権利関係
宅建の抵当権を図解|効力の範囲・順位・法定地上権【2026年度試験対応】
宅建の抵当権を、占有を移さない担保・効力の範囲・登記順位・法定地上権で解説。土地と建物の区別、物上保証人、配当の独自例と確認問題で整理します。
要点 8件・基本問題 8問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
抵当権は、担保にした不動産の占有を移さず、債務が履行されない場合にその不動産から優先弁済を受ける権利です。債務者と不動産の所有者が同じとは限りません。何の債権を、どの不動産で、どの順位で担保するかを分けて考えます。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-08
抵当権と物上保証人|住みながら担保にできる

抵当権は担保する債権、設定する不動産、弁済の順位の3点から読む。
図を大きく見る抵当権を設定しても、原則として所有者は不動産を使用し続けられます。占有を債権者へ引き渡すことを要件とする担保ではありません。日常的に住宅ローンと結び付けて考えられますが、担保する債権はその事例だけに限りません。
他人の借金のために自己所有の不動産へ抵当権を設定する人を物上保証人といいます。不動産が担保になることと、その人が個人として保証債務を負うことは別です。保証契約まで結んでいるかを確認します。
土地の抵当権は建物にも及ぶ?
抵当権の効力は、原則として抵当地に付加して一体となっている物などに及びますが、土地の上にある建物は別の不動産として扱います。土地だけの抵当権が建物にも当然に及ぶ、と考えないことが基本です。
担保不動産から生じる果実や、売却・賃貸等による金銭への物上代位については、債務不履行後か、払渡し等の前の差押えがあるかなどの条件を読みます。「不動産に関係する金銭なら無条件にすべて取得できる」という権利ではありません。
| 論点 | 確認する対象 |
|---|---|
| 土地と建物 | 別の不動産として担保設定を確認 |
| 付加一体物等 | 効力の範囲と設定行為の条件 |
| 果実 | 債務不履行後のものか |
| 物上代位 | 対象となる金銭と差押えの条件 |
抵当権の順位|登記と配当の例
同じ不動産に複数の抵当権がある場合、原則として登記の前後で順位が決まります。債権額が大きい方が上位になるわけではありません。設定契約の日付だけでなく、登記と順位の条件を確認します。
独自の簡略例で、配当原資が1,500万円、第一順位の対象債権が1,000万円、第二順位が800万円、他の優先債権・費用等を考えない前提なら、第一順位に1,000万円、第二順位に残り500万円です。実際の配当では費用や優先債権等の条件もあるため、例の前提を外して一般化しません。
法定地上権は設定時の所有関係を確認
法定地上権は、抵当権の実行で土地と建物の所有者が別になった場合に、一定の条件の下で建物のために認められる地上権です。基本の整理は、抵当権設定時に建物が存在し、土地と建物が同一所有者に属し、土地・建物の一方又は双方に抵当権が設定され、実行により所有者が異なることです。
Q. 更地に抵当権を設定した後で建物を建てれば、当然に法定地上権ができますか。A. 設定時に建物がなかったという条件を無視できません。再築や共同抵当等の判例上の事例は追加条件を確認します。令和4年度問4では、物上保証人と担保権の関係を確認できます。
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和4年度 問4
第三者が不動産を担保提供する物上保証と抵当権の関係を確認する
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- e-Gov:民法369条〜372条・373条・388条など確認日:2026-09-08
- 不動産適正取引推進機構:過去の試験問題確認日:2026-09-08
- 不動産適正取引推進機構:令和8年度試験実施要領確認日:2026-09-08

抵当権は占有が移らない担保です。効力は付加一体物・従たる権利に及び、果実には原則及びません。順位は登記の先後、変更は全員の合意+登記です。
抵当権の定義
抵当権とは、土地や建物を債務の担保とし、債務が弁済されない場合にその不動産を競売にかけ、競落代金から債権者が優先弁済を受ける権利(担保物権)。
覚え方抵当のテイさん、土地建物を担保に、払わぬなら競売して代金から優先弁済ゲットする権利
混同注意・比較表
抵当権の4性質
「付従性、随伴性、物上代位性、不可分性」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 抵当権の性質(4つ) | 抵当権には付従性・随伴性・不可分性・物上代位性がある(担保物権に共通、ただし留置権には物上代位性がない)。 | 物上代位性の例外の見落とし。留置権に物上代位性なし | 覚え方:抵当の体質は『フ・ズイ・フ・ブツ』付従・随伴・不可分・物上代位、ただし留置権に物上代位はない |
| 物上代位性 | 抵当不動産が売却・滅失等した場合、所有者(設定者)が受け取るべき金銭等(売却代金・保険金・賃料等)に対して抵当権を行使できる。ただし設定者が金銭を受領する前に差押えをしなければならない。 | 差押えの要否・タイミング。受領前に差押えが必要 | 覚え方:物上代位(ぶつじょうだいい)、売却代金・保険金・賃料に化けても追える、ただし受領前に差押えマスト |
| 付従性 | 抵当権は被担保債権が存在してはじめて成立し、被担保債権が消滅(弁済・時効等)すれば抵当権も消滅する。 | 付従性の意味のすり替え。被担保債権消滅で抵当権も消滅 | 覚え方:付従(ふじゅう)性、被担保債権が生まれて初めて成立し、債権が消えれば抵当もフッと消える |
| 不可分性 | 抵当権は被担保債権の全部が消滅するまで、抵当不動産の全部について効力を及ぼす。借金の一部を返済しても抵当権はその割合分だけ消えるわけではない。 | 一部弁済で抵当権が割合的に消えるとする罠。不可分性で全部存続 | 覚え方:不可分(ふかぶん)性、全部返すまで抵当は物件まるごと居座る、一部返済でも割合分は消えない |
| 随伴性 | 抵当権は被担保債権が移転すると、それに伴って移転する(債権譲渡で新債権者に抵当権も移る)。 | 随伴性の方向のすり替え。債権移転に伴い抵当権も移転 | 覚え方:随伴(ずいはん)性、債権がお引っ越しすれば抵当も随(ずい)っとお供、新債権者に移る |
抵当権の性質(4つ)
- 基本ルール
- 抵当権には付従性・随伴性・不可分性・物上代位性がある(担保物権に共通、ただし留置権には物上代位性がない)。
- 例外・ひっかけ
- 物上代位性の例外の見落とし。留置権に物上代位性なし
判断ポイント
覚え方:抵当の体質は『フ・ズイ・フ・ブツ』付従・随伴・不可分・物上代位、ただし留置権に物上代位はない
物上代位性
- 基本ルール
- 抵当不動産が売却・滅失等した場合、所有者(設定者)が受け取るべき金銭等(売却代金・保険金・賃料等)に対して抵当権を行使できる。ただし設定者が金銭を受領する前に差押えをしなければならない。
- 例外・ひっかけ
- 差押えの要否・タイミング。受領前に差押えが必要
判断ポイント
覚え方:物上代位(ぶつじょうだいい)、売却代金・保険金・賃料に化けても追える、ただし受領前に差押えマスト
付従性
- 基本ルール
- 抵当権は被担保債権が存在してはじめて成立し、被担保債権が消滅(弁済・時効等)すれば抵当権も消滅する。
- 例外・ひっかけ
- 付従性の意味のすり替え。被担保債権消滅で抵当権も消滅
判断ポイント
覚え方:付従(ふじゅう)性、被担保債権が生まれて初めて成立し、債権が消えれば抵当もフッと消える
不可分性
- 基本ルール
- 抵当権は被担保債権の全部が消滅するまで、抵当不動産の全部について効力を及ぼす。借金の一部を返済しても抵当権はその割合分だけ消えるわけではない。
- 例外・ひっかけ
- 一部弁済で抵当権が割合的に消えるとする罠。不可分性で全部存続
判断ポイント
覚え方:不可分(ふかぶん)性、全部返すまで抵当は物件まるごと居座る、一部返済でも割合分は消えない
随伴性
- 基本ルール
- 抵当権は被担保債権が移転すると、それに伴って移転する(債権譲渡で新債権者に抵当権も移る)。
- 例外・ひっかけ
- 随伴性の方向のすり替え。債権移転に伴い抵当権も移転
判断ポイント
覚え方:随伴(ずいはん)性、債権がお引っ越しすれば抵当も随(ずい)っとお供、新債権者に移る
混同注意・比較表
抵当権の効力範囲・物上代位
「土地・建物・従物、賃料・保険金、設定時、差押え」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 抵当権の効力が及ぶ範囲 | 土地に設定した抵当権は建物に及ばず、建物に設定した抵当権は土地に及ばない。付加一体物(立木・雨戸・ドア)には及ぶ。抵当権設定当時からある従物・従たる権利(畳・クーラー・借地権)には及ぶが、設定後の従物には及ばない。不履行後に生じた果実(賃料)には及ぶ。 | 従物が設定前後どちらかで結論が変わる。設定後の従物には及ばない | 覚え方:抵当の効力、土地建物は互いに及ばず、付加一体物と設定時の従物(畳クーラー借地権)は及び、後の従物はダメ、不履行後の果実(賃料)は及ぶ |
| 物上代位性 | 抵当不動産が売却・滅失等した場合、所有者(設定者)が受け取るべき金銭等(売却代金・保険金・賃料等)に対して抵当権を行使できる。ただし設定者が金銭を受領する前に差押えをしなければならない。 | 差押えの要否・タイミング。受領前に差押えが必要 | 覚え方:物上代位(ぶつじょうだいい)、売却代金・保険金・賃料に化けても追える、ただし受領前に差押えマスト |
抵当権の効力が及ぶ範囲
- 基本ルール
- 土地に設定した抵当権は建物に及ばず、建物に設定した抵当権は土地に及ばない。付加一体物(立木・雨戸・ドア)には及ぶ。抵当権設定当時からある従物・従たる権利(畳・クーラー・借地権)には及ぶが、設定後の従物には及ばない。不履行後に生じた果実(賃料)には及ぶ。
- 例外・ひっかけ
- 従物が設定前後どちらかで結論が変わる。設定後の従物には及ばない
判断ポイント
覚え方:抵当の効力、土地建物は互いに及ばず、付加一体物と設定時の従物(畳クーラー借地権)は及び、後の従物はダメ、不履行後の果実(賃料)は及ぶ
物上代位性
- 基本ルール
- 抵当不動産が売却・滅失等した場合、所有者(設定者)が受け取るべき金銭等(売却代金・保険金・賃料等)に対して抵当権を行使できる。ただし設定者が金銭を受領する前に差押えをしなければならない。
- 例外・ひっかけ
- 差押えの要否・タイミング。受領前に差押えが必要
判断ポイント
覚え方:物上代位(ぶつじょうだいい)、売却代金・保険金・賃料に化けても追える、ただし受領前に差押えマスト
混同注意・比較表
抵当権の順位変更・譲渡・放棄
「登記、合意、承諾、優先弁済、按分、利息2年」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 抵当権の処分(転抵当・譲渡放棄) | 転抵当=抵当権を他の債権の担保として提供すること。抵当権の譲渡・放棄は一般債権者に対して、抵当権の順位の譲渡・放棄は後順位抵当権者に対して行う。譲渡=優先弁済権を譲る(受けた者が優先)、放棄=同順位となり債権額の割合で按分。 | 譲渡と放棄の効果の入替。譲渡は優先、放棄は按分 | 覚え方:処分いろいろ、転抵当は抵当を担保に又貸し、譲渡は優先権まるごと譲り(受けた者勝ち)、放棄は同順位で按分 |
| 抵当権の順位の変更 | 各抵当権者の合意で順位変更でき、利害関係者がいるときはその承諾が必要(設定者・債務者の同意・承諾は不要)。順位変更は登記をしなければ効力を生じない。 | 承諾を要する者のすり替え。利害関係者の承諾要・設定者不要 | 覚え方:順位変更は抵当権者の合意でOK、利害関係者は承諾要るが設定者は不要、登記しなきゃ効力なし |
| 抵当権の順位 | 一つの不動産に複数の抵当権を設定でき、順位は登記の前後で決まる。 | 順位の基準のすり替え。登記の前後で決まる | 覚え方:抵当のジュンイは登記の前後で決まる、一つの不動産に何個も乗せられる早い者順 |
| 優先弁済を受けられる額(利息) | 抵当権者は元本のほか利息も優先弁済を受けられるが、原則として利息は最後の2年分だけ(後順位抵当権者がいない場合は2年分に制限されない)。 | 利息の年数の数字すり替え。原則最後の2年分 | 覚え方:利息の優先はサイゴのニ(最後の2年)分だけ、後順位がいなけりゃ2年に縛られない大盤振る舞い |
抵当権の処分(転抵当・譲渡放棄)
- 基本ルール
- 転抵当=抵当権を他の債権の担保として提供すること。抵当権の譲渡・放棄は一般債権者に対して、抵当権の順位の譲渡・放棄は後順位抵当権者に対して行う。譲渡=優先弁済権を譲る(受けた者が優先)、放棄=同順位となり債権額の割合で按分。
- 例外・ひっかけ
- 譲渡と放棄の効果の入替。譲渡は優先、放棄は按分
判断ポイント
覚え方:処分いろいろ、転抵当は抵当を担保に又貸し、譲渡は優先権まるごと譲り(受けた者勝ち)、放棄は同順位で按分
抵当権の順位の変更
- 基本ルール
- 各抵当権者の合意で順位変更でき、利害関係者がいるときはその承諾が必要(設定者・債務者の同意・承諾は不要)。順位変更は登記をしなければ効力を生じない。
- 例外・ひっかけ
- 承諾を要する者のすり替え。利害関係者の承諾要・設定者不要
判断ポイント
覚え方:順位変更は抵当権者の合意でOK、利害関係者は承諾要るが設定者は不要、登記しなきゃ効力なし
抵当権の順位
- 基本ルール
- 一つの不動産に複数の抵当権を設定でき、順位は登記の前後で決まる。
- 例外・ひっかけ
- 順位の基準のすり替え。登記の前後で決まる
判断ポイント
覚え方:抵当のジュンイは登記の前後で決まる、一つの不動産に何個も乗せられる早い者順
優先弁済を受けられる額(利息)
- 基本ルール
- 抵当権者は元本のほか利息も優先弁済を受けられるが、原則として利息は最後の2年分だけ(後順位抵当権者がいない場合は2年分に制限されない)。
- 例外・ひっかけ
- 利息の年数の数字すり替え。原則最後の2年分
判断ポイント
覚え方:利息の優先はサイゴのニ(最後の2年)分だけ、後順位がいなけりゃ2年に縛られない大盤振る舞い
最重要・比較表
第三取得者が抵当権を消す方法
「全額弁済、代価弁済、消滅請求、主体、支払額、期限」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 第三取得者が抵当権を消滅させる方法最重要 | ①弁済: 第三取得者が債務者の借金を全額弁済すれば抵当権消滅(債務者の意思に関係なく弁済できる)。②代価弁済: 抵当権者の請求に応じ代価を支払えば消滅。③抵当権消滅請求。 | 消滅方法の混同。弁済・代価弁済・抵当権消滅請求の3つ | 覚え方:第三取得者が抵当を消す三手『ベン・ダイ・ショウ』弁済・代価弁済・抵当権消滅請求 |
| 抵当権消滅請求 | 第三取得者が抵当権者に一定金額の支払いと引換えに抵当権消滅を請求。競売による差押えの効力発生前に請求が必要。抵当権者が承諾しないときは請求を受けてから2カ月以内に競売の申立てをすれば消滅請求の効果は生じない(何もしなければ承諾したことになる)。債務者・保証人は消滅請求できない。 | 期間の数字・請求権者のすり替え。2カ月以内の競売申立て、債務者保証人不可 | 覚え方:消滅請求、金払い引換えで請求、差押え効力前に、承諾なきゃニ(2)カ月以内に競売申立て、放置は承諾扱い、債務者保証人は不可 |
| 抵当不動産の第三取得者とは | 抵当不動産の第三取得者とは、抵当権のついた不動産を取得した人のこと。 | 基本知識。抵当付き不動産の取得者 | 覚え方:第三取得者とは、抵当つきの物件をそれと承知で取得しちゃった人のこと |
第三取得者が抵当権を消滅させる方法
最重要- 基本ルール
- ①弁済: 第三取得者が債務者の借金を全額弁済すれば抵当権消滅(債務者の意思に関係なく弁済できる)。②代価弁済: 抵当権者の請求に応じ代価を支払えば消滅。③抵当権消滅請求。
- 例外・ひっかけ
- 消滅方法の混同。弁済・代価弁済・抵当権消滅請求の3つ
判断ポイント
覚え方:第三取得者が抵当を消す三手『ベン・ダイ・ショウ』弁済・代価弁済・抵当権消滅請求
抵当権消滅請求
- 基本ルール
- 第三取得者が抵当権者に一定金額の支払いと引換えに抵当権消滅を請求。競売による差押えの効力発生前に請求が必要。抵当権者が承諾しないときは請求を受けてから2カ月以内に競売の申立てをすれば消滅請求の効果は生じない(何もしなければ承諾したことになる)。債務者・保証人は消滅請求できない。
- 例外・ひっかけ
- 期間の数字・請求権者のすり替え。2カ月以内の競売申立て、債務者保証人不可
判断ポイント
覚え方:消滅請求、金払い引換えで請求、差押え効力前に、承諾なきゃニ(2)カ月以内に競売申立て、放置は承諾扱い、債務者保証人は不可
抵当不動産の第三取得者とは
- 基本ルール
- 抵当不動産の第三取得者とは、抵当権のついた不動産を取得した人のこと。
- 例外・ひっかけ
- 基本知識。抵当付き不動産の取得者
判断ポイント
覚え方:第三取得者とは、抵当つきの物件をそれと承知で取得しちゃった人のこと
混同注意・比較表
法定地上権・一括競売・賃借人保護
「設定時の建物、同一所有、賃借権の先後、6か月猶予」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 法定地上権とは | 土地・建物を所有する者が土地に抵当権を設定し、抵当権実行により土地と建物の所有者が別々になった場合、自動的に建物所有者に地上権を与えて土地を使えるようにする制度。 | 法定地上権の趣旨のすり替え。所有者が別々になる場面が前提 | 覚え方:法定地上権、土地に抵当かけ実行で所有者バラバラ、じゃあ建物さんに地上権あげて土地を使わせる救済 |
| 法定地上権の成立要件(4つ) | ①抵当権設定当時、土地上に建物が存在すること(登記の有無は問わない)。②設定当時、土地と建物の所有者が同一であること。③土地・建物の一方または双方に抵当権が設定されていること。④抵当権実行により土地と建物の所有者が別々になること。 | 設定当時の建物存在・所有者同一の要件抜け。登記の有無は問わない | 覚え方:法定地上権のヨン要件、設定時に建物あり(登記不問)・所有者が同一・一方か双方に抵当・実行で別々になる |
| 一括競売 | 抵当権設定当時は更地で、設定後にその土地に建物を築造した場合、抵当権者は土地と建物を一括競売にかけられる(建物はBのものでなくてもよい)。ただし抵当権者が優先弁済を受けられるのは土地の代価についてのみ。 | 一括競売でも優先弁済の範囲。優先弁済は土地の代価のみ | 覚え方:更地に抵当その後に建てたら、土地建物イッカツ競売OK(建物は他人でも可)、でも優先弁済は土地代だけ |
| 建物賃借人の引渡し猶予 | 抵当権設定登記後の賃借人(対抗できない場合)は、抵当権実行により買受人に明け渡す必要があるが、一定の場合、買受人が買い受けたときから6カ月を経過するまで建物を引き渡さなくてよい。土地の賃借人にはこの猶予はない。 | 猶予は建物のみ。土地賃借人には猶予なし。期間は買受け時から6カ月。 | 覚え方:抵当後の店子は買受人にサヨナラ、でも猶予は無(6)ロっとムー(6カ月)、土地の借主にゃ猶予なし |
| 抵当権と賃借権の関係 | 抵当権設定登記前の賃借権は対抗要件を備えていれば抵当権者等に対抗できる。設定登記後の賃借権は原則対抗できないが、例外としてすべての抵当権者が同意しその同意の登記があれば対抗できる。 | 設定登記の前後で対抗の可否が逆。後の賃借権は「全抵当権者の同意+同意登記」が例外要件。 | 覚え方:抵当より先に住みゃ勝てる、後からじゃダメ、でも全抵当が『同意登記』でひっくり返る |
法定地上権とは
- 基本ルール
- 土地・建物を所有する者が土地に抵当権を設定し、抵当権実行により土地と建物の所有者が別々になった場合、自動的に建物所有者に地上権を与えて土地を使えるようにする制度。
- 例外・ひっかけ
- 法定地上権の趣旨のすり替え。所有者が別々になる場面が前提
判断ポイント
覚え方:法定地上権、土地に抵当かけ実行で所有者バラバラ、じゃあ建物さんに地上権あげて土地を使わせる救済
法定地上権の成立要件(4つ)
- 基本ルール
- ①抵当権設定当時、土地上に建物が存在すること(登記の有無は問わない)。②設定当時、土地と建物の所有者が同一であること。③土地・建物の一方または双方に抵当権が設定されていること。④抵当権実行により土地と建物の所有者が別々になること。
- 例外・ひっかけ
- 設定当時の建物存在・所有者同一の要件抜け。登記の有無は問わない
判断ポイント
覚え方:法定地上権のヨン要件、設定時に建物あり(登記不問)・所有者が同一・一方か双方に抵当・実行で別々になる
一括競売
- 基本ルール
- 抵当権設定当時は更地で、設定後にその土地に建物を築造した場合、抵当権者は土地と建物を一括競売にかけられる(建物はBのものでなくてもよい)。ただし抵当権者が優先弁済を受けられるのは土地の代価についてのみ。
- 例外・ひっかけ
- 一括競売でも優先弁済の範囲。優先弁済は土地の代価のみ
判断ポイント
覚え方:更地に抵当その後に建てたら、土地建物イッカツ競売OK(建物は他人でも可)、でも優先弁済は土地代だけ
建物賃借人の引渡し猶予
- 基本ルール
- 抵当権設定登記後の賃借人(対抗できない場合)は、抵当権実行により買受人に明け渡す必要があるが、一定の場合、買受人が買い受けたときから6カ月を経過するまで建物を引き渡さなくてよい。土地の賃借人にはこの猶予はない。
- 例外・ひっかけ
- 猶予は建物のみ。土地賃借人には猶予なし。期間は買受け時から6カ月。
判断ポイント
覚え方:抵当後の店子は買受人にサヨナラ、でも猶予は無(6)ロっとムー(6カ月)、土地の借主にゃ猶予なし
抵当権と賃借権の関係
- 基本ルール
- 抵当権設定登記前の賃借権は対抗要件を備えていれば抵当権者等に対抗できる。設定登記後の賃借権は原則対抗できないが、例外としてすべての抵当権者が同意しその同意の登記があれば対抗できる。
- 例外・ひっかけ
- 設定登記の前後で対抗の可否が逆。後の賃借権は「全抵当権者の同意+同意登記」が例外要件。
判断ポイント
覚え方:抵当より先に住みゃ勝てる、後からじゃダメ、でも全抵当が『同意登記』でひっくり返る
01抵当権の重要暗記項目
抵当権の定義
抵当権とは、土地や建物を債務の担保とし、債務が弁済されない場合にその不動産を競売にかけ、競落代金から債権者が優先弁済を受ける権利(担保物権)。
覚え方抵当のテイさん、土地建物を担保に、払わぬなら競売して代金から優先弁済ゲットする権利
ひっかけ注意基本知識。競売・優先弁済がキーワード
法定地上権とは
土地・建物を所有する者が土地に抵当権を設定し、抵当権実行により土地と建物の所有者が別々になった場合、自動的に建物所有者に地上権を与えて土地を使えるようにする制度。
覚え方法定地上権、土地に抵当かけ実行で所有者バラバラ、じゃあ建物さんに地上権あげて土地を使わせる救済
ひっかけ注意法定地上権の趣旨のすり替え。所有者が別々になる場面が前提
法定地上権の成立要件(4つ)
①抵当権設定当時、土地上に建物が存在すること(登記の有無は問わない)。②設定当時、土地と建物の所有者が同一であること。③土地・建物の一方または双方に抵当権が設定されていること。④抵当権実行により土地と建物の所有者が別々になること。
覚え方法定地上権のヨン要件、設定時に建物あり(登記不問)・所有者が同一・一方か双方に抵当・実行で別々になる
ひっかけ注意設定当時の建物存在・所有者同一の要件抜け。登記の有無は問わない
抵当権のポイント
①設定に目的物の引渡し(占有移転)は不要。②債務者の不動産のほか物上保証人(債務者以外で担保となる不動産を提供した人)の不動産にも設定できる。③不動産のほか地上権・永小作権にも設定できる。④第三者に対抗するには登記が必要。
覚え方抵当ポイント、引渡し不要・物上保証人の物もOK・地上権永小作にも設定・対抗には登記が必要
ひっかけ注意占有移転の要否・設定対象のすり替え。引渡し不要
抵当権の性質(4つ)
抵当権には付従性・随伴性・不可分性・物上代位性がある(担保物権に共通、ただし留置権には物上代位性がない)。
覚え方抵当の体質は『フ・ズイ・フ・ブツ』付従・随伴・不可分・物上代位、ただし留置権に物上代位はない
ひっかけ注意物上代位性の例外の見落とし。留置権に物上代位性なし
付従性
抵当権は被担保債権が存在してはじめて成立し、被担保債権が消滅(弁済・時効等)すれば抵当権も消滅する。
覚え方付従(ふじゅう)性、被担保債権が生まれて初めて成立し、債権が消えれば抵当もフッと消える
ひっかけ注意付従性の意味のすり替え。被担保債権消滅で抵当権も消滅
物上代位性
抵当不動産が売却・滅失等した場合、所有者(設定者)が受け取るべき金銭等(売却代金・保険金・賃料等)に対して抵当権を行使できる。ただし設定者が金銭を受領する前に差押えをしなければならない。
覚え方物上代位(ぶつじょうだいい)、売却代金・保険金・賃料に化けても追える、ただし受領前に差押えマスト
ひっかけ注意差押えの要否・タイミング。受領前に差押えが必要
抵当権の効力が及ぶ範囲
土地に設定した抵当権は建物に及ばず、建物に設定した抵当権は土地に及ばない。付加一体物(立木・雨戸・ドア)には及ぶ。抵当権設定当時からある従物・従たる権利(畳・クーラー・借地権)には及ぶが、設定後の従物には及ばない。不履行後に生じた果実(賃料)には及ぶ。
覚え方抵当の効力、土地建物は互いに及ばず、付加一体物と設定時の従物(畳クーラー借地権)は及び、後の従物はダメ、不履行後の果実(賃料)は及ぶ
ひっかけ注意従物が設定前後どちらかで結論が変わる。設定後の従物には及ばない
誤答が集中する引っかけ
8件ひっかけ抵当権の定義
基本知識。競売・優先弁済がキーワード
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論点整理プレミアムを見る03この論点の根拠
- 関連法令
- 民法
- 情報確認日
- 2026年4月1日施行法令基準
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
抵当権の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
権利関係重要度 S頻出度 3/24(編集部の目安)
抵当権の定義
抵当権とは、債務が弁済されない場合に目的不動産を競売にかけ、その代金から優先弁済を受ける権利である。
抵当権の○×一問一答21問|問題と解説
この論点で収録している21問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
抵当権の定義重要度S抵当権とは、債務が弁済されない場合に目的不動産を競売にかけ、その代金から優先弁済を受ける権利である。
答え:○(正しい)
解説
正しい。競売代金から優先弁済を受ける担保物権が抵当権。
問2
抵当権のポイント重要度A抵当権を設定するには、担保となる不動産の占有を債権者に移転する必要がある。
答え:×(誤り)
解説
誤り。抵当権設定に目的物の引渡し(占有移転)は不要。
問3
担保物権の種類重要度B担保物権には、抵当権のほか留置権・先取特権・質権がある。
答え:○(正しい)
解説
正しい。抵当権のほか留置権・先取特権・質権がある。
問4
抵当権の性質(4つ)重要度A抵当権には付従性・随伴性・不可分性・物上代位性があり、これらは留置権にもすべて認められる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。留置権には物上代位性がない。
問5
付従性重要度A被担保債権が弁済により消滅すれば、付従性により抵当権も消滅する。
答え:○(正しい)
解説
正しい。被担保債権が消滅すれば抵当権も消滅する。
問6
物上代位性重要度A抵当不動産の滅失による保険金に物上代位するには、設定者が金銭を受領する前に差押えをしなければならない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。物上代位には設定者の受領前の差押えが必要。
問7
随伴性重要度B被担保債権が譲渡されると、随伴性によって抵当権も新債権者に移転する。
答え:○(正しい)
解説
正しい。債権が移転すれば抵当権も伴って移転する。
問8
不可分性重要度B借金の一部を弁済すれば、その割合に応じて抵当権の効力もその分だけ消滅する。
答え:×(誤り)
解説
誤り。不可分性により全部弁済まで全部に効力が及ぶ。
問9
抵当権の効力が及ぶ範囲重要度A抵当権設定後に備え付けられた従物にも、抵当権の効力は当然に及ぶ。
答え:×(誤り)
解説
誤り。設定当時からある従物には及ぶが設定後の従物には及ばない。
問10
抵当権の順位重要度A一つの不動産に複数の抵当権を設定した場合、その順位は登記の前後によって決まる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。抵当権の順位は登記の前後で決まる。
問11
優先弁済を受けられる額(利息)重要度A後順位抵当権者がいる場合、抵当権者が優先弁済を受けられる利息は、原則として最後の3年分に限られる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。利息は原則として最後の2年分に限られる。
問12
抵当権の順位の変更重要度B抵当権の順位を変更するには、各抵当権者の合意のほか、登記をしなければ効力を生じない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。順位変更は合意に加え登記が効力要件。
問13
抵当権の処分(転抵当・譲渡放棄)重要度B抵当権の順位の放棄がされると、放棄した者と受けた者は同順位となり、債権額の割合で按分される。
答え:○(正しい)
解説
正しい。放棄は同順位となり債権額割合で按分する。
問14
第三取得者が抵当権を消滅させる方法重要度A第三取得者は、債務者の意思に反しても債務を全額弁済して抵当権を消滅させることができる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。第三取得者は債務者の意思に関係なく弁済できる。
問15
抵当不動産の第三取得者とは重要度B抵当不動産の第三取得者とは、抵当権のついた不動産を取得した人のことである。
答え:○(正しい)
解説
正しい。抵当権付き不動産を取得した者が第三取得者。
問16
抵当権消滅請求重要度A抵当権消滅請求を受けた抵当権者は、承諾しないときは請求を受けてから2カ月以内に競売の申立てをしなければならない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。承諾しないなら2カ月以内に競売を申し立てる必要がある。
問17
法定地上権とは重要度S法定地上権は、抵当権の実行により土地と建物の所有者が別々になった場合に建物所有者を保護する制度である。
答え:○(正しい)
解説
正しい。所有者が分かれた際に建物所有者へ地上権を与える制度。
問18
法定地上権の成立要件(4つ)重要度S法定地上権が成立するには、抵当権設定当時に土地上に建物が存在し、その建物の登記も備わっている必要がある。
答え:×(誤り)
解説
誤り。設定当時の建物存在は必要だが登記の有無は問わない。
問19
一括競売重要度A更地に抵当権を設定した後に建物が築造され一括競売した場合、抵当権者は建物の代価からも優先弁済を受けられる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。優先弁済を受けられるのは土地の代価についてのみ。
問20
抵当権と賃借権の関係重要度A抵当権設定登記後に対抗要件を備えた賃借権は、一部の抵当権者の同意とその登記があれば抵当権者に対抗できる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。すべての抵当権者の同意とその同意の登記が必要。
問21
建物賃借人の引渡し猶予重要度B抵当権設定登記後の建物賃借人は、買受人が買い受けた時から6カ月を経過するまで建物を引き渡さなくてよい。
答え:○(正しい)
解説
正しい。建物には6カ月の明渡猶予がある(土地にはない)。
抵当権の問題を続けて解く
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