民法
賃貸借(対抗要件・敷金・転貸借)
敷金の返還は明渡しが先履行で、同時履行にはなりません。無断譲渡・転貸でも背信性がなければ解除できないこと、原賃貸借が債務不履行で解除された場合に転貸借が終わるのは明渡請求の時であることが繰り返し問われます。
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賃貸借の存続期間
604条の存続期間の上限は50年で、これより長い期間を定めても50年に短縮され、更新も更新の時から50年を超えられない。下限の定めはない。処分の権限を有しない者がする短期賃貸借の期間は、樹木の栽植・伐採を目的とする山林10年、その他の土地5年、建物3年、動産6箇月である(602条)。期間の定めがない場合、解約申入れから終了までの期間は土地1年、建物3箇月、動産・貸席1日である(617条1項)。借地借家法の適用がある場合は同法が優先する。
覚え方上限五十年、短期賃貸借は山林十・土地五・建物三・動産六箇月
混同注意・比較表
賃貸不動産譲渡時の対抗関係
「新所有者・賃借人、所有権登記、引渡し、賃貸人地位・敷金」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 不動産の賃貸人の変更と敷金 | 賃借人が対抗要件を備えている不動産が譲渡されたときは、賃貸人の地位は原則として新賃貸人(譲受人)に移転する。 | 賃貸人変更で敷金返還債務は新賃貸人に承継(登記後)。承継されないと誤らせる。 | 覚え方:対抗そなえ物件売れば貸主の地位は新オーナーへ、地位主張には移転登記、登記すりゃ敷金も自動で承継 |
| 賃貸不動産の譲渡と登記 | 賃貸不動産の譲渡があった場合、譲受人は所有権移転登記がなければ、賃借人に対して賃貸人の地位が移転したことを主張できない。 | 賃貸人地位の対抗に登記が要る点。移転主張には所有権移転登記が必要 | 覚え方:賃貸物件を譲り受けたら、移転登記なきゃ賃借人に『大家は俺だ』と言えないぞ譲受人 |
| 民法における賃借権の対抗要件 | 民法では不動産の賃借権を登記すれば第三者に対抗できる。 | 民法では賃借権の登記で対抗可。ただし賃貸人に登記協力義務はない点。 | 覚え方:民法じゃ賃借登記で第三者に勝てる、けど貸主は協力せぬから借地借家法が助ける |
不動産の賃貸人の変更と敷金
- 基本
- 賃借人が対抗要件を備えている不動産が譲渡されたときは、賃貸人の地位は原則として新賃貸人(譲受人)に移転する。
- 注意
- 賃貸人変更で敷金返還債務は新賃貸人に承継(登記後)。承継されないと誤らせる。
覚え方:対抗そなえ物件売れば貸主の地位は新オーナーへ、地位主張には移転登記、登記すりゃ敷金も自動で承継
賃貸不動産の譲渡と登記
- 基本
- 賃貸不動産の譲渡があった場合、譲受人は所有権移転登記がなければ、賃借人に対して賃貸人の地位が移転したことを主張できない。
- 注意
- 賃貸人地位の対抗に登記が要る点。移転主張には所有権移転登記が必要
覚え方:賃貸物件を譲り受けたら、移転登記なきゃ賃借人に『大家は俺だ』と言えないぞ譲受人
民法における賃借権の対抗要件
- 基本
- 民法では不動産の賃借権を登記すれば第三者に対抗できる。
- 注意
- 民法では賃借権の登記で対抗可。ただし賃貸人に登記協力義務はない点。
覚え方:民法じゃ賃借登記で第三者に勝てる、けど貸主は協力せぬから借地借家法が助ける
混同注意・比較表
法定地上権・一括競売・賃借人保護
「設定時の建物、同一所有、賃借権の先後、6か月猶予」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 法定地上権とは | 土地・建物を所有する者が土地に抵当権を設定し、抵当権実行により土地と建物の所有者が別々になった場合、自動的に建物所有者に地上権を与えて土地を使えるようにする制度。 | 法定地上権の趣旨のすり替え。所有者が別々になる場面が前提 | 覚え方:法定地上権、土地に抵当かけ実行で所有者バラバラ、じゃあ建物さんに地上権あげて土地を使わせる救済 |
| 法定地上権の成立要件(4つ) | ①抵当権設定当時、土地上に建物が存在すること(登記の有無は問わない)。 | 設定当時の建物存在・所有者同一の要件抜け。登記の有無は問わない | 覚え方:法定地上権のヨン要件、設定時に建物あり(登記不問)・所有者が同一・一方か双方に抵当・実行で別々になる |
| 一括競売 | 抵当権設定当時は更地で、設定後にその土地に建物を築造した場合、抵当権者は土地と建物を一括競売にかけられる(建物はBのものでなくてもよい)。 | 一括競売でも優先弁済の範囲。優先弁済は土地の代価のみ | 覚え方:更地に抵当その後に建てたら、土地建物イッカツ競売OK(建物は他人でも可)、でも優先弁済は土地代だけ |
| 建物賃借人の引渡し猶予 | 抵当権設定登記後の賃借人(対抗できない場合)は、抵当権実行により買受人に明け渡す必要があるが、一定の場合、買受人が買い受けたときから6カ月を経過するまで建物を引き渡さなくてよい。 | 猶予は建物のみ。土地賃借人には猶予なし。期間は買受け時から6カ月。 | 覚え方:抵当後の店子は買受人にサヨナラ、でも猶予は無(6)ロっとムー(6カ月)、土地の借主にゃ猶予なし |
| 抵当権と賃借権の関係 | 抵当権設定登記前の賃借権は対抗要件を備えていれば抵当権者等に対抗できる。 | 設定登記の前後で対抗の可否が逆。後の賃借権は「全抵当権者の同意+同意登記」が例外要件。 | 覚え方:抵当より先に住みゃ勝てる、後からじゃダメ、でも全抵当が『同意登記』でひっくり返る |
法定地上権とは
- 基本
- 土地・建物を所有する者が土地に抵当権を設定し、抵当権実行により土地と建物の所有者が別々になった場合、自動的に建物所有者に地上権を与えて土地を使えるようにする制度。
- 注意
- 法定地上権の趣旨のすり替え。所有者が別々になる場面が前提
覚え方:法定地上権、土地に抵当かけ実行で所有者バラバラ、じゃあ建物さんに地上権あげて土地を使わせる救済
法定地上権の成立要件(4つ)
- 基本
- ①抵当権設定当時、土地上に建物が存在すること(登記の有無は問わない)。
- 注意
- 設定当時の建物存在・所有者同一の要件抜け。登記の有無は問わない
覚え方:法定地上権のヨン要件、設定時に建物あり(登記不問)・所有者が同一・一方か双方に抵当・実行で別々になる
一括競売
- 基本
- 抵当権設定当時は更地で、設定後にその土地に建物を築造した場合、抵当権者は土地と建物を一括競売にかけられる(建物はBのものでなくてもよい)。
- 注意
- 一括競売でも優先弁済の範囲。優先弁済は土地の代価のみ
覚え方:更地に抵当その後に建てたら、土地建物イッカツ競売OK(建物は他人でも可)、でも優先弁済は土地代だけ
建物賃借人の引渡し猶予
- 基本
- 抵当権設定登記後の賃借人(対抗できない場合)は、抵当権実行により買受人に明け渡す必要があるが、一定の場合、買受人が買い受けたときから6カ月を経過するまで建物を引き渡さなくてよい。
- 注意
- 猶予は建物のみ。土地賃借人には猶予なし。期間は買受け時から6カ月。
覚え方:抵当後の店子は買受人にサヨナラ、でも猶予は無(6)ロっとムー(6カ月)、土地の借主にゃ猶予なし
抵当権と賃借権の関係
- 基本
- 抵当権設定登記前の賃借権は対抗要件を備えていれば抵当権者等に対抗できる。
- 注意
- 設定登記の前後で対抗の可否が逆。後の賃借権は「全抵当権者の同意+同意登記」が例外要件。
覚え方:抵当より先に住みゃ勝てる、後からじゃダメ、でも全抵当が『同意登記』でひっくり返る
最重要・比較表
民法賃貸借・借地・借家の存続期間
「上限・下限、短い定め、更新後、通知、正当事由」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 民法・借地借家法(借地)・(借家)の存続期間比較最重要 | 存続期間:民法は最長50年。 | 民法最長50年、借地当初30年、借家は上限なし。賃借人からの解約は正当事由不要・3カ月。数字と主体の混同に注意 | 覚え方:民法ゴマ(50年)、借地サンマ(30)→更新ハタ(20)→トウ(10)、借家は無制限で1年未満はナシ扱い |
| 借地権の当初の存続期間 | 民法上の賃貸借は最長50年だが、借地借家法の借地権の存続期間は30年。 | 借地権の当初存続期間は30年。短い定めは30年に。50年と混同させる。 | 覚え方:借地の当初はサンレイ(30年)固定、短く決めてもサンレイ、長けりゃその期間で青天井 |
| 賃貸借の存続期間 | 賃貸借の存続期間は50年を超えることができない。 | 賃貸借の上限は50年。超える定めは50年に短縮。20年と誤らせる典型。 | 覚え方:賃貸借はゴレイ(50)超えられぬ、越えたら削られゴレイ止まり、更新後もゴレイ天井 |
| 契約の更新方法(合意・請求・法定)と更新後期間 | 更新方法は合意更新・請求更新・法定更新の3つ。 | 更新後期間は最初20年・2回目以降10年。数字入替えに注意。請求/法定更新は建物必要。 | 覚え方:更新はゴウ・セイ・ホウ(合意・請求・法定)の三本、請求と法定は建物あってこそ、後はニレイ(20年)以上・二回目からトオ(10年)以上 |
| 一般定期借地権 | 存続期間を50年以上とする借地権を設定する場合、(1)契約の更新がない、(2)建物滅失時の再築による存続期間延長がない、(3)建物買取請求権がない、旨の特約を定められる。 | 一般定期借地権は存続期間50年以上・書面(公正証書に限らない)または電磁的記録。 | 覚え方:一般定借はゴレイ(50年)以上、更新なし・再築延長なし・買取なしの三ナシ特約、書面か電子で(公正証書までは不要) |
| 事業用定期借地権 | もっぱら事業用建物(居住用を除く)の所有を目的とし、存続期間を10年以上50年未満とする借地権。 | 事業用定期借地権は10年以上50年未満・居住用不可・必ず公正証書。数字と用途に注意。 | 覚え方:事業用定借はトオ(10年)以上ゴレイ(50年)未満、居住はダメ、設定は必ずコウセイ(公正)証書で決めろ |
民法・借地借家法(借地)・(借家)の存続期間比較
最重要- 基本
- 存続期間:民法は最長50年。
- 注意
- 民法最長50年、借地当初30年、借家は上限なし。賃借人からの解約は正当事由不要・3カ月。数字と主体の混同に注意
覚え方:民法ゴマ(50年)、借地サンマ(30)→更新ハタ(20)→トウ(10)、借家は無制限で1年未満はナシ扱い
借地権の当初の存続期間
- 基本
- 民法上の賃貸借は最長50年だが、借地借家法の借地権の存続期間は30年。
- 注意
- 借地権の当初存続期間は30年。短い定めは30年に。50年と混同させる。
覚え方:借地の当初はサンレイ(30年)固定、短く決めてもサンレイ、長けりゃその期間で青天井
賃貸借の存続期間
- 基本
- 賃貸借の存続期間は50年を超えることができない。
- 注意
- 賃貸借の上限は50年。超える定めは50年に短縮。20年と誤らせる典型。
覚え方:賃貸借はゴレイ(50)超えられぬ、越えたら削られゴレイ止まり、更新後もゴレイ天井
契約の更新方法(合意・請求・法定)と更新後期間
- 基本
- 更新方法は合意更新・請求更新・法定更新の3つ。
- 注意
- 更新後期間は最初20年・2回目以降10年。数字入替えに注意。請求/法定更新は建物必要。
覚え方:更新はゴウ・セイ・ホウ(合意・請求・法定)の三本、請求と法定は建物あってこそ、後はニレイ(20年)以上・二回目からトオ(10年)以上
一般定期借地権
- 基本
- 存続期間を50年以上とする借地権を設定する場合、(1)契約の更新がない、(2)建物滅失時の再築による存続期間延長がない、(3)建物買取請求権がない、旨の特約を定められる。
- 注意
- 一般定期借地権は存続期間50年以上・書面(公正証書に限らない)または電磁的記録。
覚え方:一般定借はゴレイ(50年)以上、更新なし・再築延長なし・買取なしの三ナシ特約、書面か電子で(公正証書までは不要)
事業用定期借地権
- 基本
- もっぱら事業用建物(居住用を除く)の所有を目的とし、存続期間を10年以上50年未満とする借地権。
- 注意
- 事業用定期借地権は10年以上50年未満・居住用不可・必ず公正証書。数字と用途に注意。
覚え方:事業用定借はトオ(10年)以上ゴレイ(50年)未満、居住はダメ、設定は必ずコウセイ(公正)証書で決めろ
混同注意・比較表
民法・借地・借家の対抗要件
「賃借権登記、建物登記、引渡し、滅失後の掲示」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 民法・借地借家法の対抗要件・その他比較 | 対抗要件:民法は賃借権の登記。 | 借地の対抗要件は建物の登記、借家は建物の引渡し。買取請求権は借地=建物、借家=造作。組合せのすり替えに注意 | 覚え方:対抗は民法トウキ(登記)のみ、借地は建物登記もOK、借家は引渡しでOK、買取請求も忘れずに |
| 借地権の対抗力 | 民法上、不動産賃借権を第三者に対抗するには登記が必要だが、借地借家法では借地権の登記がなくても、借地上に借地権者が自己を所有者として登記した建物を所有していれば第三者に対抗できる。 | 対抗力は「借地権者名義で登記した建物の所有」。表示登記でも可。建物登記は借地権登記でなくてよい。 | 覚え方:登記なくても自分名義の建物建ってりゃ借地は第三者に対抗、表示の登記でも文句なし |
| 民法における賃借権の対抗要件 | 民法では不動産の賃借権を登記すれば第三者に対抗できる。 | 民法では賃借権の登記で対抗可。ただし賃貸人に登記協力義務はない点。 | 覚え方:民法じゃ賃借登記で第三者に勝てる、けど貸主は協力せぬから借地借家法が助ける |
| 建物滅失後の借地権の対抗力維持 | 登記した建物が滅失した場合でも、一定の内容(滅失建物の特定・滅失日・再築予定等)をその土地の見やすい場所に掲示すれば、滅失日から2年を経過するまでは借地権の対抗力を維持できる。 | 滅失後の掲示による対抗力維持は滅失日から2年間。数字すり替えに注意。 | 覚え方:建物燃えても看板掲示で対抗キープ、滅失からニ(2年)過ぎるまでは借地は生きてる |
| 建物賃借権(借家権)の対抗力 | 民法上、建物賃借権を第三者に対抗するには建物賃借権の登記が必要だが、借地借家法では登記がなくても建物の引渡しがあれば第三者に対抗できる。 | 借家権は建物の引渡しで対抗可。登記が必要と誤らせる。 | 覚え方:民法は借家も登記いるが、借地借家法なら引渡しさえありゃ第三者に対抗できる |
民法・借地借家法の対抗要件・その他比較
- 基本
- 対抗要件:民法は賃借権の登記。
- 注意
- 借地の対抗要件は建物の登記、借家は建物の引渡し。買取請求権は借地=建物、借家=造作。組合せのすり替えに注意
覚え方:対抗は民法トウキ(登記)のみ、借地は建物登記もOK、借家は引渡しでOK、買取請求も忘れずに
借地権の対抗力
- 基本
- 民法上、不動産賃借権を第三者に対抗するには登記が必要だが、借地借家法では借地権の登記がなくても、借地上に借地権者が自己を所有者として登記した建物を所有していれば第三者に対抗できる。
- 注意
- 対抗力は「借地権者名義で登記した建物の所有」。表示登記でも可。建物登記は借地権登記でなくてよい。
覚え方:登記なくても自分名義の建物建ってりゃ借地は第三者に対抗、表示の登記でも文句なし
民法における賃借権の対抗要件
- 基本
- 民法では不動産の賃借権を登記すれば第三者に対抗できる。
- 注意
- 民法では賃借権の登記で対抗可。ただし賃貸人に登記協力義務はない点。
覚え方:民法じゃ賃借登記で第三者に勝てる、けど貸主は協力せぬから借地借家法が助ける
建物滅失後の借地権の対抗力維持
- 基本
- 登記した建物が滅失した場合でも、一定の内容(滅失建物の特定・滅失日・再築予定等)をその土地の見やすい場所に掲示すれば、滅失日から2年を経過するまでは借地権の対抗力を維持できる。
- 注意
- 滅失後の掲示による対抗力維持は滅失日から2年間。数字すり替えに注意。
覚え方:建物燃えても看板掲示で対抗キープ、滅失からニ(2年)過ぎるまでは借地は生きてる
建物賃借権(借家権)の対抗力
- 基本
- 民法上、建物賃借権を第三者に対抗するには建物賃借権の登記が必要だが、借地借家法では登記がなくても建物の引渡しがあれば第三者に対抗できる。
- 注意
- 借家権は建物の引渡しで対抗可。登記が必要と誤らせる。
覚え方:民法は借家も登記いるが、借地借家法なら引渡しさえありゃ第三者に対抗できる
混同注意・比較表
賃借権譲渡・転貸
「承諾、当事者関係、直接請求、背信性、解除」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 賃借権の譲渡・賃借物の転貸の要件 | 賃借権の譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要(黙認も含む)。 | 譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要。承諾の相手は賃借人・転借人どちらでもよい。 | 覚え方:貸したり又貸しゃ貸主の承諾いる、黙認もアリ、無断でやりゃ原則カイジョ(解除)されるぞ |
| 無断譲渡・転貸の解除の例外(背信的行為) | 無断譲渡・転貸でも、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情がある場合は、賃貸人は契約を解除できない。 | 背信的行為と認めるに足りない特段の事情があれば解除できない例外。 | 覚え方:無断でも背信ハイシンってほどじゃない特段の事情ありゃ、貸主は解除できません |
| 賃借物の転貸の効果 | 転貸しても賃貸人と賃借人(転貸人)の関係は終了しない。 | 適法転貸でも賃貸人・賃借人の関係は継続。賃貸人は転借人に直接請求もできる点。 | 覚え方:テンタイ(転貸)しても貸主と借主は切れず、借主が滞納すりゃ転借人に直接『払え』 |
| 賃貸人が転借人に直接請求できる限度額 | 賃貸人が転借人に直接賃料を請求する場合、賃料と転借料のうちいずれか低い金額が限度となる。 | 直接請求できる限度は賃料と転借料のうち低い方。高い方と誤らせる。 | 覚え方:転借人への直接請求は賃料と転借料の低いほう、十五(15万)と十(10万)ならジュウ(10万)が限度 |
| 賃借権の譲渡の効果 | 賃借権が譲渡されると譲受人が新賃借人となり、賃貸人と旧賃借人の関係は終了する。 | 譲渡の場合は旧賃借人との関係が終了。転貸(関係継続)との相違に注意。 | 覚え方:ジョウト(譲渡)されりゃ新借主が主役、旧借主は退場、貸主は新人にだけ請求 |
賃借権の譲渡・賃借物の転貸の要件
- 基本
- 賃借権の譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要(黙認も含む)。
- 注意
- 譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要。承諾の相手は賃借人・転借人どちらでもよい。
覚え方:貸したり又貸しゃ貸主の承諾いる、黙認もアリ、無断でやりゃ原則カイジョ(解除)されるぞ
無断譲渡・転貸の解除の例外(背信的行為)
- 基本
- 無断譲渡・転貸でも、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情がある場合は、賃貸人は契約を解除できない。
- 注意
- 背信的行為と認めるに足りない特段の事情があれば解除できない例外。
覚え方:無断でも背信ハイシンってほどじゃない特段の事情ありゃ、貸主は解除できません
賃借物の転貸の効果
- 基本
- 転貸しても賃貸人と賃借人(転貸人)の関係は終了しない。
- 注意
- 適法転貸でも賃貸人・賃借人の関係は継続。賃貸人は転借人に直接請求もできる点。
覚え方:テンタイ(転貸)しても貸主と借主は切れず、借主が滞納すりゃ転借人に直接『払え』
賃貸人が転借人に直接請求できる限度額
- 基本
- 賃貸人が転借人に直接賃料を請求する場合、賃料と転借料のうちいずれか低い金額が限度となる。
- 注意
- 直接請求できる限度は賃料と転借料のうち低い方。高い方と誤らせる。
覚え方:転借人への直接請求は賃料と転借料の低いほう、十五(15万)と十(10万)ならジュウ(10万)が限度
賃借権の譲渡の効果
- 基本
- 賃借権が譲渡されると譲受人が新賃借人となり、賃貸人と旧賃借人の関係は終了する。
- 注意
- 譲渡の場合は旧賃借人との関係が終了。転貸(関係継続)との相違に注意。
覚え方:ジョウト(譲渡)されりゃ新借主が主役、旧借主は退場、貸主は新人にだけ請求
最重要・比較表
元契約終了時の転借人保護
「合意解除、債務不履行解除、期間満了、通知、終了時期」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 賃貸借の合意解除と転貸借最重要 | 適法な転貸後、賃貸人(A)と賃借人(B)が賃貸借を合意解除しても、原則として賃貸人は転借人(C)に対抗できず、明渡しを請求できない。 | 合意解除は原則転借人に対抗不可。債務不履行解除権があれば例外的に対抗可。 | 覚え方:合意(ゴウイ)で仲良く解除しても転借人Cにゃ対抗できぬ、でも解除権もってりゃ話は別 |
| 賃貸借の債務不履行解除と転貸借 | 賃借人(B)の債務不履行で賃貸借が解除されたときは、転借人(C)は賃貸人(A)に対抗できず、AはCに明渡しを請求できる。 | 債務不履行解除は転借人に対抗可。転借人への賃料支払機会の通知は不要。 | 覚え方:Bの滞納で不履行解除なら、転借人Cはお手上げ、AはCに『出てけ』、支払機会の通知も不要 |
賃貸借の合意解除と転貸借
最重要- 基本
- 適法な転貸後、賃貸人(A)と賃借人(B)が賃貸借を合意解除しても、原則として賃貸人は転借人(C)に対抗できず、明渡しを請求できない。
- 注意
- 合意解除は原則転借人に対抗不可。債務不履行解除権があれば例外的に対抗可。
覚え方:合意(ゴウイ)で仲良く解除しても転借人Cにゃ対抗できぬ、でも解除権もってりゃ話は別
賃貸借の債務不履行解除と転貸借
- 基本
- 賃借人(B)の債務不履行で賃貸借が解除されたときは、転借人(C)は賃貸人(A)に対抗できず、AはCに明渡しを請求できる。
- 注意
- 債務不履行解除は転借人に対抗可。転借人への賃料支払機会の通知は不要。
覚え方:Bの滞納で不履行解除なら、転借人Cはお手上げ、AはCに『出てけ』、支払機会の通知も不要
混同注意・比較表
賃貸借終了時のお金
「必要費、有益費、原状回復、敷金、返還時期、承継」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 必要費と有益費 | 必要費=現状維持に必要な支出(雨漏り修繕等)。 | 必要費は直ちに請求可。有益費は終了時に賃貸人が支出額か増価額を選択償還。混同注意。 | 覚え方:必要費(雨漏り)は今すぐ返せ、有益費(ウォシュレット)は終了時、貸主が支出額か増価額を選んで払う |
| 敷金の返還時期 | 敷金の返還は、賃貸借契約が終了し賃貸物を返還したあと、または賃借人が適法に賃借権を譲り渡したときとなる。 | 明渡しが先で同時履行の関係にない点。同時履行と誤らせる典型。 | 覚え方:敷金返還は明け渡してから、明渡しが先で同時履行にゃならんのよ |
| 不動産の賃貸人の変更と敷金 | 賃借人が対抗要件を備えている不動産が譲渡されたときは、賃貸人の地位は原則として新賃貸人(譲受人)に移転する。 | 賃貸人変更で敷金返還債務は新賃貸人に承継(登記後)。承継されないと誤らせる。 | 覚え方:対抗そなえ物件売れば貸主の地位は新オーナーへ、地位主張には移転登記、登記すりゃ敷金も自動で承継 |
| 賃借人の変更と敷金 | 賃借権の譲渡で賃借人が変わった場合(借手チェンジ)、敷金についての権利義務は原則として新賃借人に承継されない。 | 賃借人変更(借手チェンジ)では敷金は原則承継されない。賃貸人変更と逆。 | 覚え方:借手チェンジ(賃借人交代)じゃ敷金は原則ついてこない、新借主に引き継がれず |
| 原状回復義務 | 賃借人は受取り後に生じた損傷(通常の使用による損耗・経年変化を除く)につき、賃貸借終了時に原状回復義務を負う。 | 通常損耗・経年変化は原状回復の対象外。含めると誤り。 | 覚え方:現状(原状)回復は借主の傷だけ、通常使用の擦り減りは除く、借主無責なら回復ムヨウ |
必要費と有益費
- 基本
- 必要費=現状維持に必要な支出(雨漏り修繕等)。
- 注意
- 必要費は直ちに請求可。有益費は終了時に賃貸人が支出額か増価額を選択償還。混同注意。
覚え方:必要費(雨漏り)は今すぐ返せ、有益費(ウォシュレット)は終了時、貸主が支出額か増価額を選んで払う
敷金の返還時期
- 基本
- 敷金の返還は、賃貸借契約が終了し賃貸物を返還したあと、または賃借人が適法に賃借権を譲り渡したときとなる。
- 注意
- 明渡しが先で同時履行の関係にない点。同時履行と誤らせる典型。
覚え方:敷金返還は明け渡してから、明渡しが先で同時履行にゃならんのよ
不動産の賃貸人の変更と敷金
- 基本
- 賃借人が対抗要件を備えている不動産が譲渡されたときは、賃貸人の地位は原則として新賃貸人(譲受人)に移転する。
- 注意
- 賃貸人変更で敷金返還債務は新賃貸人に承継(登記後)。承継されないと誤らせる。
覚え方:対抗そなえ物件売れば貸主の地位は新オーナーへ、地位主張には移転登記、登記すりゃ敷金も自動で承継
賃借人の変更と敷金
- 基本
- 賃借権の譲渡で賃借人が変わった場合(借手チェンジ)、敷金についての権利義務は原則として新賃借人に承継されない。
- 注意
- 賃借人変更(借手チェンジ)では敷金は原則承継されない。賃貸人変更と逆。
覚え方:借手チェンジ(賃借人交代)じゃ敷金は原則ついてこない、新借主に引き継がれず
原状回復義務
- 基本
- 賃借人は受取り後に生じた損傷(通常の使用による損耗・経年変化を除く)につき、賃貸借終了時に原状回復義務を負う。
- 注意
- 通常損耗・経年変化は原状回復の対象外。含めると誤り。
覚え方:現状(原状)回復は借主の傷だけ、通常使用の擦り減りは除く、借主無責なら回復ムヨウ
01賃貸借(対抗要件・敷金・転貸借)の重要暗記項目
賃貸借の存続期間
604条の存続期間の上限は50年で、これより長い期間を定めても50年に短縮され、更新も更新の時から50年を超えられない。下限の定めはない。処分の権限を有しない者がする短期賃貸借の期間は、樹木の栽植・伐採を目的とする山林10年、その他の土地5年、建物3年、動産6箇月である(602条)。期間の定めがない場合、解約申入れから終了までの期間は土地1年、建物3箇月、動産・貸席1日である(617条1項)。借地借家法の適用がある場合は同法が優先する。
覚え方上限五十年、短期賃貸借は山林十・土地五・建物三・動産六箇月
ひっかけ注意存続期間の上限を改正前の20年とする誤りが狙われる。現行法は50年である。
賃借権の対抗要件
605条は不動産の賃貸借を登記したときに以後その不動産について物権を取得した者に対抗できるとするが、賃借人に登記請求権はないため実効性が乏しい。借地借家法10条1項は借地上の建物の登記を、同法31条は建物の引渡しを対抗要件とする特則を置く。対抗要件を備えた賃借人は、占有を妨害する第三者に妨害の停止を、占有している第三者に返還を請求できる(605条の4)。対抗要件を備えた不動産が譲渡されると賃貸人たる地位が譲受人に移転する(605条の2第1項)。
覚え方民法は登記、借地は建物登記、借家は引渡しで対抗できる
ひっかけ注意賃借人が賃貸人に対して賃借権の登記を請求できるとする誤りが狙われる。特約がない限り登記請求権はない。
賃貸人たる地位の移転
605条の2第1項は、対抗要件を備えた賃貸借の目的不動産が譲渡されたとき、賃貸人たる地位は譲受人に当然に移転するとし、賃借人の承諾を要しない。ただし譲受人が賃借人に賃料を請求するには所有権移転登記が必要である(同3項)。譲渡人と譲受人が賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨およびその不動産を譲受人が譲渡人に賃貸する旨を合意すれば地位は移転しない(同2項)。費用償還債務と敷金返還債務は譲受人に承継される(同4項)。対抗要件を備えていない場合でも譲渡人と譲受人の合意で移転できる(605条の3)。
覚え方地位は当然に移転、賃料請求には登記が必要
ひっかけ注意賃貸人たる地位の移転に賃借人の承諾が必要とする誤りが狙われる。承諾は不要である。
賃貸人の修繕義務
606条1項は賃貸人に使用収益に必要な修繕義務を課すが、賃借人の責めに帰すべき事由により修繕が必要となったときは義務を負わない。賃借人が自ら修繕できるのは、通知しまたは賃貸人が知ったのに相当の期間内に修繕をしないときと、急迫の事情があるときである(607条の2)。必要費は直ちに償還を請求でき、有益費は賃貸借の終了時に償還される(608条)。一部が使用収益できなくなったときは賃料は当然に減額される(611条1項)。
覚え方必要費は直ちに、有益費は終了時。一部使用不能なら賃料は当然減額
ひっかけ注意一部使用不能の場合に賃借人の減額請求が必要とする改正前の記述が誤りとして出る。現行法では当然に減額される。
敷金の返還時期
622条の2第1項は、賃貸借が終了しかつ賃貸物の返還を受けたとき(1号)と、賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき(2号)に敷金返還義務が生じるとする。最判昭和49年9月2日は明渡しが先履行であり、敷金返還と明渡しは同時履行の関係に立たないとした。賃貸人は賃借人が債務を履行しないときに敷金を充当できるが、賃借人の側から充当を請求することはできない(同2項)。賃貸人たる地位が移転すると敷金返還債務も譲受人に承継される(605条の2第4項)。
覚え方明渡しが先、返還が後。充当を求められるのは賃貸人だけ
ひっかけ注意賃借人が未払賃料への敷金充当を請求できるとする誤りが狙われる。充当は賃貸人の側からのみできる。
無断譲渡・転貸と解除
612条は賃貸人の承諾のない賃借権の譲渡・転貸を禁じ、違反して第三者に使用収益させたときの解除を認める。最判昭和28年9月25日は、無断譲渡・転貸があっても賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは解除できないとする信頼関係破壊の法理を示した。特段の事情の主張立証責任は賃借人が負う。小規模な同族会社への法人成りに伴う賃借権の移転や、賃借人の同居家族への使用許諾では背信性が否定されやすい。解除されない限り、賃貸人は所有権に基づいて転借人に明渡しを請求できる。
覚え方無断でも背信性がなければ解除できない。立証するのは賃借人
ひっかけ注意無断転貸があれば常に解除できるとする誤りが定番。信頼関係が破壊されていなければ解除は認められない。
転貸借と賃貸借の終了
最判平成9年2月25日は、原賃貸借が賃借人(転貸人)の債務不履行により解除された場合、転貸借は賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求した時に、転貸人の債務の履行不能により終了するとした。賃貸人が賃借人の債務不履行を理由に解除するにあたり、転借人に賃料支払の機会を与える必要はない(最判平成6年7月18日)。613条3項本文は原賃貸借の合意解除を転借人に対抗できないとするが、解除の当時に賃貸人が債務不履行による解除権を有していたときは対抗できる(同ただし書)。
覚え方債務不履行解除は転借人に対抗できる、合意解除は対抗できない
ひっかけ注意解除前に転借人へ賃料支払の機会を与えなければ解除できないとする誤りが狙われる。判例は不要とする。
使用貸借の終了
使用貸借は借主の死亡によって終了するが(597条3項)、貸主の死亡では終了せず相続人が貸主の地位を承継する。期間を定めたときは期間の満了により終了し、期間を定めず使用収益の目的を定めたときは借主がその目的に従い使用収益を終えた時に終了する(同1項・2項)。目的に従った使用収益をするのに足りる期間が経過すれば貸主は解除でき(598条1項)、期間も目的も定めなかったときは貸主はいつでも解除できる(同2項)。借主は通常の必要費を負担する(595条1項)。
覚え方借主が死ねば終わる、貸主が死んでも続く
ひっかけ注意貸主の死亡によっても使用貸借が終了するとする誤りが狙われる。終了するのは借主の死亡の場合だけである。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1対抗要件を確認する。建物所有目的の借地なら借地上の建物の登記、借家なら建物の引渡しで足りる
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2賃貸人たる地位の移転では、賃借人の承諾は要らないが、賃料を請求するには所有権移転登記が要る点を押さえる
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3無断譲渡・転貸なら信頼関係破壊の有無を見る。背信的行為と認めるに足りない特段の事情は賃借人が主張立証する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 民法
- 内容の基準日
- 2026年4月1日
- 復習方法
- 要点を確認した後、下の○×問題で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
賃貸借(対抗要件・敷金・転貸借)の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
民法重要度 S頻出度 13/24(編集部の目安)
無断譲渡・転貸と解除
賃借人が賃貸人の承諾を得ずに賃借物を第三者に使用または収益をさせた場合、賃貸人は、その行為が賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときでも、契約を解除することができる。
全784問から、分野・重要度で解く
行政法240問、民法180問、憲法60問、商法・会社法40問、基礎法学20問、基礎知識80問を収録。