徴収法
社労士の労働保険事務組合・不服申立て・時効|原則・例外と判断の手順【2027年度試験対応】
労働保険事務組合は厚生労働大臣の認可を受けて中小事業主の労働保険事務を処理しますが、印紙保険料に関する事項は扱えません。組合と委託事業主の責任の分け方、時効と書類の保存期間を区別します。
要点 8件・基本問題 8問・解説の確認問題 10問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結
2027年度試験対応。法令基準日:2026-11-06。
まず押さえるポイント
労働保険事務組合は厚生労働大臣の認可を受けて中小事業主の労働保険事務を処理しますが、印紙保険料に関する事項は扱えません。組合と委託事業主の責任の分け方、時効と書類の保存期間を区別します。
法令基準日:2026-11-06 / 解説更新日:2026-11-06
委託できる事業主の規模
労働保険事務組合に委託できるのは、常時300人(金融業・保険業・不動産業・小売業は50人、卸売業・サービス業は100人)以下の労働者を使用する事業主である。
33条1項と施行規則62条2項による。小売業は常時50人以下に限られ、100人以下は卸売業・サービス業の基準である。
処理できない事務
労働保険事務組合が処理する労働保険事務には、印紙保険料に関する事項は含まれない。
33条1項は印紙保険料に関する事項を労働保険事務から除いている。印紙保険料納付状況報告書の提出なども組合は扱えない。
業務の廃止
労働保険事務組合は、業務を廃止しようとするときは、60日前までに厚生労働大臣に届け出なければならない。
33条3項による。届書は主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出する(施行規則66条)。
通知のみなし
政府が労働保険事務組合にした納入の告知その他の通知及び還付金の還付は、委託事業主にしたものとみなされる。
34条による。組合に対する通知や還付で、委託事業主に対する手続も済んだことになる。
組合の納付責任の範囲
委託事業主が徴収金の納付のため金銭を交付したときは、労働保険事務組合はその金額の限度で政府に対して納付の責めに任ずる。
35条1項は交付を受けた金額の限度で責任を負うとする。組合の責めに帰すべき理由による追徴金・延滞金も、その限度で組合が責任を負う(35条2項)。
委託事業主からの徴収
政府は、労働保険事務組合に滞納処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合に限り、その残余の額を委託事業主から徴収できる。
35条3項による。金銭を組合に交付した委託事業主も、この限りで納付の義務を免れない。
時効
労働保険料その他の徴収金を徴収し又は還付を受ける権利は、行使できる時から2年で時効により消滅し、政府の徴収の告知又は督促は時効の更新の効力を生ずる。
41条による。事業主が還付を受ける権利も同じく2年である。時効の更新の効力を持つのは政府の徴収の告知と督促であり、時効の期間を5年とするひっかけに注意する。
書類の保存期間
事業主や労働保険事務組合は、徴収法による書類を完結の日から3年間、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿は4年間保存しなければならない。
施行規則72条は原則3年とし、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿(施行規則68条3号の帳簿)だけ4年とする。
不服申立て
徴収法には不服申立ての特別の定めがなく、徴収法に基づく処分への不服は、行政不服審査法により厚生労働大臣に審査請求するか、裁判所に取消しの訴えを起こす。
労働保険審査官・労働保険審査会への審査請求は、労災保険法・雇用保険法の保険給付などの処分についての制度であり、徴収法の処分は対象でない。徴収法の処分への審査請求は行政不服審査法4条により厚生労働大臣にし、処分があったことを知った日の翌日から3か月、処分があった日の翌日から1年を過ぎるとできない(同法18条。正当な理由があるときを除く)。
根拠:行政不服審査法
報奨金
政府は当分の間、労働保険事務組合が納付すべき労働保険料が督促されることなく完納されたときなど、納付の状況が著しく良好であると認めるときは、予算の範囲内で、その労働保険事務組合に報奨金を交付することができる。
整備法23条による。交付は義務ではなく「できる」規定で、交付先は委託事業主ではなく労働保険事務組合である。交付の要件と額の上限は政令で定められている。
根拠:失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
要点の一覧
| 確認すること | ルール |
|---|---|
| 委託できる事業主の規模 | 労働保険事務組合に委託できるのは、常時300人(金融業・保険業・不動産業・小売業は50人、卸売業・サービス業は100人)以下の労働者を使用する事業主である。 |
| 処理できない事務 | 労働保険事務組合が処理する労働保険事務には、印紙保険料に関する事項は含まれない。 |
| 業務の廃止 | 労働保険事務組合は、業務を廃止しようとするときは、60日前までに厚生労働大臣に届け出なければならない。 |
| 通知のみなし | 政府が労働保険事務組合にした納入の告知その他の通知及び還付金の還付は、委託事業主にしたものとみなされる。 |
| 組合の納付責任の範囲 | 委託事業主が徴収金の納付のため金銭を交付したときは、労働保険事務組合はその金額の限度で政府に対して納付の責めに任ずる。 |
| 委託事業主からの徴収 | 政府は、労働保険事務組合に滞納処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合に限り、その残余の額を委託事業主から徴収できる。 |
| 時効 | 労働保険料その他の徴収金を徴収し又は還付を受ける権利は、行使できる時から2年で時効により消滅し、政府の徴収の告知又は督促は時効の更新の効力を生ずる。 |
| 書類の保存期間 | 事業主や労働保険事務組合は、徴収法による書類を完結の日から3年間、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿は4年間保存しなければならない。 |
| 不服申立て | 徴収法には不服申立ての特別の定めがなく、徴収法に基づく処分への不服は、行政不服審査法により厚生労働大臣に審査請求するか、裁判所に取消しの訴えを起こす。 |
| 報奨金 | 政府は当分の間、労働保険事務組合が納付すべき労働保険料が督促されることなく完納されたときなど、納付の状況が著しく良好であると認めるときは、予算の範囲内で、その労働保険事務組合に報奨金を交付することができる。 |
根拠:労働保険の保険料の徴収等に関する法律労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則行政不服審査法失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
問1 常時100人の労働者を使用する小売業の事業主は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる。
問2 労働保険事務組合は、委託事業主の印紙保険料の納付に関する事務も処理することができる。
根拠:資料1
問3 労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の業務を廃止しようとするときは、60日前までに、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
問4 政府が労働保険事務組合に対して行った労働保険料の納入の告知は、その委託事業主に対してしたものとみなされる。
根拠:資料1
問5 委託事業主が労働保険料の一部に相当する金銭を労働保険事務組合に交付したときは、労働保険事務組合は、その労働保険料の全額について政府に対し納付の責めに任ずる。
根拠:資料1
問6 政府は、労働保険事務組合が納付すべき徴収金について、労働保険事務組合に対して滞納処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合に限り、その残余の額を委託事業主から徴収することができる。
根拠:資料1
問7 労働保険料を徴収する権利は、これを行使することができる時から2年を経過したときは時効によって消滅し、政府が行う徴収の告知又は督促は時効の更新の効力を生ずる。
根拠:資料1
問8 労働保険事務組合は、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿を、その完結の日から3年間保存しなければならない。
根拠:資料1
問9 労働保険料の認定決定に不服がある事業主は、労働保険審査官に審査請求をし、その決定に不服があるときは労働保険審査会に再審査請求をすることができる。
根拠:資料1
問10 政府は、労働保険事務組合が委託を受けて納付すべき労働保険料が督促されることなく完納されたときなど、納付の状況が著しく良好であると認めるときは、予算の範囲内で、その労働保険事務組合に報奨金を交付することができる。
根拠:資料1
この解説の一次資料
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律確認日:2026-11-06
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則確認日:2026-11-06
- 行政不服審査法確認日:2026-11-06
- 失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律確認日:2026-11-06

労働保険事務組合は厚生労働大臣の認可を受けて中小事業主の労働保険事務を処理しますが、印紙保険料に関する事項は扱えません。組合と委託事業主の責任の分け方、時効と書類の保存期間を区別します。
労働保険事務組合・不服申立て・時効|委託できる事業主の規模
労働保険事務組合に委託できるのは、常時300人(金融業・保険業・不動産業・小売業は50人、卸売業・サービス業は100人)以下の労働者を使用する事業主である。 33条1項と施行規則62条2項による。小売業は常時50人以下に限られ、100人以下は卸売業・サービス業の基準である。
覚え方労働保険事務組合に委託できるのは、常時300人(金融業・保険業・不動産業・小売業は50人、卸売業・サービス業は100人)以下の労働者を使用する事業主である。
01労働保険事務組合・不服申立て・時効の重要暗記項目
労働保険事務組合・不服申立て・時効|委託できる事業主の規模
労働保険事務組合に委託できるのは、常時300人(金融業・保険業・不動産業・小売業は50人、卸売業・サービス業は100人)以下の労働者を使用する事業主である。 33条1項と施行規則62条2項による。小売業は常時50人以下に限られ、100人以下は卸売業・サービス業の基準である。
覚え方労働保険事務組合に委託できるのは、常時300人(金融業・保険業・不動産業・小売業は50人、卸売業・サービス業は100人)以下の労働者を使用する事業主である。
ひっかけ注意33条1項と施行規則62条2項による。小売業は常時50人以下に限られ、100人以下は卸売業・サービス業の基準である。
労働保険事務組合・不服申立て・時効|処理できない事務
労働保険事務組合が処理する労働保険事務には、印紙保険料に関する事項は含まれない。 33条1項は印紙保険料に関する事項を労働保険事務から除いている。印紙保険料納付状況報告書の提出なども組合は扱えない。
覚え方労働保険事務組合が処理する労働保険事務には、印紙保険料に関する事項は含まれない。
ひっかけ注意33条1項は印紙保険料に関する事項を労働保険事務から除いている。印紙保険料納付状況報告書の提出なども組合は扱えない。
労働保険事務組合・不服申立て・時効|業務の廃止
労働保険事務組合は、業務を廃止しようとするときは、60日前までに厚生労働大臣に届け出なければならない。 33条3項による。届書は主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出する(施行規則66条)。
覚え方労働保険事務組合は、業務を廃止しようとするときは、60日前までに厚生労働大臣に届け出なければならない。
労働保険事務組合・不服申立て・時効|通知のみなし
政府が労働保険事務組合にした納入の告知その他の通知及び還付金の還付は、委託事業主にしたものとみなされる。 34条による。組合に対する通知や還付で、委託事業主に対する手続も済んだことになる。
覚え方政府が労働保険事務組合にした納入の告知その他の通知及び還付金の還付は、委託事業主にしたものとみなされる。
労働保険事務組合・不服申立て・時効|組合の納付責任の範囲
委託事業主が徴収金の納付のため金銭を交付したときは、労働保険事務組合はその金額の限度で政府に対して納付の責めに任ずる。 35条1項は交付を受けた金額の限度で責任を負うとする。組合の責めに帰すべき理由による追徴金・延滞金も、その限度で組合が責任を負う(35条2項)。
覚え方委託事業主が徴収金の納付のため金銭を交付したときは、労働保険事務組合はその金額の限度で政府に対して納付の責めに任ずる。
ひっかけ注意35条1項は交付を受けた金額の限度で責任を負うとする。組合の責めに帰すべき理由による追徴金・延滞金も、その限度で組合が責任を負う(35条2項)。
労働保険事務組合・不服申立て・時効|委託事業主からの徴収
政府は、労働保険事務組合に滞納処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合に限り、その残余の額を委託事業主から徴収できる。 35条3項による。金銭を組合に交付した委託事業主も、この限りで納付の義務を免れない。
覚え方政府は、労働保険事務組合に滞納処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合に限り、その残余の額を委託事業主から徴収できる。
労働保険事務組合・不服申立て・時効|時効
労働保険料その他の徴収金を徴収し又は還付を受ける権利は、行使できる時から2年で時効により消滅し、政府の徴収の告知又は督促は時効の更新の効力を生ずる。 41条による。事業主が還付を受ける権利も同じく2年である。時効の更新の効力を持つのは政府の徴収の告知と督促であり、時効の期間を5年とするひっかけに注意する。
覚え方労働保険料その他の徴収金を徴収し又は還付を受ける権利は、行使できる時から2年で時効により消滅し、政府の徴収の告知又は督促は時効の更新の効力を生ずる。
労働保険事務組合・不服申立て・時効|書類の保存期間
事業主や労働保険事務組合は、徴収法による書類を完結の日から3年間、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿は4年間保存しなければならない。 施行規則72条は原則3年とし、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿(施行規則68条3号の帳簿)だけ4年とする。
覚え方事業主や労働保険事務組合は、徴収法による書類を完結の日から3年間、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿は4年間保存しなければならない。
ひっかけ注意施行規則72条は原則3年とし、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿(施行規則68条3号の帳簿)だけ4年とする。
覚える数字と、狙われる引っかけ
- ひっかけ33条1項と施行規則62条2項による。小売業は常時50人以下に限られ、100人以下は卸売業・サービス業の基準である。
- ひっかけ33条1項は印紙保険料に関する事項を労働保険事務から除いている。印紙保険料納付状況報告書の提出なども組合は扱えない。
- ひっかけ35条1項は交付を受けた金額の限度で責任を負うとする。組合の責めに帰すべき理由による追徴金・延滞金も、その限度で組合が責任を負う(35条2項)。
- ひっかけ施行規則72条は原則3年とし、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿(施行規則68条3号の帳簿)だけ4年とする。
- ひっかけ労働保険審査官・労働保険審査会への審査請求は、労災保険法・雇用保険法の保険給付などの処分についての制度であり、徴収法の処分は対象でない。徴収法の処分への審査請求は行政不服審査法4条により厚生労働大臣にし、処分があったことを知った日の翌日から3か月、処分があった日の翌日から1年を過ぎるとできない(同法18条。正当な理由があるときを除く)。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1労働保険事務組合に委託できるのは、常時300人(金融業・保険業・不動産業・小売業は50人、卸売業・サービス業は100人)以下の労働者を使用する事業主である。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2労働保険事務組合が処理する労働保険事務には、印紙保険料に関する事項は含まれない。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3労働保険事務組合は、業務を廃止しようとするときは、60日前までに厚生労働大臣に届け出なければならない。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 4政府が労働保険事務組合にした納入の告知その他の通知及び還付金の還付は、委託事業主にしたものとみなされる。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 5委託事業主が徴収金の納付のため金銭を交付したときは、労働保険事務組合はその金額の限度で政府に対して納付の責めに任ずる。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 6政府は、労働保険事務組合に滞納処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合に限り、その残余の額を委託事業主から徴収できる。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 7労働保険料その他の徴収金を徴収し又は還付を受ける権利は、行使できる時から2年で時効により消滅し、政府の徴収の告知又は督促は時効の更新の効力を生ずる。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 8事業主や労働保険事務組合は、徴収法による書類を完結の日から3年間、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿は4年間保存しなければならない。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 9徴収法には不服申立ての特別の定めがなく、徴収法に基づく処分への不服は、行政不服審査法により厚生労働大臣に審査請求するか、裁判所に取消しの訴えを起こす。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 10政府は当分の間、労働保険事務組合が納付すべき労働保険料が督促されることなく完納されたときなど、納付の状況が著しく良好であると認めるときは、予算の範囲内で、その労働保険事務組合に報奨金を交付することができる。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律・労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則・行政不服審査法・失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律一次資料2一次資料3一次資料4
- 内容の基準日
- 2026-11-06
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
労働保険事務組合・不服申立て・時効の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
徴収法
労働保険事務組合・不服申立て・時効|委託できる事業主の規模
常時100人の労働者を使用する小売業の事業主は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる。
労働保険事務組合・不服申立て・時効の○×一問一答10問|問題と解説
この論点で収録している10問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
労働保険事務組合・不服申立て・時効|委託できる事業主の規模常時100人の労働者を使用する小売業の事業主は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。33条1項と施行規則62条2項による。小売業は常時50人以下に限られ、100人以下は卸売業・サービス業の基準である。 要点:労働保険事務組合に委託できるのは、常時300人(金融業・保険業・不動産業・小売業は50人、卸売業・サービス業は100人)以下の労働者を使用する事業主である。
問2
労働保険事務組合・不服申立て・時効|処理できない事務労働保険事務組合は、委託事業主の印紙保険料の納付に関する事務も処理することができる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。33条1項は印紙保険料に関する事項を労働保険事務から除いている。印紙保険料納付状況報告書の提出なども組合は扱えない。 要点:労働保険事務組合が処理する労働保険事務には、印紙保険料に関する事項は含まれない。
問3
労働保険事務組合・不服申立て・時効|業務の廃止労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の業務を廃止しようとするときは、60日前までに、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。33条3項による。届書は主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出する(施行規則66条)。 要点:労働保険事務組合は、業務を廃止しようとするときは、60日前までに厚生労働大臣に届け出なければならない。
問4
労働保険事務組合・不服申立て・時効|通知のみなし政府が労働保険事務組合に対して行った労働保険料の納入の告知は、その委託事業主に対してしたものとみなされる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。34条による。組合に対する通知や還付で、委託事業主に対する手続も済んだことになる。 要点:政府が労働保険事務組合にした納入の告知その他の通知及び還付金の還付は、委託事業主にしたものとみなされる。
問5
労働保険事務組合・不服申立て・時効|組合の納付責任の範囲委託事業主が労働保険料の一部に相当する金銭を労働保険事務組合に交付したときは、労働保険事務組合は、その労働保険料の全額について政府に対し納付の責めに任ずる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。35条1項は交付を受けた金額の限度で責任を負うとする。組合の責めに帰すべき理由による追徴金・延滞金も、その限度で組合が責任を負う(35条2項)。 要点:委託事業主が徴収金の納付のため金銭を交付したときは、労働保険事務組合はその金額の限度で政府に対して納付の責めに任ずる。
問6
労働保険事務組合・不服申立て・時効|委託事業主からの徴収政府は、労働保険事務組合が納付すべき徴収金について、労働保険事務組合に対して滞納処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合に限り、その残余の額を委託事業主から徴収することができる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。35条3項による。金銭を組合に交付した委託事業主も、この限りで納付の義務を免れない。 要点:政府は、労働保険事務組合に滞納処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合に限り、その残余の額を委託事業主から徴収できる。
問7
労働保険事務組合・不服申立て・時効|時効労働保険料を徴収する権利は、これを行使することができる時から2年を経過したときは時効によって消滅し、政府が行う徴収の告知又は督促は時効の更新の効力を生ずる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。41条による。事業主が還付を受ける権利も同じく2年である。時効の更新の効力を持つのは政府の徴収の告知と督促であり、時効の期間を5年とするひっかけに注意する。 要点:労働保険料その他の徴収金を徴収し又は還付を受ける権利は、行使できる時から2年で時効により消滅し、政府の徴収の告知又は督促は時効の更新の効力を生ずる。
問8
労働保険事務組合・不服申立て・時効|書類の保存期間労働保険事務組合は、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿を、その完結の日から3年間保存しなければならない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。施行規則72条は原則3年とし、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿(施行規則68条3号の帳簿)だけ4年とする。 要点:事業主や労働保険事務組合は、徴収法による書類を完結の日から3年間、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿は4年間保存しなければならない。
問9
労働保険事務組合・不服申立て・時効|不服申立て労働保険料の認定決定に不服がある事業主は、労働保険審査官に審査請求をし、その決定に不服があるときは労働保険審査会に再審査請求をすることができる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。労働保険審査官・労働保険審査会への審査請求は、労災保険法・雇用保険法の保険給付などの処分についての制度であり、徴収法の処分は対象でない。徴収法の処分への審査請求は行政不服審査法4条により厚生労働大臣にし、処分があったことを知った日の翌日から3か月、処分があった日の翌日から1年を過ぎるとできない(同法18条。正当な理由があるときを除く)。 要点:徴収法には不服申立ての特別の定めがなく、徴収法に基づく処分への不服は、行政不服審査法により厚生労働大臣に審査請求するか、裁判所に取消しの訴えを起こす。
問10
労働保険事務組合・不服申立て・時効|報奨金政府は、労働保険事務組合が委託を受けて納付すべき労働保険料が督促されることなく完納されたときなど、納付の状況が著しく良好であると認めるときは、予算の範囲内で、その労働保険事務組合に報奨金を交付することができる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。整備法23条による。交付は義務ではなく「できる」規定で、交付先は委託事業主ではなく労働保険事務組合である。交付の要件と額の上限は政令で定められている。 要点:政府は当分の間、労働保険事務組合が納付すべき労働保険料が督促されることなく完納されたときなど、納付の状況が著しく良好であると認めるときは、予算の範囲内で、その労働保険事務組合に報奨金を交付することができる。
労働保険事務組合・不服申立て・時効の問題を続けて解く
この論点に対応する10問を絞り込んで出題します。