分野別対策2026年度試験対応
マンション総会とは|成立要件・委任状・決議の数え方と2026年改正【2026年度試験対応】
2026年度試験対応の解説です。法令の適用時点と試験情報の確認日は、本文・出典の記載をご確認ください。
分譲マンションを買うと、毎年、管理組合から総会の招集通知が届きます。議案書のほかに出欠票や委任状、議決権行使書が同封されていて、何を出せばよいのか迷う人は少なくありません。この記事では、総会の決まりを、2026年4月1日に施行された区分所有法と、国土交通省のマンション標準管理規約で確かめます。後半では、マンション管理士の試験で総会がどう問われるかも整理します。
- 公開日
- 2026年11月8日
- 更新日
- 2026年11月8日
- 読了目安
- 約14分
- 法令基準日
- 2026年4月1日
- 情報確認日
- 2026年11月8日

先に結論
マンションの総会は、区分所有法の「集会」にあたり、管理組合の予算・決算・役員・規約などを決める場です。標準管理規約にならった規約なら、議決権総数の過半数を持つ組合員の出席で成立し、普通決議は出席組合員の議決権の過半数で決まります。議決権行使書や委任状を出した人も出席に数えます。規約の変更などの特別決議は、2026年4月1日の改正で、組合員と議決権の各過半数の出席のうえで、出席者の各4分の3以上で決めるようになりました。
迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 成立:標準管理規約では議決権総数の過半数の出席(2025年の改正前は半数以上)
- 普通決議:出席組合員の議決権の過半数。行使書・委任状の提出者も出席に数える
- 特別決議:2026年4月から、各過半数の出席のうえで出席者の各4分の3以上
- 欠席するなら、自分で賛否を書く議決権行使書を期限までに出す
01結論:成立は議決権の過半数の出席、決議は出席者の多数決
マンションの総会は、区分所有者全員でつくる管理組合が、予算・決算・役員・規約・修繕などを決める場です。法律上は区分所有法の「集会」にあたり、管理者(多くのマンションでは理事長)が少なくとも毎年1回開きます。
国土交通省のマンション標準管理規約(単棟型)にならった規約なら、総会が成立するには、議決権総数の過半数を持つ組合員の出席が必要です。議決権行使書や委任状を出した人も出席に数えます。普通決議は出席組合員の議決権の過半数で決まり、規約の変更などの特別決議は、組合員総数と議決権総数の各過半数の出席のうえで、出席者の各4分の3以上で決めます。
2026年4月1日に施行された区分所有法の改正で、特別決議も「全員のうち何割」ではなく「出席者のうち何割」で数えるようになりました。数字は規約ごとに違うことがあるので、自分のマンションの管理規約を必ず確認してください。
02総会とは:区分所有法の「集会」で、管理組合のいちばん上の決定の場
区分所有法3条は、区分所有者は全員で、建物と敷地、附属施設の管理を行うための団体をつくると定めています。この団体が管理組合で、その意思を決めるのが集会です。標準管理規約42条は、総会を総組合員で組織し、区分所有法に定める集会とすると定めています。
理事会は、総会に出す議案を準備し、総会で決まったことを実行する機関です。予算や規約の変更のように総会で決めるべき事項を、理事会だけで決めることはできません。理事会の役割と開き方は、別の記事で説明しています。
管理者は、集会で毎年1回一定の時期に、その事務の報告をしなければなりません(区分所有法43条)。通常総会で事業報告や決算の報告が行われるのは、この定めに沿ったものです。
03通常総会と臨時総会の違い
標準管理規約では、理事長は通常総会を、毎年1回、新会計年度が始まってから2か月以内に招集します(42条3項)。決算と事業報告、新年度の予算と事業計画、役員の選任などをまとめて決めるのが通常総会です。
臨時総会は、それ以外の時期に、必要に応じて開く総会です。理事長は、理事会の決議を経て、いつでも臨時総会を招集できます(42条4項)。工事の発注や規約の変更など、次の通常総会まで待てない議題があるときに開きます。
区分所有者の側から開かせることもできます。区分所有法34条3項は、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を持つ人が、会議の目的を示して招集を請求できると定めています。この定数は規約で減らせます。ただし、請求から2週間以内に、請求の日から4週間以内の日を会日とする招集の通知が出なければ、請求した人が自分で招集できます(同条4項)。
表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。
| 項目 | 通常総会 | 臨時総会 |
|---|---|---|
| 開く時期 | 毎年1回、新会計年度の開始後2か月以内 | 必要なときにいつでも |
| 招集する人 | 理事長 | 理事長(理事会の決議を経る)、または招集を請求した組合員 |
| 主な議題 | 決算・事業報告、予算・事業計画、役員の選任 | 工事の発注、規約の変更など個別の議題 |
| 根拠 | 区分所有法34条2項、標準管理規約42条3項 | 区分所有法34条3項・4項、標準管理規約42条4項・44条 |
この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「建物の区分所有等に関する法律」(2026年4月1日施行)(確認日 2026年11月8日)/国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント」(令和7年改正)(確認日 2026年11月8日)
04総会で決めること:予算・決算・役員・規約・修繕
標準管理規約48条は、総会の決議を経なければならない事項を並べています。主なものは、規約と使用細則の変更、役員の選任と解任、収支決算と事業報告、収支予算と事業計画、長期修繕計画の作成と変更、管理費と修繕積立金の額、修繕積立金の取崩し、管理委託契約の締結です。
このうち、決算・予算・長期修繕計画・規約の案は、理事会が決めて総会に出します(54条1項)。総会の当日に議案が新しく作られるわけではありません。招集通知と一緒に届く議案書を読めば、何を決める総会かが分かります。
ただし、標準管理規約はあくまで国土交通省が示すひな形です。実際の管理規約はマンションごとに総会で決めたものなので、総会で決める事項の範囲も同じとは限りません。
- 規約・使用細則の制定、変更、廃止
- 役員の選任・解任
- 収支決算・事業報告、収支予算・事業計画
- 長期修繕計画の作成・変更
- 管理費・修繕積立金の額と徴収の方法
- 修繕積立金の取崩し、管理委託契約の締結
05招集通知の期限と中身:法律は1週間前、標準管理規約は2週間前
区分所有法35条1項は、集会の招集通知を、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項と議案の要領を示して各区分所有者に出すよう定めています。この期間は規約で伸ばせますが、短くすることはできません。
標準管理規約43条1項は、会議を開く日の2週間前までに、日時・場所・目的・議案の要領を示して通知するとしています。WEB会議システムを使うときは、その開催方法も示します。緊急のときは、理事長が理事会の承認を得て、1週間を下回らない範囲で期間を短縮できます(43条8項)。
「議案の要領」とは、標準管理規約のコメントによれば、組合員が賛否を検討できる程度に、決議する内容の案を要約したものです。議題の名前だけの通知では足りません。建替えなどの決議では、通知を2か月前までに出し、1か月前までに説明会を開く必要があります(区分所有法62条6項・8項)。
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| 項目 | 区分所有法 | 標準管理規約 |
|---|---|---|
| 通常の期限 | 会日の1週間前まで(規約で伸ばせるが短くできない) | 会議の日の2週間前まで |
| 緊急のとき | 1週間より短くできない | 理事会の承認で1週間まで短縮できる |
| 建替え決議など | 2か月前まで、説明会は1か月前まで | 2か月前まで、説明会は1か月前まで |
| 示す事項 | 会議の目的たる事項、議案の要領 | 日時、場所(WEB会議なら開催方法)、目的、議案の要領 |
| 送り先 | 届け出た場所、なければ専有部分の所在地 | 届出のあて先、なければ専有部分の所在地 |
この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「建物の区分所有等に関する法律」(2026年4月1日施行)(確認日 2026年11月8日)/国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント」(令和7年改正)(確認日 2026年11月8日)
06総会までの流れ:議案づくりから議事録まで
標準管理規約にならうと、通常総会は次の順で進みます。理事会が決算案や予算案などの議案を決め、理事長が2週間前までに招集通知を出します。組合員は出欠を決め、欠席するなら議決権行使書か委任状を期限までに出します。
当日は、会場の出席者と、行使書・委任状を出した人の議決権を合計して、総会が成立しているかを確かめます。成立していれば議案ごとに採決し、議長が議事録を作り、議長の指名する2名の出席組合員が署名します。

管理を管理会社に委託しているマンションでは、通知の作成や出欠の集計を管理会社の担当者が手伝います。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)も、管理会社のフロントの仕事として、出欠を集計して総会の成立要件を満たしているか確認することを挙げています。一方で、招集するのも議長を務めるのも、規約で定められた理事長です。
07成立の要件(定足数):議決権総数の過半数の出席
標準管理規約47条1項は、総会の会議には、議決権総数の過半数を持つ組合員が出席しなければならないと定めています。これが「総会の成立要件」や「定足数」と呼ばれるものです。2025年の標準管理規約の改正前は「半数以上」でした。
過半数と半数以上は、ちょうど半分のときに分かれます。議決権が100個のマンションなら、過半数は51個、半数以上は50個です。50個の出席では、改正後の標準管理規約では成立しません。住戸の少ないマンションでは、改正前と同じ「半数以上」とすることも考えられる、とコメントは述べています。
一方、区分所有法には、普通決議についての定足数の定めはありません。特別決議には、区分所有者と議決権の各過半数の出席という定足数があります(31条1項など)。自分のマンションの定足数は、管理規約の「総会の会議及び議事」の条で確認してください。
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| 決議の種類 | 定足数 | 100の例で必要な出席 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 普通決議(標準管理規約) | 議決権総数の過半数 | 議決権51個以上 | 標準管理規約47条1項 |
| 普通決議(区分所有法) | 定めなし | — | 区分所有法39条1項 |
| 特別決議 | 区分所有者と議決権の各過半数 | 51人以上かつ51個以上 | 区分所有法31条1項・17条1項、標準管理規約47条3項 |
| 出席に数える人 | 会場・WEB会議の出席者、行使書・委任状を出した人 | — | 区分所有法39条2項、標準管理規約47条7項 |
この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「建物の区分所有等に関する法律」(2026年4月1日施行)(確認日 2026年11月8日)/国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント」(令和7年改正)(確認日 2026年11月8日)
08普通決議:出席者の議決権の過半数で決まる
普通決議は、特別な定めのない事項を決める多数決です。区分所有法39条1項は、法律や規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者とその議決権の各過半数で決すると定めています。標準管理規約47条2項は、出席組合員の議決権の過半数で決するとしています。
例えば議決権100個のうち60個が出席(行使書・委任状を含む)した総会なら、31個の賛成で可決です。賛成が30個ちょうどなら過半数に届かず、否決です。標準管理規約のコメントは、議長を含む出席組合員の議決権の過半数で決め、過半数の賛成を得られなかった議事は否決とする意味だと説明しています。
注意したいのは、定足数ぎりぎりの総会では、議決権総数の4分の1を少し超える賛成で決まることです。そのため、多額の費用がかかる大規模修繕工事などは、組合員総数と議決権総数の過半数で決めると規約に定めることもできる、とコメントは述べています。
09特別決議:定足数を満たしたうえで出席者の4分の3以上
規約の変更や共用部分の大きな変更のように、影響の大きい事項は特別決議で決めます。区分所有法31条1項は、規約の設定・変更・廃止について、区分所有者の過半数で議決権の過半数を持つ人が出席し、出席した区分所有者とその議決権の各4分の3以上で決めると定めています。
区分所有者100人・議決権100個で、60人・60個が出席した場合、賛成は45人以上かつ45個以上が必要です。人数と議決権の両方を数える点に注意してください。規約の変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、その人の承諾も必要です。
建替え決議は、出席者ではなく、区分所有者全体と議決権全体の各5分の4以上で決めます(62条1項)。耐震性の不足など法律の定める事由があるときは、各4分の3以上に緩和されます。区分所有権の処分を伴う決議は、出席者の多数決にはなっていません。
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| 決議事項 | 定足数 | 賛成の割合 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 規約の設定・変更・廃止 | 各過半数の出席 | 出席者の各4分の3以上 | 31条1項 |
| 共用部分の形状・効用の著しい変更 | 各過半数の出席 | 出席者の各4分の3以上(規約で過半数を超える割合まで下げられる) | 17条1項 |
| 瑕疵の除去・バリアフリーのための共用部分の変更 | 各過半数の出席 | 出席者の各3分の2以上 | 17条5項 |
| 使用禁止・競売・引渡しの請求の訴え | 各過半数の出席 | 出席者の各4分の3以上 | 58条〜60条 |
| 建物の価格の2分の1を超える滅失からの復旧 | 各過半数の出席 | 出席者の各3分の2以上 | 61条5項 |
| 建替え | なし(全体で数える) | 全体の各5分の4以上(事由があれば各4分の3以上) | 62条1項・2項 |
この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「建物の区分所有等に関する法律」(2026年4月1日施行)(確認日 2026年11月8日)/国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント」(令和7年改正)(確認日 2026年11月8日)
102026年4月1日の改正で変わった点
改正前の区分所有法39条1項は、普通決議を「区分所有者及び議決権の各過半数」で決すると定め、全員を母数にしていました。改正後は「出席した区分所有者及びその議決権の各過半数」です。規約の変更なども、改正前は全体の各4分の3以上でしたが、改正後は定足数を満たしたうえで出席者の各4分の3以上になりました。

法務省は、決議に参加しない区分所有者がいることで決議が進まない状況を改めるための改正だと説明しています。出席者には、議決権行使書や委任状で議決権を行使した人も含まれます。招集通知では、すべての議題で議案の要領を示す必要があり、通知期間を規約で1週間より短くすることもできなくなりました。
2026年3月31日までに招集手続を始めた集会には、会日が4月1日以降でも改正前の規律が適用されます。4月1日以降は、改正法に抵触する規約の規定は効力を失います。条文ごとの変更点は、2026年改正の記事で詳しく扱います。
11委任状と議決権行使書の違い:賛否を決めるのが誰か
どちらも、総会に出ないで議決権を使う方法です。違いは、賛否を決めるのが誰かです。議決権行使書は、議案ごとに自分で賛成・反対を書いて出す書面です。委任状は、代理人を決めて、その人に総会へ出て議決権を使ってもらう書面で、賛否の判断は代理人に任せることになります。
標準管理規約のコメントは、総会に出られない場合でも、組合員の意思を直接反映させる観点から、議決権行使書で自ら賛否を示すことが望ましいとしています。代理人の欄が空いた委任状(いわゆる白紙委任状)は、効力や扱いで争いになることがあるとも注意しています。
代理人になれる人を規約で絞っていることもあります。標準管理規約46条5項は、配偶者または一親等の親族、同居する親族、他の組合員、国内管理人に限る例を示しています。代理人を立てるときは、代理権を証する書面(委任状)を理事長に出す必要があります(46条6項)。
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| 項目 | 議決権行使書 | 委任状 |
|---|---|---|
| 賛否を決める人 | 組合員本人 | 代理人 |
| 総会に出る人 | 誰も出ない(書面だけ) | 代理人が出席する |
| 出席の数え方 | 出席に数える | 出席に数える |
| 向いている場面 | 議案ごとの賛否が決まっている | 議場の説明を聞いて判断してほしい |
| 気をつける点 | 提出の期限と、賛否の記入漏れ | 代理人の範囲と、代理人の欄を空けないこと |
この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「建物の区分所有等に関する法律」(2026年4月1日施行)(確認日 2026年11月8日)/国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント」(令和7年改正)(確認日 2026年11月8日)
12欠席するときにすること:何も出さないと出席に数えられない
総会に出られないときは、何も出さずに欠席するのではなく、議決権行使書か委任状を期限までに出します。何も出さないと出席に数えられず、出席が過半数に届かなければ総会そのものが成立しません。その場合は総会を開き直すことになり、通知や準備の手間と費用がかかります。
規約か集会の決議で定めがあれば、電子メールなどの電磁的方法で議決権を行使したり、WEB会議システムで出席したりできます。WEB会議で出席した人は、会場にいる人と同じく出席に数えると標準管理規約のコメントは説明しています。どの方法が使えるかは、招集通知で確認してください。
住戸を夫婦などで共有しているときは、議決権を行使する人を1人決めて、総会の開会までに理事長へ届け出ます(標準管理規約46条2項・3項)。区分所有法40条も、共有者は持分の価格の過半数で、議決権を行使すべき者1人を定めなければならないとしています。
- 招集通知と議案書を読み、議案ごとの賛否を決める
- 議決権行使書か委任状を、通知に書かれた期限までに出す
- 共有の住戸なら、議決権を行使する人を1人届け出る
- 総会の後に議事録で結果を確かめる
13当日の進め方:議長・決められる議題・意見を言える人
総会の議長は、標準管理規約では理事長が務めます(42条5項)。区分所有法41条も、規約に別段の定めがある場合や別段の決議をした場合を除き、管理者または集会を招集した区分所有者の1人が議長になると定めています。
総会で決議できるのは、招集通知であらかじめ示した事項だけです(区分所有法37条1項、標準管理規約47条12項)。当日に出された新しい議題を、その場で決めることはできません。意見や要望として聞き、必要なら次の総会の議案にします。
部屋を借りている人などの占有者は、議題に利害関係があれば総会に出て意見を述べられます(区分所有法44条1項)。ただし、議決権はありません。標準管理規約45条2項は、意見を述べたい占有者は、あらかじめ理事長に通知するとしています。
14議事録:議長が作り、2人が署名して保管する
区分所有法42条は、議長が議事録を作り、議事の経過の要領とその結果を書くと定めています。書面で作るときは、議長と、集会に出席した区分所有者の2人が署名します。標準管理規約49条は、署名する2人を「議長の指名する2名の総会に出席した組合員」としています。
議事録は理事長が保管し、組合員や利害関係人から書面で請求があれば閲覧させなければなりません。保管場所は所定の掲示場所に掲示する必要があります。標準管理規約49条の2は、議案書と付随する資料の保管と、理由を付けた請求による閲覧も定めています。
建替え決議や、建物の価格の2分の1を超える滅失からの復旧の決議をした総会の議事録には、各区分所有者の賛否も記録しなければなりません(区分所有法61条6項、62条10項)。欠席した人も、議事録を見れば何がどう決まったかを確かめられます。
15マンション管理士の試験ではこう問われる
マンション管理士の試験では、総会の規定が区分所有法と標準管理規約の両方から出ます。2026年度の試験(11月29日)は、2026年4月1日に施行されている法令が出題の基準です。改正前の過去問の正解をそのまま覚えていると、母数や通知期間を取り違えるので注意してください。
よく問われるのは、通知期間の「1週間(法律)」と「2週間(標準管理規約)」の区別、規約で通知期間を「伸ばせるが短くできない」こと、普通決議と特別決議の母数、定足数の「過半数」と「半数以上」の違いです。議事録に署名する人が、法律では「出席した区分所有者の2人」、標準管理規約では「議長の指名する2名」である点も区別します。
招集請求の定数(5分の1)は規約で減らせる、全員の承諾があれば書面や電磁的方法で決議できる(区分所有法45条1項)、といった例外も出ます。数字を覚えるときは、どの条文の、誰を母数にした数字かまで一緒に覚える必要があります。
16一問一答で総会の数字を確かめる
総会の論点は、数字と母数を組み合わせて問われます。合トレの一問一答では、集会の招集と通知、議決権と決議の論点を、2026年4月1日施行の条文に合わせて解けます。間違えた問題は、この記事の表に戻って条文を確認してください。
理事会との役割の違いや、理事長が総会を招集するまでの手順は、理事会の記事で扱っています。総会と理事会をあわせて読むと、管理組合の意思決定の流れがつかめます。
よくある質問
マンション総会の成立要件は何ですか。
標準管理規約47条1項にならった規約なら、議決権総数の過半数を持つ組合員の出席です。議決権行使書や委任状を出した人も出席に数えます。特別決議の議案があるときは、組合員総数の過半数の出席も必要です。
委任状と議決権行使書はどちらを出せばよいですか。
議案ごとの賛否を自分で決めているなら、議決権行使書を出します。標準管理規約のコメントも、本人の意思を直接反映させる観点から議決権行使書が望ましいとしています。委任状は賛否の判断を代理人に任せる書面で、代理人の欄を空けないようにします。
マンション総会を欠席するとどうなりますか。
議決権行使書も委任状も出さずに欠席すると、出席に数えられません。出席が定足数に届かなければ総会が成立せず、開き直しになります。欠席するときは、どちらかを期限までに出します。
普通決議は何票で決まりますか。
標準管理規約では、出席組合員の議決権の過半数です。議決権100個のうち60個が出席した総会なら、31個の賛成で可決します。30個ちょうどでは否決です。
招集通知は何日前に届きますか。
区分所有法では会日の1週間前まで、標準管理規約では会議の日の2週間前までです。緊急のときは理事会の承認で短縮できますが、1週間より短くはできません。建替えなどの決議では2か月前までです。
総会の議事録は見せてもらえますか。
見られます。議事録は理事長が保管し、組合員や利害関係人から書面で請求があれば閲覧させなければなりません(区分所有法42条5項・33条、標準管理規約49条)。保管場所は掲示場所に掲示されています。
この記事の参照元
法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。