合格後・資格手続2027年版
社労士になるには|実務経験2年・事務指定講習・登録費用と登録しない場合【2027年版】
2027年版の解説です。手続・費用・統計の対象時点は、本文と各出典に記載しています。
社労士になるには、社会保険労務士試験に合格したうえで、労働社会保険諸法令の実務経験が通算2年以上あるか、事務指定講習を修了して登録要件を満たし、全国社会保険労務士会連合会の名簿に登録を受ける必要があります。合格しただけでは「社労士」を名乗れません。登録には登録免許税と手数料で計60,000円がかかり、ほかに都道府県の社労士会の入会金・年会費が要ります。
- 公開日
- 2026年11月6日
- 更新日
- 2026年11月6日
- 情報確認日
- 2026年11月6日

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 社労士になるには何が必要?結論は「合格」「登録要件」「登録」の3段階
- 社労士試験に合格するまで:受験資格と試験の概要
- 合格しただけでは社労士を名乗れない理由
01社労士になるには何が必要?結論は「合格」「登録要件」「登録」の3段階
社労士になる道筋は、受験資格を満たす、社会保険労務士試験に合格する、登録要件を満たす、登録と社労士会への入会をする、の順です。全国社会保険労務士会連合会(以下、連合会)の「社労士を目指す」のページも、この流れで案内しています。試験に受かった時点はまだ途中で、名簿に登録されて初めて社会保険労務士になります。
登録要件は、労働社会保険諸法令に関する事務の実務経験が通算2年以上あること、または連合会が行う事務指定講習を修了することのどちらかです(社会保険労務士法第3条第1項)。弁護士となる資格を持つ人は、同条第2項により、試験の合格や実務経験にかかわらず社労士となる資格を持ちます。この記事では、合格した後の手続を中心に説明します。

02社労士試験に合格するまで:受験資格と試験の概要
試験は年1回で、第58回(2026年度)は8月23日に行われ、10月1日に合格者が発表されました。厚生労働省の発表では、受験者42,510人に対して合格者は3,961人、合格率は9.3%です。第59回(2027年度)の日程や手数料はまだ公表されていないので、2027年4月ごろの受験案内で確認してください。試験の仕組みは「試験の概要」、合格率の推移は「合格率」の記事で扱っています。
受験資格は学歴・実務経験・試験合格の区分のどれかに当てはまれば足ります。学歴の区分について、第58回の受験案内は専攻の学部・学科・コース等を問わないとしているため、社労士を目指すために特定の学部へ進む必要はありません。最終学歴が高校卒業の人は学歴の区分に当たらず、実務経験か試験合格の区分で該当すれば受験できます。詳しくは「受験資格」の記事を見てください。
03合格しただけでは社労士を名乗れない理由
社会保険労務士法第14条の2第1項は、社労士となる資格を持つ人が社労士となるには、社会保険労務士名簿に氏名、生年月日、住所などの登録を受けなければならないと定めています。名簿は連合会に備えられ、登録も連合会が行います(第14条の3)。合格証書は社労士となる資格の要件の一つを示す書類で、それだけで社労士になるわけではありません。
登録前の人が「社会保険労務士」「社労士」やこれに類似する名称を使うことは第26条で禁じられています(罰則は「社労士とは」の記事で整理しています)。名刺や履歴書に書くときは「社会保険労務士試験合格」のように、登録前であることが分かる表現にとどめます。名乗れるようになるのは、登録を受けた後です。
04登録要件1:実務経験2年以上は試験の前でも後でもよい
1つ目の登録要件は、労働社会保険諸法令に関する厚生労働省令で定める事務に通算2年以上従事したことです(第3条第1項)。連合会の登録申請Q&Aは、この事務を社会保険労務士法施行規則第1条の11に掲げる事務と説明し、連合会の案内はこの実務経験を試験の前後を問わないとしています。合格前から人事・労務部門や社労士事務所で手続に携わっていた期間も、対象になり得ます。
実務経験は、登録申請のときに「従事期間証明書(様式第8号)」で証明します。連合会の登録申請Q&Aでは、従事した事務の内容が要件に当たるか確かめたい場合、従事期間証明書に必要事項を書いて(下書きでも可)連絡先を明記し、連合会の登録課へFAXで送れば後日回答するとしています。自分の経歴で足りるか迷う人は、講習を申し込む前に確かめておくと判断しやすくなります。
05実務経験がない人の道:事務指定講習の修了
実務経験が2年に満たない合格者は、連合会の事務指定講習を修了すると登録要件を満たせます。この講習は連合会が厚生労働大臣の認定を受けて行うもので、修了者は「2年以上の実務経験」と同等以上の経験を有すると認められ、第14条の2の登録を受けられます。厚生労働省の第58回の合格発表も、2年以上の従事か厚生労働大臣が指定した講習の修了で登録できると案内しています。
受講資格は、社労士試験の合格者等で、実務経験が2年に満たない人です(昭和57年4月1日前に合格した人は除かれます)。連合会の登録申請Q&Aによると、受講案内は試験合格者あてに送る登録の案内に同封されています。未経験の人が「実務経験なしで登録するには」と調べたときの答えは、この講習です。
06事務指定講習の内容・期間・受講料
第46回(2026年度)の事務指定講習は、通信指導課程(4か月間)とeラーニング講習を組み合わせて行います。通信指導は教材で自己学習し、郵便による通信教育の方式で添削を受けます。eラーニングは、労働基準法及び労働安全衛生法、労災保険法、雇用保険法、労働保険徴収法、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法、年金裁定請求等の手続の8科目で、1科目3時間の動画学習と科目ごとの効果測定の試験があります。
受講料は77,000円(税込)で、定員は設けられておらず、申込期間内であれば受講できます。第46回の実施要項に挙がっているのは通信指導課程とeラーニング講習の2つで、会場で受ける課程は書かれていません。働きながら受ける人は、課題の作成とeラーニングの視聴に要る時間を、提出期限から逆算して確保してください。eラーニングの期間は受講案内で示されます。
07事務指定講習の日程と申込み(第46回の例)
第46回の申込期間は2026年11月4日10時から11月25日23時59分までです。Web申込(イベントペイ)で受け付け、期間内に申込みと受講料の支払いを済ませると完了します。支払いはクレジットカード決済かペイジー決済で、申込後は変えられません。ペイジーは期限までに入金がないと自動でキャンセルされます。連合会の講習の案内では、実施時期は2027年2月とされています。
Q&Aによると、教材は1月下旬に発送され、通信指導課程は課題書の事例について提出様式60枚程度を期間内に出すと完了します。過去の合格者も申し込め、申込みの際に合格証の提出は要りません(合格証は登録申請のときに必要です)。教材は海外へ送れず、海外からのeラーニング視聴にも対応していないため、国内で受け取れる住所が必要です。日程は年度ごとに変わるので、連合会のページで確認します。
08事務指定講習で落ちることはある?修了の条件と最短の時期
講習は試験のように合格者数を絞るものではありませんが、修了には条件があります。通信指導課程は課題の提出を期間内に完了すること、eラーニングは各科目の動画学習を終えて効果測定の試験で良好な成績を収めることです。白紙やほとんど記入がない課題は再提出になります。受講者本人以外が視聴するなどして本人が受講していないと分かると、要件を満たしていても修了の認定が取り消されます。
修了証は全課程を修了した人にダウンロードで交付され、Q&Aでは、eラーニング講習がすべて完了し次第、システム上からダウンロードできるとしています。有効期限はありませんが再発行できないので、保存しておきます。最短でいつ修了できるかは年度のeラーニング期間で決まるため、受講案内で確かめてください。今年の合格者が次年度以降に申し込んでも問題ないとされています。
09登録の区分は開業・勤務・その他の3つ。どれを選ぶ?
登録の区分は、事務所を構えて依頼を受ける「開業」、会社などの事業所に勤めて社労士の事務に従事する「勤務」、そのどちらでもない「その他」の3つです。他人の求めに応じ報酬を得て第2条の事務を業として行う人は、事務所を定めて開業の登録を受けます(第14条の2第2項)。事業所に勤めて第2条の事務に従事する人は、勤務先の名称や所在地も登録しなければなりません(同条第3項)。
つまり区分は好みで選ぶものではなく、登録後に何をするかで決まります。入会する社労士会も区分で決まり、開業は事務所の所在地、勤務は事業所の所在地、その他は自宅の住所地の都道府県の会です(第25条の29第1項、連合会Q&A)。開業の準備や働き方の違いは「開業」「キャリア」の記事で扱います。
10その他登録でできること・できないこと
その他登録の人も社会保険労務士名簿に載った社労士なので、名称の使用制限(第26条)の対象ではなく、名刺に社会保険労務士と書けます。一方、他人の求めに応じ報酬を得て第2条の事務を業として行うには、事務所を定めた開業の登録が要ります(第14条の2第2項)。会社で第2条の事務を担当するようになれば、勤務の登録が必要です(同条第3項)。
その他登録でも登録免許税と手数料がかかり、自宅住所地の社労士会の会員として会則を守る義務(第25条の30)と会費の負担が生じます。後で開業や勤務に切り替えるときは、遅滞なく変更の登録を申請します(第14条の4)。入会金や年会費の額は会ごとに違うので、区分による違いがあるかも含めて入会予定の会に確かめてから決めてください。
11登録申請の手続:提出先と必要書類
登録申請書は、入会予定の都道府県社会保険労務士会に提出し、そこを経由して連合会へ進みます(第14条の5)。連合会では直接手続ができません。申請はマイナポータルを使うオンライン申請か紙申請で、紙の書類は入会予定の社労士会から入手します。紙申請の流れでは、都道府県の会が受け付けて審査し、連合会へ進達し、連合会が審査して名簿と証票を作ります。
紙申請の主な書類は、登録申請書(様式第1号)、個人番号カードの両面の写しなどの本人確認書類、社会保険労務士試験合格証書の写し、従事期間証明書(様式第8号)か事務指定講習修了証の写し、縦3cm・横2.4cmの顔写真を貼った写真票です。合格証書などの氏名と住民票の氏名が違う人や通称の併記を希望する人は戸籍抄本などが加わり、都道府県によってほかの書類が要る場合もあります。
12社労士の登録費用はいくら?登録免許税・手数料・入会金
連合会の案内では、登録には登録免許税30,000円と手数料30,000円がかかり、合わせて60,000円です。紙申請では、登録免許税は収入印紙か税務署で納めた納付証明書を申請書に貼り、手数料は入会予定の社労士会に振込などで払います。オンライン申請では、どちらもマイナポータル上でクレジットカードで決済でき、登録免許税には別に決済手数料がかかります。
このほか、登録と同時に入る都道府県の社労士会の入会金と年会費が必要です。手続・金額・納付方法は会ごとに違い、マイナポータルのオンライン決済の対象外なので、入会予定の会に事前に問い合わせてください。実務経験がない人は、事務指定講習の受講料77,000円(第46回)も加わります。登録後は会費が続くことも、予算に入れておきます。
13登録はいつ完了する?官報の公告と社労士証票
毎月の受付締切日は入会予定の社労士会ごとに決まっているので、先に確かめます。連合会の登録申請Q&Aでは、官報の公告日を、1日付の登録は当月末、15日付の登録は翌月末の予定としています。登録や抹消を官報で公告することは第14条の11が定めています。合格から登録を急ぐ人は、締切日と登録日の関係を入会予定の会に聞いておくと予定が立てやすくなります。
連合会は、申請者に資格があり登録拒否事由に当たらないと認めたときは、遅滞なく名簿に登録し、社会保険労務士証票を交付します(第14条の6)。同じQ&Aは、証票を登録日(休日なら翌営業日)に簡易書留で自宅の住所へ発送するとしています。紙申請の案内の流れ図には「証票を発行(登録完了後2週間程度)」とも書かれているため、受け取りの時期は入会予定の会に確かめると確実です。
14社労士登録を拒否されることはある?弁明と審査請求
登録を受けられないのは、第5条の欠格事由に当たって社労士となる資格を持たない人と、第14条の7の登録拒否事由に当たる人です。第14条の7には、心身の故障により業務を行えない人や、保険料の滞納処分を受けて正当な理由なく3か月以上その後の保険料を滞納し続けている人などが挙がっています。各号の中身は「社労士とは」の記事で条文ごとに整理しています。
連合会が登録を拒否するときは、資格審査会の議決に基づき、あらかじめ本人に通知して弁明の機会を与え、拒否したときは理由を付けた書面で知らせます(第14条の6)。不服があれば厚生労働大臣に審査請求ができ、申請から3か月たっても何の処分もないときは、拒否されたものとして審査請求ができます(第14条の8)。
15社労士に登録しないとどうなる?期限はある?
合格後いつまでに登録しなければならないという期限はありません。連合会の登録申請Q&Aは、試験合格後の登録申請に有効期限はなく、必要なときに申請してよいとし、従事期間証明書と事務指定講習の修了についても同様としています。事務指定講習の修了証にも有効期限はありません。会社員を続けながら、開業や転職を決めたときに申請するといった選び方もできます。
登録しないままだと「社労士」と名乗れず、他人の求めに応じ報酬を得て1号・2号の事務を業として行うこともできません(第27条)。一方、登録すれば社労士会の会則を守る義務と会費の負担が生じます。合格者のうち登録しない人の割合は、今回確認した厚生労働省・連合会の公表資料には示されていません。登録するかどうかは、合格後の働き方と費用を比べて決めます。
16合格から登録までは何年かかる?
試験に合格するまでの期間は人によって大きく違い、公式の目安はありません。勉強時間の考え方は「勉強時間」の記事を見てください。合格後は、実務経験が2年に満たなければ事務指定講習を経ます。第46回に当てはめると、10月に合格発表、11月に講習の申込み、1月下旬に教材の発送、2027年2月に講習の実施という順で、修了後に登録申請を出します。
すでに2年以上の実務経験がある人は、講習を受けずに合格後すぐ登録申請へ進めます。第58回の受験案内では、合格証書を10月14日に簡易書留で発送するとしていました。同じ案内は、合格者の個人情報を登録申請に必要な書類の送付に使い、入会勧奨のために、届け出た住所地の都道府県社労士会へ提供する場合があるとしています。
17登録した後の手続:変更登録・特定社労士の付記・抹消
登録した事項に変更が生じたときは、遅滞なく変更の登録を申請します(第14条の4)。勤務から開業へ切り替える、勤務先が変わるといった場合です。所属する社労士会が変わる変更登録では、変更登録を受けた時に元の会を退会し、新しい会の会員になります(第25条の29第2項)。手続は所属予定の会で確かめます。
紛争解決手続代理業務試験に合格した社労士は、登録に付記を受けると特定社会保険労務士証票の交付を受け、それまでの社労士証票は連合会に返します(第14条の11の2、第14条の11の3)。登録の抹消の申請があったときや死亡したときは連合会が登録を抹消し、証票は返還します(第14条の10、第14条の12)。特定社労士の詳細は「特定社労士」の記事にまとめています。
18社労士法の論点を合トレで確認する
ここで扱った登録の要件、登録拒否事由、社労士会への入会は、試験科目「社会保険に関する一般常識」の社会保険労務士法の範囲にも入ります。合トレでは社労士法の条文を論点解説で整理しており、一問一答で登録や入会先の要件を確かめられます。受験前の人は、合格後の手続の知識を得点にもつなげてください。
よくある質問
実務経験なしで社労士登録するにはどうしたらいいですか?
連合会の事務指定講習を修了します。修了者は2年以上の実務経験と同等以上の経験を有すると認められ、登録を受けられます。第46回の受講料は77,000円(税込)で、通信指導課程(4か月間)とeラーニング講習を組み合わせて行います。
社労士になるには実務経験2年が必須ですか?
必須ではありません。実務経験2年以上か事務指定講習の修了のどちらかで登録要件を満たします。実務経験は試験の前でも後でもかまいません。
社労士の登録費用はいくらですか?
登録免許税30,000円と手数料30,000円の計60,000円です。オンライン申請では登録免許税に決済手数料が別にかかります。ほかに都道府県の社労士会の入会金・年会費が必要で、金額は会ごとに異なります。
社労士登録の年会費はいくらですか?
年会費は入会する都道府県の社労士会ごとに定められ、手続や金額、納付方法に違いがあります。入会予定の会に事前に問い合わせてください。
社労士は合格後いつまでに登録すればいいですか?
期限はありません。連合会は登録申請に有効期限はないとしており、従事期間証明書や事務指定講習の修了も同様です。必要になったときに申請できます。
登録しないと何ができませんか?
「社労士」と名乗れず(第26条)、他人の求めに応じ報酬を得て書類の作成・提出代行や帳簿書類の作成を業として行うこともできません(第27条)。
その他登録とは何ですか?
開業も勤務もしない人の登録区分で、自宅の住所地の都道府県の社労士会に入会します。社労士として名簿に載るので名称は使えますが、報酬を得て第2条の事務を業として行うには開業の登録が必要です。
社労士になるには学歴や学部は関係ありますか?
受験資格の学歴区分では、専攻の学部・学科・コース等は問われません。最終学歴が高校卒業の人は学歴区分に当たりませんが、実務経験や試験合格の区分で該当すれば受験できます。
事務指定講習は働きながら受けられますか?
第46回の実施要項にあるのは通信指導課程とeラーニング講習で、会場で受ける課程は書かれていません。ただし課題の提出とeラーニングには期間があるので、時間を確保して取り組みます。
弁護士は社労士として登録できますか?
弁護士となる資格を持つ人は、社労士となる資格を持ちます(第3条第2項)。社労士として業務を行うには、ほかの人と同じく社会保険労務士名簿への登録が必要です(第14条の2第1項)。
この記事の参照元
法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。