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長期修繕計画とは|国交省ガイドラインの計画期間・見直し・読み方【2026年度試験対応】

2026年度試験対応の解説です。法令の適用時点と試験情報の確認日は、本文・出典の記載をご確認ください。

長期修繕計画は、マンションの共用部分を、いつ、どの工事で、いくらかけて直すかを先に決めておく計画です。修繕積立金の額もこの計画から決まります。この記事では、国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインと標準様式、マンション管理適正化法の管理計画認定の基準を使って、計画の決まりと読み方を整理します。

公開日
2026年11月8日
更新日
2026年11月8日
読了目安
約17分
法令基準日
2026年4月1日
情報確認日
2026年11月8日
長期修繕計画とはの記事カバー

先に結論

長期修繕計画は、将来見込まれる修繕工事の内容、おおよその時期、概算の費用を示し、修繕積立金の額の根拠にする計画です。国土交通省のガイドライン(令和6年6月7日改訂)は、計画期間を30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とし、5年程度ごとに調査・診断を行って見直すことを求めています。管理計画認定では、作成または見直しが7年以内であること、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれることなどが基準です。

この記事でわかること

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます

  • 計画期間は30年以上、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上
  • 5年程度ごとに調査・診断をして見直す。見直しには1〜2年かかる
  • 計画は工事の時期や費用を確定するものではない
  • 管理計画認定は「7年以内の見直し」「残存期間に2回以上」など

01結論:30年以上の工事と資金の計画。5年程度ごとに見直す

長期修繕計画は、外壁塗装や屋上防水、給排水管、エレベーターなど、共用部分の修繕工事を長い期間で見通す計画です。工事の内容、おおよその時期、概算の費用をまとめ、それに見合う修繕積立金の額を決める根拠になります。

国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインは、計画期間を30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上としています。そして、5年程度ごとに調査・診断を行い、その結果に基づいて見直すことが必要だとしています。

ただし、長期修繕計画は工事の時期や費用を確定するものではありません。周期はおおよその目安で、物価や工事費、金利などの不確定な要素も含みます。作った時点の数字を固定のものと考えず、見直しの記録まで合わせて読みます。

02何のために作るか:ガイドラインが示す3つの目的

ガイドラインは、長期修繕計画の目的を3つ挙げています。1つ目は、将来見込まれる修繕工事と改修工事の内容、おおよその時期、概算の費用等を明確にすること。2つ目は、修繕積立金の額の根拠を明確にすること。3つ目は、工事の長期計画について区分所有者があらかじめ合意しておき、計画修繕工事を円滑に進めることです。

工事の費用は多額で、工事のときに一度に集めると負担が大きく、費用が足りずに必要な工事ができないこともあります。計画があれば、どの工事におよそいくら要るかを全員で共有したうえで、毎月の積立額を決められます。

計画の前提は、建物と設備の性能を新築時と同じ水準に保つ修繕が基本です。一方で、区分所有者の要望などに応じて、耐震性や断熱性を高める改良工事を計画に入れることも望まれています。

03国土交通省のガイドラインと標準様式:最新は令和6年6月7日改訂

ガイドラインと標準様式は平成20年6月に作られ、令和3年9月に管理計画認定制度の創設などを踏まえて見直され、最新は令和6年6月7日の改訂です(2026年11月8日時点)。国土交通省のマンション管理のページで、PDFと標準様式のExcelが公開されています。

令和6年の改訂では、性能を高める工事の呼び方が「改修工事」から「改良工事」にそろえられ、均等積立方式でも工事費の高騰などで見直しが必要になることが書き足されました。段階増額積立方式の引上げの考え方(初期額は均等にした場合の0.6倍以上、最終額は1.1倍以内)も加わっています。

ガイドラインは、主に区分所有者が自ら住む住居専用の単棟型マンションを対象にしています。団地型や複合用途型でも、必要な内容を追加すれば使えるとしています。

04計画書の構成:標準様式は第1号から第5号まで

ガイドラインは、長期修繕計画の構成を、建物・設備の概要等、調査・診断の概要、計画の作成と修繕積立金の額の設定の考え方、長期修繕計画の内容、修繕積立金の額の設定の5つを基本としています。標準様式はそれぞれに様式を用意しています。

計画書を受け取ったら、まず様式第4-1号の総括表と第4-2号の収支計画グラフで全体を見て、気になる工事を第4-3号の年度別の計画表と第4-4号の内訳書で確かめると、全体と細部を行き来しやすくなります。

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長期修繕計画標準様式の構成
様式内容読むときの見どころ
第1号建物・設備の概要等(敷地・建物・設備、管理・所有区分、維持管理の状況、会計状況、設計図書の保管)計画の対象範囲と、過去の点検・工事の記録
第2号調査・診断の概要(劣化の現象と原因、修繕の方法)見直しの前に調査・診断をしたか
第3-1号・第3-2号作成・積立金設定の考え方、推定修繕工事項目と修繕周期計画期間、該当なしの項目、周期の設定
第4-1号〜第4-4号総括表、収支計画グラフ、年度別の計画表、推定修繕工事費内訳書残高が不足する年と、高額な工事の年
第5号修繕積立金の額の設定積立方式、住戸タイプ別の月額

この節・表の確認資料: 国土交通省「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン(コメント含む)」(令和6年6月7日改訂)(確認日 2026年11月8日)

05計画期間:30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上

計画期間は、30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とします。標準管理規約の32条関係コメントも、長期修繕計画に最低限必要な内容として同じ期間を挙げています。

ガイドラインのコメントは、新築時は経年30年程度で見込まれるエレベーターの取替えなどを含む期間以上とし、外壁塗装や屋上防水などの大規模修繕工事の周期は一般的に12〜15年程度なので、見直しのときにはそれが2回含まれる期間以上にするとしています。

注意したいのは、新築時に30年としても、窓のサッシなどの建具や給排水管の取替えは周期が計画期間を超え、計画に入っていないことがある点です。見直しのたびに期間を先へ延ばすと、こうした高額な工事が後から入ってきて、必要な積立額が増えることがあります。

06推定修繕工事項目:標準様式の19項目と「該当なし」の明示

推定修繕工事項目は、標準様式第3-2号を基本に設定します。仮設工事、屋根防水、床防水、外壁塗装等、鉄部塗装等、建具・金物等、共用内部、給水設備、排水設備、ガス設備、空調・換気設備、電灯設備等、情報・通信設備、消防用設備、昇降機設備、立体駐車場設備、外構・附属施設、調査・診断・設計・工事監理等、長期修繕計画作成の19項目です。

マンションの形や仕様によって当てはまらない項目や、周期が計画期間に入らないため費用を計上していない項目は、その旨を明示します。例えば外壁がすべてタイル張りなら、外壁塗装の塗替えは「該当なし」とします。空欄と「該当なし」は区別して読みます。

工事の途中で予想外の劣化が見つかることもあるため、「予備費」を項目として設け、推定修繕工事費の累計に一定の率を掛けて計上する方法も示されています。耐震・バリアフリー・省エネなどの改良工事を入れるときは、その費用を含めた収支計画にする必要があります。

07修繕周期の目安:屋上防水・外壁は12〜15年、給排水管の取替えは30〜40年

修繕周期は、劣化した部位や設備の性能を、実用上支障のない水準まで経済的に回復できなくなるまでの期間をいいます。ガイドラインは標準様式の記載例として周期の例を示していますが、仕様や立地、調査・診断の結果で変わります。

工事を同じ時期にまとめると、足場などの仮設費用を減らせます。ただし、まとめすぎると修繕積立金が一時的に不足することにもつながるため、注意が必要です。

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主な工事項目の修繕周期の例(標準様式第3-2号記載例から抜粋)
工事項目工事区分修繕周期の例
屋上防水(保護)補修・修繕/撤去・新設12〜15年/24〜30年
外壁塗装(雨掛かり部分)塗替/除去・塗装12〜15年/24〜30年
鉄部塗装(雨掛かり部分)塗替5〜7年
給水管・排水管更生/取替19〜23年/30〜40年
昇降機補修/取替12〜15年/26〜30年
機械式駐車場補修/取替5年/18〜22年
長期修繕計画の見直し見直し5年

この節・表の確認資料: 国土交通省「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン(コメント含む)」(令和6年6月7日改訂)(確認日 2026年11月8日)

08推定修繕工事費の算定:数量×単価に、諸経費と消費税を加える

推定修繕工事費は、項目ごとに算出した数量に、設定した単価を掛けて算定します。新築では設計図書や工事請負契約の請負代金内訳書・数量計算書を、既存では保管している設計図書、修繕等の履歴、調査・診断の結果を参考にします。

単価は、新築では請負代金内訳書等を、既存では過去の工事の契約実績、刊行物の単価、専門工事業者の見積価格等を参考に設定します。現場管理費・一般管理費・法定福利費などの諸経費を別に立てる方法と、単価に含める方法があります。単価には地域差があることも考慮します。

消費税は作成時点の税率で会計年度ごとに計上し、運用益・金利・物価変動を見込む場合は、想定した率を明示します。計画書の数字を比べるときは、諸経費や消費税がどう扱われているかを確認してください。

09収支計画:工事費の累計を、積立金の累計が下回らないようにする

収支計画は、計画期間に見込まれる推定修繕工事費の累計額を、修繕積立金の累計額が下回らないように計画します。ここでいう修繕積立金には、修繕積立基金、一時金、専用使用料・駐車場使用料からの繰入れ、運用益が含まれます。

積立方式は、計画期間に積み立てる額を均等にする均等積立方式が基本です。各住戸の月額は、推定修繕工事費の累計額を計画期間の月数で割り、住戸ごとの負担割合を掛けて算定します。

一方、期間全体で収入が支出を上回っていても、大規模修繕工事の年に積立金の累計が一時的に工事費の累計を下回ることがあります。その場合は、その年度に一時金の負担や借入れなどの対応が必要になります。総額だけでなく、年ごとの残高を見る必要があります。

10見直しの周期と手順:5年程度ごとに調査・診断し、総会で決議する

長期修繕計画は、建物と設備の劣化の状況、社会環境や生活様式の変化、新しい材料・工法による周期や単価の変動、運用益・金利・物価・工事費・消費税率の変動という不確定な事項を含みます。そのため5年程度ごとに調査・診断を行い、見直すことが必要です。

見直しにはおおむね1〜2年かかるため、見直し自体も計画的に進める必要があります。既存マンションでは、理事会や専門委員会で検討し、専門家に依頼して計画と修繕積立金の額を見直し、総会で決議します。見直しは単独で行う場合と、大規模修繕工事の直前または直後に行う場合があります。

長期修繕計画を見直す5つの段階。理事会・専門委員会で検討する体制をつくる、調査・診断で劣化と区分所有者の要望を把握する、専門家に依頼して計画を見直す、総会の前に説明会で内容を説明する、総会で決議し決議後に議事録と合わせて配付する
図解見直しにはおおむね1〜2年かかるため、次の見直しの時期から逆算して準備を始めます。拡大して見る ↗

見直しの前には、設計図書や修繕等の履歴の資料調査、現地調査、必要に応じて区分所有者へのアンケートを行います。総会の前には説明会などで内容を説明し、決議後は議事録と合わせて計画を配付するなど、十分に周知することが必要とされています。

11誰が作り、どう決めるか:新築は分譲会社の案、既存は管理組合

新築マンションでは、分譲会社がガイドラインを参考に長期修繕計画の案を作り、修繕積立金と修繕積立基金の額を設定して購入予定者に説明します。案は、売買契約時の書面合意で引渡し時に決議したものとするか、引渡し後すぐの設立総会で決議することがあります。

標準管理規約では、長期修繕計画の作成・変更は管理組合の業務で(32条3号)、総会の決議事項です(48条5号)。特別な決議の対象に挙げられていないので、出席組合員の議決権の過半数で決める普通決議になります(47条2項)。理事長は計画書を保管し、組合員や利害関係人から理由を付けた書面で請求があれば閲覧させます(64条2項)。

計画の作成・変更の費用や、そのための劣化診断の費用は、管理費と修繕積立金のどちらからでも充てられます。ただし、修繕工事の前提として行う劣化診断の費用は工事の一環なので、原則として修繕積立金から取り崩すとされています(32条関係コメント④)。

12管理計画認定の基準との関係:7年以内の見直しと、残存期間の2回

マンション管理適正化法は、管理組合の管理者等が管理計画を作成し、マンション管理適正化推進計画を作った都道府県等の長に認定を申請できるとしています(5条の13)。認定は5年ごとに更新しなければ効力を失います(5条の16)。申請には長期修繕計画の写しと、その作成・変更を決議した集会の議事録の写しを付けます(施行規則1条の8)。

長期修繕計画に関わる基準は、施行規則1条の10と国の基本方針の別紙二に書かれています。中心は、作成または見直しが7年以内であること、計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれることです。ガイドラインの「5年程度ごと」の見直しより幅を持たせた基準なので、区別します。

長期修繕計画作成ガイドラインと管理計画認定の基準を4項目で比べた図。ガイドラインは、計画期間30年以上、大規模修繕工事が2回含まれる期間以上、見直しは5年程度ごと、総会で決議。管理計画認定の基準は、計画期間30年以上、残存期間に大規模修繕工事2回以上、見直しは7年以内、集会で決議
図解認定の基準は2026年11月8日時点の施行規則と基本方針によります。2027年4月1日からは見直しが5年以内に変わります。拡大して見る ↗

なお、管理計画認定の条文は2025年11月28日施行の改正で5条の3・5条の4から5条の13・5条の14に移りました。2027年4月1日施行の改正では条番号がさらに変わり、施行規則の「7年以内」は「5年以内」に改められます。2026年度の試験は2026年4月1日時点の法令が基準なので、7年以内で答えます。

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管理計画認定の基準のうち、長期修繕計画に関わるもの(基本方針 別紙二の4)
基準読み方の注意
標準様式に準拠して作成し、計画の内容と修繕積立金の額を集会で決議している理事会の承認だけでは足りない
作成または見直しが7年以内2027年4月1日施行の改正で5年以内に変わる
計画期間が30年以上で、残存期間内に大規模修繕工事が2回以上作った時点ではなく、申請時点の残りの期間で数える
将来の一時的な修繕積立金の徴収を予定していない一時金を前提にした計画は満たさない
計画期間全体の修繕積立金の平均額が著しく低額でない修繕積立金ガイドラインの目安が判断の材料になる
計画期間の最終年度に借入金の残高がない借入れそのものではなく、最終年度の残高を見る

この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(確認日 2026年11月8日)/e-Gov法令検索「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月8日)/国土交通省「マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針」(令和8年4月1日施行)(確認日 2026年11月8日)

13実態:計画はあっても、30年以上の計画は7割台

国土交通省の令和5年度マンション総合調査では、長期修繕計画を作っている管理組合は88.4%でした。計画期間30年以上は72.7%で、前回の60.0%から増えています。ガイドラインに準拠しているという回答は72.8%でした。

見直しの時期は「5年毎を目安に定期的に見直している」が63.2%で、見直しを行っていないマンションは3.7%でした。過去5年以内に新築したマンションで、30年以上の計画に基づいて修繕積立金を設定している割合は75.3%と、前回の43.3%から大きく増えています。

ただし、これは回答した管理組合の割合です。自分のマンションがどこに当たるかは、計画書の作成日、計画期間、見直しの記録で確かめる必要があります。

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令和5年度マンション総合調査に見る長期修繕計画の状況
項目割合前回調査
長期修繕計画を作成している88.4%90.9%
計画期間が30年以上72.7%60.0%
5年毎を目安に定期的に見直している63.2%56.3%
長期修繕計画作成ガイドラインに準拠している72.8%(新規項目)

この節・表の確認資料: 国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果〔概要編〕」(確認日 2026年11月8日)

14計画書のどこを読むか:区分所有者・購入検討者の確認点

計画書で最初に見るのは、作成日と最後に見直した日です。5年程度を大きく超えて見直していなければ、工事費の上昇などが反映されていないおそれがあります。次に、計画期間と、その中に大規模修繕工事が何回入っているかを数えます。

収支計画グラフでは、修繕積立金の累計が工事費の累計を下回る年がないか、一時金や借入れが予定されていないかを見ます。積立方式が段階増額なら、いつ、いくらに上がる予定かを第5号で確認してください。

工事項目では、「該当なし」と「計画期間外のため未計上」を区別します。計画期間外の工事は、参考として予定時期と費用が示されていることがあります。建具や給排水管の取替えが未計上なら、次の見直しで費用が増える見込みとして読みます。

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計画書を読むときの確認点
見る所確かめること
表紙・様式第1号作成日と前回の見直しの日。5年程度ごとに見直しているか
様式第3-1号計画期間が30年以上で、大規模修繕工事が2回含まれているか
様式第3-2号「該当なし」と「計画期間外のため未計上」の項目
様式第4-2号(収支計画グラフ)残高が不足する年、一時金・借入れの予定
様式第5号積立方式、値上げの時期と額、住戸タイプ別の月額

この節・表の確認資料: 国土交通省「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン(コメント含む)」(令和6年6月7日改訂)(確認日 2026年11月8日)

15マンション管理士の試験ではこう問われる

マンション管理士試験では、長期修繕計画は「建物・設備」の分野でほぼ毎年出ています。令和5年度問36は、計画の目的に「実施の時期を確定すること」が含まれるという誤りを選ばせました。計画は時期や費用を確定するものではない、というガイドラインの考え方がそのまま問われています。

令和7年度問38では、大規模修繕工事は初期性能を超える改良工事を実施しないのが原則、という記述が誤りでした。ガイドラインは、必要に応じて性能を高める改良工事を行うことも望まれるとしています。

管理適正化法の分野では、管理計画認定の基準の数字が狙われます。令和7年度問48では、見直しが「12年〜15年以内」に行われていることという記述が誤りで、正しくは7年以内です。12〜15年は大規模修繕工事の一般的な周期なので、数字の取り違えに注意してください。

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試験で狙われる誤りと、正しい理解
誤りの記述の例正しい理解根拠
計画で工事の実施時期を確定する時期はおおよその目安で、確定はしない長期修繕計画作成ガイドライン
計画期間は30年あれば足りる30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上ガイドライン・標準管理規約32条関係コメント
大規模修繕では初期性能を超える改良工事はしない必要に応じて改良工事を行うことも望まれる長期修繕計画作成ガイドライン
認定基準の見直しは12年〜15年以内作成または見直しが7年以内(2026年度試験の基準)施行規則1条の10・基本方針 別紙二

この節・表の確認資料: 国土交通省「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン(コメント含む)」(令和6年6月7日改訂)(確認日 2026年11月8日)/e-Gov法令検索「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月8日)/国土交通省「マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針」(令和8年4月1日施行)(確認日 2026年11月8日)/マンション管理センター「令和5年度マンション管理士試験問題」(確認日 2026年11月8日)/マンション管理センター「令和7年度マンション管理士試験問題」(確認日 2026年11月8日)

16確かめたことを問題で使う

長期修繕計画の問題は、30年・2回・5年程度・7年以内といった数字と、「確定しない」「改良工事も望まれる」といった考え方の組み合わせで作られます。数字を覚えたら、どの資料の数字かを言えるかで確かめます。

区分所有者として計画書を読むときも、同じ順番が使えます。期間と回数、見直しの時期、収支の年ごとの残高、積立方式を順に見ると、修繕積立金の値上げの議案にも根拠を持って向き合えます。

よくある質問

長期修繕計画とは何ですか。

共用部分の修繕工事の内容、おおよその時期、概算の費用を長期間にわたって示し、修繕積立金の額の根拠にする計画です。標準管理規約では作成・変更は総会で決議します。

長期修繕計画の計画期間は何年ですか。

国土交通省のガイドラインは、30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上としています。大規模修繕工事の周期は一般的に12〜15年程度とされています。

長期修繕計画は何年ごとに見直しますか。

ガイドラインは5年程度ごとに調査・診断を行い、その結果に基づいて見直すことを求めています。見直しにはおおむね1〜2年かかるため、計画的に準備します。

管理計画認定ではいつまでに見直していればよいですか。

2026年11月8日時点の施行規則と基本方針では、作成または見直しが7年以内であることが基準です。2027年4月1日施行の改正で5年以内に変わります。

長期修繕計画の標準様式はどこで入手できますか。

国土交通省のマンション管理のページで、ガイドライン(コメント含む)のPDFと、標準様式のExcelが公開されています。最新は令和6年6月7日の改訂です。

長期修繕計画の見直し費用は修繕積立金から出せますか。

標準管理規約のコメントでは、計画の作成・変更や、そのための劣化診断の費用は、管理費と修繕積立金のどちらからでも充てられます。修繕工事の前提としての劣化診断は、原則として修繕積立金から取り崩します。

確認した公的情報

この記事の参照元

法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。