2027年度(第59回)試験対応2026年11月6日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

法改正2027年度試験対応

社労士試験2027年度の法改正ポイント|2026年に施行された主な改正【2027年度試験対応】

2027年度試験対応の解説です。法令の適用時点と試験情報の確認日は、本文・出典の記載をご確認ください。

2027年度(第59回)の社労士試験に向けて、2026年中に施行された主な改正を、e-Govの条文の版と施行日で確かめて整理します。短時間労働者の賃金要件の削除、高額療養費の引上げ、在職老齢年金の基準額、子ども・子育て支援金、カスタマーハラスメント対策、女性活躍推進法の情報公表を扱います。

公開日
2026年11月6日
更新日
2026年11月6日
情報確認日
2026年11月6日
社労士試験2027年度の法改正ポイントの記事カバー
この記事でわかること

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます

  • 出題の基準日と改正の見方
  • 短時間労働者の賃金要件の削除(2026年10月)
  • 高額療養費の算定基準額の引上げ(2026年8月)

01出題の基準日と改正の見方

第58回(令和8年度)は、令和8年4月10日現在で施行されている法令等で出題されました。それより後に施行された改正は第58回の範囲外で、第59回の基準日までに施行されていれば、第59回で初めて範囲に入ります。

第59回の基準日は、2027年4月ごろに公表される受験案内で確定します。この記事は2026年11月6日時点のe-Govの条文で確かめたもので、基準日が出たら取り直します。

基準日:受験案内の日付で範囲が決まる。社会保険:賃金要件の削除と高額療養費。年金:在職老齢年金は令和8年度65万円。労働一般:カスハラ対策の措置義務
図解要点の流れ。詳細と条件は本文で確認してください。拡大して見る ↗

02短時間労働者の賃金要件の削除(2026年10月)

健康保険法第3条第1項第9号と厚生年金保険法第12条第5号は、所定労働時間か所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満の短時間労働者のうち、被保険者としない人を定めています。2026年10月1日施行の改正(令和7年法律第74号)の後は、その要件は「週の所定労働時間が20時間未満」か「学生など厚生労働省令で定める者」のどちらかです。

改正前は、報酬の月額が8万8千円未満であることも要件の一つでしたが、この要件が本文から削られました。勤め先の規模に関する要件(特定適用事業所)は、平成24年の改正法の附則第46条に残っているので、適用の問題では両方を確かめます。

03高額療養費の算定基準額の引上げ(2026年8月)

健康保険法施行令第42条の高額療養費算定基準額が、2026年8月1日に引き上げられました。標準報酬月額28万円以上53万円未満の人は、80,100円+(医療費−267,000円)×1%から、85,800円+(医療費−286,000円)×1%になりました。83万円以上の人は、252,600円+(医療費−842,000円)×1%から、270,300円+(医療費−901,000円)×1%です。

多数回該当の額(28万円以上53万円未満の区分は44,400円、83万円以上の区分は140,100円)は変わっていません。e-Govには2027年8月1日施行の同じ政令の改正も載っていますが、施行前なので使いません。

04在職老齢年金の支給停止調整額(2026年4月)

厚生年金保険法第46条は、老齢厚生年金を受ける人が働いて被保険者である場合などに、総報酬月額相当額と基本月額の合計が支給停止調整額を超えると、超えた額の2分の1に相当する額の支給を停止すると定めています。2026年4月施行の改正で、条文の支給停止調整額は48万円から62万円になりました。

62万円は法律に書かれた額で、令和7年度以後の物価と賃金の変動に応じて改定されます。厚生労働省は、2026年4月からの額(令和8年度)を65万円と案内しています。試験では条文の62万円と、その年度の額を区別して読みます。

05子ども・子育て支援金(2026年4月)

2026年4月1日施行の改正(子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律)で、健康保険の保険料に子ども・子育て支援金率が加わりました。健康保険法第156条は、一般保険料等額を、標準報酬月額と標準賞与額に一般保険料率と子ども・子育て支援金率を合算した率を掛けた額としています。

子ども・子育て支援金率は、政令で定める率の範囲内で保険者が定めます(第160条の2)。率そのものは年度で変わるので、数字シートでは年度を付けて確かめます。

06カスタマーハラスメント対策と求職者へのセクシュアルハラスメント防止(2026年10月)

2026年10月1日施行の改正(令和7年法律第63号)で、労働施策総合推進法第33条に、顧客等の言動で社会通念上許容される範囲を超えたものから労働者の就業環境を守るための雇用管理上の措置義務が入りました。相談体制の整備に加え、その言動を抑止するための措置も求めています。第34条は、国・事業主・労働者に加えて、顧客等の責務も定めています。

パワーハラスメント防止の措置義務は、この改正で第30条の2から第31条に移りました。同じ日に男女雇用機会均等法第13条も改正され、自社の労働者による求職者等への性的な言動によって求職活動等が阻害されないよう、事業主に雇用管理上の措置が義務付けられました。

07女性活躍推進法の情報公表の拡大(2026年4月)

女性活躍推進法第20条は、常時雇用する労働者が300人を超える一般事業主と、100人を超えて300人以下の一般事業主に、女性の職業選択に資する情報の公表を求めています。2026年4月1日施行の改正で、条文の公表項目に男女の賃金の差異と、管理職に占める女性労働者の割合が加わり、100人を超える事業主はこの2つを必ず公表することになりました。300人を超える事業主は、これに加えて機会の提供に関する実績と両立のための雇用環境の整備に関する実績の両方を、100人を超えて300人以下の事業主はそのどちらか一方を公表します。

改正前、100人を超えて300人以下の事業主は、機会の提供に関する実績か、両立のための雇用環境の整備に関する実績の少なくとも一方を公表すればよいとされていました。人数の区分と公表項目の組み合わせは取り違えやすいので、比較表で並べて覚えます。

08これから施行される改正の扱い

e-Govには、まだ施行されていない改正として、厚生年金保険法の2026年12月以降に施行される改正(令和7年法律第74号)や、健康保険法の2027年3月以降に施行される改正(令和8年法律第31号など)が載っています。

これらが第59回の範囲に入るかは、受験案内の基準日で決まります。この学習サイトは施行前の改正を問題に使わず、基準日が出た時点で条文を取り直して差し替えます。

09障害者の法定雇用率は2.7%に(2026年7月)

障害者雇用促進法施行令第9条は、民間の事業主に適用する障害者雇用率を百分の二・七と定めています。令和5年の改正政令(令和5年政令第44号)の附則第3条が、2026年6月30日までの間はこれを百分の二・五と読み替えていたため、2026年7月1日から2.5%が2.7%に上がりました。障害者雇用納付金と調整金の計算に使う基準雇用率(施行令第18条)も、2026年7月以後の月は2.7%です。

同じ日に、国と地方公共団体の率(施行令第2条)は2.8%から3.0%に、都道府県などの教育委員会の率は2.7%から2.9%に上がりました。第58回の基準日(2026年4月10日)の時点では民間2.5%・国等2.8%・教育委員会2.7%だったので、第58回までの過去問の数字は、第59回の学習では読み替えて確かめます。

10労働安全衛生法:高年齢者の労働災害防止(2026年4月)

令和7年法律第33号による労働安全衛生法の改正は、原則として2026年4月1日に施行されました(改正法附則第1条)。新設の第62条の2は、事業者に、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理その他の必要な措置を講ずるよう努めることを求め、厚生労働大臣が指針を公表すると定めています。中高年齢者等の適正な配置を定める第62条と同じく努力義務なので、対象と措置の中身で区別します。

第58回の基準日(4月10日)より前の施行なので、第58回から範囲に入っています。この改正法は規定ごとに施行日が分かれ、2026年1月1日、2026年10月1日、2027年1月1日、2027年4月1日に施行される部分もあります。常時50人未満の事業場(産業医の選任義務がない事業場)のストレスチェックを努力義務とする附則第4条を削る改正は、公布の日(2025年5月14日)から3年以内の政令で定める日の施行で、2026年11月6日時点のe-Govの条文では附則第4条が残っています。

112027年4月施行の労災保険法等の改正(令和8年法律第60号)

2026年7月17日に公布された労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律は、原則として2027年4月1日に施行されます。遺族補償年金等で夫にだけ課されていた要件(妻の死亡時に55歳以上か一定の障害の状態にあること)を撤廃し、遺族が1人の場合の年金額を、給付基礎日額の153日分(55歳以上か一定の障害の状態にある妻は175日分)から一律175日分に改めます。

このほか、政令で定める疾病(厚生労働省の概要では脳・心臓疾患、精神疾患、石綿関連疾病を想定)について、療養補償給付等の請求権と労働基準法の災害補償請求権の消滅時効を2年から5年に延ばし、特別加入団体の要件を法令に定めます。第58回の基準日は4月10日でした。第59回の基準日が2027年4月1日以後なら範囲に入るので、受験案内で基準日を確かめてから細部を詰めます。

12過去問の答えが変わる2025年施行の改正

2025年4月1日施行の改正は第56回(2024年)以前の過去問と、2025年10月1日施行の改正は第57回(2025年)以前の過去問と、答えが変わることがあります。育児・介護休業法第16条の2は2025年4月1日から、子の看護休暇を子の看護等休暇とし、対象を小学校第3学年修了前(9歳に達する日以後の最初の3月31日まで)の子に広げました。学校保健安全法第20条による学校の休業に伴う世話と、教育・保育の行事のうち省令で定めるものへの参加も取得事由です。日数は年5労働日(2人以上は10労働日)です。

2025年10月1日からは第23条の3により、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者について、事業主は始業時刻の変更等、テレワーク等(月10日以上)、短時間勤務、養育両立支援休暇(年10日以上)、保育施設の設置運営等のうち2つ以上を講じ、労働者はその中から1つを選んで使います。雇用保険法第33条も2025年4月1日に改正され、自己都合で退職しても、離職の日前1年以内に教育訓練等を受けた人と、離職後に受ける人(受講期間とその後に限る)は、給付制限を受けません。2025年4月1日以後に訓練を始めた人が対象です(改正法附則第2条)。

13過去問を解くときの読み替え手順

過去問は出題された年の基準日の法令で作られています。まず問題の出題回と、その回の基準日を確かめます。次に、問題の論点に関係する改正の施行日が、その基準日より後かどうかを見ます。後であれば、当時の正解は今の条文では誤りになっているおそれがあります。最後に今の条文で選択肢を判定し直し、変わった数字や要件を書き出しておきます。

この記事で扱った改正では、高額療養費の80,100円(28万円以上53万円未満の区分)、在職老齢年金の支給停止調整額48万円、民間の障害者雇用率2.5%、短時間労働者の8万8千円の賃金要件、小学校就学前までだった子の看護休暇の対象が、第59回の学習では古い数字・要件です。正誤だけで終わらせず、どの改正で何に変わったかまで言えるようにしておくと、選択式の空欄で数字を問われたときにも迷いません。

14第59回に向けた優先順位と2027年9月以後の改正

優先するのは、第58回の基準日(2026年4月10日)より後に施行され、第59回で初めて範囲に入る改正です。法定雇用率2.7%(7月)、高額療養費(8月)、短時間労働者の賃金要件の削除、カスタマーハラスメント対策、求職者へのセクシュアルハラスメント防止(いずれも10月)が当たります。次に、在職老齢年金、子ども・子育て支援金、女性活躍推進法の情報公表など、2026年4月1日に施行され第58回から範囲に入っている改正を確かめます。2027年4月施行の労災保険法等の改正は、基準日の公表後に扱いを決めます。

2027年9月以後に施行される改正は、基準日が第58回と同じ4月ごろなら第59回の範囲外です。厚生年金保険法第20条の標準報酬月額の等級区分は、令和7年法律第74号により2027年9月1日、2028年9月1日、2029年9月1日の3段階で改められます。雇用保険法第6条第1号の週20時間未満の適用除外を見直す改正(令和6年法律第26号)は2028年10月1日、労災保険の暫定任意適用事業の廃止は2026年7月17日の公布から5年以内の政令で定める日の施行です。これらは施行日と概要を押さえるにとどめます。

よくある質問

2026年10月に施行された改正は第59回の試験に出ますか?

第59回の基準日より前に施行されていれば範囲に入ります。第58回の基準日(令和8年4月10日)より後の施行なので、第58回では出題の範囲外でした。

在職老齢年金の基準額は62万円ですか、65万円ですか?

厚生年金保険法第46条に書かれた支給停止調整額は62万円で、物価と賃金の変動に応じて改定されます。厚生労働省は、令和8年度(2026年4月から)の額を65万円と案内しています。

パワーハラスメントの条番号は変わりましたか?

労働施策総合推進法の2026年10月施行の改正で、パワーハラスメント防止の措置義務は第30条の2から第31条に移りました。カスタマーハラスメント対策は第33条・第34条です。

障害者の法定雇用率は第59回に向けて何%で覚えればよいですか?

民間の事業主は2.7%です。障害者雇用促進法施行令第9条の率で、2026年7月1日に2.5%から上がりました。国と地方公共団体は3.0%、都道府県などの教育委員会は2.9%です。

2027年4月1日施行の労災保険法の改正は第59回に出ますか?

第59回の基準日しだいです。第58回の基準日は令和8年4月10日でした。第59回の基準日は2027年4月ごろに公表される受験案内で確定するので、公表されたら施行日と比べて確かめてください。

ストレスチェックは50人未満の事業場でも義務になりましたか?

2026年11月6日時点のe-Govの条文では、まだ努力義務です。労働安全衛生法附則第4条を削る改正は、2025年5月14日の公布から3年以内の政令で定める日に施行されます。

子の看護等休暇の対象は何歳までですか?

育児・介護休業法第16条の2により、9歳に達する日以後の最初の3月31日まで(小学校第3学年修了前)の子です。2025年4月1日施行の改正で、小学校就学前から広がりました。日数は年5労働日、2人以上なら10労働日です。

確認した公的情報

この記事の参照元

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