第33回(2026年11月)試験対応2026年4月1日法令基準情報の正確さへの取り組み

資格・キャリア2026年版

産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの違い|資格・費用・取り方【2026年版】

2026年版の解説です。手続・費用・統計の対象時点は、本文と各出典に記載しています。

産業カウンセラーとキャリアコンサルタントは、どちらも働く人の相談に応じる資格で、講座で傾聴を学ぶ点も似ています。ただし、法律での位置づけ、名乗るための条件、取り方と費用、更新のしかたは別々です。この記事では、職業能力開発促進法、厚生労働省、国家資格キャリアコンサルタントWebサイト、一般社団法人日本産業カウンセラー協会の公表で、2つの違いを項目ごとに確かめます。

公開日
2026年11月8日
更新日
2026年11月8日
読了目安
約14分
法令基準日
2025年6月1日
情報確認日
2026年11月8日
産業カウンセラーとの違いの記事カバー

先に結論

キャリアコンサルタントは職業能力開発促進法に定めのある国家資格で、試験に合格して名簿に登録した人だけが名乗れます(名称独占)。産業カウンセラーは日本産業カウンセラー協会が実施する検定で、2026年3月31日に厚生労働省の団体等検定として認定されましたが、国家資格ではありません。産業カウンセラー養成講座の修了は、キャリアコンサルタント試験の受験資格である認定講習の修了には当たりません。

この記事でわかること

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます

  • キャリアコンサルタント:法律に定めがある国家資格。名簿に登録した人だけが名乗れる
  • 産業カウンセラー:協会の検定。2026年3月31日に厚生労働省の団体等検定に認定
  • 費用の例:産業カウンセラー養成講座352,000円、キャリコンの認定講習は198,000円〜437,800円
  • 産業カウンセラー養成講座は、キャリコン試験の認定講習の一覧に載っていない

01結論:国家資格かどうか、名乗る条件で違う

いちばん大きな違いは、法律での位置づけです。キャリアコンサルタントは職業能力開発促進法に定めのある国家資格で、試験に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録した人だけが名乗れます。略して「キャリコン」とも呼ばれます。

産業カウンセラーは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が実施する検定に合格した人の資格です。2026年3月31日に、職業能力開発促進法施行規則に基づく厚生労働省の団体等検定として認定されました。ただし、国家資格ではありません。法律が名称の使用を制限しているわけではありません。

キャリコンと産業カウンセラーを同じ項目で並べた比較図。キャリコンは国家資格、根拠は職業能力開発促進法、名称独占あり、5年ごとに更新。産業カウンセラーは協会の検定、根拠は施行規則による認定、法律上の名称独占なし、登録は原則5年ごとに更新
図解どちらも5年ごとに更新がありますが、国家資格で名称独占があるのはキャリアコンサルタントだけです。拡大して見る ↗

取り方も別です。産業カウンセラーは協会の養成講座を修了して協会の試験を受けるのが中心の道で、キャリアコンサルタントは厚生労働大臣が認定した講習の修了などで受験資格を得て、国家試験を受けます。産業カウンセラー養成講座の修了だけでは、キャリアコンサルタント試験は受けられません。

02キャリアコンサルタント:職業能力開発促進法に定めがある

職業能力開発促進法は、第3章第8節(30条の3〜30条の29)でキャリアコンサルタントを定めています。30条の3は、キャリアコンサルタントを、キャリアコンサルタントの名称を用いてキャリアコンサルティングを行うことを業とする者としています。キャリアコンサルティングとは、労働者の職業の選択、職業生活設計、職業能力の開発と向上に関する相談に応じ、助言と指導を行うことです(2条5項)。

試験は厚生労働大臣が行い、学科試験と実技試験で構成されます(30条の4)。実際の試験は、登録試験機関であるキャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会(JCDA)が実施しています。合格した人は名簿に登録を受けてキャリアコンサルタントになり(30条の19第1項)、登録は5年ごとに更新を受けなければ効力を失います(同条3項)。

登録した人には、信用を傷つける行為の禁止と守秘義務が課されます(30条の27)。登録していない人がキャリアコンサルタントや紛らわしい名称を使うことは禁止され(30条の28)、違反すると30万円以下の罰金です(102条6号)。名乗り方の注意は、キャリアカウンセラーとの違いの記事で詳しく扱います。

03産業カウンセラー:協会の検定で、2026年に厚生労働省の認定

産業カウンセラー試験は、日本産業カウンセラー協会が1971年9月から実施している試験です。協会の2026年4月2日のプレスリリースによると、1992年に旧労働省の技能審査制度の認定を受けましたが、2001年に技能審査から外れ、その後は民間の検定として続いてきました。これまでに認定した産業カウンセラーは7万8千人あまりとされています。

2026年3月31日、産業カウンセラー試験は、職業能力開発促進法施行規則に基づく団体検定として厚生労働省の認定を受けました。厚生労働省の資料では、検定の名称は「一般社団法人日本産業カウンセラー協会団体検定」、対象職種は「産業カウンセラー」です。団体等検定は、団体や企業が行う検定のうち一定の基準を満たすものを厚生労働大臣が認定する制度で、国が行う技能検定を補うものとされています。

認定を受けたことで「国の認定を受けた検定」にはなりましたが、国家資格になったわけではありません。検定を実施するのは協会で、名称を使える人を法律で限る規定もありません。認定にあわせて、協会は試験を2級と1級に分けて案内しています。

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

産業カウンセラー試験の位置づけの移り変わり(協会の公表による)
年出来事
1971年9月協会が産業カウンセラー試験を始める
1992年旧労働省の技能審査制度の認定を受ける
2001年技能審査から外れ、民間の検定として続ける
2026年3月31日厚生労働省の団体等検定として認定される
2026年度2級試験(年2回)と1級試験として案内

この節・表の確認資料: 厚生労働省「団体等検定制度」(確認日 2026年11月8日)/厚生労働省「認定した職業能力検定(団体等検定)の概要」(確認日 2026年11月8日)/日本産業カウンセラー協会「産業カウンセラー試験が厚生労働省認定団体検定を取得」(2026年4月2日)(確認日 2026年11月8日)

042つの資格を同じ項目で比べる

制度の違いを一覧にしました。似ているのは、どちらも働く人の相談を扱うことと、講座で面接の練習を積むことです。違うのは、根拠、実施する団体、受験資格、名乗る条件です。

表の「名称」の行に注意してください。キャリアコンサルタントは登録しないと名乗れませんが、産業カウンセラーの名称には法律上の制限がありません。なお、協会のプレスリリースには、産業カウンセラー®は協会の登録商標と書かれています。

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの比較(2026年11月8日確認)
項目キャリアコンサルタント産業カウンセラー
位置づけ国家資格協会の検定(厚生労働省の団体等検定)
根拠職業能力開発促進法30条の3〜30条の29職業能力開発促進法施行規則に基づく認定
試験の実施キャリアコンサルティング協議会・JCDA日本産業カウンセラー協会
受験資格の中心認定講習の修了、相談の実務3年以上など協会の養成講座の修了
試験学科と実技(論述・面接)学科と実技
名称名簿に登録した人だけが名乗れる法律上の制限なし(協会の登録商標)
更新5年ごと(講習が必要)原則5年ごと(研修6時間)

この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「職業能力開発促進法」第2条・第30条の3〜第30条の29・第102条(確認日 2026年11月8日)/キャリアコンサルティング協議会「キャリアコンサルタント試験について」(確認日 2026年11月8日)/日本産業カウンセラー協会「産業カウンセラー試験が厚生労働省認定団体検定を取得」(2026年4月2日)(確認日 2026年11月8日)/日本産業カウンセラー協会「産業カウンセラー2級試験 実施概要」(確認日 2026年11月8日)/日本産業カウンセラー協会「資格登録・更新制度」(確認日 2026年11月8日)

05受験資格の違い:講座の修了が中心なのは同じ

キャリアコンサルタント試験は、次のどれかに当たる人だけが受けられます(30条の4第3項)。厚生労働大臣が認定する講習の修了、労働者の職業の選択・職業生活設計・職業能力開発に関する相談の実務3年以上、キャリアコンサルティング技能検定の学科または実技の合格、これらと同等以上の能力がある人です。実務経験に当たるかは個別に判断されます。

産業カウンセラー2級の受検資格は、協会の養成講座の修了が中心です。ほかに、心理学などの大学院で所定の単位を取った人、4年制大学で協会が指定する17科目を履修した人、労働者の心の健康やハラスメント、両立支援、職業適性に関する相談の実務を通算3年以上持つ人も受けられます。実務経験の3年は、受検する年度の4月1日からさかのぼる5年間で数え、対面での相談であることが必要です。

大学院・大学・実務経験で受検する人は、書面審査の申請が必要です。どちらの試験も、実務経験の数え方は団体が決めた条件で判断されるため、自分で「当たる」と決めずに申請先に確認してください。

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

受験資格の比較
ルートキャリアコンサルタント試験産業カウンセラー2級
講座厚生労働大臣が認定する講習(150時間以上)の修了協会の養成講座の修了(修了年度を問わない)
実務経験職業の選択などの相談で3年以上労働者の相談で通算3年以上(過去5年間・対面)
学歴なし大学院の所定単位、または大学の指定17科目
その他技能検定の学科か実技の合格、同等以上の能力大学院・大学・実務は書面審査が必要

この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「職業能力開発促進法」第2条・第30条の3〜第30条の29・第102条(確認日 2026年11月8日)/厚生労働省「キャリアコンサルタントになりたい方へ」(確認日 2026年11月8日)/厚生労働省「キャリアコンサルタント養成講習一覧」(2026年10月作成)(確認日 2026年11月8日)/日本産業カウンセラー協会「産業カウンセラー2級試験 実施概要」(確認日 2026年11月8日)

06試験の形と合格率:どちらも学科と実技

キャリアコンサルタント試験の学科は、四肢択一50問を100分で解き、100点満点で70点以上が合格です。実技は論述50分と面接20分(ロールプレイ15分・口頭試問5分)で、150点満点で90点以上が必要です。第32回(2026年7月)の合格率は、学科54.8%、実技61.7%、学科と実技を同時に受けた人で45.8%でした。

産業カウンセラー2級も学科試験と実技試験に分かれます。2027年1月の回は、学科が1月24日の13時20分〜16時10分(予定)、実技が1月30日・31日のうち指定された日で、集合から終了まで約90分です。2026年7月の2級試験の合格率は、学科55.32%、実技71.88%、総合47.4%でした。

一方だけ合格した人は、どちらの試験でも、後の回で残りの試験だけを受けられます(有効な回数や期間は試験ごとに違います)。ただし、試験の範囲は違います。キャリアコンサルタントの学科は労働関係の法令や職業能力開発の制度まで出題されるため、産業カウンセラーに合格した人でも、学科の準備は別に必要です。

07費用の違い:講座・受験料・登録

講座の費用は、どちらも数十万円です。産業カウンセラー養成講座の受講料は、協会の公表で352,000円(教材費を含む、税込)です。キャリアコンサルタントの認定講習は実施機関ごとに料金が違い、厚生労働省の一覧(2026年10月作成)の基本料金は198,000円〜437,800円でした。

受験料は、キャリアコンサルタント試験が学科8,900円・実技29,900円、産業カウンセラー2級が学科と実技で44,000円(税込)です。キャリアコンサルタントは合格した後に、登録免許税9,000円と登録手数料8,000円もかかります。

給付金の対象かどうかも講座ごとに確認が必要です。協会は、産業カウンセラー養成講座(6か月コース・10か月コース)を教育訓練給付の特定一般教育訓練の指定講座としています。キャリアコンサルタントの認定講習の給付は、給付金の記事にまとめています。

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

資格を取るまでの主な費用(2026年11月8日確認)
費目キャリアコンサルタント産業カウンセラー2級
講座認定講習198,000円〜437,800円(基本料金)養成講座352,000円(教材費込み・税込)
受験料学科8,900円、実技29,900円学科・実技44,000円(片方のみは16,500円か27,500円)
登録登録免許税9,000円+登録手数料8,000円協会への入会で資格登録(年会費あり)

この節・表の確認資料: 厚生労働省「キャリアコンサルタント養成講習一覧」(2026年10月作成)(確認日 2026年11月8日)/国家資格キャリアコンサルタントWebサイト「よくあるご質問」(確認日 2026年11月8日)/キャリアコンサルティング協議会「キャリアコンサルタント試験について」(確認日 2026年11月8日)/日本産業カウンセラー協会「産業カウンセラー2級試験 実施概要」(確認日 2026年11月8日)/日本産業カウンセラー協会「産業カウンセラー養成講座 6か月コースと10か月コースの比較」(確認日 2026年11月8日)

08更新の違い:講習38時間以上か、研修6時間か

キャリアコンサルタントの登録は5年ごとの更新が必要で、その間に知識講習8時間以上と技能講習30時間以上を受けます。技能講習は、実務に従事した時間などで最大10時間まで免除されることがあります。講習を受けないまま有効期間が過ぎると、資格は失効します。

産業カウンセラーは、試験に合格して協会に入会すると資格登録会員になり、登録の有効期間は原則5年です。更新には、有効期間中に6時間の資格登録更新研修を受けるか、協会が認めた研修を合計6時間以上受けることが必要です。毎年の年会費と更新時の更新料も払います。

両方を持つ人は、2つの期限を別々に管理する必要があります。キャリアコンサルタントの更新は登録日から5年、産業カウンセラーの更新日は登録基準日から5年ごとの4月1日で、日付がそろうとは限りません。

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

更新の条件の比較
項目キャリアコンサルタント産業カウンセラー
期間5年ごと原則5年(4月1日に一括更新)
必要な学習知識講習8時間以上+技能講習30時間以上資格登録更新研修6時間
免除・代わり実務などで技能講習を最大10時間免除協会が認めた研修を合計6時間以上
しないと失効し、再登録には講習と新規登録が必要協会の規程による

この節・表の確認資料: 厚生労働省「キャリアコンサルタントになりたい方へ」(確認日 2026年11月8日)/国家資格キャリアコンサルタントWebサイト「よくあるご質問」(確認日 2026年11月8日)/日本産業カウンセラー協会「資格登録・更新制度」(確認日 2026年11月8日)

09産業カウンセラーの講座でキャリアコンサルタント試験は受けられるか

受けられません。キャリアコンサルタント試験の受験資格になる講座は、厚生労働大臣が認定したキャリアコンサルタント養成講習です。厚生労働省の一覧(2026年10月作成)に載っている日本産業カウンセラー協会の講習は「キャリアコンサルタント養成講習」で、産業カウンセラー養成講座ではありません。

産業カウンセラーの人がキャリアコンサルタントを目指す道は2つです。1つは認定講習を修了すること、もう1つは相談の実務3年以上で受験することです。ただし、実務経験として認められるのは、労働者の職業の選択、職業生活設計、職業能力の開発に関する相談です。メンタルヘルスの相談だけの経験が当たるかは、試験団体の判断になります。

産業カウンセラーからキャリアコンサルタントになるまでの流れを左から右へ並べた図。受験資格は認定講習か実務3年、学科試験は50問100分、実技試験は論述と面接、名簿に登録して名乗れる、5年ごとに講習を受けて更新。名簿登録を強調
図解産業カウンセラー養成講座は認定講習の一覧に載っていないため、受験資格は認定講習か実務経験で満たします。拡大して見る ↗

産業カウンセラー養成講座で学んだ傾聴の練習は、キャリアコンサルタント試験の面接にも生きます。それでも受験資格の条件は別なので、講座を選ぶ前に、その講座がどちらの試験の受験資格になるのかを確認してください。

10仕事の場面の違い:心の健康か、職業とキャリアか

2つの資格は、相談の重心が違います。キャリアコンサルティングは、法律の定義どおり、職業の選択、職業生活設計、職業能力の開発に関する相談です。協会は産業カウンセラーを、働く人や組織の問題解決を心理的な手法で支援するカウンセラーと説明しています。

協会のプレスリリースは、産業カウンセラーの傾聴が必要な場面として、ストレスチェック、職場復帰の支援、ハラスメント対策、治療と仕事の両立支援、キャリア開発などを挙げています。実際の職場では、1人の相談者がキャリアの悩みと心の不調を同時に抱えることもあり、場面はきれいに分かれるわけではありません。

どちらの資格も、診断や治療をするものではありません。心の不調が疑われるときは、医師などの専門職につなぐ判断が必要です。この線引きは、キャリアコンサルタント試験でも「専門機関へのリファー」として問われます。

  • 転職・配置・能力開発の相談が中心:キャリアコンサルタントの定義に近い
  • 職場のメンタルヘルス・ハラスメント相談が中心:産業カウンセラーの説明に近い
  • どちらも、医療が必要な場合は専門機関につなぐ

11名乗り方の違い:登録と合格を区別する

キャリアコンサルタントは、試験に合格しただけでは名乗れません。名簿に登録し、5年ごとの更新を続けている間だけ名乗れます。厚生労働省は、「キャリア・コンサルタント」「キャリアコンサル」なども紛らわしい名称の例に挙げています。

産業カウンセラーには、法律上の名称の制限はありません。ただし、協会の資格登録会員でなくなった後も登録が続いているように見せる書き方は、相手の誤解を招きます。名刺やプロフィールには、合格した試験と登録の状態を区別して書く必要があります。

キャリアコンサルタントの名刺の書き方は、国家資格キャリアコンサルタントWebサイトのFAQに例があり、「国家資格 キャリアコンサルタント」などの表記ができます。

12両方を持つ場合の考え方

両方を持つと、職業やキャリアの相談と、職場の心の健康の相談の両方を学んだことを示せます。ただし、資格を2つ持てば求人の条件を自動的に満たすわけではありません。

維持の負担も2倍になります。キャリアコンサルタントは5年で38時間以上の講習、産業カウンセラーは年会費と5年ごとの研修が要ります。名刺に2つ書くなら、どちらも有効な状態を保つことが前提です。

求人に応募するときは、「キャリアコンサルタント必須」「産業カウンセラー歓迎」のように、どちらが要件で、どちらが加点なのかを読み分けてください。

13どちらを先に取るか:目的で決める

迷ったときは、まず何のために取るのかを決めます。名乗ること自体や、キャリアコンサルタントを要件にする仕事・制度が目的なら、キャリアコンサルタントが先です。職場のメンタルヘルスやハラスメントの相談に関わることが目的なら、産業カウンセラーから始める人もいます。

費用と時間はどちらも大きいので、両方の講座を続けて受ける前に、1つ目の資格で何が足りないかを確かめるのが安全です。産業カウンセラーを先に取った場合でも、キャリアコンサルタント試験には認定講習か実務経験が別に必要になります。

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

目的別の選び方の目安
目的先に検討する資格注意
キャリアコンサルタントと名乗りたいキャリアコンサルタント名簿への登録と5年ごとの更新が必要
要件にキャリアコンサルタントがある求人・制度で働くキャリアコンサルタント求人票の要件を確認する
職場のメンタルヘルス相談に関わる産業カウンセラー医療の判断は医師などの専門職
両方の相談を扱いたい目的の強いほうから2つ目の受験資格を別に確かめる

この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「職業能力開発促進法」第2条・第30条の3〜第30条の29・第102条(確認日 2026年11月8日)/国家資格キャリアコンサルタントWebサイト「よくあるご質問」(確認日 2026年11月8日)/日本産業カウンセラー協会「産業カウンセラー2級試験 実施概要」(確認日 2026年11月8日)

142016年3月までの「キャリア・コンサルタント」との関係

キャリアコンサルタントが国家資格になったのは2016年4月です。それまでは、民間の団体が「キャリア・コンサルタント」の試験を行っていて、日本産業カウンセラー協会もその1つでした。

協会によると、2016年3月までに協会の試験に合格した人は、2016年4月から5年の間に登録すれば国家資格のキャリアコンサルタントを名乗れましたが、この手続は2021年3月末で終わっています。今から国家資格を得るには、受験資格を満たして国家試験に合格する必要があります。

15次にやること:受験資格と学科の準備を確かめる

キャリアコンサルタントを目指すと決めたら、まず受験資格のどのルートを使うかを決めます。産業カウンセラーの人は、認定講習を受けるのか、相談の実務3年以上で申請できるのかを、試験団体の案内で確かめてください。

学科試験は、産業カウンセラーの学習と重なる部分もありますが、労働法令、職業能力開発の制度、キャリア理論は別に覚える必要があります。今の理解を測るには、学科のオリジナル問題を解いてみるのが早い方法です。

よくある質問

産業カウンセラーは国家資格ですか。

国家資格ではありません。日本産業カウンセラー協会が実施する検定で、2026年3月31日に職業能力開発促進法施行規則に基づく厚生労働省の団体等検定として認定されました。国家資格はキャリアコンサルタントのほうです。

産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの違いは何ですか。

キャリアコンサルタントは法律に定めがある国家資格で、名簿に登録した人だけが名乗れます。産業カウンセラーは協会の検定で、法律上の名称の制限はありません。相談の重心も、職業とキャリアか、職場の心の健康かで違います。

産業カウンセラー養成講座を修了すればキャリアコンサルタント試験を受けられますか。

受けられません。受験資格になるのは厚生労働大臣が認定したキャリアコンサルタント養成講習で、産業カウンセラー養成講座は厚生労働省の一覧(2026年10月作成)に載っていません。相談の実務3年以上で受験できるかは、試験団体に確認してください。

産業カウンセラーの資格を取る費用はいくらですか。

協会の公表では、養成講座の受講料が352,000円(教材費を含む、税込)、2級試験の受検料が学科と実技で44,000円(税込)です。合格後に協会に入会すると、年会費がかかります。

両方の資格を持つ意味はありますか。

職業やキャリアの相談と、職場の心の健康の相談の両方を学んだことを示せます。ただし、更新の条件と期限は別々なので、両方を有効に保つ手間がかかります。求人では、どちらが要件かを確かめてください。

産業カウンセラーの更新はどうなっていますか。

協会の資格登録会員の登録は原則5年で、有効期間中に6時間の資格登録更新研修を受けるか、協会が認めた研修を合計6時間以上受けます。年会費と更新料の支払いも必要です。

確認した公的情報

この記事の参照元

法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。