民法
行政書士の抵当権|物上代位・利息2年分・明渡し猶予を整理【2026年度試験対応】
抵当権の意味を、占有を移さない担保と優先弁済から解説。物上代位の差押え、利息と遅延損害金の2年、競売後の建物明渡し猶予を条件付きで整理します。
要点 8件・基本問題 8問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

記事内容を表す生成イメージ。
2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
抵当権は、不動産等の占有を移さずに設定し、他の債権者に先立つ弁済を確保する担保物権です。設定後も所有者が使用できるため、賃料や保険金への物上代位、賃借人との優劣が問題になります。「担保を設定した時」「不履行」「競売で買い受けた時」を時系列で分けます。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-12
抵当権を設定しても、建物は直ちに引き渡さない
民法369条の抵当権では、設定者から抵当権者に占有を移す必要がありません。債務者自身の不動産だけでなく、第三者が自分の不動産を担保に入れることもできます。
抵当権者になることと所有者になることは別です。銀行に抵当権を設定したから建物の使用権まで銀行へ移る、という理解では、賃借人や賃料との関係を誤ります。抵当権はまず交換価値から優先的に弁済を受ける権利として捉えます。
根拠:民法
物上代位は払渡し・引渡し前の差押えが必要

物上代位は払渡し等の前の差押え、果実への効力は不履行後。建物の明渡し猶予は買受け時から6か月であり、対象・条件は本文で確認。
図を大きく見る民法372条が準用する304条により、抵当不動産の売却・賃貸・滅失等で生じる金銭等にも物上代位ができます。ただし、払渡し又は引渡し前の差押えが必要です。火災保険金を例にすれば、建物が失われた後の金銭へ担保の働きを及ぼす問題です。
不履行後に生じる抵当不動産の果実には371条の規定もあります。所有者が家賃を得ているから設定の瞬間から全ての家賃が当然に銀行へ移る、という説明は避けます。令和6年度問30では、賃料債権譲渡と抵当権の物上代位の関係も問われています。
| 論点 | 基準となる時点 |
|---|---|
| 物上代位の差押え | 金銭等の払渡し・引渡し前 |
| 果実に及ぶ範囲 | 被担保債権の不履行後 |
| 建物の明渡し猶予 | 競売買受人の買受け時から |
利息と遅延損害金は通算2年分の制約を見る
利息等について抵当権を行使できる範囲は、満期となった最後の2年分が原則です。ただし、それ以前の分でも満期後に特別の登記をすれば、その登記時から抵当権を行使できます(375条1項)。
遅延損害金も同様の規律があり、利息等と通算して2年分を超えられません(同条2項)。利息2年と遅延損害金2年を別々に足して4年としないことが要点です。これは抵当権の行使範囲の規定で、元の債権自体が2年分を超えて消滅するという意味ではありません。
根拠:民法
対抗できない借家でも、一定の場合は6か月の猶予がある
抵当権者に対抗できない賃貸借でも、競売開始前から建物を使用収益する者などは、買受人の買受け時から6か月、引渡しを猶予されます(395条1項)。土地賃借人全員に同じ制度を広げたり、競売開始時から数えたりしないようにします。
猶予は無料居住を認める制度ではありません。買受け後の使用対価について、買受人が1か月分以上を相当期間を定めて催告し、その期間に履行がなければ猶予は適用されません(同条2項)。令和6年度問30の復習では、抵当権に対抗できないことと直ちに明け渡すことを同一視しない点を確認します。
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和6年度 問30
抵当権と賃借人、賃料債権への物上代位、明渡し猶予
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- 民法確認日:2026-09-12
- 行政書士試験研究センター:公式問題原本確認日:2026-09-12
- 行政書士試験研究センター:令和8年度試験案内確認日:2026-09-12
抵当権と物上代位
抵当権に基づく物上代位は賃料債権にも及ぶ(最判平成元年10月27日)。最判平成10年1月30日は、目的債権が譲渡され第三者対抗要件が備えられた後であっても、抵当権者は自ら差押えをして物上代位権を行使できるとした。一般債権者の差押えとの優劣は、抵当権設定登記の時と差押命令の第三債務者への送達の時の先後で決まる(最判平成10年3月26日)。抵当不動産の賃借人が第三者に転貸した場合の転貸賃料には、賃借人を所有者と同視することを相当とする場合を除き物上代位できない(最決平成12年4月14日)。
覚え方賃料には及ぶが転貸賃料には及ばない。譲渡されても差押えで追える
最重要・比較表
法定地上権が成立する場面としない場面
最初に抵当権を設定した当時に建物があったかを確認します。更地なら後から建てても成立せず、建物を建て直した場合は抵当権の付き方によって結論が分かれます。
| 事由 | 更地に抵当権を設定した後に建物を建てた | 一番抵当権のときは更地、二番抵当権のときは建物あり | 建物のある土地に抵当権。建物を取り壊して再築 | 土地と建物に共同抵当。建物を取り壊して再築 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 抵当権を設定した当時の状態 | 土地の上に建物がない更地だった | 一番抵当権のときは更地で、二番抵当権のときは建物があった | 土地の上に建物があり、後に取り壊して建て直した | 土地と建物の両方に抵当権があり、後に建物を建て直した | 388条の要件は、抵当権設定当時に建物が存在し、土地と建物が同一人の所有であることです。 |
| 法定地上権の成否最重要 | 成立しない | 成立しない | 成立する | 成立しない | 抵当権設定当時に建物が存在することは必要条件であって十分条件ではありません。土地だけに抵当権を設定した後の再築なら成立しますが(大判昭和10年8月10日)、土地と建物に共同抵当を設定した後の取壊し・再築では、特段の事情がない限り成立しません(最判平成9年2月14日)。 |
| そう扱う理由と判例 | 抵当権者は建物がない前提で土地を評価しているため(最判昭和36年2月10日) | 成否は一番抵当権設定時を基準に判断し、一番抵当権者の不利益を防ぐため(最判昭和47年11月2日) | 最初に抵当権を設定した時点で土地の上に建物が存在していたため(大判昭和10年8月10日) | 抵当権者は土地と建物の全体の担保価値を把握していたため(最判平成9年2月14日) | 抵当権者がその土地をいくらと見積もって貸したか、という視点で考えると結論を思い出せます。 |
抵当権を設定した当時の状態
- 更地に抵当権を設定した後に建物を建てた
- 土地の上に建物がない更地だった
- 一番抵当権のときは更地、二番抵当権のときは建物あり
- 一番抵当権のときは更地で、二番抵当権のときは建物があった
- 建物のある土地に抵当権。建物を取り壊して再築
- 土地の上に建物があり、後に取り壊して建て直した
- 土地と建物に共同抵当。建物を取り壊して再築
- 土地と建物の両方に抵当権があり、後に建物を建て直した
判断ポイント
388条の要件は、抵当権設定当時に建物が存在し、土地と建物が同一人の所有であることです。
法定地上権の成否
最重要- 更地に抵当権を設定した後に建物を建てた
- 成立しない
- 一番抵当権のときは更地、二番抵当権のときは建物あり
- 成立しない
- 建物のある土地に抵当権。建物を取り壊して再築
- 成立する
- 土地と建物に共同抵当。建物を取り壊して再築
- 成立しない
判断ポイント
抵当権設定当時に建物が存在することは必要条件であって十分条件ではありません。土地だけに抵当権を設定した後の再築なら成立しますが(大判昭和10年8月10日)、土地と建物に共同抵当を設定した後の取壊し・再築では、特段の事情がない限り成立しません(最判平成9年2月14日)。
そう扱う理由と判例
- 更地に抵当権を設定した後に建物を建てた
- 抵当権者は建物がない前提で土地を評価しているため(最判昭和36年2月10日)
- 一番抵当権のときは更地、二番抵当権のときは建物あり
- 成否は一番抵当権設定時を基準に判断し、一番抵当権者の不利益を防ぐため(最判昭和47年11月2日)
- 建物のある土地に抵当権。建物を取り壊して再築
- 最初に抵当権を設定した時点で土地の上に建物が存在していたため(大判昭和10年8月10日)
- 土地と建物に共同抵当。建物を取り壊して再築
- 抵当権者は土地と建物の全体の担保価値を把握していたため(最判平成9年2月14日)
判断ポイント
抵当権者がその土地をいくらと見積もって貸したか、という視点で考えると結論を思い出せます。
01抵当権と担保物権の重要暗記項目
抵当権と物上代位
抵当権に基づく物上代位は賃料債権にも及ぶ(最判平成元年10月27日)。最判平成10年1月30日は、目的債権が譲渡され第三者対抗要件が備えられた後であっても、抵当権者は自ら差押えをして物上代位権を行使できるとした。一般債権者の差押えとの優劣は、抵当権設定登記の時と差押命令の第三債務者への送達の時の先後で決まる(最判平成10年3月26日)。抵当不動産の賃借人が第三者に転貸した場合の転貸賃料には、賃借人を所有者と同視することを相当とする場合を除き物上代位できない(最決平成12年4月14日)。
覚え方賃料には及ぶが転貸賃料には及ばない。譲渡されても差押えで追える
ひっかけ注意債権譲渡の対抗要件が先に備わると物上代位できなくなるとする誤りが狙われる。判例は物上代位を認める。
抵当権と法定地上権(更地)
388条の法定地上権の要件は、抵当権設定当時に土地の上に建物が存在すること、土地と建物が同一の所有者に属すること、土地または建物に抵当権が設定されたこと、競売により所有者を異にするに至ったことである。最判昭和36年2月10日は、更地に抵当権を設定した後に建物が築造された場合、抵当権者が建物の築造をあらかじめ承認していたとしても法定地上権は成立しないとした。この場合、抵当権者は土地とともに建物を一括競売できるが、優先弁済を受けられるのは土地の代価に限られる(389条)。
覚え方更地に付けたら地上権なし。承認があっても成立しない
ひっかけ注意抵当権者が建物築造を承認していれば法定地上権が成立するとする誤りが定番。判例はこれを明確に否定する。
抵当権と法定地上権(共有)
最判昭和44年11月4日は、土地が共有の場合、他の共有者が法定地上権の発生をあらかじめ容認していたなどの特段の事情がない限り、成立を否定する。他の共有者の持分まで負担を課すことになるからである。これに対し建物が共有の場合は土地共有者の利益を害しないため成立する(最判昭和46年12月21日)。また土地に1番抵当権が設定された当時に土地と建物の所有者が異なっていれば、その後同一所有者となって2番抵当権が設定されても、1番抵当権が消滅しない限り成立しない(最判平成2年1月22日)。これに対し建物に1番抵当権が設定された当時に別人所有であっても、2番抵当権設定当時に同一所有者となっていれば、建物の競売により成立する(大判昭和14年7月26日)。
覚え方土地共有は原則不成立、建物共有は成立
ひっかけ注意土地共有と建物共有を同じ結論で処理する誤りが狙われる。土地共有では原則不成立、建物共有では成立と結論が逆になる。
差押えを受けた債権と相殺
最大判昭和45年6月24日は無制限説を採り、差押え前に取得した債権であれば、その債権と被差押債権の弁済期の先後を問わず相殺を差押債権者に対抗できるとした。511条1項がこれを明文化している。同条2項は、差押え後に取得した債権でも差押え前の原因に基づいて生じたものであれば相殺を対抗できるとする。相殺の意思表示に条件・期限は付けられず、効力は相殺適状の時にさかのぼる(506条)。
覚え方差押え前に取得した債権なら弁済期の先後を問わず相殺できる
ひっかけ注意自働債権の弁済期が受働債権より後に到来する場合は相殺できないとする制限説の記述が誤りとして出る。
利益相反行為と特別代理人
826条1項は親権を行う父または母とその子との利益が相反する行為について、親権者が家庭裁判所に特別代理人の選任を請求しなければならないとし、2項は親権に服する数人の子の間で利益が相反する場合に一方のために特別代理人を選任すべきものとする。該当性は行為の外形から客観的に判断され、親権者自身の債務のために子の不動産に抵当権を設定する行為は利益相反行為にあたる。特別代理人によらずにされた行為は無権代理となり、子が成年に達した後に追認できる。
覚え方外形で判断。親の借金のために子の不動産に抵当権は相反する
ひっかけ注意親権者の動機や意図から利益相反性を判断するとする誤りが狙われる。判例は行為の外形から客観的に判断する。
留置権の成立要件
留置権の成立要件は、他人の物を占有していること、その物に関して生じた債権を有すること(牽連性)、債権が弁済期にあること、占有が不法行為によって始まったものでないこと(295条2項)である。留置権は不可分性を有し(296条)、留置権者は果実を収取して他の債権者に先立ち弁済に充当でき(297条)、善管注意義務を負う(298条1項)。債務者は相当の担保を供して消滅を請求でき(301条)、占有を失えば留置権は消滅する(302条)。
覚え方他人の物・牽連性・弁済期・適法占有の四条件
ひっかけ注意留置権に物上代位を認める誤りが狙われる。304条を準用するのは先取特権・質権・抵当権であり、留置権には優先弁済権がない。
留置権と牽連性の判例
最判昭和29年1月14日は、造作買取代金債権について建物との牽連性を否定し、建物の留置を認めなかった。また最判昭和43年11月21日は、不動産の二重譲渡で第一買主が売主に対して有する損害賠償請求権も物に関して生じた債権とはいえず、第二買主に対する留置権を認めないとする。これに対し借地人が建物買取請求権を行使した場合の代金債権については、建物を留置でき、その反射的効果として敷地の明渡しも拒める(大判昭和14年8月24日。ただし敷地の占有により得た利益は地代相当額の不当利得として返還を要する)。
覚え方造作代金では建物を留置できない、建物買取代金なら敷地まで留置できる
ひっかけ注意造作買取代金債権で建物を留置できるとする誤りが定番。造作は建物とは別個の物であり牽連性が否定される。
抵当権と賃貸借
395条1項の引渡猶予の対象は、競売手続の開始前から使用または収益をする者と、強制管理等の管理人が競売手続開始後にした賃貸借により使用または収益をする者であり、猶予期間は買受けの時から6箇月である。買受人が買受け後の使用の対価について1箇月分以上の支払を相当の期間を定めて催告し、その期間内に履行がないときは適用されない(2項)。また最判平成17年3月10日は、占有により交換価値の実現が妨げられる場合、抵当権者は抵当権に基づく妨害排除請求として自己への直接の明渡しを求めうるとした。
覚え方引渡猶予は買受けから六箇月。対価を払わなければ猶予は消える
ひっかけ注意改正前の短期賃貸借保護(3年)と混同させる出題が多い。現行法は明渡猶予6箇月であり、賃借権が対抗できるわけではない。
覚える数字と、狙われる引っかけ
- 建物明渡しの引渡猶予 買受けの時から6か月
- 根抵当の元本確定請求 設定者は設定から3年経過後・請求から2週間で確定(元本確定期日の定めがあるときは請求できない)
- 不動産質権の存続期間 10年を超えられない
- ひっかけ更地に抵当権を設定した後に建物を築造した場合、抵当権者の承認があれば法定地上権が成立するとする肢。承認があっても成立しない
- ひっかけ留置権にも物上代位や優先弁済権があるとする肢。304条が準用されるのは先取特権・質権・抵当権である
- ひっかけ債権譲渡の対抗要件が備わった後は物上代位できないとする肢。抵当権者は自ら差押えをして行使できる
押さえる判例
更地に抵当権を設定した後に建物が築造された場合は、抵当権者が築造を承認していても法定地上権は成立しない
土地が共有の場合は、他の共有者が法定地上権の発生をあらかじめ容認していた等の特段の事情がない限り成立しない
目的債権が譲渡され第三者対抗要件が備えられた後でも、抵当権者は自ら差押えをして物上代位権を行使できる
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1法定地上権は、抵当権設定当時に土地上に建物が存在し、土地と建物が同一所有者に属していたかを設定時を基準に確認する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2共有が絡むなら向きを見る。土地が共有なら原則として成立せず、建物が共有なら成立する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3物上代位を主張するなら、目的債権の払渡しまたは引渡し前に自ら差押えをしているかを確認する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 民法
- 情報確認日
- 2026年4月1日施行法令基準
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
抵当権と担保物権の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
民法重要度 S頻出度 15/24(編集部の目安)
抵当権と法定地上権(更地)
更地に抵当権が設定された後にその土地上に建物が築造された場合、抵当権者があらかじめ建物の築造を承認していたときは、その建物のために法定地上権の成立が認められる。
抵当権と担保物権の○×一問一答17問|問題と解説
この論点で収録している17問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
抵当権と法定地上権(更地)重要度S更地に抵当権が設定された後にその土地上に建物が築造された場合、抵当権者があらかじめ建物の築造を承認していたときは、その建物のために法定地上権の成立が認められる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。最判昭和36年2月10日は、更地としての担保価値を把握した以上、承認があっても法定地上権は成立しないとする。
問2
抵当権と物上代位重要度S抵当権者は、物上代位の目的である賃料債権が第三者に譲渡され対抗要件が備えられた後においても、自ら差押えをして物上代位権を行使することができる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最判平成10年1月30日は、債権譲渡後も抵当権者が自ら差押えをすれば物上代位できるとした。
問3
抵当権と法定地上権(共有)重要度S土地が共有である場合において、共有者の一人が地上に建物を所有し自己の土地共有持分に抵当権を設定したときは、その実行によって法定地上権が成立する。
答え:×(誤り)
解説
誤り。最判昭和44年11月4日は、他の共有者の意思に反して土地に負担を課すことになるとして成立を否定した。
問4
留置権の成立要件重要度A他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有する場合であっても、その債権が弁済期にないときは、その物を留置することができない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。295条1項ただし書により、被担保債権が弁済期にないときは留置権は成立しない。
問5
抵当権と賃貸借重要度A抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当建物を競売手続の開始前から使用する者は、買受人の買受けの時から6箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。395条1項は、抵当建物使用者に買受けの時から6箇月の引渡猶予を認めている。
問6
不法原因給付重要度A公序良俗に反する関係を維持する目的で未登記の建物が贈与され引渡しがされた場合、贈与者はその建物の返還を請求することができず、その反射的な効果としてその建物の所有権は受贈者に帰属する。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最大判昭和45年10月21日は、未登記建物では引渡しにより給付が完了し、返還請求が否定される反射として所有権が受贈者に帰属するとした。
問7
留置権と牽連性の判例重要度A建物賃借人が造作買取請求権を行使した場合、賃借人はその造作買取代金債権を被担保債権として建物全体を留置することができる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。最判昭和29年1月14日は、造作代金債権は造作に関する債権であって建物に関して生じた債権ではないとした。
問8
根抵当権の元本確定重要度A元本の確定すべき期日の定めがない根抵当権について、根抵当権設定者が設定の時から3年を経過した後に元本の確定を請求したときは、その請求の時から2週間を経過することによって元本が確定する。
答え:○(正しい)
解説
正しい。398条の19第1項は、設定者の確定請求権について3年の経過と、請求から2週間での確定を定める。
問9
地役権の時効取得と対抗重要度B通行地役権の承役地が譲渡された場合において、譲渡の時に承役地が要役地の通路として使用されていることが客観的に明らかであり、譲受人がそのことを認識可能であったときは、譲受人は地役権設定登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当たる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。最判平成10年2月13日は、この場合の譲受人は特段の事情がない限り177条の第三者に当たらないとした。
問10
先取特権と物上代位重要度B先取特権者が目的物の売却によって債務者が受けるべき金銭に対して物上代位権を行使するには、その払渡しまたは引渡しの前に差押えをしなければならない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。304条1項ただし書は、払渡しまたは引渡しの前の差押えを物上代位の要件としている。
問11
期間経過後の遺産分割重要度A相続開始の時から十年を経過した後にする遺産分割については、原則として特別受益及び寄与分の規定は適用されない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。904条の3は、相続開始から十年経過後の遺産分割について903条から904条の2までの適用を除外する。
問12
書面によらない贈与の解除重要度B書面によらない動産の贈与について引渡しが完了した場合であっても、贈与者は、いまだ第三者に対する対抗要件が備わっていないことを理由として、その贈与を解除することができる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。550条ただし書により履行の終わった部分については解除できず、動産の引渡しは履行の終了に当たる。
問13
質権の設定と流質契約重要度B質権設定者は、債務の弁済期前の契約において、質権者に弁済として質物の所有権を取得させることを約することができる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。349条は、弁済期前の流質契約を禁止している。弁済期後の合意は妨げられない。
問14
親権の共同行使重要度A父母の双方が親権者である場合であっても、子の利益のため急迫の事情があるときは、父母の一方が単独で親権を行うことができる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。824条の2第1項ただし書三号は、子の利益のため急迫の事情があるときの単独行使を認めている。
問15
譲渡担保と受戻し重要度B不動産の譲渡担保において債務者が履行を遅滞した後、譲渡担保権者が目的不動産を第三者に譲渡したときは、譲渡担保設定者はもはや目的物を受け戻すことができない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最判平成6年2月22日は、第三者への処分により受戻権は消滅し設定者は清算金請求権を有するにとどまるとした。
問16
親権の喪失と停止重要度B家庭裁判所が親権停止の審判をするときは、五年を超えない範囲内で親権を停止する期間を定める。
答え:×(誤り)
解説
誤り。834条の2第2項は、二年を超えない範囲内で親権を停止する期間を定めるものとしている。
問17
準正重要度C婚姻中に父母が認知した子が嫡出子の身分を取得するのは、認知の時ではなく父母の婚姻の時である。
答え:×(誤り)
解説
誤り。789条2項の認知準正では、嫡出子の身分の取得は婚姻の時ではなく認知の時からである。
抵当権と担保物権の問題を続けて解く
この論点に対応する17問を絞り込んで出題します。