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資格・キャリア2026年版

行政書士から社労士へ|合格が受験資格になる・重なる科目・勉強の順番【2026年版】

2026年版の解説です。手続・費用・統計の対象時点は、本文と各出典に記載しています。

行政書士試験に受かった人、または行政書士として仕事をしている人が、次に社会保険労務士(社労士)を目指すときの記事です。どちらが難しいかの比較ではなく、行政書士の合格をどう使って社労士試験を受け、どの科目を新しく学び、登録した後に2つの資格をどう並べるかを、社会保険労務士試験オフィシャルサイトと法令で確かめます。

公開日
2026年11月8日
更新日
2026年11月8日
読了目安
約15分
法令基準日
2026年4月1日
情報確認日
2026年11月8日
行政書士から社労士への記事カバー

先に結論

行政書士試験に合格した人は、社会保険労務士法8条6号の「行政書士となる資格を有する者」に当たり、社労士試験を受けられます(受験資格コード10)。申込みでは合格証明書か合格証書の写しなどを出します。ただし、行政書士の合格で社労士試験の科目が免除されることはなく、労働基準法から国民年金法まで全科目を受けます。重なるのは条文の読み方や審査請求の仕組みなどの土台で、保険と年金の科目はほぼ新しく学びます。受かった後は社労士名簿にも登録し、社労士会にも入るので、登録費用と会費は2つになります。

この記事でわかること

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます

  • 行政書士試験の合格は社労士試験の受験資格になる(社労士法8条6号・受験資格コード10)
  • 科目免除はない。労働・社会保険の8科目はほぼ新しく学ぶ
  • 時間は「試験日までの週数×週に取れる時間」で出す。11月から始めると約40週
  • 両方に登録すると、許認可の手続と労働・社会保険の手続を同じ顧客に続けて扱える

01結論:行政書士の合格で社労士試験を受けられる。ただし科目はほぼ新しく学ぶ

行政書士試験に合格していれば、学歴や実務経験がなくても社労士試験を受けられます。社会保険労務士法8条は受験できる人を10の号で定めていて、その6号が「行政書士となる資格を有する者」です。

一方で、行政書士の合格によって社労士試験の科目が免除されることはありません。社労士試験の中心は労働法と社会保険法、年金法で、行政書士試験の行政法・民法とは出題範囲がほとんど重なりません。行政書士で身につけた条文の読み方を土台にして、科目の中身は新しく積み上げる計画にします。

受かった後は、行政書士名簿とは別に社労士名簿に登録し、都道府県の社労士会に入ります。2つの資格で仕事をするなら、登録の費用と会費も2つになる点を最初に見込んでおきます。

02受験資格:社労士法8条6号と受験資格コード10

社労士試験の受験資格は、オフィシャルサイトでは学歴、実務経験、厚生労働大臣が認めた国家試験の合格の3つに分けられ、どれか1つを満たせば受けられます。行政書士試験の合格は3つ目の系統に入り、受験資格コードは10です。

条文の言葉は「行政書士となる資格を有する者」なので、行政書士登録をしているかどうかは問われません。合格しただけで登録していない人も、この号に当たります。

大学で一般教養科目を修めた人や短大・高専を卒業した人は、学歴の系統ですでに受験資格を満たしていることがあります。その場合、行政書士の合格を受験資格に使う必要はありません。自分がどの系統で申し込むのが手間が少ないかを確認してください。

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

社労士試験の受験資格の3つの系統(社会保険労務士試験オフィシャルサイト)
系統主な例行政書士合格者の扱い
学歴大学で一般教養科目を修めた・短大や高専を卒業した など満たしていればこちらでも申し込める
実務経験労働社会保険諸法令の事務に通算3年以上 など行政書士の仕事の期間は別に確かめる
国家試験合格厚生労働大臣が認めた国家試験の合格行政書士試験の合格がここに入る(コード10)

この節・表の確認資料: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「受験資格」(確認日 2026年11月8日)/e-Gov法令検索「社会保険労務士法」(確認日 2026年11月8日)

03申込みで出す書類:合格証明書か合格証書の写し

受験資格コード10で申し込むときの受験資格証明書は、合格証明書またはその写しか、合格証書・証票・会員証の写しのどれかです。行政書士登録をしている人は、証票や会員証の写しでも出せます。

令和8年度行政書士試験の合格発表は令和9年1月27日です。第58回社労士試験の申込みは4月13日から5月31日までだったので、同じ時期なら、1月に合格した人はその年の社労士試験に申し込めます。ただし、合格証書が届く前に申込みの準備を始める場合は、どの書類を出すかを先に決めておく必要があります。

一度受けた人の受験票は、第59回から第61回までの受験資格証明書として使えると受験案内に書かれています。不合格だった年の受験票も捨てずに保管してください。

04科目の免除はない:免除の対象は公務員や団体での長い実務

行政書士の合格や登録で免除される社労士試験の科目はありません。科目の免除を定める社会保険労務士法11条と別表第二が対象にしているのは、国や地方公共団体の公務員として労働諸法令・社会保険諸法令の施行事務に通算15年以上(科目によっては10年以上)従事した人や、指定団体・社労士の補助者として15年以上働いて講習を修了した人などです。

第58回の科目免除者は、受験者42,510人のうち822人でした。行政書士の合格者は、この免除の仕組みとは関係なく、全科目を受けることになります。

反対に、社労士の資格があっても行政書士となる資格は生じません。行政書士法2条が挙げる資格に社労士は入っていないためです。資格の向きが一方通行である点に注意してください。

05社労士試験の形:第58回は選択式80分と択一式210分

第58回社労士試験は2026年8月23日に行われました。午前の選択式は8問40点を80分で、午後の択一式は70問70点を210分で解きます。合格基準点は選択式と択一式のそれぞれの総得点と、それぞれの科目ごとに決まり、どれか1つでも届かなければ不合格です。

第58回の結果は、受験者42,510人、合格者3,961人、合格率9.3%でした。行政書士試験が1日180分の試験で記述式を含むのに対し、社労士試験は記述式がない代わりに、全科目で基準点を超える必要があります。難易度の比較は別の記事で扱います。

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第58回社労士試験の概要(受験案内と厚生労働省の発表)
項目第58回(令和8年度)
申込み4月13日〜5月31日
試験日8月23日
選択式10時30分〜11時50分(80分)・8問40点
択一式13時20分〜16時50分(210分)・70問70点
法令の基準日4月10日現在施行の法令
受験手数料15,000円
結果受験者42,510人・合格者3,961人・合格率9.3%(10月1日発表)

この節・表の確認資料: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「第58回社会保険労務士試験 受験案内」(確認日 2026年11月8日)/厚生労働省「第58回社会保険労務士試験の合格者発表」(令和8年10月1日)(確認日 2026年11月8日)

06重なる知識:条文の読み方、審査請求の仕組み、契約の基本

行政書士の学習から持ち込めるのは、科目の中身よりも法律の読み方です。誰が、どんな要件で、いつまでに、何をするのかを条文から拾う練習は、社労士試験の全科目で使えます。

行政法で学んだ処分と審査請求の考え方も役に立ちます。労働保険や社会保険の法律には、保険給付の決定などに不服があるときの審査請求・再審査請求の決まりがあり、行政不服審査法の基本を知っていると構造をつかみやすくなります。民法の意思表示や契約の基本は、労働契約を読むときの下地になります。

ただし、これらは理解を速くする土台であって、得点がそのまま移るわけではありません。社労士試験の問題は、各法律に固有の対象者・期間・率・手続を問うので、重なる部分を当てにしすぎない計画が必要です。

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行政書士で学んだことが社労士の科目でどう使えるか
社労士の科目行政書士で学んだことで使えるもの新しく学ぶもの
労働基準法・労働安全衛生法民法の契約・意思表示の基本労働時間・賃金・解雇・安全衛生の決まり
労災保険法・雇用保険法・徴収法行政法の処分と審査請求の構造給付の種類・要件・保険料の計算
健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法条文の主体と期間を拾う読み方被保険者・給付・保険料・年金額の決まり
一般常識(労務管理・社会保険)基礎知識で学んだ社会保障の概要労働関係の諸法令・社会保険の各法令

この節・表の確認資料: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「第58回社会保険労務士試験 受験案内」(確認日 2026年11月8日)/e-Gov法令検索「社会保険労務士法」(確認日 2026年11月8日)

07重ならない科目:保険と年金が試験の大半を占める

社労士試験の科目は、社会保険労務士法9条が定める労働基準法・労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法、一般常識です。行政書士試験の科目にはどれも入っていません。

択一式70問のうち、健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法は各10問で、労災保険法と雇用保険法の各10問にも徴収法が3問ずつ含まれます。保険と年金の比重が大きい試験だと理解しておく必要があります。

行政書士試験は受験資格がなく、2026年度は11月8日に180分で行われ、40字程度の記述式もあります。社労士試験には記述式がない一方、似た数字や期間が科目をまたいで出てくるため、覚え分けの量が多くなります。

行政書士試験と社労士試験を同じ項目で並べた比較図。行政書士試験は受験資格なし、試験日11月8日、180分、記述式あり。社労士試験は受験資格が必要で行政書士合格でも満たせる、試験日8月23日(第58回)、選択式80分と択一式210分、記述式なし
図解行政書士の合格は社労士試験の受験資格になりますが、試験の形と科目は別物です。拡大して見る ↗

08勉強の順番:労働の科目から入り、保険・年金へ進む

社労士試験に公式の学習順はありません。ここでは、行政書士の学習を終えた人が進めやすい順の一例を示します。最初は労働基準法・労働安全衛生法で、契約や権利の考え方が民法と近く、行政書士の知識から入りやすい科目です。

次に労災保険法、雇用保険法、徴収法を続けて学びます。給付と保険料の仕組みを一度通すと、健康保険法と厚生年金保険法・国民年金法の構造も追いやすくなります。年金の2科目は互いに関係が深いので、間を空けずに続けるのが効率的です。

一般常識は範囲が広いため、各科目の学習と並行して少しずつ進めます。選択式は1問の空欄で科目の基準点を割ることがあるので、条文の言い回しを覚える練習を早めに入れる必要があります。

  1. 1.労働基準法・労働安全衛生法
  2. 2.労災保険法・雇用保険法・徴収法
  3. 3.健康保険法
  4. 4.国民年金法・厚生年金保険法
  5. 5.一般常識(各科目と並行)

09時間の目安の出し方:試験日までの週数×週に取れる時間

社労士試験に必要な学習時間は、試験を行う側からは公表されていません。人によって差が大きいので、他人の合計時間を目標にするより、自分が確保できる時間から総量を出す方が計画を立てやすくなります。

第59回が第58回と同じく8月の第4日曜日(2027年なら8月22日)だと仮定すると、行政書士試験の翌日の11月9日から始めた場合は約40週、合格発表の1月27日から始めた場合は約29週あります。これに週の学習時間を掛けると、総量の見込みが出ます。

試験日は受験案内で確定するので、公表されたら週数を数え直してください。直前の4週ほどは総復習に残し、残りの週を科目ごとに割り振ると、遅れに早く気づけます。

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始める時期と週の学習時間から出す総量(試験日を2027年8月22日と仮定した計算)
始める日試験日までの週数週10時間週15時間週20時間
11月9日(行政書士試験の翌日)約40週約400時間約600時間約800時間
1月27日(行政書士の合格発表)約29週約290時間約435時間約580時間

この節・表の確認資料: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「第58回社会保険労務士試験 受験案内」(確認日 2026年11月8日)/行政書士試験研究センター(令和8年度試験の日程)(確認日 2026年11月8日)

101年の流れ:11月の行政書士試験から8月の社労士試験まで

行政書士試験は11月、社労士試験は8月なので、行政書士の試験が終わってから次の社労士試験までは約9か月あります。合格発表を待ってから始めるか、試験の翌日から始めるかで、使える週数が約11週変わります。

行政書士試験から社労士試験までの流れを左から右へ並べた図。11月8日に行政書士試験、1月27日に合格発表、4月から5月に社労士試験の申込み、8月に社労士試験、10月に社労士試験の合格発表。申込みの段階を強調
図解社労士試験の申込みと試験の日付は第58回の例です。第59回の日程は受験案内で確かめます。拡大して見る ↗

合格発表を待たずに始めても、不合格だった場合に無駄になるとは限りません。学歴など別の系統で受験資格を満たしていれば社労士試験は受けられますし、満たしていなければ、翌年の行政書士試験を優先するかを2月までに決めます。どちらの場合も、申込みの締切(第58回は5月31日)より前に受験資格を確認してください。

11両方を持つと何ができるか:許認可と労働・社会保険の手続を続けて扱う

行政書士は官公署に出す書類や権利義務・事実証明に関する書類を作り、社労士は労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成と提出の手続、帳簿書類の作成、労務管理の相談などを行います。両方に登録すると、同じ事業者の「事業を始める手続」と「人を雇った後の手続」を続けて扱えます。

たとえば建設業では、令和2年10月1日から、許可と更新で社会保険への加入が要件になりました。許可申請の書類は行政書士として、社会保険・労働保険の加入の手続は社労士として扱えます。外国人を雇う会社なら、在留資格の手続と、雇入れ後の雇用保険などの手続が続きます。

ただし、両方を持っていても、それぞれの業務はそれぞれの資格の範囲で受けます。どちらの資格として受けた仕事かを契約と帳簿で分けることが重要です。

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行政書士と社労士の手続が続く場面の例
場面行政書士として扱う手続社労士として扱う手続
建設業を始める・続ける建設業許可の申請・更新健康保険・厚生年金保険・雇用保険の加入
外国人を雇う在留資格の申請雇用保険の手続・労務管理の相談
会社を作って人を雇う定款など設立の書類(登記は司法書士)社会保険の新規適用・労働保険の成立の手続
国の支援を受ける補助金の申請書類雇用保険法に基づく助成金の申請書類

この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「社会保険労務士法」(確認日 2026年11月8日)/e-Gov法令検索「行政書士法」(昭和55年法律第29号附則を含む)(確認日 2026年11月8日)/国土交通省「建設業における社会保険加入対策について」(確認日 2026年11月8日)

12行政書士のままではできない仕事:社労士法27条

社会保険労務士法27条は、社労士でない者が、他人の求めに応じ報酬を得て、労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成や提出の手続、帳簿書類の作成を業として行うことを禁じています。行政書士法1条の3第2項も、他の法律で制限されている書類の作成はできないと定めています。

例外として、昭和55年の行政書士法改正の附則は、その施行(昭和55年9月1日)の際に行政書士会に入会していた行政書士に限って、当分の間これらの事務を行えるとしています。これから行政書士になる人や、その後に登録した人には当てはまりません。

雇用保険法に基づく助成金の申請書類も、労働社会保険諸法令に基づく書類です。行政書士として補助金を扱っている人でも、この種の助成金の申請書類を報酬を得て作ることはできません。社労士を取る理由がここにあるかを確認してください。

13社労士の登録:2年の実務か事務指定講習が必要

社労士試験に合格しても、それだけでは社労士として仕事はできません。社会保険労務士法3条により、社労士となる資格を得るには、労働社会保険諸法令に関する事務に通算2年以上従事したか、厚生労働大臣が同等以上の経験があると認めることが必要です。

実務経験がない人は、全国社会保険労務士会連合会の事務指定講習を修了すると、この経験があると認められます。令和8年度(第46回)は、4か月の通信指導課程と、8科目それぞれ3時間の動画講習で、受講料は77,000円でした。申込みは2026年11月4日から11月25日までです。

数えられるのは労働社会保険諸法令に関する事務の期間です。行政書士として許認可の書類を作ってきた期間は、この事務とは別の仕事なので、そのまま2年に数えられるわけではありません。

14登録と会費が2つになる:名簿も会も別々

行政書士は日本行政書士会連合会の行政書士名簿に登録して都道府県の行政書士会に入り、社労士は全国社会保険労務士会連合会の社労士名簿に登録して都道府県の社労士会に入ります。名簿も会も別なので、登録の費用と年会費は2つ分かかります。

社労士の登録手数料30,000円と登録免許税30,000円は全国共通です。入会金と年会費は会ごとに違い、東京都社会保険労務士会では、開業会員が入会金50,000円・年会費96,000円、勤務等会員が入会金30,000円・年会費42,000円です。行政書士の側は登録手数料25,000円と登録免許税30,000円が共通で、入会金と会費は会ごとに違います。

社労士は、開業するか、勤務先で使うか、登録だけするかで登録の種別と所属する会が変わり、年会費も変わります。行政書士として開業し、社労士は勤務等で登録するといった組み合わせもあるので、使い方を決めてから費用を計算してください。

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行政書士と社労士の登録費用の比べ方(会ごとの額は確認した会の例)
費目行政書士社労士
登録手数料25,000円(日行連)30,000円(連合会)
登録免許税30,000円30,000円
入会金の例大阪府行政書士会 250,000円東京都社労士会 開業50,000円・勤務等30,000円
会費の例大阪府行政書士会 月額5,500円東京都社労士会 開業年96,000円・勤務等年42,000円
所属する会事務所の所在地の会開業は事務所・勤務は勤務先・その他は住所の会

この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「社会保険労務士法」(確認日 2026年11月8日)/全国社会保険労務士会連合会「社労士の登録申請Q&A」(確認日 2026年11月8日)/東京都社会保険労務士会「登録・入会について」(確認日 2026年11月8日)/日本行政書士会連合会「各種手数料について」(確認日 2026年11月8日)/大阪府行政書士会「行政書士新規登録申請の手引」(確認日 2026年11月8日)

15事務所と届出:2つの法律の決まりを両方守る

行政書士法8条は、行政書士が事務所を2つ以上設けることを禁じています。社労士として開業する場合も、社労士名簿に事務所の名称と所在地を登録します。2つの資格で同じ場所を事務所にするときは、両方の会の決まりに合わせる必要があります。

東京都行政書士会の登録申請の案内では、申請書に「類似資格」の欄があり、ほかの資格で事務所を置いて開業している場合に記入します。また、申請者以外の他士業者がいる事務所では、共同・合同事務所の届出が必要です。社労士会側の書類は所属予定の会で確認してください。

社労士の新規登録は、東京都社会保険労務士会では毎月1日付で、登録の前月に開かれる研修会への参加が求められています。行政書士の登録と時期がずれることがあるので、開業日から逆算して両方の申請日を決めます。

16今日からやること:受験資格の書類と週の時間を決める

まず、社労士試験にどの受験資格で申し込むかを決め、行政書士の合格証明書か合格証書の写しを用意できるか確認します。学歴の系統でも受けられる人は、手間の少ない方を選びます。

次に、平日と休日に取れる時間を1週間分書き出し、試験日までの週数を掛けます。総量が見えたら、労働基準法から始める順番で科目に割り振ります。行政書士の知識は、行政法の審査請求と民法の契約を短く振り返っておくと、社労士の学習に入りやすくなります。

よくある質問

行政書士試験に合格すれば、社労士試験を受けられますか。

受けられます。社会保険労務士法8条6号の「行政書士となる資格を有する者」に当たり、オフィシャルサイトの受験資格コードは10です。行政書士登録をしていなくても対象になります。

行政書士の合格で、社労士試験の科目は免除されますか。

免除されません。社労士試験の科目免除は、公務員として労働・社会保険の法令の施行事務に長く従事した人などが対象で、行政書士の合格や登録は含まれていません。

申込みのときに出す書類は何ですか。

受験資格コード10の場合、行政書士試験の合格証明書またはその写しか、合格証書・証票・会員証の写しのどれかです。最新の受験案内で様式と出し方を確認してください。

行政書士として働いた期間は、社労士登録の2年の実務に数えられますか。

数えられるのは労働社会保険諸法令に関する事務の期間なので、許認可の書類作成の期間がそのまま数えられるわけではありません。実務経験がない場合は、事務指定講習(令和8年度は受講料77,000円)を修了して登録します。

行政書士試験に落ちたら、社労士試験は受けられませんか。

行政書士の合格による受験資格は使えませんが、学歴や実務経験など別の系統で満たしていれば受けられます。満たしていない場合は、翌年の行政書士試験を受け直すか、別の受験資格を満たすかを決めます。

確認した公的情報

この記事の参照元

法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。