権利関係
宅建の連帯債務・保証|絶対効と相対効を具体例で整理【2026年度試験対応】
連帯債務と保証・連帯保証の違いを比較。履行請求・更改・相殺・混同の効力、負担部分と求償、保証契約の書面性を表と確認問題で整理します。
要点 6件・基本問題 6問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

記事内容を表す生成イメージ。
2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
連帯債務では、債権者は各債務者へ全部又は一部の履行を請求できます。一人に生じた事情は他の債務者へ影響しないのが原則ですが、更改・相殺・混同などは別の扱いになります。連帯保証は主債務を担保する保証であり、連帯債務そのものとは区別します。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-12
連帯債務・保証・連帯保証は立場が違う
AとBが300万円の連帯債務を負い、内部の負担部分が各150万円でも、債権者はAへ300万円全額を請求できます。債権者に対する支払義務と、債務者同士の負担割合を分けるためです(436条・442条)。
保証人は、主たる債務者が履行しないときに履行する責任を負います。保証契約は書面又はその内容を記録した電磁的記録が必要です。普通保証には催告・検索の抗弁がありますが、連帯保証にはありません(446条・452〜454条)。
連帯債務者の一人が弁済等によって共同の免責を得たときは、他の連帯債務者へ負担部分に応じた求償を行えます。求償は自己の負担部分を超えて支払った場合だけに限定されません(442条)。例えば負担割合が半分ずつなら、一人が100万円を弁済して共同免責を得た場合、原則として他方の負担に対応する50万円が求償の対象です。
| 類型 | 立場 | 催告・検索の抗弁 |
|---|---|---|
| 連帯債務 | 各人が債務者 | 保証人の抗弁ではない |
| 普通保証 | 主債務を担保 | 要件に応じて使える |
| 連帯保証 | 主債務を連帯して担保 | 使えない |
根拠:民法
請求は原則相対効、更改・相殺・混同は全体に及ぶ

連帯債務は相対効が原則。更改・相殺・混同と弁済を分ける。
図を大きく見る民法441条は相対的効力を原則とし、438〜440条が更改・相殺・混同を別扱いにします。一人に請求しただけで、他の連帯債務者にも当然に同じ効力が及ぶ、と読まないでください。
弁済で債権者が満足を得た範囲は他の債務者も免れます。相殺も実際に援用された場合は消滅の効果が全体へ及びますが、相殺できる債権を持っているだけの場合とは区別します。
| 事情 | 他の連帯債務者への効果 |
|---|---|
| 履行の請求 | 原則、及ばない |
| 更改 | 全員の利益のため旧債権が消滅 |
| 相殺の援用 | 相殺された範囲で全員が免れる |
| 混同 | その債務者が弁済したとみなす |
根拠:民法
相殺をまだ使っていない場合は「履行拒絶」
AとBが300万円の連帯債務を負い、Aの負担部分が150万円で、Aが債権者に対し相殺できる債権を持つ場合を考えます。Aがまだ相殺を援用していない間、BはAの負担部分の限度で履行を拒めます(439条2項)。
Bが勝手にAの債権を使って相殺できる、という規定ではありません。「他人の債権で相殺する」と「一定範囲で履行を拒む」を区別してください。
根拠:民法
普通保証と連帯保証を名前だけで判断しない
普通保証人の催告の抗弁は、まず主債務者へ催告するよう求めるものです。ただし主債務者が破産手続開始決定を受けた場合や行方不明の場合は使えません。検索の抗弁は、主債務者に弁済資力があり執行が容易であることの証明を要します。
連帯保証人には両抗弁がありませんが、主債務との付従性までなくなるわけではありません。主債務が消滅した場合と、連帯債務者一人への免除等の相対効を同じ表で処理しないようにします。
根拠:民法
令和7年度問9で問われた四つの事情
令和7年度問9は、履行の請求・混同・相殺の援用・更改を比較する問題で、公式正解は1です。別段の意思表示がないという条件の下、履行の請求は他の連帯債務者に効力を生じません。
確認するときは、先に「一人の事情が全員へ広がるか」と問い、次に438〜441条で理由を説明します。古い改正前の絶対効の一覧をそのまま使わないことも必要です。
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和7年度 問9
履行請求の相対効と、更改・相殺・混同の効力
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- 民法確認日:2026-09-12
- 不動産適正取引推進機構:令和7年度公式問題・正解確認日:2026-09-12
連帯債務とは
連帯債務とは、性質上可分な同じ内容の債務について複数の債務者が各自独立して全責任を負うこと。債権者は連帯債務者の誰に対しても同時または順次に全額または一部の請求ができる。
覚え方連帯債務は皆で丸抱え、債権者『誰でもいいから全額出せ』と一部でもOK
混同注意・比較表
連帯債務・保証・連帯保証
「付従性、補充性、絶対効・相対効、抗弁権、分別の利益、求償」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 一般保証と連帯保証の違い | 連帯保証人には①催告の抗弁権がない、②検索の抗弁権がない、③分別の利益がない。連帯保証人は各自3,000万円全額(複数でも全額)の保証債務を負い、債権者は誰にどの順番でも全額請求できる。 | 連帯保証人が複数でも各自全額。頭割りになると誤らせる。 | 覚え方:連帯保証はサイ・ケン・ブン(催告・検索・分別)の三ナシ、各自まるまる三千万を誰からでも全額 |
| 共同保証・分別の利益 | 共同保証=1つの主債務に複数の保証人がつくこと。各保証人は主債務を均等に分割した分割部分についてのみ保証債務を負う(分別の利益)。ただし連帯保証には分別の利益がない。 | 分別の利益は普通の共同保証にあり、連帯保証にはない。逆転に注意。 | 覚え方:共同保証は頭割りで『分別の利益』、でも連帯保証にゃその分け前ナシ |
| 相対効と絶対効 | 連帯債務者の1人に生じた事由は原則他の債務者に影響しない(相対効)。相対効の例=請求・時効の完成・債務の免除・債務の承認・期限の猶予。絶対効(他にも影響)=弁済・相殺・更改・混同。債権者と連帯債務者の1人の別段の合意で相対効を絶対効にできる。 | 絶対効は弁済・相殺・更改・混同の4つ。請求・免除・時効完成は相対効(混同と取り違えさせる)。 | 覚え方:相手に響くは弁済・相殺・更改・混同のヨン絶対、請求・時効・免除・承認・猶予はソイツだけの相対効 |
| 連帯債務の負担部分・求償 | 負担部分は別段の定めがなければ均一。連帯債務者の1人が弁済すれば他の債務も消滅。弁済し共同の免責を得たときは他の連帯債務者に負担部分に応じて求償できる。免責額が自己の負担部分を超えるかにかかわらず求償できる。 | 求償は「自己の負担部分を超えた分だけ」と誤らせる。超えるか否かにかかわらず求償可。 | 覚え方:負担は仲良く均等割り、一人が払や皆チャラ、超えても超えなくても『負担ぶんちょうだい』と求償だ |
| 連帯保証とは | 連帯保証とは保証人が主債務者と連帯して債務を負う保証形態。主債務者に生じた事由は連帯保証人にも効力が及ぶ。連帯保証人に生じた事由は原則主債務者に及ばないが、例外として主債務を消滅させる行為(弁済・相殺・更改など)は主債務者にも及ぶ。 | 連帯保証人に生じた事由は原則主債務者に及ばない。及ぶのは弁済等の消滅行為のみ。 | 覚え方:連帯保証は主とベッタリ、主の事由は保証に効くが、逆は原則届かず消滅行為だけ主へ返る |
| 催告の抗弁権・検索の抗弁権 | 補充性を担保するため保証人に2つの抗弁権がある。催告の抗弁権=いきなり請求されたら「まず主債務者に請求して」といえる。検索の抗弁権=主債務者に弁済資力があり執行が容易なことを証明すれば「まず主債務者の財産から弁済して」といえる。連帯保証人にはどちらもない。 | 連帯保証人には両抗弁権がない点。普通保証人と混同させる。 | 覚え方:催告『先に主へ言え』、検索『主に金あるぞ先に取れ』、連帯保証にゃどっちもナシ |
一般保証と連帯保証の違い
- 基本ルール
- 連帯保証人には①催告の抗弁権がない、②検索の抗弁権がない、③分別の利益がない。連帯保証人は各自3,000万円全額(複数でも全額)の保証債務を負い、債権者は誰にどの順番でも全額請求できる。
- 例外・ひっかけ
- 連帯保証人が複数でも各自全額。頭割りになると誤らせる。
判断ポイント
覚え方:連帯保証はサイ・ケン・ブン(催告・検索・分別)の三ナシ、各自まるまる三千万を誰からでも全額
共同保証・分別の利益
- 基本ルール
- 共同保証=1つの主債務に複数の保証人がつくこと。各保証人は主債務を均等に分割した分割部分についてのみ保証債務を負う(分別の利益)。ただし連帯保証には分別の利益がない。
- 例外・ひっかけ
- 分別の利益は普通の共同保証にあり、連帯保証にはない。逆転に注意。
判断ポイント
覚え方:共同保証は頭割りで『分別の利益』、でも連帯保証にゃその分け前ナシ
相対効と絶対効
- 基本ルール
- 連帯債務者の1人に生じた事由は原則他の債務者に影響しない(相対効)。相対効の例=請求・時効の完成・債務の免除・債務の承認・期限の猶予。絶対効(他にも影響)=弁済・相殺・更改・混同。債権者と連帯債務者の1人の別段の合意で相対効を絶対効にできる。
- 例外・ひっかけ
- 絶対効は弁済・相殺・更改・混同の4つ。請求・免除・時効完成は相対効(混同と取り違えさせる)。
判断ポイント
覚え方:相手に響くは弁済・相殺・更改・混同のヨン絶対、請求・時効・免除・承認・猶予はソイツだけの相対効
連帯債務の負担部分・求償
- 基本ルール
- 負担部分は別段の定めがなければ均一。連帯債務者の1人が弁済すれば他の債務も消滅。弁済し共同の免責を得たときは他の連帯債務者に負担部分に応じて求償できる。免責額が自己の負担部分を超えるかにかかわらず求償できる。
- 例外・ひっかけ
- 求償は「自己の負担部分を超えた分だけ」と誤らせる。超えるか否かにかかわらず求償可。
判断ポイント
覚え方:負担は仲良く均等割り、一人が払や皆チャラ、超えても超えなくても『負担ぶんちょうだい』と求償だ
連帯保証とは
- 基本ルール
- 連帯保証とは保証人が主債務者と連帯して債務を負う保証形態。主債務者に生じた事由は連帯保証人にも効力が及ぶ。連帯保証人に生じた事由は原則主債務者に及ばないが、例外として主債務を消滅させる行為(弁済・相殺・更改など)は主債務者にも及ぶ。
- 例外・ひっかけ
- 連帯保証人に生じた事由は原則主債務者に及ばない。及ぶのは弁済等の消滅行為のみ。
判断ポイント
覚え方:連帯保証は主とベッタリ、主の事由は保証に効くが、逆は原則届かず消滅行為だけ主へ返る
催告の抗弁権・検索の抗弁権
- 基本ルール
- 補充性を担保するため保証人に2つの抗弁権がある。催告の抗弁権=いきなり請求されたら「まず主債務者に請求して」といえる。検索の抗弁権=主債務者に弁済資力があり執行が容易なことを証明すれば「まず主債務者の財産から弁済して」といえる。連帯保証人にはどちらもない。
- 例外・ひっかけ
- 連帯保証人には両抗弁権がない点。普通保証人と混同させる。
判断ポイント
覚え方:催告『先に主へ言え』、検索『主に金あるぞ先に取れ』、連帯保証にゃどっちもナシ
01連帯債務・保証の重要暗記項目
連帯債務とは
連帯債務とは、性質上可分な同じ内容の債務について複数の債務者が各自独立して全責任を負うこと。債権者は連帯債務者の誰に対しても同時または順次に全額または一部の請求ができる。
覚え方連帯債務は皆で丸抱え、債権者『誰でもいいから全額出せ』と一部でもOK
ひっかけ注意債権者は誰にでも全額請求できる。負担部分に限られると誤らせる。
連帯債務の負担部分・求償
負担部分は別段の定めがなければ均一。連帯債務者の1人が弁済すれば他の債務も消滅。弁済し共同の免責を得たときは他の連帯債務者に負担部分に応じて求償できる。免責額が自己の負担部分を超えるかにかかわらず求償できる。
覚え方負担は仲良く均等割り、一人が払や皆チャラ、超えても超えなくても『負担ぶんちょうだい』と求償だ
ひっかけ注意求償は「自己の負担部分を超えた分だけ」と誤らせる。超えるか否かにかかわらず求償可。
相対効と絶対効
連帯債務者の1人に生じた事由は原則他の債務者に影響しない(相対効)。相対効の例=請求・時効の完成・債務の免除・債務の承認・期限の猶予。絶対効(他にも影響)=弁済・相殺・更改・混同。債権者と連帯債務者の1人の別段の合意で相対効を絶対効にできる。
覚え方相手に響くは弁済・相殺・更改・混同のヨン絶対、請求・時効・免除・承認・猶予はソイツだけの相対効
ひっかけ注意絶対効は弁済・相殺・更改・混同の4つ。請求・免除・時効完成は相対効(混同と取り違えさせる)。
相殺の絶対効
連帯債務者Bが自ら相殺すれば絶対効でCも債務を免れる。Bが相殺しないときはCはBの負担部分の限度でのみ履行を拒める(相殺するかは自由)。
覚え方相殺すりゃBもCも救われる絶対効、BがやらねばCは『負担ぶんだけ待った』と拒めるのみ
ひっかけ注意他の債務者が「相殺できる」のではなく、負担部分の限度で「履行を拒める」だけ。
更改・混同の絶対効
更改=旧債権が消え新債権が生じる契約。混同=債権者と債務者が同一人になること。いずれも絶対効でBとCの連帯債務が消滅し、その後BはCに負担部分を求償できる。
覚え方更改で新旧チェンジ、混同で債権者と債務者が合体、どっちも絶対効で連帯消えて後から求償
ひっかけ注意更改・混同はいずれも絶対効で連帯債務が消滅する点。相対効と誤らせる。
連帯債権とは
連帯債権とは性質上可分な債権を数人が連帯して有すること。各連帯債権者は全部または一部の履行を請求でき、債務者は各債権者に履行できる。原則相対効だが、更改・免除・相殺・混同は例外的に絶対効(連帯債務と異なり免除が絶対効、それ以外は同じ)。
覚え方連帯債権は皆で全額請求OK、免除も絶対効なとこが連帯債務との違いよ
ひっかけ注意連帯債権では免除が絶対効。連帯債務(免除は相対効)との相違に注意。
誤答が集中する引っかけ
6件ひっかけ相対効と絶対効
絶対効は弁済・相殺・更改・混同の4つ。請求・免除・時効完成は相対効(混同と取り違えさせる)。
残り5件は論点整理プレミアムでご覧いただけます。61論点分の引っかけを、出題ランク順にまとめています。
論点整理プレミアムを見る03この論点の根拠
- 関連法令
- 民法
- 情報確認日
- 2026年4月1日施行法令基準
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
連帯債務・保証の○×一問一答
1/6問解答 0・正解 0
権利関係重要度 A頻出度 3/24(編集部の目安)
連帯債務とは
連帯債務の債権者は、各連帯債務者に対し、その負担部分の限度でしか請求できない。
連帯債務・保証の○×一問一答6問|問題と解説
この論点で収録している6問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
連帯債務とは重要度A連帯債務の債権者は、各連帯債務者に対し、その負担部分の限度でしか請求できない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。誰に対しても同時・順次に全額または一部を請求できる。
問2
連帯債務の負担部分・求償重要度A連帯債務者の1人が弁済したときは、自己の負担部分を超えて弁済した場合に限り他の債務者に求償できる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。負担部分を超えるかにかかわらず負担割合に応じ求償できる。
問3
相対効と絶対効重要度S連帯債務者の1人に対する債務の免除は、他の連帯債務者にも効力が及ぶ絶対効である。
答え:×(誤り)
解説
誤り。免除は相対効。絶対効は弁済・相殺・更改・混同。
問4
相殺の絶対効重要度A連帯債務者Bが相殺しないとき、他の連帯債務者CはBの負担部分の限度で債権者に履行を拒める。
答え:○(正しい)
解説
正しい。Cは自ら相殺はできず、負担部分の限度で拒絶できるにとどまる。
問5
更改・混同の絶対効重要度B連帯債務者の1人と債権者との間で更改があると、絶対効により連帯債務は全員について消滅する。
答え:○(正しい)
解説
正しい。更改・混同は絶対効で連帯債務が消滅する。
問6
連帯債権とは重要度B連帯債権では、更改・免除・相殺・混同が例外的に絶対効となる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。連帯債権では免除も絶対効になる点が連帯債務と異なる。
連帯債務・保証の問題を続けて解く
この論点に対応する6問を絞り込んで出題します。