(成年後見人の同意を得て行った行為も取り消せる点が未成年者と異なる)。例外として日用品の購入その他日常生活に関する行為は取り消せない。居住用建物・敷地の売却・賃貸・賃貸借解除・抵当権設定等の処分には家庭裁判所の許可が必要。
覚え方後見『同意もらったも〜ん』、それでも取消!でも日用品の買い物だけは許したろ
ひっかけ注意成年後見人の「同意を得た行為」も取り消せる点を突く罠
催告に対する確答がない場合の効果(相手方の催告権)
未成年者・成年被後見人の法定代理人に催告→追認とみなす。被保佐人・同意を要する被補助人は、保佐人/補助人に催告し確答なし→追認、本人に催告し確答なし→取り消したとみなす。行為時は制限行為能力者だが催告時に行為能力者となっている本人に催告し確答なし→追認とみなす。
覚え方確答なし、保護者ならウン(追認)、被保佐・被補助本人は取消し、能力戻った本人はウン(追認)
ひっかけ注意本人(被保佐人)への催告で確答なし=取消とみなす点
誤答が集中する引っかけ
4件ひっかけ未成年者の保護
取消権者を「法定代理人だけ」に絞る罠。本人も取消可
残り3件は論点整理プレミアムでご覧いただけます。61論点分の引っかけを、出題ランク順にまとめています。
論点整理プレミアムを見る03この論点の根拠
- 関連法令
- 民法
- 情報確認日
- 2026年4月1日施行法令基準
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
未成年者の○×一問一答
1/4問解答 0・正解 0
権利関係重要度 S頻出度 4/24(編集部の目安)
制限行為能力者の種類
未成年者とは、20歳未満の者をいい、親権者または未成年後見人が保護者となる。
未成年者の○×一問一答4問|問題と解説
この論点で収録している4問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
制限行為能力者の種類重要度S未成年者とは、20歳未満の者をいい、親権者または未成年後見人が保護者となる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。現行法では未成年者は18歳未満の者をいう。
問2
未成年者の保護重要度S未成年者が法定代理人の同意を得ずにした契約は、法定代理人のみが取り消すことができ、本人は取り消せない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。本人・法定代理人のいずれも取り消せる。
問3
成年被後見人の保護重要度S成年被後見人が成年後見人の同意を得て行った行為は、取り消すことができない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。同意を得て行った行為も取り消せる(未成年者と異なる)。
問4
催告に対する確答がない場合の効果(相手方の催告権)重要度A被保佐人に対し催告し、その期間内に確答がなかった場合は、追認したものとみなされる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。被保佐人本人への催告で確答なしは取り消したとみなす。
未成年者の問題を続けて解く
この論点に対応する4問を絞り込んで出題します。