試験情報2027年度試験対応
社労士試験の科目・配点・合格基準|選択式40点・択一式70点と科目の基準点【2027年度試験対応】
2027年度試験対応の解説です。法令の適用時点と試験情報の確認日は、本文・出典の記載をご確認ください。
社労士試験は、選択式8科目40点と択一式7科目70点の2つで合否が決まります。総得点の基準点に加えて科目ごとの基準点があり、1科目でも届かないと不合格です。徴収法が労災・雇用の択一式に入ること、一般常識の数え方、基準点の補正(いわゆる救済)の仕組みを公表資料で確かめます。
- 公開日
- 2026年11月6日
- 更新日
- 2026年11月6日
- 情報確認日
- 2026年11月6日

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 法律が定める試験科目
- 選択式:8科目・各5点・80分
- 択一式:7科目・各10点・210分
01法律が定める試験科目
社会保険労務士法第9条は、試験科目を労働基準法及び労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(徴収法)、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法、労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識と定めています。
受験案内はこれを選択式8科目と択一式7科目に組み直して出題します。徴収法は単独の科目としては出題されず、一般常識は選択式で2科目、択一式で1科目として数えます。この組み直しを知らないと、科目ごとの基準点を数え違えます。

02選択式:8科目・各5点・80分
選択式は1科目1問で、1問に空欄がAからEの5つあり、空欄1つが1点です。1科目5点、8科目で40点満点、試験時間は80分です。
一般常識は「労務管理その他の労働に関する一般常識」と「社会保険に関する一般常識」に分かれ、それぞれ1問ずつ出ます。選択式では徴収法からの出題はありません。
03択一式:7科目・各10点・210分
択一式は1科目10問、1問1点で、7科目70点満点、試験時間は210分です。正答はAからEの5つの選択肢から選びます。一般常識は労働と社会保険を合わせた1科目10問です。
労災保険法と雇用保険法は、それぞれ10問のうち問1から問7が本法、問8から問10の3問が徴収法です。徴収法は合わせて6問になり、徴収法を落とすと労災と雇用の両方の科目の基準点に響きます。
04合格には総得点と科目ごとの基準点の両方が要る
受験案内は、合格基準点を選択式と択一式のそれぞれの総得点と、それぞれの科目ごとに定め、合格発表日に公表するとしています。どれか一つでも基準点に届かないと不合格です。受験者の間で「足切り」と呼ばれるのは、この科目ごとの基準点のことです。
第58回(令和8年度)の合格基準は、選択式が総得点25点以上かつ各科目3点以上(雇用保険法は2点以上)、択一式が総得点47点以上かつ各科目4点以上でした。例えば選択式で総得点30点を取っても、雇用保険法以外の科目が2点なら不合格です。
05基準点の補正(いわゆる救済)の考え方
厚生労働省の「合格基準の考え方」は、平成12年度から、選択式は総得点28点以上(満点の7割)かつ各科目3点以上、択一式は総得点49点以上かつ各科目4点以上を基本としています。そのうえで年度ごとの難易度の差を補正し、総得点は前年度の平均点との差を四捨五入した点数に応じて、前年度の合格基準点を上げ下げします。
科目の基準点は、基準点以上の受験者の割合が5割に満たない場合に引き下げます。ただし、引き下げた基準点以上の受験者が7割以上になる場合や、選択式で0点・択一式で2点以下になる場合は、原則として引き下げません。第57回は選択式で労災保険法と一般常識2科目が2点、択一式で雇用保険法が3点に下がりましたが、どの科目が下がるかは発表まで分かりません。
06科目免除を受ける場合の点数
社会保険労務士法別表第2に当たる人は、申請によって科目の免除を受けられます。免除科目のぶん試験時間が短くなり、選択式は1問10分、択一式は1問3分の割合で短縮されます。
免除科目には、総得点の合格基準点を満点で割り、免除科目の満点を掛けた点数が配点されます。例えば択一式の基準点が44点なら、免除1科目に6.3点です。受験した科目でこの配点以上を取らないと、総得点の基準点に届かない場合があります。
07一般常識は範囲が広い
労働の一般常識には、労働契約法、労働組合法、最低賃金法、男女雇用機会均等法、育児介護休業法、労働施策総合推進法などの法律と、労務管理や労働経済が入ります。社会保険の一般常識には、国民健康保険法、高齢者医療確保法、介護保険法、確定給付企業年金法、確定拠出年金法、社会保険労務士法などと、社会保険制度の沿革が入ります。
受験案内は一般常識に含まれる法律名を列挙していません。ここで挙げた範囲は、この学習サイトの論点台帳の整理です。選択式では労働と社会保険が別の科目なので、どちらかを捨てると基準点を割るおそれがあります。
08総得点の補正は四捨五入と端数の累計で決まる
厚生労働省の「合格基準の考え方」によると、28点・49点の基準を置いた平成12年度の平均点は、選択式25.9点、択一式35.1点でした。毎年の総得点の基準点は、この28点・49点から直接決めるのではなく、前年度の合格基準点を補正して決めます。第58回の公表資料にも「昨年度試験の合格基準を補正したもの」と書かれています。
補正では、前年度の平均点との差を小数点第1位まで出して四捨五入します。資料の例では、差が△1.4点なら1点下げ、+1.6点なら2点上げます。四捨五入で切り捨てたり繰り入れたりした端数は平成13年度以降累計し、±1点以上になった年に反映しますが、平成12年度以後の平均合格率との差がかえって大きくなる場合は反映しません。このため、平均点の差だけでは基準点を正確に予想できません。
09科目の引下げが2科目以上の年は1点足し上げることがある
考え方の資料は、科目の基準点の引下げを2科目以上行ったことで、例年の合格率と比べて高くなるとき(資料は「概ね10%を目安」としています)は、試験の水準を保つため総得点の合格基準点を1点足し上げるとしています。また、前年にこの足し上げがあった場合、翌年の総得点の補正では、足し上げのなかった直近の年度の平均点も考慮します。
つまり科目の救済が多い年は、総得点の基準点が上がることがあります。救済で科目の基準点を満たしても、総得点の基準点が1点上がれば届かなくなる受験者が出ます。発表前の自己採点では、科目の救済と総得点の基準点を別々に楽観せず、総得点にも1点以上の余裕を見ておくのが安全です。
10徴収法を免除したときの配点は6点
免除加算点は「総得点の合格基準点÷満点(選択式40点・択一式70点)×免除となる科目の満点」で、小数第2位を四捨五入します。択一式の労災保険法と雇用保険法には徴収法が3問ずつ含まれるため、受験案内は、労災保険法と雇用保険法の満点をそれぞれ7点、徴収法の満点を6点として計算するとしています。
第58回の択一式の基準点47点に当てはめると、徴収法の免除は47÷70×6で4.0点、労災保険法か雇用保険法の免除は4.7点、10点満点の科目は6.7点です。選択式の基準点25点では、1科目の免除が25÷40×5で3.1点です。合否は、免除科目の配点を足した合計点と、受験した科目の得点が、それぞれ基準点に達するかで判断されます。
111科目ずつ免除を受けられる人
免除の根拠は社会保険労務士法第11条と別表第2で、受験案内には「試験科目の一部免除資格者一覧」が載っています。1科目ずつの資格には年数の要件があり、例えば国家公務員として労働基準法・労災保険法・労働安全衛生法の施行事務に通算10年以上なら労働基準法及び労働安全衛生法、公務員として雇用保険法か職業安定法の施行事務に通算10年以上なら雇用保険法が対象です。
審査官の経験でも免除があり、労働者災害補償保険審査官は労災保険法、雇用保険審査官は雇用保険法、社会保険審査官は健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法が、いずれも通算5年以上で対象です。実務経験以外では、労働基準監督官採用試験の合格者と、司法試験に合格して労働法を選択した人が、労働基準法及び労働安全衛生法の免除を受けられます。
1215年以上の経験で複数の科目が免除になる場合
受験案内の一覧は、15年以上の経験で複数の科目が対象になる人をイからホに分けています。公務員として労働諸法令の施行事務に通算15年以上(イ)なら、労働基準法及び労働安全衛生法、労災保険法、雇用保険法、徴収法と、厚生年金保険法か国民年金法の1科目です。社会保険諸法令の施行事務に通算15年以上(ロ)なら、健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法と、労災・雇用・徴収のうち2科目までです。
指定団体の役員・従業者か、社労士・社労士法人の補助者として労働社会保険法令事務に通算15年以上従事し、連合会の講習を修了した人(ハ)は、労災・雇用・徴収のうち2科目まで、厚生年金保険法か国民年金法の1科目、一般常識が対象です。イの年金1科目と、ロ・ニ(日本年金機構)・ホ(全国健康保険協会)の労災・雇用・徴収の2科目は、選んで免除決定を受けると以後変えられません。
13免除の審査結果と、免除者の当日の扱い
第58回では、免除の審査結果を8月上旬に受験票とは別に郵送すると案内されていました。免除決定は試験に合格するまで有効で、決定を受けた科目は試験年度ごとに免除を申請するかしないかを選べます。第58回の科目免除者は、受験者42,510人のうち822人、合格者3,961人のうち90人でした。
免除が認められた人は、原則として免除者を集めた試験室で受験し、試験時間が短くなる分だけ終了時刻が個別に異なります。択一式の問題用紙は当日持ち帰れず、自分の解答を書き控えて持ち帰ることもできません。第58回では、欠席者・途中棄権者などを除く免除者に、9月中旬ごろ未使用の択一式の問題用紙を郵送すると案内されていました。
14自己採点は17の数字で確かめる
合否を決める数字は、選択式8科目の得点、択一式7科目の得点、選択式と択一式それぞれの総得点の17個です。自己採点では、選択式の一般常識を労働と社会保険の2科目に分けて数え、択一式の徴収法(問8から問10)は労災保険法と雇用保険法の得点に含めて数えます。1つでも基準点に届かなければ不合格です。
科目免除を受けた人は、受験した科目の得点に免除加算点を足した合計で総得点を確かめ、受験した科目ごとの基準点も確かめます。免除加算点は総得点の基準点から計算するので、基準点の発表まで確定しません。第58回は、合格基準と試験問題の正答が「合格基準及び正答」という1つの資料で公表されました。
よくある質問
科目の基準点の引下げ(救済)は毎年ありますか?
基準に当てはまる科目があるときだけです。第54回と第55回は、選択式も択一式も全科目で引き下げがありませんでした。
徴収法は選択式に出ますか?
出ません。徴収法は択一式の労災保険法と雇用保険法の問8から問10で、合わせて6問出題されます。
総得点の合格基準点は毎年同じですか?
同じではありません。第53回から第58回までで、選択式は22点から27点、択一式は42点から47点の間で動きました。
選択式の一般常識は、労働と社会保険で別々に基準点がありますか?
あります。選択式は「労務管理その他の労働に関する一般常識」と「社会保険に関する一般常識」が各1問5点の別の科目で、それぞれに基準点があります。択一式は両方を合わせた1科目10問です。
科目免除を受けると合格しやすくなりますか?
免除科目には、総得点の合格基準点を各科目に均一に割り当てた点数が配点されるだけで、満点が入るわけではありません。第58回は、科目免除の受験者822人のうち合格者が90人でした。
徴収法だけを免除できますか?
できます。例えば国又は地方公共団体の公務員として徴収法の施行事務に通算10年以上従事した人や、労働保険事務組合の役員・職員として労働保険事務に通算10年以上従事した人が当たります。免除加算点は満点を6点として計算します。
総得点の基準点は平均点から予想できますか?
正確にはできません。前年度との平均点の差に加えて、四捨五入の端数の累計や、科目の引下げを2科目以上行った年の1点の足し上げがあるためです。
合格基準点や免除の配点について問い合わせできますか?
できません。受験案内は、合格基準に関する照会と、免除科目の配点結果の事後照会には応じないとしています。
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