権利関係
宅建の賃貸借|修繕・敷金・転貸・相続の基本を整理【2026年度試験対応】
民法の賃貸借を、修繕義務、借主による修繕、敷金返還、転貸、相続で整理。建物の契約と借地借家法の関係を確認します。
要点 8件・基本問題 8問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
賃貸借は、貸主が目的物を使用・収益させ、借主が賃料を支払う契約です。修繕、敷金、転貸などは民法の原則を確認したうえで、建物賃貸借には借地借家法の特則も適用されることを押さえます。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-08
民法の原則と借地借家法の特則を分ける

契約中の修繕:原則、貸主が必要な修繕を負う:借主の帰責事由による場合を除く。敷金:金銭債務を担保する預り金:終了と明渡し後、債務を控除して精算。転貸:原則、貸主の承諾が必要:無断転貸と解除の判断を区別。死亡:原則、権利義務を相続:死亡だけで当然に契約終了しない
図を大きく見る賃貸借の一般的なルールと、居住や建物利用を保護する特別なルールを重ねて読みます。貸主・借主が合意した内容でも、強行規定に反する特約がそのまま有効になるとは限りません。
まず目的物が建物か土地か、普通借家か定期借家かを確認します。そのうえで、契約中の修繕、第三者への使用、契約終了後の精算を時系列で整理すると、別の場面の条件を混ぜにくくなります。
| 項目 | 基本ルール | 注意点 |
|---|---|---|
| 契約中の修繕 | 原則、貸主が必要な修繕を負う | 借主の帰責事由による場合を除く |
| 敷金 | 金銭債務を担保する預り金 | 終了と明渡し後、債務を控除して精算 |
| 転貸 | 原則、貸主の承諾が必要 | 無断転貸と解除の判断を区別 |
| 死亡 | 原則、権利義務を相続 | 死亡だけで当然に契約終了しない |
貸主の修繕義務と借主が修繕できる場合
貸主は、使用・収益に必要な修繕をする義務を負います。ただし、借主の責めに帰すべき事由で修繕が必要になった場合は別です。「設備が壊れたら原因を問わず貸主負担」と単純化しないでください。
借主が必要な修繕を通知し、または貸主が知ったのに相当期間内に修繕しない場合や、急迫の事情がある場合には、借主が修繕できる規定があります。どの修繕でも事前通知なしに自由に高額工事をできるということではありません。
敷金があっても家賃の支払を止められない
敷金は、賃料その他の契約上の金銭債務を担保します。通常は契約終了と目的物の返還の後、未払い債務を控除した残額を返還します。契約が終わった瞬間に常に全額を先払いで返す制度ではありません。
契約中に借主が金銭債務を履行しない場合、貸主は敷金を充てられますが、借主から当然に充当を請求することはできません。「敷金が2か月分あるので今月の家賃は払わない」という判断にはならない点を確認します。
転貸と相続は権利が移る理由を区別する
賃借権の譲渡・転貸には原則として貸主の承諾が必要です。無断で第三者に使用収益させた場合の解除については、判例上の信頼関係破壊の考え方も含め、具体的な事情を確認します。
相続は、任意の譲渡や転貸とは異なる権利義務の承継です。令和6年度問7では、当事者死亡や占有の承継が扱われました。普通の賃貸借が当事者の死亡だけで当然に終わるわけではないことを、この出題例で確かめられます。
根拠:e-Gov:民法601・606・607条の2・612・622条の2・896条不動産適正取引推進機構:過去の試験問題と正解番号最高裁昭和28年9月25日判決:背信的行為と認めるに足りない特段の事情
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和6年度 問7
当事者死亡による契約と占有の承継を確認する
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- e-Gov:民法601・606・607条の2・612・622条の2・896条確認日:2026-09-08
- e-Gov:借地借家法確認日:2026-09-08
- 不動産適正取引推進機構:過去の試験問題と正解番号確認日:2026-09-08
- 最高裁昭和28年9月25日判決:背信的行為と認めるに足りない特段の事情確認日:2026-09-08
賃貸借の存続期間
賃貸借の存続期間は50年を超えることができない。50年を超える定めは50年に短縮される。更新後の期間も50年を超えられない。期間の定めのない賃貸借も有効。
覚え方賃貸借はゴレイ(50)超えられぬ、越えたら削られゴレイ止まり、更新後もゴレイ天井
混同注意・比較表
賃貸不動産譲渡時の対抗関係
「新所有者・賃借人、所有権登記、引渡し、賃貸人地位・敷金」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 不動産の賃貸人の変更と敷金 | 賃借人が対抗要件を備えている不動産が譲渡されたときは、賃貸人の地位は原則として新賃貸人(譲受人)に移転する。対抗要件を備えていない場合でも譲渡人と譲受人の合意があれば(賃借人の承諾は不要)移転する。地位移転を賃借人に主張するには所有権移転登記が必要。 | 賃貸人変更で敷金返還債務は新賃貸人に承継(登記後)。承継されないと誤らせる。 | 覚え方:対抗そなえ物件売れば貸主の地位は新オーナーへ、地位主張には移転登記、登記すりゃ敷金も自動で承継 |
| 賃貸不動産の譲渡と登記 | 賃貸不動産の譲渡があった場合、譲受人は所有権移転登記がなければ、賃借人に対して賃貸人の地位が移転したことを主張できない。 | 賃貸人地位の対抗に登記が要る点。移転主張には所有権移転登記が必要 | 覚え方:賃貸物件を譲り受けたら、移転登記なきゃ賃借人に『大家は俺だ』と言えないぞ譲受人 |
| 民法における賃借権の対抗要件 | 民法では不動産の賃借権を登記すれば第三者に対抗できる。ただし賃貸人に登記協力義務はないため、借地借家法では登記以外の対抗要件を規定している。 | 民法では賃借権の登記で対抗可。ただし賃貸人に登記協力義務はない点。 | 覚え方:民法じゃ賃借登記で第三者に勝てる、けど貸主は協力せぬから借地借家法が助ける |
不動産の賃貸人の変更と敷金
- 基本ルール
- 賃借人が対抗要件を備えている不動産が譲渡されたときは、賃貸人の地位は原則として新賃貸人(譲受人)に移転する。対抗要件を備えていない場合でも譲渡人と譲受人の合意があれば(賃借人の承諾は不要)移転する。地位移転を賃借人に主張するには所有権移転登記が必要。
- 例外・ひっかけ
- 賃貸人変更で敷金返還債務は新賃貸人に承継(登記後)。承継されないと誤らせる。
判断ポイント
覚え方:対抗そなえ物件売れば貸主の地位は新オーナーへ、地位主張には移転登記、登記すりゃ敷金も自動で承継
賃貸不動産の譲渡と登記
- 基本ルール
- 賃貸不動産の譲渡があった場合、譲受人は所有権移転登記がなければ、賃借人に対して賃貸人の地位が移転したことを主張できない。
- 例外・ひっかけ
- 賃貸人地位の対抗に登記が要る点。移転主張には所有権移転登記が必要
判断ポイント
覚え方:賃貸物件を譲り受けたら、移転登記なきゃ賃借人に『大家は俺だ』と言えないぞ譲受人
民法における賃借権の対抗要件
- 基本ルール
- 民法では不動産の賃借権を登記すれば第三者に対抗できる。ただし賃貸人に登記協力義務はないため、借地借家法では登記以外の対抗要件を規定している。
- 例外・ひっかけ
- 民法では賃借権の登記で対抗可。ただし賃貸人に登記協力義務はない点。
判断ポイント
覚え方:民法じゃ賃借登記で第三者に勝てる、けど貸主は協力せぬから借地借家法が助ける
混同注意・比較表
法定地上権・一括競売・賃借人保護
「設定時の建物、同一所有、賃借権の先後、6か月猶予」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 法定地上権とは | 土地・建物を所有する者が土地に抵当権を設定し、抵当権実行により土地と建物の所有者が別々になった場合、自動的に建物所有者に地上権を与えて土地を使えるようにする制度。 | 法定地上権の趣旨のすり替え。所有者が別々になる場面が前提 | 覚え方:法定地上権、土地に抵当かけ実行で所有者バラバラ、じゃあ建物さんに地上権あげて土地を使わせる救済 |
| 法定地上権の成立要件(4つ) | ①抵当権設定当時、土地上に建物が存在すること(登記の有無は問わない)。②設定当時、土地と建物の所有者が同一であること。③土地・建物の一方または双方に抵当権が設定されていること。④抵当権実行により土地と建物の所有者が別々になること。 | 設定当時の建物存在・所有者同一の要件抜け。登記の有無は問わない | 覚え方:法定地上権のヨン要件、設定時に建物あり(登記不問)・所有者が同一・一方か双方に抵当・実行で別々になる |
| 一括競売 | 抵当権設定当時は更地で、設定後にその土地に建物を築造した場合、抵当権者は土地と建物を一括競売にかけられる(建物はBのものでなくてもよい)。ただし抵当権者が優先弁済を受けられるのは土地の代価についてのみ。 | 一括競売でも優先弁済の範囲。優先弁済は土地の代価のみ | 覚え方:更地に抵当その後に建てたら、土地建物イッカツ競売OK(建物は他人でも可)、でも優先弁済は土地代だけ |
| 建物賃借人の引渡し猶予 | 抵当権設定登記後の賃借人(対抗できない場合)は、抵当権実行により買受人に明け渡す必要があるが、一定の場合、買受人が買い受けたときから6カ月を経過するまで建物を引き渡さなくてよい。土地の賃借人にはこの猶予はない。 | 猶予は建物のみ。土地賃借人には猶予なし。期間は買受け時から6カ月。 | 覚え方:抵当後の店子は買受人にサヨナラ、でも猶予は無(6)ロっとムー(6カ月)、土地の借主にゃ猶予なし |
| 抵当権と賃借権の関係 | 抵当権設定登記前の賃借権は対抗要件を備えていれば抵当権者等に対抗できる。設定登記後の賃借権は原則対抗できないが、例外としてすべての抵当権者が同意しその同意の登記があれば対抗できる。 | 設定登記の前後で対抗の可否が逆。後の賃借権は「全抵当権者の同意+同意登記」が例外要件。 | 覚え方:抵当より先に住みゃ勝てる、後からじゃダメ、でも全抵当が『同意登記』でひっくり返る |
法定地上権とは
- 基本ルール
- 土地・建物を所有する者が土地に抵当権を設定し、抵当権実行により土地と建物の所有者が別々になった場合、自動的に建物所有者に地上権を与えて土地を使えるようにする制度。
- 例外・ひっかけ
- 法定地上権の趣旨のすり替え。所有者が別々になる場面が前提
判断ポイント
覚え方:法定地上権、土地に抵当かけ実行で所有者バラバラ、じゃあ建物さんに地上権あげて土地を使わせる救済
法定地上権の成立要件(4つ)
- 基本ルール
- ①抵当権設定当時、土地上に建物が存在すること(登記の有無は問わない)。②設定当時、土地と建物の所有者が同一であること。③土地・建物の一方または双方に抵当権が設定されていること。④抵当権実行により土地と建物の所有者が別々になること。
- 例外・ひっかけ
- 設定当時の建物存在・所有者同一の要件抜け。登記の有無は問わない
判断ポイント
覚え方:法定地上権のヨン要件、設定時に建物あり(登記不問)・所有者が同一・一方か双方に抵当・実行で別々になる
一括競売
- 基本ルール
- 抵当権設定当時は更地で、設定後にその土地に建物を築造した場合、抵当権者は土地と建物を一括競売にかけられる(建物はBのものでなくてもよい)。ただし抵当権者が優先弁済を受けられるのは土地の代価についてのみ。
- 例外・ひっかけ
- 一括競売でも優先弁済の範囲。優先弁済は土地の代価のみ
判断ポイント
覚え方:更地に抵当その後に建てたら、土地建物イッカツ競売OK(建物は他人でも可)、でも優先弁済は土地代だけ
建物賃借人の引渡し猶予
- 基本ルール
- 抵当権設定登記後の賃借人(対抗できない場合)は、抵当権実行により買受人に明け渡す必要があるが、一定の場合、買受人が買い受けたときから6カ月を経過するまで建物を引き渡さなくてよい。土地の賃借人にはこの猶予はない。
- 例外・ひっかけ
- 猶予は建物のみ。土地賃借人には猶予なし。期間は買受け時から6カ月。
判断ポイント
覚え方:抵当後の店子は買受人にサヨナラ、でも猶予は無(6)ロっとムー(6カ月)、土地の借主にゃ猶予なし
抵当権と賃借権の関係
- 基本ルール
- 抵当権設定登記前の賃借権は対抗要件を備えていれば抵当権者等に対抗できる。設定登記後の賃借権は原則対抗できないが、例外としてすべての抵当権者が同意しその同意の登記があれば対抗できる。
- 例外・ひっかけ
- 設定登記の前後で対抗の可否が逆。後の賃借権は「全抵当権者の同意+同意登記」が例外要件。
判断ポイント
覚え方:抵当より先に住みゃ勝てる、後からじゃダメ、でも全抵当が『同意登記』でひっくり返る
最重要・比較表
民法賃貸借・借地・借家の存続期間
「上限・下限、短い定め、更新後、通知、正当事由」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 民法・借地借家法(借地)・(借家)の存続期間比較最重要 | 存続期間:民法は最長50年。借地は当初30年以上・最初の更新20年以上・2回目以降10年以上。借家は最長制限なし・1年未満は期間の定めなしとみなす。期間の定めがない場合の終了:民法は解約申入れから土地1年・建物3カ月経過後に終了。 | 民法最長50年、借地当初30年、借家は上限なし。賃借人からの解約は正当事由不要・3カ月。数字と主体の混同に注意 | 覚え方:民法ゴマ(50年)、借地サンマ (30)→更新ハタ (20)→トウ (10)、借家は無制限で1年未満はナシ扱い |
| 借地権の当初の存続期間 | 民法上の賃貸借は最長50年だが、借地借家法の借地権の存続期間は30年。契約でこれより短い期間を定めても30年となる。30年より長い期間を定めた場合はその契約期間が存続期間となる(上限なし)。 | 借地権の当初存続期間は30年。短い定めは30年に。50年と混同させる。 | 覚え方:借地の当初はサンレイ(30年)固定、短く決めてもサンレイ、長けりゃその期間で青天井 |
| 賃貸借の存続期間 | 賃貸借の存続期間は50年を超えることができない。50年を超える定めは50年に短縮される。更新後の期間も50年を超えられない。期間の定めのない賃貸借も有効。 | 賃貸借の上限は50年。超える定めは50年に短縮。20年と誤らせる典型。 | 覚え方:賃貸借はゴレイ(50)超えられぬ、越えたら削られゴレイ止まり、更新後もゴレイ天井 |
| 契約の更新方法(合意・請求・法定)と更新後期間 | 更新方法は合意更新・請求更新・法定更新の3つ。請求更新と法定更新は借地上に建物が存在する場合に限られる(合意更新は建物なしでもOK)。更新後の期間は最初の更新が20年以上、2回目以降の更新が10年以上。 | 更新後期間は最初20年・2回目以降10年。数字入替えに注意。請求/法定更新は建物必要。 | 覚え方:更新はゴウ・セイ・ホウ(合意・請求・法定)の三本、請求と法定は建物あってこそ、後はニレイ(20年)以上・二回目からトオ(10年)以上 |
| 一般定期借地権 | 存続期間を50年以上とする借地権を設定する場合、 (1)契約の更新がない、 (2)建物滅失時の再築による存続期間延長がない、 (3)建物買取請求権がない、旨の特約を定められる。特約は書面(公正証書でなくてもよい)または電磁的記録で行う必要がある。 | 一般定期借地権は存続期間50年以上・書面(公正証書に限らない)または電磁的記録。 | 覚え方:一般定借はゴレイ(50年)以上、更新なし・再築延長なし・買取なしの三ナシ特約、書面か電子で(公正証書までは不要) |
| 事業用定期借地権 | もっぱら事業用建物(居住用を除く)の所有を目的とし、存続期間を10年以上50年未満とする借地権。10年以上30年未満のものは更新・再築による延長・建物買取請求権等がなく、30年以上50年未満のものはこれらがない旨の特約を定められる。設定は必ず公正証書で行わなければならない。 | 事業用定期借地権は10年以上50年未満・居住用不可・必ず公正証書。数字と用途に注意。 | 覚え方:事業用定借はトオ(10年)以上ゴレイ(50年)未満、居住はダメ、設定は必ずコウセイ(公正)証書で決めろ |
民法・借地借家法(借地)・(借家)の存続期間比較
最重要- 基本ルール
- 存続期間:民法は最長50年。借地は当初30年以上・最初の更新20年以上・2回目以降10年以上。借家は最長制限なし・1年未満は期間の定めなしとみなす。期間の定めがない場合の終了:民法は解約申入れから土地1年・建物3カ月経過後に終了。
- 例外・ひっかけ
- 民法最長50年、借地当初30年、借家は上限なし。賃借人からの解約は正当事由不要・3カ月。数字と主体の混同に注意
判断ポイント
覚え方:民法ゴマ(50年)、借地サンマ
(30)→更新ハタ
(20)→トウ
(10)、借家は無制限で1年未満はナシ扱い
借地権の当初の存続期間
- 基本ルール
- 民法上の賃貸借は最長50年だが、借地借家法の借地権の存続期間は30年。契約でこれより短い期間を定めても30年となる。30年より長い期間を定めた場合はその契約期間が存続期間となる(上限なし)。
- 例外・ひっかけ
- 借地権の当初存続期間は30年。短い定めは30年に。50年と混同させる。
判断ポイント
覚え方:借地の当初はサンレイ(30年)固定、短く決めてもサンレイ、長けりゃその期間で青天井
賃貸借の存続期間
- 基本ルール
- 賃貸借の存続期間は50年を超えることができない。50年を超える定めは50年に短縮される。更新後の期間も50年を超えられない。期間の定めのない賃貸借も有効。
- 例外・ひっかけ
- 賃貸借の上限は50年。超える定めは50年に短縮。20年と誤らせる典型。
判断ポイント
覚え方:賃貸借はゴレイ(50)超えられぬ、越えたら削られゴレイ止まり、更新後もゴレイ天井
契約の更新方法(合意・請求・法定)と更新後期間
- 基本ルール
- 更新方法は合意更新・請求更新・法定更新の3つ。請求更新と法定更新は借地上に建物が存在する場合に限られる(合意更新は建物なしでもOK)。更新後の期間は最初の更新が20年以上、2回目以降の更新が10年以上。
- 例外・ひっかけ
- 更新後期間は最初20年・2回目以降10年。数字入替えに注意。請求/法定更新は建物必要。
判断ポイント
覚え方:更新はゴウ・セイ・ホウ(合意・請求・法定)の三本、請求と法定は建物あってこそ、後はニレイ(20年)以上・二回目からトオ(10年)以上
一般定期借地権
- 基本ルール
- 存続期間を50年以上とする借地権を設定する場合、
(1)契約の更新がない、
(2)建物滅失時の再築による存続期間延長がない、
(3)建物買取請求権がない、旨の特約を定められる。特約は書面(公正証書でなくてもよい)または電磁的記録で行う必要がある。 - 例外・ひっかけ
- 一般定期借地権は存続期間50年以上・書面(公正証書に限らない)または電磁的記録。
判断ポイント
覚え方:一般定借はゴレイ(50年)以上、更新なし・再築延長なし・買取なしの三ナシ特約、書面か電子で(公正証書までは不要)
事業用定期借地権
- 基本ルール
- もっぱら事業用建物(居住用を除く)の所有を目的とし、存続期間を10年以上50年未満とする借地権。10年以上30年未満のものは更新・再築による延長・建物買取請求権等がなく、30年以上50年未満のものはこれらがない旨の特約を定められる。設定は必ず公正証書で行わなければならない。
- 例外・ひっかけ
- 事業用定期借地権は10年以上50年未満・居住用不可・必ず公正証書。数字と用途に注意。
判断ポイント
覚え方:事業用定借はトオ(10年)以上ゴレイ(50年)未満、居住はダメ、設定は必ずコウセイ(公正)証書で決めろ
混同注意・比較表
民法・借地・借家の対抗要件
「賃借権登記、建物登記、引渡し、滅失後の掲示」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 民法・借地借家法の対抗要件・その他比較 | 対抗要件:民法は賃借権の登記。借地は賃借権の登記または借地上の建物の登記。借家は賃借権の登記または建物の引渡し。その他:借地では一定の場合に建物買取請求権、借家では一定の場合に造作買取請求権が認められる。 | 借地の対抗要件は建物の登記、借家は建物の引渡し。買取請求権は借地=建物、借家=造作。組合せのすり替えに注意 | 覚え方:対抗は民法トウキ(登記)のみ、借地は建物登記もOK、借家は引渡しでOK、買取請求も忘れずに |
| 借地権の対抗力 | 民法上、不動産賃借権を第三者に対抗するには登記が必要だが、借地借家法では借地権の登記がなくても、借地上に借地権者が自己を所有者として登記した建物を所有していれば第三者に対抗できる。登記は表示の登記でもよい。 | 対抗力は「借地権者名義で登記した建物の所有」。表示登記でも可。建物登記は借地権登記でなくてよい。 | 覚え方:登記なくても自分名義の建物建ってりゃ借地は第三者に対抗、表示の登記でも文句なし |
| 民法における賃借権の対抗要件 | 民法では不動産の賃借権を登記すれば第三者に対抗できる。ただし賃貸人に登記協力義務はないため、借地借家法では登記以外の対抗要件を規定している。 | 民法では賃借権の登記で対抗可。ただし賃貸人に登記協力義務はない点。 | 覚え方:民法じゃ賃借登記で第三者に勝てる、けど貸主は協力せぬから借地借家法が助ける |
| 建物滅失後の借地権の対抗力維持 | 登記した建物が滅失した場合でも、一定の内容(滅失建物の特定・滅失日・再築予定等)をその土地の見やすい場所に掲示すれば、滅失日から2年を経過するまでは借地権の対抗力を維持できる。 | 滅失後の掲示による対抗力維持は滅失日から2年間。数字すり替えに注意。 | 覚え方:建物燃えても看板掲示で対抗キープ、滅失からニ(2年)過ぎるまでは借地は生きてる |
| 建物賃借権(借家権)の対抗力 | 民法上、建物賃借権を第三者に対抗するには建物賃借権の登記が必要だが、借地借家法では登記がなくても建物の引渡しがあれば第三者に対抗できる。 | 借家権は建物の引渡しで対抗可。登記が必要と誤らせる。 | 覚え方:民法は借家も登記いるが、借地借家法なら引渡しさえありゃ第三者に対抗できる |
民法・借地借家法の対抗要件・その他比較
- 基本ルール
- 対抗要件:民法は賃借権の登記。借地は賃借権の登記または借地上の建物の登記。借家は賃借権の登記または建物の引渡し。その他:借地では一定の場合に建物買取請求権、借家では一定の場合に造作買取請求権が認められる。
- 例外・ひっかけ
- 借地の対抗要件は建物の登記、借家は建物の引渡し。買取請求権は借地=建物、借家=造作。組合せのすり替えに注意
判断ポイント
覚え方:対抗は民法トウキ(登記)のみ、借地は建物登記もOK、借家は引渡しでOK、買取請求も忘れずに
借地権の対抗力
- 基本ルール
- 民法上、不動産賃借権を第三者に対抗するには登記が必要だが、借地借家法では借地権の登記がなくても、借地上に借地権者が自己を所有者として登記した建物を所有していれば第三者に対抗できる。登記は表示の登記でもよい。
- 例外・ひっかけ
- 対抗力は「借地権者名義で登記した建物の所有」。表示登記でも可。建物登記は借地権登記でなくてよい。
判断ポイント
覚え方:登記なくても自分名義の建物建ってりゃ借地は第三者に対抗、表示の登記でも文句なし
民法における賃借権の対抗要件
- 基本ルール
- 民法では不動産の賃借権を登記すれば第三者に対抗できる。ただし賃貸人に登記協力義務はないため、借地借家法では登記以外の対抗要件を規定している。
- 例外・ひっかけ
- 民法では賃借権の登記で対抗可。ただし賃貸人に登記協力義務はない点。
判断ポイント
覚え方:民法じゃ賃借登記で第三者に勝てる、けど貸主は協力せぬから借地借家法が助ける
建物滅失後の借地権の対抗力維持
- 基本ルール
- 登記した建物が滅失した場合でも、一定の内容(滅失建物の特定・滅失日・再築予定等)をその土地の見やすい場所に掲示すれば、滅失日から2年を経過するまでは借地権の対抗力を維持できる。
- 例外・ひっかけ
- 滅失後の掲示による対抗力維持は滅失日から2年間。数字すり替えに注意。
判断ポイント
覚え方:建物燃えても看板掲示で対抗キープ、滅失からニ(2年)過ぎるまでは借地は生きてる
建物賃借権(借家権)の対抗力
- 基本ルール
- 民法上、建物賃借権を第三者に対抗するには建物賃借権の登記が必要だが、借地借家法では登記がなくても建物の引渡しがあれば第三者に対抗できる。
- 例外・ひっかけ
- 借家権は建物の引渡しで対抗可。登記が必要と誤らせる。
判断ポイント
覚え方:民法は借家も登記いるが、借地借家法なら引渡しさえありゃ第三者に対抗できる
混同注意・比較表
賃借権譲渡・転貸
「承諾、当事者関係、直接請求、背信性、解除」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 賃借権の譲渡・賃借物の転貸の要件 | 賃借権の譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要(黙認も含む)。承諾は賃借人・転借人いずれに対するものでもよい。無断で譲渡・転貸した場合、原則として賃貸人は契約を解除できる(現実に譲受人・転借人が使用している場合)。 | 譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要。承諾の相手は賃借人・転借人どちらでもよい。 | 覚え方:貸したり又貸しゃ貸主の承諾いる、黙認もアリ、無断でやりゃ原則カイジョ(解除)されるぞ |
| 無断譲渡・転貸の解除の例外(背信的行為) | 無断譲渡・転貸でも、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情がある場合は、賃貸人は契約を解除できない。 | 背信的行為と認めるに足りない特段の事情があれば解除できない例外。 | 覚え方:無断でも背信ハイシンってほどじゃない特段の事情ありゃ、貸主は解除できません |
| 賃借物の転貸の効果 | 転貸しても賃貸人と賃借人(転貸人)の関係は終了しない。賃貸人は賃借人に賃料請求でき、賃借人が賃料を払わない場合は転借人に直接賃料を請求できる。転借人は賃借人の債務の範囲を限度に直接履行義務を負う。 | 適法転貸でも賃貸人・賃借人の関係は継続。賃貸人は転借人に直接請求もできる点。 | 覚え方:テンタイ(転貸)しても貸主と借主は切れず、借主が滞納すりゃ転借人に直接『払え』 |
| 賃貸人が転借人に直接請求できる限度額 | 賃貸人が転借人に直接賃料を請求する場合、賃料と転借料のうちいずれか低い金額が限度となる。例:賃料15万円・転借料10万円なら10万円が限度。 | 直接請求できる限度は賃料と転借料のうち低い方。高い方と誤らせる。 | 覚え方:転借人への直接請求は賃料と転借料の低いほう、十五(15万)と十(10万)ならジュウ(10万)が限度 |
| 賃借権の譲渡の効果 | 賃借権が譲渡されると譲受人が新賃借人となり、賃貸人と旧賃借人の関係は終了する。賃貸人は旧賃借人には賃料を請求できず、新賃借人に請求できる。 | 譲渡の場合は旧賃借人との関係が終了。転貸(関係継続)との相違に注意。 | 覚え方:ジョウト(譲渡)されりゃ新借主が主役、旧借主は退場、貸主は新人にだけ請求 |
賃借権の譲渡・賃借物の転貸の要件
- 基本ルール
- 賃借権の譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要(黙認も含む)。承諾は賃借人・転借人いずれに対するものでもよい。無断で譲渡・転貸した場合、原則として賃貸人は契約を解除できる(現実に譲受人・転借人が使用している場合)。
- 例外・ひっかけ
- 譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要。承諾の相手は賃借人・転借人どちらでもよい。
判断ポイント
覚え方:貸したり又貸しゃ貸主の承諾いる、黙認もアリ、無断でやりゃ原則カイジョ(解除)されるぞ
無断譲渡・転貸の解除の例外(背信的行為)
- 基本ルール
- 無断譲渡・転貸でも、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情がある場合は、賃貸人は契約を解除できない。
- 例外・ひっかけ
- 背信的行為と認めるに足りない特段の事情があれば解除できない例外。
判断ポイント
覚え方:無断でも背信ハイシンってほどじゃない特段の事情ありゃ、貸主は解除できません
賃借物の転貸の効果
- 基本ルール
- 転貸しても賃貸人と賃借人(転貸人)の関係は終了しない。賃貸人は賃借人に賃料請求でき、賃借人が賃料を払わない場合は転借人に直接賃料を請求できる。転借人は賃借人の債務の範囲を限度に直接履行義務を負う。
- 例外・ひっかけ
- 適法転貸でも賃貸人・賃借人の関係は継続。賃貸人は転借人に直接請求もできる点。
判断ポイント
覚え方:テンタイ(転貸)しても貸主と借主は切れず、借主が滞納すりゃ転借人に直接『払え』
賃貸人が転借人に直接請求できる限度額
- 基本ルール
- 賃貸人が転借人に直接賃料を請求する場合、賃料と転借料のうちいずれか低い金額が限度となる。例:賃料15万円・転借料10万円なら10万円が限度。
- 例外・ひっかけ
- 直接請求できる限度は賃料と転借料のうち低い方。高い方と誤らせる。
判断ポイント
覚え方:転借人への直接請求は賃料と転借料の低いほう、十五(15万)と十(10万)ならジュウ(10万)が限度
賃借権の譲渡の効果
- 基本ルール
- 賃借権が譲渡されると譲受人が新賃借人となり、賃貸人と旧賃借人の関係は終了する。賃貸人は旧賃借人には賃料を請求できず、新賃借人に請求できる。
- 例外・ひっかけ
- 譲渡の場合は旧賃借人との関係が終了。転貸(関係継続)との相違に注意。
判断ポイント
覚え方:ジョウト(譲渡)されりゃ新借主が主役、旧借主は退場、貸主は新人にだけ請求
最重要・比較表
元契約終了時の転借人保護
「合意解除、債務不履行解除、期間満了、通知、終了時期」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 賃貸借の合意解除と転貸借最重要 | 適法な転貸後、賃貸人(A)と賃借人(B)が賃貸借を合意解除しても、原則として賃貸人は転借人(C)に対抗できず、明渡しを請求できない。ただし合意解除時に賃貸人がBの債務不履行による解除権を有していたときは対抗できる。 | 合意解除は原則転借人に対抗不可。債務不履行解除権があれば例外的に対抗可。 | 覚え方:合意(ゴウイ)で仲良く解除しても転借人Cにゃ対抗できぬ、でも解除権もってりゃ話は別 |
| 賃貸借の債務不履行解除と転貸借 | 賃借人(B)の債務不履行で賃貸借が解除されたときは、転借人(C)は賃貸人(A)に対抗できず、AはCに明渡しを請求できる。この際AはCに賃料支払の機会を与える通知は不要。 | 債務不履行解除は転借人に対抗可。転借人への賃料支払機会の通知は不要。 | 覚え方:Bの滞納で不履行解除なら、転借人Cはお手上げ、AはCに『出てけ』、支払機会の通知も不要 |
賃貸借の合意解除と転貸借
最重要- 基本ルール
- 適法な転貸後、賃貸人(A)と賃借人(B)が賃貸借を合意解除しても、原則として賃貸人は転借人(C)に対抗できず、明渡しを請求できない。ただし合意解除時に賃貸人がBの債務不履行による解除権を有していたときは対抗できる。
- 例外・ひっかけ
- 合意解除は原則転借人に対抗不可。債務不履行解除権があれば例外的に対抗可。
判断ポイント
覚え方:合意(ゴウイ)で仲良く解除しても転借人Cにゃ対抗できぬ、でも解除権もってりゃ話は別
賃貸借の債務不履行解除と転貸借
- 基本ルール
- 賃借人(B)の債務不履行で賃貸借が解除されたときは、転借人(C)は賃貸人(A)に対抗できず、AはCに明渡しを請求できる。この際AはCに賃料支払の機会を与える通知は不要。
- 例外・ひっかけ
- 債務不履行解除は転借人に対抗可。転借人への賃料支払機会の通知は不要。
判断ポイント
覚え方:Bの滞納で不履行解除なら、転借人Cはお手上げ、AはCに『出てけ』、支払機会の通知も不要
混同注意・比較表
賃貸借終了時のお金
「必要費、有益費、原状回復、敷金、返還時期、承継」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 必要費と有益費 | 必要費=現状維持に必要な支出(雨漏り修繕等)。賃借人が支出したときは直ちに費用償還を請求できる。有益費=価値を増加させる支出(ウォシュレット等)。賃貸借終了時に価値増加が残っていれば、賃貸人は「支出額」か「増価額」のいずれかを選択して償還する。 | 必要費は直ちに請求可。有益費は終了時に賃貸人が支出額か増価額を選択償還。混同注意。 | 覚え方:必要費(雨漏り)は今すぐ返せ、有益費(ウォシュレット)は終了時、貸主が支出額か増価額を選んで払う |
| 敷金の返還時期 | 敷金の返還は、賃貸借契約が終了し賃貸物を返還したあと、または賃借人が適法に賃借権を譲り渡したときとなる。「賃貸物の返還」と「敷金の返還」は同時履行の関係にない(明渡しが先)。 | 明渡しが先で同時履行の関係にない点。同時履行と誤らせる典型。 | 覚え方:敷金返還は明け渡してから、明渡しが先で同時履行にゃならんのよ |
| 不動産の賃貸人の変更と敷金 | 賃借人が対抗要件を備えている不動産が譲渡されたときは、賃貸人の地位は原則として新賃貸人(譲受人)に移転する。対抗要件を備えていない場合でも譲渡人と譲受人の合意があれば(賃借人の承諾は不要)移転する。地位移転を賃借人に主張するには所有権移転登記が必要。 | 賃貸人変更で敷金返還債務は新賃貸人に承継(登記後)。承継されないと誤らせる。 | 覚え方:対抗そなえ物件売れば貸主の地位は新オーナーへ、地位主張には移転登記、登記すりゃ敷金も自動で承継 |
| 賃借人の変更と敷金 | 賃借権の譲渡で賃借人が変わった場合(借手チェンジ)、敷金についての権利義務は原則として新賃借人に承継されない。 | 賃借人変更(借手チェンジ)では敷金は原則承継されない。賃貸人変更と逆。 | 覚え方:借手チェンジ(賃借人交代)じゃ敷金は原則ついてこない、新借主に引き継がれず |
| 原状回復義務 | 賃借人は受取り後に生じた損傷(通常の使用による損耗・経年変化を除く)につき、賃貸借終了時に原状回復義務を負う。ただし賃借人の責めに帰することができない事由による損傷は原状回復義務なし。 | 通常損耗・経年変化は原状回復の対象外。含めると誤り。 | 覚え方:現状(原状)回復は借主の傷だけ、通常使用の擦り減りは除く、借主無責なら回復ムヨウ |
必要費と有益費
- 基本ルール
- 必要費=現状維持に必要な支出(雨漏り修繕等)。賃借人が支出したときは直ちに費用償還を請求できる。有益費=価値を増加させる支出(ウォシュレット等)。賃貸借終了時に価値増加が残っていれば、賃貸人は「支出額」か「増価額」のいずれかを選択して償還する。
- 例外・ひっかけ
- 必要費は直ちに請求可。有益費は終了時に賃貸人が支出額か増価額を選択償還。混同注意。
判断ポイント
覚え方:必要費(雨漏り)は今すぐ返せ、有益費(ウォシュレット)は終了時、貸主が支出額か増価額を選んで払う
敷金の返還時期
- 基本ルール
- 敷金の返還は、賃貸借契約が終了し賃貸物を返還したあと、または賃借人が適法に賃借権を譲り渡したときとなる。「賃貸物の返還」と「敷金の返還」は同時履行の関係にない(明渡しが先)。
- 例外・ひっかけ
- 明渡しが先で同時履行の関係にない点。同時履行と誤らせる典型。
判断ポイント
覚え方:敷金返還は明け渡してから、明渡しが先で同時履行にゃならんのよ
不動産の賃貸人の変更と敷金
- 基本ルール
- 賃借人が対抗要件を備えている不動産が譲渡されたときは、賃貸人の地位は原則として新賃貸人(譲受人)に移転する。対抗要件を備えていない場合でも譲渡人と譲受人の合意があれば(賃借人の承諾は不要)移転する。地位移転を賃借人に主張するには所有権移転登記が必要。
- 例外・ひっかけ
- 賃貸人変更で敷金返還債務は新賃貸人に承継(登記後)。承継されないと誤らせる。
判断ポイント
覚え方:対抗そなえ物件売れば貸主の地位は新オーナーへ、地位主張には移転登記、登記すりゃ敷金も自動で承継
賃借人の変更と敷金
- 基本ルール
- 賃借権の譲渡で賃借人が変わった場合(借手チェンジ)、敷金についての権利義務は原則として新賃借人に承継されない。
- 例外・ひっかけ
- 賃借人変更(借手チェンジ)では敷金は原則承継されない。賃貸人変更と逆。
判断ポイント
覚え方:借手チェンジ(賃借人交代)じゃ敷金は原則ついてこない、新借主に引き継がれず
原状回復義務
- 基本ルール
- 賃借人は受取り後に生じた損傷(通常の使用による損耗・経年変化を除く)につき、賃貸借終了時に原状回復義務を負う。ただし賃借人の責めに帰することができない事由による損傷は原状回復義務なし。
- 例外・ひっかけ
- 通常損耗・経年変化は原状回復の対象外。含めると誤り。
判断ポイント
覚え方:現状(原状)回復は借主の傷だけ、通常使用の擦り減りは除く、借主無責なら回復ムヨウ
01賃貸借の重要暗記項目
賃貸借の存続期間
賃貸借の存続期間は50年を超えることができない。50年を超える定めは50年に短縮される。更新後の期間も50年を超えられない。期間の定めのない賃貸借も有効。
覚え方賃貸借はゴレイ(50)超えられぬ、越えたら削られゴレイ止まり、更新後もゴレイ天井
ひっかけ注意賃貸借の上限は50年。超える定めは50年に短縮。20年と誤らせる典型。
賃貸借の終了
期間の定めがある場合は原則期間満了で終了(満了後も賃借人が使用継続し賃貸人が異議を述べなければ同条件で更新と推定)。期間の定めがない場合はいつでも解約申入れができ、土地は申入れの日から1年経過後、建物は3カ月経過後に終了。
覚え方定めあれば満了終了、定めなしなら解約申入れ、土地はイチ(1年)、建物はサン(3カ月)で終わる
ひっかけ注意期間の定めなしの解約後の終了時期。土地1年・建物3カ月の数字入替えに注意。
必要費と有益費
必要費=現状維持に必要な支出(雨漏り修繕等)。賃借人が支出したときは直ちに費用償還を請求できる。有益費=価値を増加させる支出(ウォシュレット等)。賃貸借終了時に価値増加が残っていれば、賃貸人は「支出額」か「増価額」のいずれかを選択して償還する。
覚え方必要費(雨漏り)は今すぐ返せ、有益費(ウォシュレット)は終了時、貸主が支出額か増価額を選んで払う
ひっかけ注意必要費は直ちに請求可。有益費は終了時に賃貸人が支出額か増価額を選択償還。混同注意。
賃借権の譲渡・賃借物の転貸の要件
賃借権の譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要(黙認も含む)。承諾は賃借人・転借人いずれに対するものでもよい。無断で譲渡・転貸した場合、原則として賃貸人は契約を解除できる(現実に譲受人・転借人が使用している場合)。
覚え方貸したり又貸しゃ貸主の承諾いる、黙認もアリ、無断でやりゃ原則カイジョ(解除)されるぞ
ひっかけ注意譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要。承諾の相手は賃借人・転借人どちらでもよい。
無断譲渡・転貸の解除の例外(背信的行為)
無断譲渡・転貸でも、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情がある場合は、賃貸人は契約を解除できない。
覚え方無断でも背信ハイシンってほどじゃない特段の事情ありゃ、貸主は解除できません
ひっかけ注意背信的行為と認めるに足りない特段の事情があれば解除できない例外。
賃借物の転貸の効果
転貸しても賃貸人と賃借人(転貸人)の関係は終了しない。賃貸人は賃借人に賃料請求でき、賃借人が賃料を払わない場合は転借人に直接賃料を請求できる。転借人は賃借人の債務の範囲を限度に直接履行義務を負う。
覚え方テンタイ(転貸)しても貸主と借主は切れず、借主が滞納すりゃ転借人に直接『払え』
ひっかけ注意適法転貸でも賃貸人・賃借人の関係は継続。賃貸人は転借人に直接請求もできる点。
賃貸人が転借人に直接請求できる限度額
賃貸人が転借人に直接賃料を請求する場合、賃料と転借料のうちいずれか低い金額が限度となる。例:賃料15万円・転借料10万円なら10万円が限度。
覚え方転借人への直接請求は賃料と転借料の低いほう、十五(15万)と十(10万)ならジュウ(10万)が限度
ひっかけ注意直接請求できる限度は賃料と転借料のうち低い方。高い方と誤らせる。
賃貸借の合意解除と転貸借
適法な転貸後、賃貸人(A)と賃借人(B)が賃貸借を合意解除しても、原則として賃貸人は転借人(C)に対抗できず、明渡しを請求できない。ただし合意解除時に賃貸人がBの債務不履行による解除権を有していたときは対抗できる。
覚え方合意(ゴウイ)で仲良く解除しても転借人Cにゃ対抗できぬ、でも解除権もってりゃ話は別
ひっかけ注意合意解除は原則転借人に対抗不可。債務不履行解除権があれば例外的に対抗可。
誤答が集中する引っかけ
8件ひっかけ賃貸借の存続期間
賃貸借の上限は50年。超える定めは50年に短縮。20年と誤らせる典型。
残り7件は論点整理プレミアムでご覧いただけます。61論点分の引っかけを、出題ランク順にまとめています。
論点整理プレミアムを見る03この論点の根拠
- 関連法令
- 民法
- 情報確認日
- 2026年4月1日施行法令基準
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
賃貸借の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
権利関係重要度 A頻出度 5/24(編集部の目安)
賃貸借の存続期間
賃貸借の存続期間は最長20年であり、これを超える定めは20年に短縮される。
賃貸借の○×一問一答19問|問題と解説
この論点で収録している19問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
賃貸借の存続期間重要度A賃貸借の存続期間は最長20年であり、これを超える定めは20年に短縮される。
答え:×(誤り)
解説
誤り。正しくは最長50年で、超える定めは50年に短縮される。
問2
賃貸借の終了重要度A期間の定めのない土地の賃貸借は、解約申入れの日から3カ月を経過することで終了する。
答え:×(誤り)
解説
誤り。土地は1年、建物は3カ月の経過で終了する。
問3
民法における賃借権の対抗要件重要度B民法上、不動産の賃借権を登記すれば第三者に対抗できるが、賃貸人に登記協力義務はない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。協力義務がないため借地借家法が別の対抗要件を定めている。
問4
目的物の修繕義務重要度B賃借人の責めに帰すべき事由で修繕が必要となった場合でも、賃貸人は修繕義務を負う。
答え:×(誤り)
解説
誤り。賃借人の帰責事由による場合は賃貸人は修繕義務を負わない。
問5
必要費と有益費重要度A賃借人が支出した必要費は、賃貸借の終了時にはじめて賃貸人に償還請求できる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。必要費は直ちに償還請求できる(終了時は有益費)。
問6
原状回復義務重要度B賃借人は、通常の使用による損耗や経年変化についても原状回復義務を負う。
答え:×(誤り)
解説
誤り。通常損耗・経年変化は原状回復義務の対象外。
問7
賃料の減額・解除重要度B賃借物の一部が賃借人の帰責事由なく使用収益できなくなったときは、賃借人の請求により賃料が減額される。
答え:×(誤り)
解説
誤り。請求は不要で、割合に応じ当然に減額される。
問8
賃借人による妨害の停止の請求等重要度B対抗要件を備えた不動産の賃借人は、占有を妨害する第三者に対し妨害排除を請求できる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。対抗要件を備えれば妨害排除・返還請求ができる。
問9
賃借権の譲渡・賃借物の転貸の要件重要度A賃借権の譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要であり、承諾は賃借人・転借人いずれに対してもよい。
答え:○(正しい)
解説
正しい。承諾は黙認も含み、相手はいずれでもよい。
問10
無断譲渡・転貸の解除の例外(背信的行為)重要度A無断で転貸された場合でも、賃貸人への背信的行為と認めるに足りない特段の事情があれば解除できない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。背信的行為と認められない特段の事情があれば解除不可。
問11
賃借物の転貸の効果重要度A賃借物が適法に転貸されると、賃貸人と賃借人の賃貸借関係は当然に終了する。
答え:×(誤り)
解説
誤り。転貸しても賃貸人と賃借人の関係は終了しない。
問12
賃借権の譲渡の効果重要度B賃借権が譲渡されると、賃貸人と旧賃借人の関係は終了し、賃貸人は新賃借人に賃料を請求する。
答え:○(正しい)
解説
正しい。譲渡では旧賃借人との関係が終了する(転貸と異なる)。
問13
賃貸人が転借人に直接請求できる限度額重要度A賃料15万円・転借料10万円の場合、賃貸人は転借人に対し15万円を限度として直接請求できる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。賃料と転借料のうち低い方の10万円が限度となる。
問14
賃貸借の合意解除と転貸借重要度A適法な転貸後に賃貸人と賃借人が賃貸借を合意解除すれば、賃貸人は当然に転借人へ明渡しを請求できる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。合意解除は原則転借人に対抗できず明渡請求できない。
問15
賃貸借の債務不履行解除と転貸借重要度A賃借人の債務不履行で賃貸借が解除された場合、賃貸人は転借人に賃料支払の機会を与えなければ明渡請求できない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。債務不履行解除では通知不要で転借人に明渡請求できる。
問16
敷金とは重要度A賃借人は、賃料を滞納した場合、賃貸人に対し未払分を敷金から充当するよう請求できる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。敷金充当は賃貸人の任意で、賃借人から充当請求はできない。
問17
敷金の返還時期重要度A敷金の返還と賃貸物の明渡しは同時履行の関係に立ち、賃借人は明渡しと引換えに敷金返還を請求できる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。明渡しが先で、両者は同時履行の関係に立たない。
問18
不動産の賃貸人の変更と敷金重要度A対抗要件を備えた不動産が譲渡され所有権移転登記もされた場合、敷金返還債務は新賃貸人に承継される。
答え:○(正しい)
解説
正しい。賃貸人の地位移転に伴い敷金返還債務も承継される。
問19
賃借人の変更と敷金重要度A賃借権の譲渡で賃借人が変わった場合、敷金に関する権利義務は当然に新賃借人へ承継される。
答え:×(誤り)
解説
誤り。賃借人変更では敷金は原則新賃借人に承継されない。
賃貸借の問題を続けて解く
この論点に対応する19問を絞り込んで出題します。