民法
行政書士の不法行為|成立要件・責任能力・時効3年と5年を整理【2026年度試験対応】
不法行為の成立要件を、故意過失、権利利益の侵害、損害と因果関係から解説。未成年者の責任能力、使用者・工作物責任、生命身体侵害の時効も比較します。
要点 7件・基本問題 8問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

記事内容を表す生成イメージ。
2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
不法行為は、故意又は過失により他人の権利や法律上保護される利益を侵害し、損害を生じさせた場合の賠償責任です。契約関係がなくても問題になります。損害があるというだけで直ちに責任を認めず、行為・責任能力・因果関係と、誰に請求するかを分けて確認します。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-12
709条は故意過失・侵害・損害をつなげて読む
民法709条では、故意又は過失、権利又は法律上保護される利益の侵害、その行為による損害が問題となります。財産上の損害に限らず、710条により精神的損害等の賠償もあり得ます。
例えば不注意で他人の物を壊した場面では、注意義務違反があったか、物の損傷がその行為から生じたか、損害額はいくらかを確認します。不快に感じた、損をしたという結果だけから結論を決めるのではありません。
| 軸 | 問い |
|---|---|
| 故意・過失 | 意図又は注意義務違反があるか |
| 権利・利益の侵害 | 法的に保護される対象か |
| 損害と因果関係 | 行為によってどの損害が生じたか |
| 責任能力 | 自分の行為の責任を理解できたか |
根拠:民法
未成年者だから当然に責任を負わないわけではない
712条は、未成年者が自己の行為の責任を理解するに足りる知能を備えていなかった場合、賠償責任を負わないとします。契約の同意や取消しに関する行為能力と、不法行為の責任能力は別です。
精神上の障害で責任を理解する能力を欠く状態でも、故意又は過失で一時的にその状態を招いた場合は713条ただし書に注意します。令和4年度問34は、こうした責任能力と正当防衛・緊急避難を比較する出題でした。責任無能力者については、714条の監督義務者等の責任も別途検討します。
使用者責任と工作物責任は、責任を負う理由が違う
715条は、被用者が事業の執行について第三者へ損害を加えた場合の使用者責任を定めます。使用者には、選任・監督の相当な注意をしたこと等による条文上の免責があります。雇われている人の全ての私生活上の事故を会社の責任にする制度ではありません。
717条の土地工作物責任では、設置・保存の瑕疵による損害について、まず占有者の責任を検討します。占有者が必要な注意をした場合は所有者が責任を負い、所有者には同じ注意による免責規定がありません。原因と占有・所有の立場を一組で確認します。
根拠:民法
時効は通常3年、生命・身体侵害は5年の特則

不法行為の時効は損害と加害者を知った時から原則3年、生命・身体侵害は5年。いずれも行為時から20年も確認。
図を大きく見る724条の原則は、被害者又は法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年、又は不法行為時から20年です。生命又は身体を害する不法行為では、知った時からの期間が5年になります(724条の2)。
物を壊された場合の3年と、けがをした場合の5年を区別します。どちらも「事故の日から3年・5年」とだけ覚えず、何を知った時かを確認してください。旧法が問題になる古い事案や特別法がある場合は、その適用関係も別途確認します。被害者側の過失は722条2項の過失相殺として、成立要件や時効と分けて検討します。
| 損害の種類 | 損害及び加害者を知った時から | 行為時から |
|---|---|---|
| 通常の不法行為 | 3年 | 20年 |
| 生命・身体を害する不法行為 | 5年 | 20年 |
根拠:民法
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和4年度 問34
未成年者・精神上の障害に関する責任能力と正当防衛等
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- 民法確認日:2026-09-12
- 行政書士試験研究センター:公式問題原本確認日:2026-09-12
- 行政書士試験研究センター:令和8年度試験案内確認日:2026-09-12
日常家事債務の連帯責任
761条は夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときの連帯責任を定め、判例はここに夫婦相互の代理権が含まれると解する。日常家事の範囲を超える行為について、最判昭和44年12月18日は、110条を直接適用すると762条1項の夫婦別産制が損なわれるとして直接適用を否定し、第三者において当該行為が当該夫婦の日常家事に属すると信ずるにつき正当の理由があるときに限り110条の趣旨を類推適用するとした。範囲は夫婦の社会的地位・資産・収入等から客観的に判断される。
覚え方日常家事なら連帯責任、はみ出せば110条の趣旨を類推
最重要・比較表
特殊な不法行為で免責されるか
最初に確かめるのは、注意を尽くしたと証明できれば責任を免れるかどうかです。工作物の所有者だけは免責事由がなく、過失がなくても責任を負います。
| 事由 | 監督者責任(714条) | 使用者責任(715条) | 工作物の占有者(717条) | 工作物の所有者(717条) | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 責任を負う場面 | 直接の加害者が責任無能力者で責任を負わない場合に、その者を監督する法定の義務を負う者が負う(714条1項本文) | 被用者が事業の執行について他人に加えた損害について、人を雇っている使用者が負う(715条1項本文) | 土地の工作物の設置または保存に瑕疵があったときに、まず占有者が負う(717条1項本文) | 占有者が免責されるときに、代わって所有者が負う(717条1項ただし書) | 工作物責任は占有者と所有者を自由に選べるのではなく、占有者が先で所有者は後という順序があります。 |
| 免責されるか最重要 | 免責される | 免責される | 免責される | 免責されない | 無過失責任なのは工作物の所有者だけです。監督者・使用者・占有者はいずれも中間責任です。 |
| 免責事由 | 監督義務を怠らなかったとき、または義務を怠らなくても損害が生ずべきであったとき | 被用者の選任・監督について相当の注意をしたとき、または相当の注意をしても損害が生ずべきであったとき | 損害の発生を防止するのに必要な注意をしたとき(717条1項ただし書) | 免責事由はなく、過失がなくても責任を免れない無過失責任 | 免責の証明責任は責任を負う側にあるので、証明できなければそのまま賠償責任が残ります。 |
| 他の責任者との関係 | 直接の加害者は責任無能力者なので、加害者本人は損害賠償責任を負わない | 被用者本人も709条の責任を負い、使用者が賠償したときは信義則上相当と認められる限度で求償できる | 損害の原因について他に責任を負う者があるときは、その者に求償できる(717条3項) | 所有者も同じく、他に責任を負う者があるときはその者に求償できる(717条3項) | 使用者責任では被害者は被用者本人にも請求でき、使用者の求償は全額ではなく制限されます。 |
責任を負う場面
- 監督者責任(714条)
- 直接の加害者が責任無能力者で責任を負わない場合に、その者を監督する法定の義務を負う者が負う(714条1項本文)
- 使用者責任(715条)
- 被用者が事業の執行について他人に加えた損害について、人を雇っている使用者が負う(715条1項本文)
- 工作物の占有者(717条)
- 土地の工作物の設置または保存に瑕疵があったときに、まず占有者が負う(717条1項本文)
- 工作物の所有者(717条)
- 占有者が免責されるときに、代わって所有者が負う(717条1項ただし書)
判断ポイント
工作物責任は占有者と所有者を自由に選べるのではなく、占有者が先で所有者は後という順序があります。
免責されるか
最重要- 監督者責任(714条)
- 免責される
- 使用者責任(715条)
- 免責される
- 工作物の占有者(717条)
- 免責される
- 工作物の所有者(717条)
- 免責されない
判断ポイント
無過失責任なのは工作物の所有者だけです。監督者・使用者・占有者はいずれも中間責任です。
免責事由
- 監督者責任(714条)
- 監督義務を怠らなかったとき、または義務を怠らなくても損害が生ずべきであったとき
- 使用者責任(715条)
- 被用者の選任・監督について相当の注意をしたとき、または相当の注意をしても損害が生ずべきであったとき
- 工作物の占有者(717条)
- 損害の発生を防止するのに必要な注意をしたとき(717条1項ただし書)
- 工作物の所有者(717条)
- 免責事由はなく、過失がなくても責任を免れない無過失責任
判断ポイント
免責の証明責任は責任を負う側にあるので、証明できなければそのまま賠償責任が残ります。
他の責任者との関係
- 監督者責任(714条)
- 直接の加害者は責任無能力者なので、加害者本人は損害賠償責任を負わない
- 使用者責任(715条)
- 被用者本人も709条の責任を負い、使用者が賠償したときは信義則上相当と認められる限度で求償できる
- 工作物の占有者(717条)
- 損害の原因について他に責任を負う者があるときは、その者に求償できる(717条3項)
- 工作物の所有者(717条)
- 所有者も同じく、他に責任を負う者があるときはその者に求償できる(717条3項)
判断ポイント
使用者責任では被害者は被用者本人にも請求でき、使用者の求償は全額ではなく制限されます。
01不法行為(使用者責任・工作物責任)の重要暗記項目
日常家事債務の連帯責任
761条は夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときの連帯責任を定め、判例はここに夫婦相互の代理権が含まれると解する。日常家事の範囲を超える行為について、最判昭和44年12月18日は、110条を直接適用すると762条1項の夫婦別産制が損なわれるとして直接適用を否定し、第三者において当該行為が当該夫婦の日常家事に属すると信ずるにつき正当の理由があるときに限り110条の趣旨を類推適用するとした。範囲は夫婦の社会的地位・資産・収入等から客観的に判断される。
覚え方日常家事なら連帯責任、はみ出せば110条の趣旨を類推
ひっかけ注意範囲外の行為について110条を直接適用するとする誤りが定番。判例は趣旨の類推適用にとどめている。
不法行為の消滅時効
724条は、被害者または法定代理人が損害および加害者を知った時から3年(1号)、不法行為の時から20年(2号)で損害賠償請求権が時効消滅するとする。20年は改正により除斥期間ではなく消滅時効期間と整理され、完成猶予・更新の規定が適用される。724条の2は人の生命または身体を害する不法行為について1号の3年を5年に読み替える。債務不履行構成なら166条1項・167条により5年と20年になるため、生命身体侵害では両構成の期間が一致する。
覚え方不法行為は三年と二十年、生命身体は五年と二十年
ひっかけ注意724条2号の20年を除斥期間として完成猶予が働かないとする改正前の記述が誤りとして出題される。
不法行為による損害賠償請求権の期間制限
最判昭和48年11月16日は、724条1号の「加害者を知った時」とは、加害者に対する賠償請求が事実上可能な状況の下に、それが可能な程度に加害者を知った時をいうとした。単に加害行為者の氏名を知っただけでは足りない。人の生命または身体を害する不法行為では1号の3年が5年に読み替えられる(724条の2)。724条2号の20年は改正により消滅時効と整理されたため、完成猶予・更新の規定が適用され、援用も必要となる。継続的不法行為では損害が発生するごとに別個に時効が進行する。
覚え方「知った時」は請求が事実上可能になった時。二十年も時効なので援用が要る
ひっかけ注意被害者が加害者の住所氏名を知った時点で直ちに起算するとする誤りが狙われる。判例は請求可能性まで求める。
不法行為の要件と責任能力
709条の要件は、故意または過失、他人の権利または法律上保護される利益の侵害、損害の発生、行為と損害との因果関係である。責任を弁識する能力を欠く未成年者(おおむね12歳程度が目安)や精神上の障害により弁識能力を欠く者は責任を負わず(712条・713条)、監督義務者が714条の中間責任を負う。責任能力のある未成年者の行為でも、監督義務者自身の義務違反と結果との間に相当因果関係があれば709条の責任を問える(最判昭和49年3月22日)。
覚え方責任能力なしなら714条、ありなら親自身の709条責任
ひっかけ注意責任能力のある未成年者の行為について親が一切責任を負わないとする誤りが狙われる。709条による責任追及の余地がある。
工作物責任
717条1項本文は土地の工作物の設置または保存の瑕疵について占有者の中間責任を定め、ただし書は占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときに所有者が責任を負うとする。所有者には免責事由がなく、無過失であっても責任を免れない無過失責任である。竹木の栽植または支持に瑕疵がある場合にも準用される(同2項)。損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者または所有者はその者に求償できる(同3項)。国家賠償法2条の営造物責任は717条と異なり占有者の免責を認めていない。
覚え方占有者は注意すれば免れる、所有者は逃げられない
ひっかけ注意所有者も必要な注意をしたことを証明すれば免責されるとする誤りが定番。所有者の責任は無過失責任である。
共同不法行為
719条1項前段は数人が共同の不法行為により損害を加えたときの連帯責任を、後段は共同行為者のうち誰が損害を加えたか知ることができないときの因果関係の推定を定め、2項は教唆者・幇助者を共同行為者とみなす。最判平成13年3月13日は、交通事故と医療事故が順次競合した事案で、各不法行為と結果との間に相当因果関係がある以上、各自が損害の全額について連帯して責任を負い、寄与度に応じた減額はできないとした。共同不法行為者の一人に対する債務の免除は他の者に効力を及ぼさない。
覚え方寄与度で減らせない。全員が全額を連帯して負う
ひっかけ注意各加害者が寄与度に応じた分割責任を負うとする誤りが狙われる。判例は全額連帯責任とする。
失火責任法の適用範囲
失火の責任に関する法律は、失火者に重大な過失があるときを除き709条の適用を排除する。最判昭和30年3月25日は、賃借人の失火により賃借建物が焼失した場合の返還義務の履行不能について債務不履行責任を認め、同法の適用を否定した。同法は不法行為責任にのみ適用されるからである。使用者責任(715条)では被用者に重過失があれば使用者は自らに重過失がなくても責任を負い、責任無能力者の失火については監督義務者自身の重過失の有無で判断される(最判平成7年1月24日)。
覚え方失火は重過失だけ。ただし契約責任には効かない
ひっかけ注意賃借人の失火による賃借物の焼失にも失火責任法が適用されるとする誤りが定番。債務不履行責任には適用されない。
覚える数字と、狙われる引っかけ
- 不法行為の時効 3年(生命身体の侵害は5年)・20年
- 責任無能力者の監督義務者責任 714条は中間責任
- ひっかけ工作物責任で占有者と所有者の責任の性質を入れ替える肢。所有者には免責事由がない
- ひっかけ賃借人の失火による返還義務の履行不能にも失火責任法を適用する肢。判例は債務不履行責任には適用しない
- ひっかけ共同不法行為で寄与度に応じた分割責任にとどまるとする肢。各自が損害の全額について連帯責任を負う
押さえる判例
被用者の行為が外形から観察して職務の範囲内に属するとみられるときは「事業の執行について」に当たる(外形標準説)
被用者の取引行為が外形上職務の範囲内であっても、相手方がその行為が職務権限内で適法にされたものでないことを知り、または重大な過失により知らなかったときは、使用者に損害賠償を請求できない
損害を賠償した被用者は、諸般の事情に照らし相当と認められる額について使用者に求償することができる
各不法行為と結果との間に相当因果関係がある以上、各自が損害の全額について連帯責任を負い、寄与度に応じた減額はできない
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1責任主体を決める。被用者の行為なら715条、工作物の瑕疵なら717条で、まず占有者、免責されたら所有者
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2「事業の執行について」は外形標準説で判断する。ただし相手方が職務権限外を知り、または重過失により知らなかったときは保護されない
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3期間制限を当てはめる。損害および加害者を知った時から3年(生命身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 民法
- 情報確認日
- 2026年4月1日施行法令基準
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
不法行為(使用者責任・工作物責任)の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
民法重要度 S頻出度 13/24(編集部の目安)
使用者責任
被用者の行為が職務権限内において適法に行われたものでなくても、その行為の外形から観察して被用者の職務の範囲内に属するものと認められるときは、使用者は、被害者に対して損害を賠償する責任を負う。
不法行為(使用者責任・工作物責任)の○×一問一答8問|問題と解説
この論点で収録している8問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
使用者責任重要度S被用者の行為が職務権限内において適法に行われたものでなくても、その行為の外形から観察して被用者の職務の範囲内に属するものと認められるときは、使用者は、被害者に対して損害を賠償する責任を負う。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最判昭和40年11月30日は、事業の執行についての判断につき外形標準説を採用している。
問2
不法行為による損害賠償請求権の期間制限重要度A不法行為による損害賠償請求権は、被害者またはその法定代理人が加害者に対する賠償請求が事実上可能な程度に加害者を知らなくても、損害の発生を知った時から3年を経過すれば時効によって消滅する。
答え:×(誤り)
解説
誤り。724条1号の起算点は損害と加害者の双方を知った時であり、最判昭和48年11月16日は賠償請求が事実上可能な程度に加害者を知ることを要するとした。
問3
不法行為の消滅時効重要度A不法行為による損害賠償請求権は、被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から5年間行使しないときに、時効によって消滅する。
答え:×(誤り)
解説
誤り。724条1号の主観的起算点からの期間は3年である。5年になるのは生命・身体侵害の場合(724条の2)。
問4
不法行為の要件と責任能力重要度A未成年者が他人に損害を加えた場合において、その未成年者が自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていたときは、その監督義務者は、監督義務を怠らなかったことを証明しない限り714条により責任を負う。
答え:×(誤り)
解説
誤り。714条は責任無能力者が責任を負わない場合の規定であり、責任能力のある未成年者の行為には適用されない。
問5
工作物責任重要度A土地の工作物の設置または保存に瑕疵があることによって他人に損害が生じたときは、その工作物の占有者は、損害の発生を防止するのに必要な注意をしたことを証明した場合であっても、被害者に対して損害を賠償する責任を負う。
答え:×(誤り)
解説
誤り。717条1項ただし書により、占有者が必要な注意をしたことを証明したときは、代わって所有者が賠償責任を負う。
問6
日常家事債務の連帯責任重要度S夫婦の一方が日常家事の範囲を超えて第三者と法律行為をした場合、その第三者は民法百十条の表見代理の規定の直接適用によって保護されるとするのが判例である。
答え:×(誤り)
解説
誤り。最高裁昭和44年12月18日判決は直接適用を否定し、日常家事に属すると信ずるにつき正当の理由があるときに限り110条の趣旨を類推適用するとした。
問7
共同不法行為重要度A交通事故とその後の医療事故とが順次競合して被害者が死亡した場合において、それぞれの行為と死亡との間に相当因果関係が認められるときは、各行為者は共同不法行為者として損害の全額について連帯して責任を負う。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最判平成13年3月13日は、時間的に前後する行為の競合でも共同不法行為の成立を認め、各自に全額の連帯責任を負わせた。
問8
失火責任法の適用範囲重要度B賃借人の失火によって賃借建物が焼失した場合、賃借人が賃貸人に対して負う目的物の返還義務の履行不能を理由とする責任については、失火の責任に関する法律は適用されない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最判昭和30年3月25日は、失火責任法が709条の不法行為責任を制限する規定であり、債務不履行責任には適用されないとした。
不法行為(使用者責任・工作物責任)の問題を続けて解く
この論点に対応する8問を絞り込んで出題します。