2027年度(第59回)試験対応2026年11月6日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

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社労士は独学で合格できる?|独学の進め方とつまずく3つの壁【2027年度試験対応】

2027年度試験対応の解説です。法令の適用時点と試験情報の確認日は、本文・出典の記載をご確認ください。

社労士試験は、受験資格を満たせば独学でも受けられ、合否は学習方法に関係なく、選択式・択一式の総得点と科目ごとの基準点だけで決まります。ただし独学では、一般常識の広さ、毎年の法改正、選択式の1科目5点の基準点という3つの壁を、自分で管理しなければなりません。第58回の受験案内と合格基準をもとに、独学の進め方と向き不向きを整理します。

公開日
2026年11月6日
更新日
2026年11月6日
情報確認日
2026年11月6日
社労士は独学で合格できる?の記事カバー
この記事でわかること

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます

  • 社労士は独学で合格できますか
  • 独学が「無理」「きつい」と言われる理由
  • 独学でも最初に確かめる受験資格と試験の形

01社労士は独学で合格できますか

独学でも合格はできます。社労士試験の合否は、選択式と択一式それぞれの総得点と、科目ごとの基準点で決まり、講座を受けたかどうかは問われません。一方で、厚生労働省の合格者発表が公表しているのは年齢別・職業別・男女別の構成で、学習方法別の数字はありません。「独学の合格率は何%」という数字には、公的な根拠がないと考えてください。

第58回(令和8年度)は受験者42,510人、合格者3,961人で、合格率は9.3%でした。前年の第57回は5.5%です。合格者の職業別構成は会社員が61.9%で最も多く、働きながら受けている人が多いことが分かります。合格率の推移や難易度は「社労士試験の難易度と合格率」で詳しく扱っています。

合否の物差し:独学も講座も同じ合格基準と基準点。教材を絞る:基本書・問題集・本試験問題の3つ。3つの壁:一般常識・法改正・選択式の足切り。記録で直す:科目別の点数で弱点から埋める
図解要点の流れ。詳細と条件は本文で確認してください。拡大して見る ↗

02独学が「無理」「きつい」と言われる理由

理由の一つ目は範囲の広さです。社会保険労務士法第9条は、労働基準法及び労働安全衛生法、労災保険法、雇用保険法、徴収法、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法、労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識を試験科目と定めています。二つ目は、総得点が足りても1科目でも基準点を割れば不合格になる仕組みです。

三つ目は、法改正や統計の数字が毎年変わることです。講座なら改正点や重要度を講師が整理してくれますが、独学では自分で確かめる必要があります。逆に言えば、範囲の全体像、科目ごとの基準点、改正の確かめ方の3つを最初に押さえておけば、独学の不利はかなり小さくできます。

03独学でも最初に確かめる受験資格と試験の形

独学でも受験資格は必要です。第58回の受験案内では、受験資格一覧表に掲げる受験資格のいずれか一つに該当すれば受験でき、区分には「学歴」「実務経験」「試験合格」などがあります。受験手数料は15,000円で、申込みの受付は令和8年4月13日から5月31日まででした。第59回(2027年度)の日程と手数料は未公表なので、2027年4月ごろの受験案内で確認してください。

第58回の試験は8月23日の1日で行われ、午前の選択式は80分で8科目各5点、午後の択一式は210分で7科目計70問でした。徴収法は選択式には出ず、択一式の労災保険法と雇用保険法の問8から問10に入ります。受験資格の区分や申込みの手順は「社労士試験の概要と日程」にまとめています。

04合格基準は独学でも講座でも同じ物差し

第58回の合格基準は、選択式が総得点25点以上かつ各科目3点以上(雇用保険法は2点以上)、択一式が総得点47点以上かつ各科目4点以上でした。この基準は、試験の難易度に差が生じたため、前年度の基準を補正したものとされています。受験案内によれば、合格基準点は合格発表日に公表されます。

独学で気を付けたいのは、得意科目で点を稼いで苦手科目を補う作戦が通じないことです。選択式は1科目5点しかなく、空欄を3つ落とすと、引下げのない年は基準点を割ります。独学の計画は「全科目で基準点を超える」を最初の目標にして立てます。補正の仕組みは「社労士試験の科目・配点・合格基準」で説明しています。

05独学のテキストは基本書・問題集・本試験問題に絞る

独学で迷いやすいのが教材選びです。教材の名前より、①全科目を通して読める基本書、②科目別の問題集、③本試験の問題の3つがそろっているかで考えます。教材を何冊も並行すると、同じ論点の説明の違いに時間を取られます。基本書は1冊に決め、分からない所は別の本より根拠の条文に戻るほうが確実です。

教材を買うときは、何年度の試験向けで、いつ時点の法令で書かれているかを確かめます。試験は受験案内が示す基準日に施行されている法令等で出題されるからです。社会保険労務士試験オフィシャルサイトの合格発表のページには第58回の選択式・択一式の試験問題が掲載されているので(2026年11月7日に確認)、学習の初めに一度目を通して文章量をつかみます。

06独学のスケジュールは1年を4つの時期に分ける

独学では締め切りを自分で作ります。一例として、秋から年末は労働基準法・労災保険法・雇用保険法・徴収法、年明けから春は健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法と一般常識を一周し、4月ごろの受験案内で基準日が出たら改正点を確かめ、試験前の1か月は総復習に充てる、という4つの時期に分けられます。これは公式に示された順序ではありません。

第58回の流れは、4月13日から5月31日に申込み、8月23日に試験、10月1日に合格発表でした。申込みの期限を手帳に先に書き込み、そこから逆算して科目の区切りを決めると、独学でも遅れに気づけます。週あたりの時間から総量を出す考え方は「社労士の勉強法」で、必要な勉強時間の目安は勉強時間を扱う記事で説明しています。

07毎日の勉強は「読む・解く・記録する」で回す

独学で一番崩れやすいのは、読むだけで日が終わることです。基本書を読んだら、その日のうちに同じ範囲の問題を解き、間違えた問題に印を付けます。翌日はまず前日の間違いを解き直してから新しい範囲に進むと、復習が後回しになりません。スマートフォンで解ける問題を用意しておくと、通勤などの短い時間も使えます。

週に一度は、科目別の正答率と、間違えた理由を記録します。理由は「知らなかった」「似た制度と混同した」「数字を取り違えた」の3つ程度に分けると、次に何を読むべきかが決まります。質問できる講師がいない独学では、この記録が自分の弱点を教えてくれる一番の材料になります。

08つまずき①:一般常識は範囲を決めて捨てない

一般常識は、独学で最も対策が遅れやすい科目です。選択式では「労務管理その他の労働に関する一般常識」と「社会保険に関する一般常識」が1問5点ずつの別の科目で、それぞれに基準点があります。第57回(令和7年度)の選択式では、この2科目と労災保険法の基準点が2点に引き下げられました。どちらか一方を後回しにすると、それだけで不合格になるおそれがあります。

対策は、範囲を決めてから広く浅く進めることです。まず労働契約法、育児・介護休業法、労働施策総合推進法、国民健康保険法、介護保険法、確定給付企業年金法などの法律の目的・対象・主な義務を押さえ、統計と白書は厚生労働省の最新の公表値で確かめます。第58回に出た調査や白書の傾向は「社労士の勉強法」で紹介しています。

09つまずき②:法改正は独学だと情報が遅れやすい

試験は、受験案内が示す日に施行されている法令等で出題されます。第58回は令和8年4月10日でした。教材の改訂は発売時点までの改正しか反映できないので、その後に施行された改正は、自分で確かめる必要があります。独学ではこの確認が抜けやすく、古い数字のまま覚えてしまうことがあります。

確かめ方は、①受験案内で基準日を確認する、②e-Gov法令検索の条文で施行日を見る、③厚生労働省の公表資料で数字を確かめる、の順です。過去問は当時の法令で作られているので、改正で答えが変わる問題には印を付けておきます。2026年に施行された主な改正は「社労士試験2027年度に向けた法改正のポイント」にまとめています。

10つまずき③:独学は選択式の練習が後回しになる

独学では、正誤を判断する択一式の問題集が中心になり、選択式の練習が後回しになりがちです。しかし選択式は8科目それぞれ空欄5つで、第58回の基準点は原則3点(雇用保険法だけ2点)でした。択一式で正誤を判断できても、条文の言い回しや数字を語群から正確に選べなければ点になりません。講座のように演習日が決まっていない分、自分で練習日を決めておきます。

独学でできる練習は、本試験の選択式の問題で、語群を見る前に空欄に入る語句を自分で書いてみることです。書けなかった空欄は、条文や数字の覚え方が足りない箇所として記録に残します。科目ごとの得点を毎回記録し、3点に届かない科目を先に復習します。空欄の候補の絞り方は「社労士の勉強法」で、直前期の詰め方は「社労士試験の直前1か月の総復習」で扱っています。

11独学で本番の感覚と自分の位置をつかむには

第58回は午前に選択式80分、昼の休憩を挟んで午後に択一式210分で70問でした。独学で1科目ずつ問題を解いているだけだと、3時間半を通して集中を保つ練習ができません。春以降は、少なくとも数回は選択式と択一式を本番と同じ時間で続けて解いておきます。時間配分の決め方は直前1か月の総復習の記事で説明しています。

もう一つの悩みは、ほかの受験者と比べた自分の位置が分からないことです。公開模試などを使うと、科目別の得点と全体の中での位置を知る手がかりになります。ただし模試の点数は本試験の合否を約束するものではないので、総得点よりも科目ごとの基準点との差を見ます。模試の選び方と使い方は、模試を扱う記事で説明しています。

122年目に独学で再挑戦するときに変えること

再受験では、まず前年の結果を科目別に振り返ります。第58回の受験案内では、成績(結果)通知書は途中棄権者・不正者を除く受験者に10月14日に発送するとされていました。この通知書と受験票は、第59回から第61回の受験資格証明書として使えるので、捨てずに保管します。自己採点の記録と合わせて、基準点に届かなかった科目、ぎりぎりだった科目を書き出します。

2年目は、1年目と同じ教材を同じ順番で繰り返すだけにしないことが大切です。前年に崩れた科目に時間を多く割り、法改正で数字が変わった論点は教材を新しい年度版に替えて確かめ直します。2年目以降の独学で合格できるかを示す公的な数字はありませんが、弱点が分かっている分、計画は立てやすくなります。

13独学に向く人・講座を考えたほうがよい人

独学に向くのは、自分で締め切りを決めて守れる人、法律の文章を読むことに抵抗が少ない人、科目別の点数を記録して計画を直せる人です。生活の中で毎週決まった時間を確保できるかも大切な条件です。人事・労務や社会保険の手続の実務経験がある人は、制度の場面が想像しやすく、条文も読みやすいと一般に言われます。

反対に、分からない所で手が止まって、質問できないと先に進めない人や、決まった授業の日程がないと勉強が続かない人は、通信講座や受験指導校を検討する価値があります。独学か講座かで合格基準は変わらないので、自分が1年間勉強を続けられる形を選ぶことが判断の基準になります。

14独学で合格した後、社労士になるには

試験に合格しただけでは、社労士を名乗れません。社会保険労務士法第3条は、試験に合格した者のうち、労働社会保険諸法令に関する事務に従事した期間が通算2年以上の者、又は厚生労働大臣がこれと同等以上の経験を有すると認める者を、社労士となる資格を有する者としています。この要件は、独学で合格した人も講座で合格した人も同じです。

厚生労働省の第58回の合格者発表では、2年以上の実務経験がある人か、厚生労働大臣が指定した講習を修了した人が、全国社会保険労務士会連合会の名簿に登録して社労士になれると案内しています。実務経験がなくても、講習を修了すれば登録の道があります。登録までの流れは、社労士になる方法を扱う記事で説明しています。

15独学の「答え合わせ」にこの学習サイトを使う

独学の弱点は、自分の理解が正しいかを確かめる相手がいないことです。この学習サイトの一問一答は、○×を答えた後に誤りの箇所と正しい内容を確かめられ、論点の解説には根拠条文を付けています。基本書を読んで「分かったつもり」になった範囲を、その日のうちに一問一答で確かめると、質問相手の代わりになります。

独学では記録が頼りになるので、科目別の正答率を週に一度見て、基準点に届きそうにない科目から先に復習してください。似た制度の取り違えが多ければ比較表、期間・金額・割合の取り違えが多ければ数字シートに戻ります。通勤などのすき間時間には暗記カードで数字と用語を思い出す練習をすると、机に向かう時間を新しい範囲に回せます。

よくある質問

社労士は独学で合格できますか?

できます。合否は選択式と択一式の総得点と科目ごとの基準点で決まり、学習方法は問われません。ただし一般常識・法改正・選択式の対策を自分で管理する必要があります。

独学で合格した人の合格率は何%ですか?

公表されていません。厚生労働省の合格者発表が示しているのは年齢別・職業別・男女別の構成で、学習方法別の数字はありません。第58回全体の合格率は9.3%でした。

独学で合格するには何年、何時間かかりますか?

公式の目安はありません。法律の学習経験や実務経験、確保できる時間で大きく変わります。試験日から逆算し、週あたりに確保できる時間から総量を出して計画してください。

独学のテキストはどれを選べばよいですか?

特定の教材より、何年度の試験向けで、いつ時点の法令で書かれているかを確かめて選びます。基本書は1冊に絞り、問題集と本試験の問題を組み合わせると独学でも回しやすくなります。

独学と通信講座はどちらがよいですか?

合格基準はどちらも同じです。自分で計画を立てて記録を続けられるなら独学、質問できないと止まる人や締め切りがないと続かない人は通信講座などを検討するとよいでしょう。

2年目は独学でも合格できますか?

できるかどうかを示す公的な数字はありません。前年の結果を科目別に振り返り、基準点に届かなかった科目に時間を割り、法改正で変わった論点を新しい教材で確かめ直します。

独学で余裕をもって合格できますか?

選択式は1科目5点で、3つ空欄を落とすと引下げのない年は不合格になるため、余裕があると考えないほうが安全です。全科目で基準点を超えることを目標にします。

独学だと法改正はどう確かめればよいですか?

受験案内で出題の基準日を確かめ、e-Gov法令検索の条文で施行日を、厚生労働省の公表資料で数字を確かめます。第59回の基準日は2027年4月ごろの受験案内で確認してください。

確認した公的情報

この記事の参照元

法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。