試験情報2027年度試験対応
社労士の受験資格とは|高卒・実務経験なしで受ける道と証明書【2027年度試験対応】
2027年度試験対応の解説です。法令の適用時点と試験情報の確認日は、本文・出典の記載をご確認ください。
社労士試験は誰でも受けられる試験ではなく、学歴・実務経験・試験合格・過去受験のどれか一つに当てはまる必要があります。高卒の人は学歴の区分に当たりませんが、同じ種類の実務経験を通算3年以上積むか、行政書士試験などに合格すれば受験できます。年齢の条件はありません。区分ごとの中身と証明書、実務経験の数え方を、第58回の受験案内と試験センターの公表資料で整理します。
- 公開日
- 2026年11月6日
- 更新日
- 2026年11月6日
- 情報確認日
- 2026年11月6日

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 社労士の受験資格は学歴・実務経験・試験合格のどれか一つ
- 社労士試験は誰でも受けられますか?年齢の条件は?
- 学歴の区分:大学・短大・高専の卒業と、大学の62単位
01社労士の受験資格は学歴・実務経験・試験合格のどれか一つ
社労士試験を受けるには、試験センターの受験資格一覧表に載っている受験資格のどれか一つに当てはまる必要があります。初めて受ける人の区分は「学歴」「実務経験」「試験合格」の3つで、過去に受験したことがある人には「過去受験」の区分もあります。申込書には、一覧表から当てはまる受験資格コード(2桁)を一つ選んで書きます。
受験資格の根拠は社会保険労務士法第8条です。大学などでの学習、公務員としての行政事務、社労士や弁護士の補助の事務、行政書士となる資格などが並び、最後に「厚生労働大臣が前各号に掲げる者と同等以上の知識及び能力を有すると認める者」が置かれています。試験センターの一覧表は、これを受験資格コード01から14に分けたものです。申込み期間や手数料など試験全体の流れは、社労士試験の概要の記事にまとめています。

02社労士試験は誰でも受けられますか?年齢の条件は?
誰でも受けられるわけではなく、どの区分にも当てはまらない人は申し込めません。一方で、社会保険労務士法第8条の受験資格には年齢の定めがありません。40代・50代で初めて受験する場合も、学歴や実務経験などの区分に当てはまれば受験できます。受験申込書の年齢欄は、第58回では5月31日現在で書くよう案内されていました。
年齢が関わるのは、合格後の登録です。社会保険労務士法第5条は、未成年者を社会保険労務士となる資格を持たない者(欠格事由)の一つに挙げています。受験できるかどうかは第8条、社労士になれるかどうかは第3条と第5条で決まると分けて押さえておくと、資料を読むときに混乱しません。
03学歴の区分:大学・短大・高専の卒業と、大学の62単位
学歴でもっとも多いのは受験資格コード01で、大学、短期大学、専門職大学、専門職短期大学、高等専門学校(5年制)の卒業者と、専門職大学の前期課程の修了者が当てはまります。専攻の学部・学科・コースは問われないため、法学部以外の卒業でも受験できます。証明書は卒業証明書(修了証明書)か、卒業証書・学位記の写しです。
卒業していなくても、大学(短期大学を除く)で卒業要件の単位を62単位以上修得していれば、受験資格コード02に当たります。一般教養科目と専門教育科目を分けている大学では、一般教養科目36単位以上を修得し、専門教育科目などを加えて合計48単位以上を修得した場合も当たります。在学中の人や中退した人は、大学の成績証明書でこの単位数を確かめ、それを証明書として出します。
04専門学校・各種学校・外国の大学の場合
専門学校の卒業者は受験資格コード05で、修業年限が2年以上、課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間(62単位)以上の専修学校の専門課程を修了していれば当てはまります。受験案内のよくある質問は、専門士の称号を受けていれば受験資格に当たると説明しています。まず卒業証書や称号授与書に「専門士」「高度専門士」の記載があるかを見ます。
大学・短大などのほかに厚生労働大臣が認めた学校を卒業した人はコード04、各種学校などで全国社会保険労務士会連合会の個別の審査により短大卒業と同等以上の学力があると認められた人はコード14です。外国の大学・短大は、通算修業年数が14年以上なら学位で当たる可能性があり、試験センターへの事前確認が求められています。取り寄せる書類の細かい注意は、社労士試験の概要の記事で扱っています。
05高卒の場合は学歴に当たらない(実務経験か試験合格へ)
最終学歴が高等学校卒業の場合、受験資格のうち学歴の区分には当たりません。受験案内のよくある質問は、受験資格コード03に出てくる高等学校は学校教育法に基づく高等学校ではないと説明しています。コード03は旧高等学校令による高等学校高等科や旧制の大学予科・専門学校の卒業者で、名前が似ていても、いまの高校の卒業は当たりません。
高卒の人が受験するには、実務経験の区分で同じコードの通算3年以上を満たすか、試験合格の区分で行政書士試験や厚生労働大臣が認めた国家試験に合格するかのどちらかです。たとえば国家公務員採用一般職高卒者試験(事務に限る)は、その国家試験の一覧に入っています。大学(62単位)・短大・条件を満たす専門学校に進んで、学歴の区分を満たす道もあります。
06実務経験の区分は通算3年以上、コードは5つ
実務経験の区分はどのコードも通算3年以上が必要で、証明書は試験センターの様式の実務経験証明書(様式1)です。コード08は、健康保険組合や労働保険事務組合のように労働社会保険諸法令に基づいて設立された法人の役員(非常勤を除く)または従業員として、その法令の実施事務に従事した人です。
コード09は国・地方公共団体の公務員としての行政事務で、民営化前の日本郵政公社の職員や、全国健康保険協会・日本年金機構(社会保険庁の職員の期間を含む)での社会保険諸法令の実施事務も入ります。コード11は社労士や弁護士の補助の事務、コード12は労働組合の専従役員と会社などの労務担当役員、コード13は労働組合の職員や一般企業を含む法人・個人事業の従業者として労働社会保険諸法令に関する事務に従事した人です。
07一般企業の実務経験として認められるのは?
会社員がもっとも使いやすいのは受験資格コード13です。要件は、従業者として労働社会保険諸法令に関する事務に従事した期間が通算3年以上あることです。試験センターの記載例は、所属部署名、従事した事務の内容、従事した期間を古い順に詳しく書くよう求めており、部署名だけでなく実際に担当した事務の中身で見られます。
一方で、特別な判断を要しない単純な事務は、受験資格の要件から除かれます。試験センターは例として、電話交換手、自動車運転手、用務員などの労務と、タイプ、浄書、複写などを挙げています。自分の担当が当てはまるか判断できない場合は、試験センターの受験資格の事前確認を使えます。勤務先に証明を頼む前に、記載例と照らして担当した事務を書き出しておくと、手戻りが減ります。
08公務員・社労士事務所・労働組合・役員の実務経験
公務員(コード09)について、社会保険労務士法第8条と試験センターの一覧は「行政事務に従事した期間」と書いており、労働や社会保険の事務に限る書き方はしていません。記載例では労働局・市役所・区役所・町役場などが挙げられ、所属部署ごとに事務の内容を詳しく書きます。日本郵政公社の期間は民営化(平成19年10月1日)より前に限られ、郵便局の集配業務は当たりません。
社労士事務所や弁護士事務所で補助者として働いた期間はコード11です。労働組合の役員は業務に専ら従事した専従役員に限られ、兼務では受験資格として認められません(コード12)。自衛官は、採用試験に合格したことを証する書面があればコード06の証明書になると案内されています。公務員も、採用時の試験が国家試験の一覧にあれば、在職3年未満でもコード06で申し込める場合があります。
09実務経験の数え方で気をつけること
従事期間は「通算」で数えるため、転職をはさんでも同じコードの期間なら合算できます。ただし、受験資格コード08・09・11・12・13をまたいで期間を通算することはできません。たとえば会社員として人事労務の事務を2年、社労士事務所の補助者として1年という組み合わせでは、コード13でもコード11でも3年に届きません。
休職や休業の期間は、実務経験の期間から差し引かれます。また、1週間の労働時間が基準となる時間に満たない短時間労働者は受験資格に当たりません。基準となる時間の数字は、試験センターの留意点や受験案内に書かれていません。短時間勤務やアルバイトの期間を含めて3年を数えたい場合は、申込みの前に試験センターへ確かめてください。
10試験合格の区分:行政書士・司法試験予備試験・国家試験
試験合格の区分は3つです。行政書士試験の合格者はコード10で、社会保険労務士法第8条は「行政書士となる資格を有する者」を受験資格に挙げています。司法試験予備試験、旧司法試験の第一次試験、高等試験予備試験などの合格者はコード07、厚生労働大臣が認めた国家試験の合格者はコード06です。
証明書は原則として合格証明書かその写し、または合格証書の写しで、行政書士試験では証票や会員証の写しも挙げられています。合格証明書の発行は、各試験の実施団体に問い合わせます。どの書類を出せばよいか分からない場合は、事前に試験センターに確認するよう案内されています。行政書士試験は、合格していれば行政書士の登録をしていなくてもコード10に当たります。
11厚生労働大臣が認めた国家試験の一覧には何がある?
試験センターが公開する一覧(受験資格コード06関係)には79の項目があります。国家公務員採用総合職試験、一般職大卒程度試験、一般職高卒者試験(事務に限る)、労働基準監督官採用試験、国税専門官採用試験、税務職員採用試験、自衛官採用試験(2等陸・海・空士)など、公務員の採用試験が多く並びます。
資格試験では、司法書士試験、土地家屋調査士試験、税理士試験、公認会計士試験、弁理士試験、中小企業診断士試験、技術士第2次試験、気象予報士試験、キャリア・コンサルティング技能検定1級・2級、1級・2級の各施工管理技士検定などが載っています。宅地建物取引士試験やファイナンシャル・プランニング技能検定は含まれていません。名称が変わった試験もあるため、当たるか不明な場合は試験センターに問い合わせます。
12過去受験の区分:直近3年間の受験票・成績通知書
直近3年間に実施された社労士試験の受験票か成績(結果)通知書を持っている人は、それ自体が受験資格証明書になります。第58回の申込みでは第55回から第57回の受験票などが使え、第58回の受験票と成績通知書は第59回から第61回まで使えると案内されています。申込みでは、提出する書類に書かれた試験の回次と受験番号を記入します。
受験票と成績通知書は再発行されません。なくした場合や、前回の受験から3年を過ぎた場合は、学歴・実務経験・試験合格の区分から証明書をそろえ直すことになり、実務経験の人は勤務先にもう一度証明を頼むことになります。再受験の可能性があるなら、試験が終わっても両方を捨てずに、次の申込みの時期まで手元に保管してください。
13受験資格証明書は区分ごとに何を出す?
区分ごとの証明書をまとめると、01は卒業証明書か卒業証書・学位記の写し、02は大学の成績証明書、05は専門士・高度専門士の称号を証明する書面か試験センター様式の専修学校修了者受験資格証明書(様式2)、14は卒業証明書・成績証明書・カリキュラムの3点です。実務経験の08・09・11・12・13は様式1の実務経験証明書を使います。
試験合格の06・07は合格証明書か合格証書の写し、10は合格証明書のほか合格証書・証票・会員証の写し、過去受験は受験票か成績通知書です。どの区分でも、証明書の氏名と現在の氏名が違えば改姓を証明する書類を添え、不鮮明なものは受け付けられません。インターネット申込みでのファイルの作り方は、受験申込みの手順の記事で扱います。
14実務経験証明書は勤務先に早めに頼む
実務経験で申し込む人は、試験センターの様式1を勤務先に作成・証明してもらいます。様式は印刷用のPDFのほか、入力用のWord形式も様式集に用意されています。試験センターの記入上の留意事項は、証明印として社判(会社印)と任命権者の役職印の両方を求めています。押印できる人が誰かを、依頼の前に確かめておきます。
記載例は、健康保険組合、労働保険事務組合、労働局(公共職業安定所)、日本郵政公社、自衛官、社労士事務所の補助者、労働組合の専従役員、労務担当役員、法人等の従業者の別に公開されています。前の勤務先の期間を合算する場合は勤務先ごとに証明を頼むため、返送に時間がかかることがあります。第58回の申込み締切は5月31日でした。受験を決めた時点で依頼先と期間を書き出しておくと安心です。
15受験資格の「3年」と、登録に要る「2年」は別のもの
「社労士 実務経験2年」と検索されるのは、登録の要件と混同しやすいためです。受験資格の実務経験は通算3年以上ですが、合格後に社労士となるには、社会保険労務士法第3条により、労働社会保険諸法令に関する厚生労働省令で定める事務に通算2年以上従事したか、厚生労働大臣がこれと同等以上の経験を有すると認める必要があります。
2年に満たない合格者は、全国社会保険労務士会連合会の事務指定講習を修了すれば、2年以上の実務経験と同等以上の経験を有すると認められ、登録を受けられます。第46回(令和8年度)は通信指導課程(4か月)とeラーニング講習(1科目3時間・8科目)の組み合わせで、受講料は77,000円(税込)、申込期間は2026年11月4日から11月25日までです。学歴で受験した人は、実務経験なしでも講習を通じて登録まで進めます。
16高卒・実務経験なしから社労士を目指す道筋
高卒で実務経験もない人が受験資格を得る道は、主に3つです。一つ目は、社労士事務所の補助者や企業の人事労務の担当として働き、同じコードで通算3年以上の従事期間を積むこと。二つ目は、行政書士試験や厚生労働大臣が認めた国家試験に合格すること。三つ目は、大学(62単位)・短大・条件を満たす専門学校で学歴の区分を満たすことです。
どの道でも、受験資格を得たあとに社労士試験の科目を学ぶ時間が別に必要です。働きながら実務経験を積む道なら、社会保険や労働保険の手続に日常的に触れられる点は、一般に学習の助けになると言われます。合格後の登録に要る2年の実務経験は、事務指定講習でも満たせます。合格から登録・開業までの流れは、社労士になるにはの記事でまとめています。
17第59回の申込み前に確かめる順番
この記事の受験資格と証明書の扱いは、第58回(令和8年度)の受験案内と、試験センターが公開している受験資格の一覧・留意点に基づきます。第59回(2027年度)の申込み期間や受験手数料はまだ公表されていないため、2027年4月ごろに公表される第59回の受験案内で確認してください。
確かめる順番は、自分が当てはまる区分とコードを一つ決める、そのコードの証明書を一覧で確かめる、取り寄せや勤務先の証明を頼む、の3段階です。当てはまるか判断できない場合は、試験センター(03-6225-4880、平日9時30分から17時30分)に問い合わせます。第58回では締切の5月31日とその前日は電話がつながらなかったため、確認は早めに済ませます。
よくある質問
社労士試験は高卒でも受けられますか?
学歴の区分には当たりませんが、実務経験の区分(同じコードで通算3年以上)か、行政書士試験・厚生労働大臣が認めた国家試験などの合格で受験できます。国家公務員採用一般職高卒者試験(事務に限る)も、その国家試験の一覧に入っています。
実務経験なしでも社労士試験を受けられますか?
受けられます。大学・短大・高専の卒業、大学の62単位修得、条件を満たす専門学校の卒業など学歴の区分か、試験合格の区分に当てはまれば、実務経験は要りません。
専門学校卒でも社労士試験を受けられますか?
修業年限2年以上・総授業時間数1,700時間(62単位)以上の専門課程を修了していれば受験資格コード05に当たります。卒業証書や称号授与書に「専門士」の記載があるかをまず確かめます。
社労士試験に年齢制限はありますか?
ありません。社会保険労務士法第8条の受験資格に年齢の定めはなく、40歳以上でも区分に当てはまれば受験できます。登録の段階では、未成年者が欠格事由に当たります。
一般企業での仕事は実務経験として認められますか?
労働社会保険諸法令に関する事務に通算3年以上従事していれば、受験資格コード13に当たります。電話交換手・自動車運転手・用務員などの労務や、タイプ・浄書・複写などの単純な事務は除かれます。
公務員の経験は実務経験になりますか?
国や地方公共団体の公務員として行政事務に従事した期間が通算3年以上あれば、受験資格コード09に当たります。採用時の試験が厚生労働大臣が認めた国家試験の一覧にあれば、コード06で申し込める場合もあります。
会社員の期間と社労士事務所の期間を合算できますか?
できません。受験資格コード08・09・11・12・13をまたいだ通算は認められず、同じコードの中で通算3年以上が必要です。休職・休業の期間も差し引かれます。
社労士になるには2年以上の実務経験が必要ですか?
受験には不要です。2年は合格後の登録の要件で、2年に満たない人は全国社会保険労務士会連合会の事務指定講習を修了すれば登録を受けられます。
再受験のときも受験資格証明書が必要ですか?
申込みのたびに必要です。直近3年間の社労士試験の受験票か成績(結果)通知書があれば、それを証明書として使えます。どちらも再発行はされません。
この記事の参照元
法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。