権利関係
宅建の請負|報酬の時期・注文者の解除・契約不適合を整理【2026年度試験対応】
請負と委任の違い、報酬の支払時期、完成前の注文者解除、契約不適合の1年通知を解説。注文者の材料・指図による不適合の例外も確認します。
要点 6件・基本問題 6問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

記事内容を表す生成イメージ。
2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
請負は、仕事の完成を約束し、その結果に報酬を支払う契約です。原則として報酬は目的物の引渡しと同時に支払い、注文者は完成前なら損害を賠償して解除できます。契約不適合の通知期間は、単純に完成日から1年ではなく、不適合を知った時から1年が基本です。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-12
請負は「仕事の完成」が約束の中心

請負は仕事の完成が中心。未完成部分の報酬、完成前の解除、契約不適合の通知条件は本文で区別。
図を大きく見る建物の増築や修繕工事を完成させ、結果に報酬を支払う約束は請負の基本形です(632条)。事務の処理を委託する委任・準委任と比べ、何を実現する義務を負うかを先に確認します。
物の引渡しが必要なら、原則として報酬は引渡しと同時に支払います(633条)。完成しただけで引渡しを要する契約の報酬が当然に先払いになる、とは扱いません。契約に別の支払時期の合意がある場合は、その条件を確認します。
| 事項 | 原則となる時点 |
|---|---|
| 報酬支払 | 目的物の引渡しと同時 |
| 注文者の任意解除 | 仕事完成前 |
| 種類・品質の不適合通知 | 知った時から1年以内 |
根拠:民法
完成前でも、注文者が利益を受ける部分は報酬の対象になる
注文者に帰責事由がなく完成できなくなった場合や、完成前に解除された場合でも、可分な部分の給付により注文者が利益を受けるなら、その部分は完成とみなされます。請負人は利益の割合に応じた報酬を請求できます(634条)。
例えば独立して使える工事部分が残る場合は、その給付で注文者が実際に利益を受けるかを確認します。「未完成だから報酬は常に0円」「作業した割合だけ常に全額請求」のどちらも一律にはいえません。
根拠:民法
注文者は完成前なら損害を賠償して解除できる
注文者は請負人が仕事を完成しない間、いつでも損害を賠償して契約を解除できます(641条)。請負人に債務不履行があることを必須とする解除ではありません。
ただし無償で自由にキャンセルできる規定でもありません。注文者の都合で工事を止める場面と、不履行を理由に解除する場面を分けて、損害賠償の条件を読んでください。
根拠:民法
1年の起算点と、注文者が材料を提供した場合
種類・品質の契約不適合を知った時から1年以内に、その旨を請負人へ通知するのが637条の基本です。引渡し時(引渡しを要しない場合は仕事終了時)に請負人が不適合を知り、又は重大な過失で知らなかった場合は、この期間制限は適用されません。消滅時効は別に問題となります。
注文者が提供した材料の性質や指図によって不適合が生じた場合、原則として注文者はその不適合を理由に追完・減額・損害賠償・解除を求められません。ただし請負人が不適当と知りながら告げなかったときは別です(636条)。
根拠:民法
令和5年度問3は、完成日と発見日を取り違えない
令和5年度問3の公式正解は2です。増築工事に関する問題で、不適合の通知期間の起算点、請負人の認識、注文者提供の材料といった条件が比較されました。
復習では「工事終了から1年」と「不適合を知ってから1年」を入れ替えたときに結論が変わる理由を、637条で確かめます。材料を誰が提供したかだけでなく、不適切さを請負人が知っていたかも確認してください。
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和5年度 問3
契約不適合の通知の起算点と、材料提供・請負人の認識
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
注文者・請負人の解除権
請負人が仕事を完成させる前なら、注文者はいつでも損害賠償をして契約を解除できる。また完成前に注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人は契約を解除できる。
覚え方完成前なら注文者いつでも損賠して解除、注文者が破産すりゃ請負も解除できる
混同注意・比較表
売買・請負の契約不適合責任
「追完、減額、損害賠償、解除、通知期間、免責特約」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 損害賠償請求・契約の解除 | 契約不適合の場合、買主は債務不履行の一般規定により損害賠償の請求や契約の解除ができる(方法はSEC05のとおり)。 | 基本知識。不適合でも一般規定で賠償・解除できる | 覚え方:契約不適合の損害賠償・解除は、債務不履行の一般ルールでフツーに行使できるよ |
| 買主の救済(売主の担保責任)の4手段 | 売主が種類・品質・数量について契約内容に適合しない目的物を引き渡した場合や移転した権利が契約内容に適合しない場合、買主は①追完請求、②代金減額請求、③損害賠償請求、④契約の解除の4つの手段をとれる(担保責任=契約不適合責任)。物の売買だけでなく権利の売買も基本的に同じ。 | 担保責任の4手段の一部欠落・入替。追完・減額・賠償・解除 | 覚え方:契約不適合、買主の救済ヨン手『ツイ・ゲン・ソン・カイ』追完・減額・損害賠償・解除で戦う |
| 請負人の担保責任 | 目的物に契約不適合がある場合、注文者は請負人に対して (1)履行の追完請求(修補請求を含む)、 (2)報酬減額請求、 (3)損害賠償、 (4)契約の解除ができる。売買契約の売主の担保責任とおおむね同じ(売主→請負人、買主→注文者と読み替える)。 | 請負の担保責任は売買の売主責任とほぼ同じで、追完・報酬減額・損害賠償・解除が可能。手段を欠く誤りに注意 | 覚え方:請負の担保、不適合ならツイ(追完)ゲン(減額)ソン(損賠)カイ(解除)、売主責任とほぼ同じ読み替え |
| 担保責任の期間の制限(原則・例外) | 原則:種類・品質に関する不適合は、買主が不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければ、追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除ができない。例外:売主が引渡し時に不適合を知っていた、または重大な過失で知らなかったときはこの期間制限はなくなる。 | 起算点・期間の数字すり替え。知った時から1年以内に通知 | 覚え方:種類・品質の不適合は知った時からイチ(1年)以内に通知、売主が悪意か重過失なら期間制限チャラ |
| 代金減額請求(原則・例外) | 原則:契約不適合の場合、買主が相当の期間を定めて追完の催告をし期間内に追完がないとき、不適合の程度に応じて代金減額を請求できる。例外:①追完不能、②売主が追完拒絶の意思を明確に表示、③定期行為で時期経過、④催告しても追完見込みがないことが明らかなときは催告なしで直ちに減額請求できる。 | 減額に催告不要とする罠。原則は催告後、追完不能等が例外 | 覚え方:減額はまず催告、期間内に追完なしで程度に応じ値引き、追完不能・拒絶・時期過ぎ・見込みゼロなら即減額 |
| 請負人の担保責任の制限(免責特約) | 当事者間で請負人が担保責任を負わない旨の特約を結んだときは、原則として請負人は担保責任を負わない。ただし請負人が事実を知っていたのに注文者に告げなかった場合には、特約を結んでいても担保責任を免れることはできない。 | 免責特約があっても、請負人が事実を知りながら告げなかったときは免責されない。例外の存在に注意 | 覚え方:免責特約で請負ノーガード、でも知ってて黙ったら責任逃れられん、悪いウケオイ許さん |
損害賠償請求・契約の解除
- 基本ルール
- 契約不適合の場合、買主は債務不履行の一般規定により損害賠償の請求や契約の解除ができる(方法はSEC05のとおり)。
- 例外・ひっかけ
- 基本知識。不適合でも一般規定で賠償・解除できる
判断ポイント
覚え方:契約不適合の損害賠償・解除は、債務不履行の一般ルールでフツーに行使できるよ
買主の救済(売主の担保責任)の4手段
- 基本ルール
- 売主が種類・品質・数量について契約内容に適合しない目的物を引き渡した場合や移転した権利が契約内容に適合しない場合、買主は①追完請求、②代金減額請求、③損害賠償請求、④契約の解除の4つの手段をとれる(担保責任=契約不適合責任)。物の売買だけでなく権利の売買も基本的に同じ。
- 例外・ひっかけ
- 担保責任の4手段の一部欠落・入替。追完・減額・賠償・解除
判断ポイント
覚え方:契約不適合、買主の救済ヨン手『ツイ・ゲン・ソン・カイ』追完・減額・損害賠償・解除で戦う
請負人の担保責任
- 基本ルール
- 目的物に契約不適合がある場合、注文者は請負人に対して
(1)履行の追完請求(修補請求を含む)、
(2)報酬減額請求、
(3)損害賠償、
(4)契約の解除ができる。売買契約の売主の担保責任とおおむね同じ(売主→請負人、買主→注文者と読み替える)。 - 例外・ひっかけ
- 請負の担保責任は売買の売主責任とほぼ同じで、追完・報酬減額・損害賠償・解除が可能。手段を欠く誤りに注意
判断ポイント
覚え方:請負の担保、不適合ならツイ(追完)ゲン(減額)ソン(損賠)カイ(解除)、売主責任とほぼ同じ読み替え
担保責任の期間の制限(原則・例外)
- 基本ルール
- 原則:種類・品質に関する不適合は、買主が不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければ、追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除ができない。例外:売主が引渡し時に不適合を知っていた、または重大な過失で知らなかったときはこの期間制限はなくなる。
- 例外・ひっかけ
- 起算点・期間の数字すり替え。知った時から1年以内に通知
判断ポイント
覚え方:種類・品質の不適合は知った時からイチ(1年)以内に通知、売主が悪意か重過失なら期間制限チャラ
代金減額請求(原則・例外)
- 基本ルール
- 原則:契約不適合の場合、買主が相当の期間を定めて追完の催告をし期間内に追完がないとき、不適合の程度に応じて代金減額を請求できる。例外:①追完不能、②売主が追完拒絶の意思を明確に表示、③定期行為で時期経過、④催告しても追完見込みがないことが明らかなときは催告なしで直ちに減額請求できる。
- 例外・ひっかけ
- 減額に催告不要とする罠。原則は催告後、追完不能等が例外
判断ポイント
覚え方:減額はまず催告、期間内に追完なしで程度に応じ値引き、追完不能・拒絶・時期過ぎ・見込みゼロなら即減額
請負人の担保責任の制限(免責特約)
- 基本ルール
- 当事者間で請負人が担保責任を負わない旨の特約を結んだときは、原則として請負人は担保責任を負わない。ただし請負人が事実を知っていたのに注文者に告げなかった場合には、特約を結んでいても担保責任を免れることはできない。
- 例外・ひっかけ
- 免責特約があっても、請負人が事実を知りながら告げなかったときは免責されない。例外の存在に注意
判断ポイント
覚え方:免責特約で請負ノーガード、でも知ってて黙ったら責任逃れられん、悪いウケオイ許さん
01請負の重要暗記項目
注文者・請負人の解除権
請負人が仕事を完成させる前なら、注文者はいつでも損害賠償をして契約を解除できる。また完成前に注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人は契約を解除できる。
覚え方完成前なら注文者いつでも損賠して解除、注文者が破産すりゃ請負も解除できる
ひっかけ注意注文者は完成前ならいつでも損害賠償して解除可。注文者破産時は請負人が解除可。主体の逆転に注意
請負とは・報酬請求の原則と例外
請負とは請負人が仕事を完成させ、注文者が報酬を与える契約。目的物の引渡しと報酬の支払いは同時履行の関係。原則として請負人は仕事が完成していないと報酬請求できない。例外として、すでにした仕事が可分で注文者が利益を受けるときは、
(1)注文者の責めによらない事由で完成不能、
(2)完成前に解除、の場合、その部分を仕事の完成とみなし、利益の割合に応じて報酬を請求できる。
覚え方請負ウケオイ完成せねば報酬ゼロ、でも可分で儲かりゃ利益割合で払わせろ
ひっかけ注意原則は完成しないと報酬請求不可。可分で注文者が利益を受ける部分は割合に応じ請求可。例外の有無に注意
請負人の担保責任
目的物に契約不適合がある場合、注文者は請負人に対して
(1)履行の追完請求(修補請求を含む)、
(2)報酬減額請求、
(3)損害賠償、
(4)契約の解除ができる。売買契約の売主の担保責任とおおむね同じ(売主→請負人、買主→注文者と読み替える)。
覚え方請負の担保、不適合ならツイ(追完)ゲン(減額)ソン(損賠)カイ(解除)、売主責任とほぼ同じ読み替え
ひっかけ注意請負の担保責任は売買の売主責任とほぼ同じで、追完・報酬減額・損害賠償・解除が可能。手段を欠く誤りに注意
請負人の担保責任の制限(免責特約)
当事者間で請負人が担保責任を負わない旨の特約を結んだときは、原則として請負人は担保責任を負わない。ただし請負人が事実を知っていたのに注文者に告げなかった場合には、特約を結んでいても担保責任を免れることはできない。
覚え方免責特約で請負ノーガード、でも知ってて黙ったら責任逃れられん、悪いウケオイ許さん
ひっかけ注意免責特約があっても、請負人が事実を知りながら告げなかったときは免責されない。例外の存在に注意
請負人の担保責任の制限
原則、注文者の供した材料の性質・注文者の指図によって生じた不適合を理由に請負人の担保責任は追及できない。例外として、請負人がその材料・指図が不適当と知りながら告げなかったときは追及できる。
覚え方注文者の材料・指図のミスは請負のせいにあらず、知って黙りゃ話は別
ひっかけ注意注文者供給の材料・指図による不適合は原則追及不可。ただし請負人が不適当と知りつつ告げなければ追及可
請負の担保責任の期間制限
注文者が不適合を知った時から1年以内に請負人へ通知しないと担保責任を追及できない。ただし請負人が不適合を知っていた・重大な過失で知らなかったときは期間制限はない。別途消滅時効による制約もある。
覚え方請負の担保、知ってイチ(1年)で通知せな消える、でも請負が知ってりゃ制限なし
ひっかけ注意起算点は「不適合を知った時」から1年以内の通知。契約時や引渡時とする誤りに注意
誤答が集中する引っかけ
6件ひっかけ注文者・請負人の解除権
注文者は完成前ならいつでも損害賠償して解除可。注文者破産時は請負人が解除可。主体の逆転に注意
残り5件は論点整理プレミアムでご覧いただけます。61論点分の引っかけを、出題ランク順にまとめています。
論点整理プレミアムを見る03この論点の根拠
- 関連法令
- 民法
- 情報確認日
- 2026年4月1日施行法令基準
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
請負の○×一問一答
1/6問解答 0・正解 0
権利関係重要度 B頻出度 1/24(編集部の目安)
注文者・請負人の解除権
請負人が仕事を完成させる前であれば、注文者はいつでも損害を賠償して契約を解除することができる。
請負の○×一問一答6問|問題と解説
この論点で収録している6問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
注文者・請負人の解除権重要度B請負人が仕事を完成させる前であれば、注文者はいつでも損害を賠償して契約を解除することができる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。完成前なら注文者はいつでも損害賠償して解除できる。
問2
請負とは・報酬請求の原則と例外重要度B請負では、注文者の責めによらない事由で仕事が完成できなくなっても、既にした仕事が可分で注文者が利益を受けるときは、その利益の割合に応じて報酬を請求できる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。可分で注文者が利益を受ける部分は割合に応じ報酬請求できる。
問3
請負人の担保責任重要度B請負の目的物に契約不適合がある場合、注文者は履行の追完請求や損害賠償はできるが、報酬減額請求や契約の解除はできない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。追完・報酬減額・損害賠償・解除のいずれもできる。
問4
請負人の担保責任の制限(免責特約)重要度B請負人が担保責任を負わない旨の特約があっても、請負人が不適合の事実を知りながら注文者に告げなかった場合は、担保責任を免れることはできない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。知りながら告げなかった場合は免責特約があっても責任を免れない。
問5
請負人の担保責任の制限重要度B注文者の供した材料の性質によって生じた不適合であっても、請負人がその材料が不適当と知りながら告げなかったときは、注文者は請負人の担保責任を追及できる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。知りながら告げなかった場合は例外として追及できる。
問6
請負の担保責任の期間制限重要度B請負の担保責任は、注文者が引渡しを受けた時から1年以内に請負人へ通知しなければ追及できない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。起算点は不適合を知った時から1年以内の通知である。
請負の問題を続けて解く
この論点に対応する6問を絞り込んで出題します。