2027年度(第59回)試験対応2026年11月6日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

本試験問題(2026年実施)

令和8年度(第58回)社会保険労務士試験の過去問70問

収録している70問を、1問ずつ答え合わせしながら進みます。間違えた問題は 関連論点の要点整理へ直行でき、解答はこの端末に自動保存されます。

70問
収録数
選択式8問(40点・80分)と択一式70問(70点・210分)
本試験

問1労働基準法・労働安全衛生法

解答 0/70・正解 0

労働基準法の総則(第1条~第12条)等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1〜5キーで解答できます

令和8年度(第58回)の全70問|問題文・正解・解説

収録している70問を、正解と解説つきで通して読めます。上の演習で 間違えた問題を見直すときや、特定の論点がどう問われたかを確かめたいときに使ってください。 問題文と正解番号は全国社会保険労務士会連合会 試験センター(厚生労働大臣の委託)の公表資料に基づきます。各問の解説は合トレ編集部が独自に作成したもので、全国社会保険労務士会連合会 試験センター(厚生労働大臣の委託)が作成・監修したものではありません。

  1. 問1

    労働基準法・労働安全衛生法

    労働基準法の総則(第1条~第12条)等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A労働基準法第3条が禁止する「差別的取扱」をするとは、当該労働者を不利に取り扱うことをいい、有利に取り扱うことは含まれない。
    2. B労働基準法第87条第1項によれば、土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業が数次の請負によって行われる場合においては、災害補償については、その元請負人が使用者とみなされる。
    3. C交通従業員の制服、工員の作業衣等業務上必要な被服は作業備品であるため、労働基準法第11条にいう賃金から除外されると解される。
    4. D使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間の日数及びその期間中の賃金は、労働基準法第12条に定める平均賃金を算定する際の期間及び賃金の総額から控除される。
    5. E使用者は、労働基準法施行規則第6条の2第1項にいう過半数代表者が、労働基準法に規定する協定等に関する事務を円滑に遂行することができるよう必要な配慮を行わなければならず、これには例えば、過半数代表者が労働者の意見集約等を行うに当たって必要となる事務機器やシステム、事務スペースの提供を行うことが含まれると解される。

    正解:A

    解説

    正解はA。労基法総則の基本的な解釈を問う問題で、3条の「差別的取扱」に有利な取扱いも含まれる点が決め手である。

    A:誤り。3条の差別的取扱には、不利に取り扱う場合だけでなく有利に取り扱う場合も含まれると解されている(行政解釈)。

    B:正しい。厚生労働省令で定める事業(建設の事業)が数次の請負によって行われる場合、災害補償については元請負人を使用者とみなす(労基法87条1項)。

    C:正しい。制服・作業衣など業務上必要な被服は使用者が負担すべき作業備品であり、11条の賃金には当たらないとされる(行政解釈)。

    D:正しい。使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間は、その日数と期間中の賃金を平均賃金の算定期間・賃金の総額から控除する(労基法12条3項3号)。

    E:正しい。使用者は、過半数代表者が協定等に関する事務を円滑に遂行できるよう必要な配慮を行わなければならない(労基則6条の2第4項)。事務機器やシステム、事務スペースの提供はその例とされる(行政解釈)。

  2. 問2

    労働基準法・労働安全衛生法

    労働基準法に定める労働契約等に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。 ア 労働者は、民法第95条により、労働契約の締結に際し、「錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるとき」は、当該契約を取り消すことができるが、労働基準法第15条によれば、そのような場合に該当しないときであっても、単に明示された労働条件と事実が相違することのみをもって即時に労働契約を解除することができる。 イ 労働基準法第16条の禁止する損害賠償額の予定は、労働契約の不履行に伴う損害賠償に限られ、不法行為の場合における損害賠償は含まれないと解される。 ウ 労働基準法第17条は、使用者の側で行う前借金その他労働することを条件とする前貸しの債権と賃金の相殺を禁止しており、実質的にみて使用者の強制によるものと認められない限り、労働者が自己の意思によって相殺をすることは禁止されていない。 エ 業務上負傷して療養していた労働者が、完全に治癒したのではないが、稼働し得る程度に回復したので出勤し、元の職場で平常通り稼働していたところ、使用者が就業後30日を経過してこの労働者を労働基準法第20条に定める解雇予告手当を支給して即時解雇することは、同法第19条に定める解雇制限に違反すると解される。 オ 使用者が労働基準法第20条所定の予告期間をおかず、また予告手当の支払をしないで労働者に解雇の通知をした場合、その通知は、即時解雇としては効力を生じないが、使用者が即時解雇を固執する趣旨でない限り、通知後同条所定の30日の期間を経過するか、又は予告手当の支払をしたときに解雇の効力を生ずるものと解すべきであるとするのが、最高裁判所の判例である。

    1. A一つ
    2. B二つ
    3. C三つ
    4. D四つ
    5. E五つ

    正解:C

    解説

    正解はC(三つ)。労働契約の締結・終了に関する条文と判例を問う個数問題で、正しいのはア・ウ・オである。

    ア:正しい。明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除できる(労基法15条2項)。民法95条の錯誤取消しの要件を満たすかどうかは問わない。

    イ:誤り。16条は違約金・損害賠償額の予定を禁止するもので、労働者の不法行為について損害賠償額を予定する契約も禁止の対象になると解されている(行政解釈)。なお、現実に生じた損害の賠償を請求することまでは禁止されていない。

    ウ:正しい。17条が禁止するのは使用者が前借金と賃金を相殺することであり、労働者が自己の意思で相殺することまでは禁止されない(行政解釈)。

    エ:誤り。19条の解雇制限は「療養のために休業する期間及びその後30日間」に限られる(労基法19条1項)。治癒していなくても出勤して平常どおり稼働していれば休業は終わっており、出勤後30日を経過した時点では解雇制限の期間も過ぎている。予告手当を支払っての即時解雇は19条違反とならない(行政解釈)。

    オ:正しい。予告も予告手当の支払もない解雇通知は、即時解雇としては効力を生じないが、使用者が即時解雇に固執する趣旨でない限り、通知後30日の経過又は予告手当の支払のときに効力を生じるとするのが最高裁判所の判例である(労基法20条)。

    よって正しいものはア・ウ・オの三つで、C。

  3. 問3

    労働基準法・労働安全衛生法

    労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A9月1日に当該年の1月からの新給与を決定し、遡及支払を行う場合、同年1月以降同年8月31日までの退職者については賃金差額を支給しないと規定することは、労働基準法第24条違反となると解される。
    2. B使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について、当該労働者が指定する銀行その他の金融機関に対する当該労働者の預金又は貯金への振込みによることができるが、例えば、所定の賃金支払日が毎月15日である企業において、「振込み」は、振り込まれた賃金の全額が当該振り込まれた月の末日までに払い出し得るように行われることを要すると解される。
    3. C労働基準法第24条第1項により、「事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる」ため、当該協定がある場合には、購買代金、社宅、寮その他の福利、厚生施設の費用、社内預金、組合費等、事理明白なもののほか、実物給与として支給した部分の金額も賃金から控除することが認められると解される。
    4. D賃金は、毎月1回以上支払わなければならないが、「毎月」とは、暦に従うものと解されるから、毎月1日から月末までの間に少なくとも1回は賃金を支払わなければならない。
    5. E労働基準法第24条第1項に定める直接払の原則に違反して、使用者が労働者の代理人に賃金を支払った場合でも、代理受領者が労働者本人に賃金全額を渡したときには、当該労働者が現実に利益を得た限度で民事上有効な弁済となり、その限度で使用者は二重払に応ずる必要はなく、同条違反の刑事責任を免れる。

    正解:D

    解説

    正解はD。賃金支払の5原則(労基法24条)の解釈を問う問題で、毎月払の「毎月」が暦月をいう点が決め手である。

    A:誤り。新給与を決定して遡って差額を支払う場合に、その支給対象を支給時に在籍する者に限ることは、24条違反とはならないと解されている(行政解釈)。

    B:誤り。口座振込みは労働者の同意を得れば認められる(労基則7条の2第1項1号)が、振り込まれた賃金は所定の賃金支払日に払い出し得るように行われることを要するとされる(行政解釈)。月末までに払い出せればよいのではない。

    C:誤り。労使協定によって控除できるのは、購買代金、社宅・寮その他の福利厚生施設の費用、社内預金、組合費等、事理明白なものに限られる(行政解釈)。実物給与は通貨払の例外であり、法令又は労働協約に別段の定めがある場合に限って認められる(労基法24条1項ただし書)。控除協定で賄えるものではない。

    D:正しい。賃金は毎月1回以上、一定の期日を定めて支払う(労基法24条2項)。「毎月」は暦に従うものと解され、毎月1日から月末までの間に少なくとも1回支払う必要がある(行政解釈)。

    E:誤り。労働者の代理人に賃金を支払うことは直接払の原則に違反する(労基法24条1項)。代理受領者が本人に全額を渡したとしても、使用者が同条違反の刑事責任を免れるとする点が誤りである。

  4. 問4

    労働基準法・労働安全衛生法

    労働基準法第32条の4に定めるいわゆる1年単位の変形労働時間制に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A1年単位の変形労働時間制に係る労使協定において、労使双方が合意すれば協定期間中であっても同変形労働時間制の一部を変更することがある旨が明記されていれば、これに基づき、労使協定において特定された日又は週の労働時間を労働基準法第32条の4第1項第2号に規定する対象期間(以下本問において「対象期間」という。)の途中で変更することができる。
    2. B使用者は、1年単位の変形労働時間制の適用労働者が対象期間中に育児休業や産前産後の休業により労働せず、実際の労働期間が対象期間よりも短い者について、当該労働させた期間を平均し1週間当たり40時間を超えて労働させた場合においては、その超えた時間(労働基準法第33条又は第36条第1項の規定により延長し、又は休日に労働させた時間を除く。)の労働については、労働基準法第37条の規定の例により割増賃金を支払わなければならない。
    3. C1年単位の変形労働時間制において、対象期間において連続して労働させることができる日数の限度は、労働基準法第32条の4第1項の協定により同項第3号に規定する特定期間として定められた期間を含め、6日である。
    4. D使用者は、1年単位の変形労働時間制により労働者に労働させる場合には、就業規則その他これに準ずるもの又は書面による協定(労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む。)において、対象期間の起算日を明らかにするものとされている。
    5. E使用者は、満15歳以上で満18歳に満たない者について、1日10時間、1週52時間の範囲内で1年単位の変形労働時間制によって労働させることができる。

    正解:D

    解説

    正解はD。1年単位の変形労働時間制の要件を問う問題で、対象期間の起算日を明らかにする定め(労基則12条の2第1項)が決め手である。

    A:誤り。協定で特定した労働日・労働時間を、対象期間の途中で変更することはできないとされる(行政解釈)。変更があり得る旨を協定に明記しても同じである。

    B:誤り。32条の4の2の清算の対象は「対象期間中の前条の規定により労働させた期間が当該対象期間より短い労働者」であり、途中採用者・途中退職者等をいう。育児休業や産前産後休業で労働しなかった者はこれに含まれないと解されている(行政解釈)。

    C:誤り。連続して労働させる日数の限度は6日だが、特定期間については1週間に1日の休日が確保できる日数とされる(労基則12条の4第5項)。特定期間を含めて6日ではない。

    D:正しい。32条の2から32条の4までの制度により労働させる場合は、就業規則その他これに準ずるもの又は書面による協定(労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む)で期間の起算日を明らかにする(労基則12条の2第1項)。

    E:誤り。満15歳以上18歳未満の者は、1週48時間以下・1日8時間以下の範囲内で、1年単位の変形労働時間制の例により労働させることができる(労基法60条3項2号)。1日10時間・1週52時間は一般の労働者についての上限(労基則12条の4第4項)である。

  5. 問5

    労働基準法・労働安全衛生法

    下記の労働条件で勤務する労働者について、労働基準法第37条に定める割増賃金を計算するに当たり、労働基準法施行規則第19条に定める割増賃金の基礎となる賃金の定めに従えば、通常の労働時間1時間当たりの賃金額を求める計算式のうち、正しいものはどれか。なお、当該労働者は、18歳未満の子を2人扶養している。 当該労働者の労働条件 賃金:基本給が月額400,000円。 通勤手当が月額10,000円。なお、本事業場では、通勤手当は、通勤距離にかかわらずこの額が一律に支給される。 住宅手当が月額20,000円。なお、本事業場では、住宅手当は、賃貸住宅居住者には月額20,000円、持家居住者には月額15,000円が支給される。 生活手当が月額16,000円。なお、本事業場では、生活手当は、18歳未満の子を扶養している場合には1人につき月額8,000円が支給される。 年間労働日数:250日 所定労働時間:午前9時30分から午後5時30分まで 休憩時間:正午から1時間

    1. A(400,000円+10,000円)÷(250×7÷12)
    2. B(400,000円+20,000円)÷(250×7÷12)
    3. C(400,000円+10,000円+20,000円)÷(250×7÷12)
    4. D400,000円÷(250×7÷12)
    5. E(400,000円+10,000円+20,000円+16,000円)÷(250×7÷12)

    正解:C

    解説

    正解はC。割増賃金の基礎から除外する賃金(労基法37条5項、労基則21条)と、月給制の1時間当たり賃金の出し方(労基則19条1項4号)を問う計算問題である。

    除外できるのは、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金に限られる(労基法37条5項、労基則21条)。名称ではなく実質で判断し、扶養家族数・通勤距離・住宅に要する費用に応じて支給するものだけが除外される(行政解釈)。

    通勤手当10,000円:通勤距離にかかわらず一律支給なので、除外される通勤手当に当たらず、算入する。住宅手当20,000円:賃貸・持家の区分ごとに定額で、住宅に要する費用に応じた支給ではないので、算入する。生活手当16,000円:扶養する子の人数に応じて支給されるので、名称にかかわらず家族手当に当たり、除外する。算入額は400,000円+10,000円+20,000円=430,000円となる。

    所定労働時間は午前9時30分から午後5時30分までの8時間から休憩1時間を除いた7時間。月によって所定労働時間数が異なるので、1年間における1月平均所定労働時間数(250日×7時間÷12)で除す(労基則19条1項4号)。

    よって(400,000円+10,000円+20,000円)÷(250×7÷12)となり、C。Aは住宅手当を、Bは通勤手当を落とし、Dは両方を除外し、Eは家族手当に当たる生活手当まで算入している点で誤りである。

  6. 問6

    労働基準法・労働安全衛生法

    労働基準法に定める年次有給休暇に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A使用者は、時間を単位として有給休暇を与えるためには、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により所定の事項を定める必要があるが、その協定は労働基準監督署長へ届け出る必要はない。
    2. B労働基準法第39条第3項に規定する労働者に該当するパートタイム従業員について、同条第7項に規定する基準日(以下本問において「基準日」という。)から次の基準日までの間に週所定労働日数が変更された場合、当該変更時点において、有給休暇の付与日数は増減されるものではない。
    3. C使用者は、労働基準法の規定により有給休暇を与えたときは、時季、日数及び基準日を労働者ごとに明らかにした年次有給休暇管理簿を作成し、当該有給休暇を与えた期間中及び当該期間の満了後2年間保存しなければならない。
    4. D時間単位の有給休暇についても、使用者の時季変更権の対象となるものであるが、使用者は、労働者が時間単位による取得を請求した場合に日単位に変更することや、日単位による取得を請求した場合に時間単位に変更することは、時季変更に当たらず、認められない。
    5. E定年退職による退職者を引き続き嘱託社員として同一事業場で再採用している場合には、所定の退職手当が支給されている場合であっても、有給休暇に係る継続勤務年数の算定に当たっては勤務年数が通算される。ただし、退職と再採用との間に相当期間が存し、客観的に労働関係が断続していると認められる場合はこの限りではない。

    正解:C

    解説

    正解はC。年次有給休暇の付与・時季変更・継続勤務の判断を問う問題で、年次有給休暇管理簿の保存期間が決め手である。

    A:正しい。時間単位年休は、労使協定で対象労働者の範囲、日数等を定めれば与えることができる(労基法39条4項)。この協定は労働基準監督署長への届出を要しない。

    B:正しい。比例付与の日数は基準日の所定労働日数で決まり、次の基準日までに週所定労働日数が変わっても、その時点で付与日数は増減しない(行政解釈)。

    C:誤り。年次有給休暇管理簿は、有給休暇を与えた期間中及び当該期間の満了後5年間保存しなければならない(労基則24条の7)。当分の間は3年間とされる(労基則附則71条)。いずれにしても2年間ではない。

    D:正しい。時間単位年休も時季変更権の対象となるが、時間単位の請求を日単位に、日単位の請求を時間単位に変更することは時季変更に当たらず、認められない(行政解釈)。

    E:正しい。定年退職者を引き続き嘱託として再採用する場合は、退職手当が支給されていても実質的に労働関係が継続しているので、継続勤務年数を通算する。退職と再採用の間に相当期間があり、客観的に労働関係が断続していると認められる場合は除かれる(行政解釈)。

  7. 問7

    労働基準法・労働安全衛生法

    労働基準法に定める就業規則に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 ア 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則の作成について、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴き、就業規則の届出には、その意見を記した書面を添付しなければならないが、当該書面の内容が当該就業規則に全面的に反対するものであっても、その効力の発生についての他の要件を具備する限り、就業規則の効力には影響はない。 イ 派遣労働者については、労働基準法第89条により就業規則の作成義務を負うのは、派遣中の労働者とそれ以外の労働者とを合わせて常時10人以上の労働者を使用している派遣元の使用者である。 ウ 育児介護休業法による介護休業についても、介護休業の対象となる労働者の範囲等の付与要件、介護休業取得に必要な手続、休業期間については就業規則に記載される必要があるが、同法においては、介護休業の対象者、申出手続、介護休業期間等が具体的に定められているので、同法の定めるところにより介護休業を与える旨の定めがあれば、就業規則への記載義務は満たしていると解される。 エ 複数の事業場を有する企業が、全事業場で同一の就業規則を適用するため、本社で一括して就業規則の作成等を行い、各事業場分の届出を本社の所轄労働基準監督署長へ一括して行う場合において、本社及び各事業場に労働組合がないときは、労働基準法第90条第2項に規定する書面について、本社の労働者の過半数を代表する者の意見を記したもののみを添付すればよい。 オ 就業規則で労働者に対して減給の制裁を定める場合、その減給は1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならないとされているが、この計算の基礎となる平均賃金を算定すべき事由の発生した日とは、当該減給の制裁事由が発生した日である。

    1. A(アとイ)
    2. B(アとウ)
    3. C(イとエ)
    4. D(ウとオ)
    5. E(エとオ)

    正解:E

    解説

    正解はE(エとオ)。就業規則の作成・届出と減給の制裁に関する解釈を問う組合せ問題である。

    ア:正しい。就業規則の作成・変更には過半数労働組合(ない場合は過半数代表者)の意見を聴き、届出にその意見を記した書面を添付する(労基法90条1項・2項)。求められているのは意見を聴くことであり、全面的に反対する意見であっても就業規則の効力に影響はない(行政解釈)。

    イ:正しい。派遣労働者について89条の作成義務を負うのは派遣元の使用者で、常時10人以上かどうかは、派遣中の労働者とそれ以外の労働者を合わせて判断する(行政解釈)。

    ウ:正しい。介護休業は休暇に関する事項として就業規則の絶対的必要記載事項である(労基法89条1号)。育児介護休業法が対象者、申出手続、休業期間等を具体的に定めているので、同法の定めるところにより与える旨の定めがあれば記載義務を満たすとされる(行政解釈)。

    エ:誤り。本社で一括して届出をする場合でも、90条2項の書面は、各事業場ごとにその事業場の過半数労働組合又は過半数代表者の意見を記したものを添付する必要がある(行政解釈)。本社の過半数代表者の意見書だけでは足りない。

    オ:誤り。減給の制裁の限度(労基法91条)の計算に用いる平均賃金の算定事由発生日は、減給の制裁の意思表示が相手方に到達した日とされる(行政解釈)。制裁事由が発生した日ではない。

    よって誤っているものはエとオで、E。

  8. 問8

    労働基準法・労働安全衛生法

    労働安全衛生法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A労働安全衛生法において労働災害とは、業務又は通勤に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいう。
    2. B労働安全衛生法において労働者とは、労働基準法第9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)及び特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律第25号、いわゆるフリーランス法)第2条に定める特定受託事業者をいう。
    3. C労働安全衛生法において事業者とは、事業を行う者で、労働者を使用するもの及び事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。
    4. D労働安全衛生法において特定元方事業者とは、同法第15条において定める元方事業者のうち、建設業、造船業又は製鉄業に属する事業を行う者をいう。
    5. E労働安全衛生法において作業環境測定とは、作業環境の実態を把握するため空気環境その他の作業環境について行うデザイン、サンプリング及び分析(解析を含む。)をいう。

    正解:E

    解説

    正解はE。安衛法2条の定義と特定元方事業者の範囲を正確に覚えているかを問う問題である。

    A:誤り。労働災害とは、労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいう(安衛法2条1号)。通勤に起因するものは含まれない。

    B:誤り。安衛法の労働者は、労基法9条の労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く)をいう(安衛法2条2号)。フリーランス法の特定受託事業者は含まれない。

    C:誤り。事業者とは、事業を行う者で労働者を使用するものをいう(安衛法2条3号)。「事業の経営担当者その他…事業主のために行為をするすべての者」は労基法10条の使用者の定義である。

    D:誤り。特定元方事業者は、元方事業者のうち建設業その他政令で定める業種に属する事業を行う者で(安衛法15条1項)、政令で定める業種は造船業である(安衛法施行令7条1項)。製鉄業は含まれない。

    E:正しい。作業環境測定とは、作業環境の実態を把握するため空気環境その他の作業環境について行うデザイン、サンプリング及び分析(解析を含む)をいう(安衛法2条4号)。

    法改正:2026年10月1日施行の改正で、安衛法2条4号の「作業環境の実態」の後に「(作業環境における労働者の有害な因子へのばく露の程度を含む。)」が加わった。デザイン、サンプリング及び分析(解析を含む)という骨格は変わらず、本問の正誤は変わらない。

  9. 問9

    労働基準法・労働安全衛生法

    労働安全衛生法に定める安全衛生教育に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育(以下本問において「雇入れ時の安全衛生教育」という。)を行わなければならないが、派遣労働者の場合は、派遣先の事業者に、当該派遣労働者を受け入れるに際してこの教育を行う義務があるとされている。
    2. B金融業を営む事業者は、労働安全衛生規則に定める雇入れ時の安全衛生教育を行うことを義務付けられていない。
    3. C雇入れ時の安全衛生教育を行わなければならない対象労働者は、常時使用する労働者であって、臨時に雇い入れた労働者についてはその対象としないことが認められている。
    4. D雇入れ時の安全衛生教育の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用される。
    5. E危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときに、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行う義務は、常時10人以上の労働者を使用する事業者に課せられている。

    正解:D

    解説

    正解はD。安全衛生教育(安衛法59条)の対象と義務者を問う問題である。

    A:誤り。派遣労働者の雇入れ時の安全衛生教育は、雇用主である派遣元の事業者が行う。派遣先も事業者とみなされる規定の中に、作業内容変更時の教育(安衛法59条2項)は含まれるが、雇入れ時の教育(同条1項)は含まれていない(労働者派遣法45条1項)。

    B:誤り。雇入れ時の安全衛生教育(安衛法59条1項、安衛則35条1項)は業種を問わず事業者に義務付けられている。金融業も対象である。

    C:誤り。安衛法59条1項は「労働者を雇い入れたとき」と定めるだけで、常時使用する労働者に限っていない。臨時に雇い入れた労働者も対象となる。

    D:正しい。雇入れ時の安全衛生教育の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用される(安衛法59条2項)。

    E:誤り。危険又は有害な業務に就かせるときの特別教育(安衛法59条3項)は、使用する労働者の数にかかわらず事業者に義務付けられている。常時10人以上という要件はない。

  10. 問10

    労働基準法・労働安全衛生法

    労働安全衛生法に定める健康診断に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A労働安全衛生規則第43条に定める雇入時の健康診断は、採用選考時の健康診断ではなく、常時使用する労働者を雇い入れた際における適正配置、入職後の健康管理に資するためのものであるとされている。
    2. B労働安全衛生規則第44条に定める定期健康診断は、業務遂行との関連において行われるものではないので、その受診のために要した費用については、事業者がこれを負担しなくてもよいとされている。
    3. C労働安全衛生規則第45条では、特定業務従事者の健康診断として、事業者は、当該業務への配置替えの際及び6月以内ごとに1回、定期に、所定の健康診断を行わなければならないと定めているが、この特定業務には、深夜業を含む業務、重量物の取扱い等重激な業務及び病原体によって汚染のおそれが著しい業務が含まれるが、給食の業務及び高所作業を含む業務は含まれない。
    4. D常時使用され、自ら受けた医師による健康診断(事業者の指定した医師が行う健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師の行う労働安全衛生法第66条の規定による健康診断に相当する健康診断を除く。)を受けた日前6月間を平均して1月当たり4回以上深夜業に従事した労働者は、自ら受けた医師による健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出することができる。ただし、当該健康診断を受けた日から3月を経過したときは、この限りでない。
    5. E事業者は、塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、弗化水素、黄りんその他歯又はその支持組織に有害な物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際には、歯科医師による健康診断を行わなければならない。

    正解:B

    解説

    正解はB。健康診断の性格、費用負担、対象業務を問う問題である。

    A:正しい。雇入時の健康診断(安衛則43条)は、常時使用する労働者を雇い入れた際の適正配置と入職後の健康管理に資するためのもので、採用選考時の健康診断ではないとされる(行政解釈)。

    B:誤り。健康診断の実施は法で事業者に義務付けられている(安衛法66条1項)ので、その費用は事業者が負担すべきものとされる(行政解釈)。「業務遂行との関連において行われるものではない」とされるのは、一般健康診断の受診に要した時間の賃金の扱いについてである。

    C:正しい。特定業務従事者の健康診断(安衛則45条1項)の対象は安衛則13条1項3号に掲げる業務で、深夜業を含む業務、重量物の取扱い等重激な業務、病原体によって汚染のおそれが著しい業務が含まれる。給食の業務は検便(安衛則47条)の対象であり、高所作業とともに同号には掲げられていない。

    D:正しい。自発的健康診断の結果を提出できるのは、常時使用され、自ら受けた健康診断の受診日前6月間を平均して1月当たり4回以上深夜業に従事した労働者である(安衛法66条の2、安衛則50条の2)。受診日から3月を経過したときは提出できない(安衛則50条の3)。

    E:正しい。塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、弗化水素、黄りんその他歯又はその支持組織に有害な物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務(安衛法施行令22条3項)に常時従事する労働者には、雇入れの際、配置替えの際及びその後6月以内ごとに1回、歯科医師による健康診断を行う(安衛則48条)。

  11. 問11

    労災保険法

    次の記述のうち、業務災害として保険給付の対象となるものはいくつあるか。 ア 従業員が自費で任意に参加することになっていた、会社の常務取締役が引率する毎年恒例の従業員慰安旅行中に、参加者である従業員が、たまたまはしけ港において乗船していた船から艀に乗り換えた際、定員オーバーによってはしけ艀が沈没し、溺死した場合。 イ 出張を命じられた労働者が、自宅から直接用務地に赴くために、通常の通勤でも使用している駅に自転車で向かっている途上の踏切で誤って転倒し、列車と衝突して死亡した場合。 ウ トラックに荷物を積載して疾走中に、荷覆シートがめくれていることに気づいた運転手が直ちに停車し、運転手助手とともにシートをかけなおしたが、そのとき強風によって運転手助手の防寒帽が国道中央に吹き飛ばされたことから、当該運転手助手が、とっさにその帽子を追って走り出たところ、前方より疾走してきた乗用車に跳ね飛ばされ死亡した場合。 エ 業務上の右下腿骨骨折をした労働者が、その処置として左下腿骨より骨移植片を採取する骨移植をして入院している際に、医師の指示による歩行練習において、左下肢を伸展位で左側に捻じる状態で転倒し、骨移植片の採取によって外力に対する抵抗が減弱していた左下腿骨を骨折した場合。 オ 倉庫で貨物の積込作業をしていた労働者が、地震発生直後に、身の安全を図るため急いで避難しようと倉庫から外へ出るときに、足を踏み外して負傷した場合。

    1. A一つ
    2. B二つ
    3. C三つ
    4. D四つ
    5. E五つ

    正解:D

    解説

    正解はD(四つ)。業務遂行性・業務起因性の判断を事例で問う個数問題で、業務災害に当たるのはイ・ウ・エ・オである。

    ア:業務災害に当たらない。自費・任意参加の慰安旅行は、役員が引率していても業務とはいえず、旅行中の事故には業務遂行性がない(行政解釈)。

    イ:業務災害に当たる。出張中は用務地への往復を含めて全般的に事業主の支配下にあるとされる。自宅から直接用務地に向かう途上の事故は、通常の通勤で使う駅に向かう途中であっても出張の過程にあり、業務災害となる(行政解釈)。

    ウ:業務災害に当たる。荷覆シートをかけなおす作業中に吹き飛ばされた防寒帽を追う行為は、作業に付随するとっさの行為であり、業務起因性が認められる(行政解釈)。

    エ:業務災害に当たる。業務上の骨折の療養として行った骨移植と、医師の指示による歩行練習の中で、移植片の採取で外力への抵抗が弱まっていた部位を骨折したもので、当初の業務上の傷病と相当因果関係がある(行政解釈)。

    オ:業務災害に当たる。作業中に地震が発生し、身の安全を図るため避難する行為は、業務に付随する行為として業務遂行性が認められ、避難中の負傷は業務災害となる(行政解釈)。

    よって業務災害となるのはイ・ウ・エ・オの四つで、D。

  12. 問12

    労災保険法

    労災保険法第8条第2項の規定による給付基礎日額の算定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A労働者が平均賃金の算定基礎期間中に親族の疾病又は負傷等の看護のため休業した場合で、その平均賃金に相当する額(①)が、その休業した期間を平均賃金の算定基礎期間から除き、かつ、休業した期間中に受けた賃金の額を平均賃金の算定基礎期間中の賃金の額から控除して算定した平均賃金に相当する額(②)に満たないときは、②の額を給付基礎日額とする。
    2. B労働者が平均賃金の算定基礎期間中に業務外の事由による負傷又は疾病の療養のために休業した場合には、その平均賃金に相当する額(①)が、その休業した期間を平均賃金の算定基礎期間から除き、かつ、休業した期間中に受けた賃金の額を平均賃金の算定基礎期間中の賃金の額から控除して算定した平均賃金に相当する額(②)に満たないときでも、①の額を給付基礎日額とする。
    3. C労働者がじん肺にかかったことにより保険給付を受けることとなった場合で、その平均賃金に相当する額が、じん肺にかかったため粉じん作業以外の作業に常時従事することとなった日を平均賃金を算定すべき事由の発生した日とみなして算定することとした場合における平均賃金に相当する額に満たないときは、後者の額を給付基礎日額とする。
    4. D1年を通じて船員法(昭和22年法律第100号)第1条に規定する船員として船舶所有者に使用される者について、基本となるべき固定給の額が乗船中において乗船本給として増加する等により変動がある賃金が定められる場合には、平均賃金を算定すべき事由の発生した日以前1年間について算定することとした場合における平均賃金に相当する額を給付基礎日額とする。
    5. E1年を通じて船員法第1条に規定する船員として船舶所有者に使用される者については、基本となるべき固定給が下船することによりてい減する賃金を受ける場合、平均賃金を算定すべき事由の発生した日以前1年間について算定することとした場合における平均賃金に相当する額を給付基礎日額とする。

    正解:B

    解説

    正解はB。給付基礎日額の特例(労災法8条2項、労災則9条1項)の各号を問う問題で、私傷病による休業期間の扱い(同項1号)が決め手である。

    A:正しい。平均賃金の算定期間中に親族の疾病・負傷等の看護のため休業した場合も、私傷病療養による休業と同様に、その期間と期間中の賃金を除いて算定した額(②)が平均賃金相当額(①)を上回るときは②による。労災則9条1項4号に基づき厚生労働省労働基準局長が定める基準による扱いである(行政解釈)。

    B:誤り。業務外の負傷・疾病の療養のために休業した期間がある場合、その期間を労基法12条3項1号の期間とみなして算定した平均賃金相当額(②)に①が満たないときは、②を給付基礎日額とする(労災則9条1項1号)。①のままとする点が誤りである。

    C:正しい。じん肺の場合、粉じん作業以外の作業に常時従事することとなった日を算定事由発生日とみなして算定した額に平均賃金相当額が満たないときは、その額による(労災則9条1項2号)。

    D:正しい。1年を通じて船員として船舶所有者に使用される者で、乗船中に乗船本給として増加するなど変動がある賃金が定められる場合は、労災則9条1項3号に基づく局長の定める基準により、算定事由発生日以前1年間について算定した平均賃金相当額による(行政解釈)。

    E:正しい。下船により固定給がてい減する賃金を受ける場合も、局長の定める基準により、算定事由発生日以前1年間について算定した平均賃金相当額による(行政解釈)。

  13. 問13

    労災保険法

    保険給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。
    2. B同一の傷病に関し、休業補償給付を受けている労働者が傷病補償年金を受ける権利を有することとなり、かつ、休業補償給付を行わないこととなった場合において、その後も休業補償給付が支払われたときは、その支払われた休業補償給付は、当該傷病補償年金の内払とみなす。
    3. C保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で、保険給付を受けるべき者が当該第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
    4. D遺族補償年金の額について、その算定の基礎となる遺族の数の減少により減額して改定すべきであったにもかかわらず、遺族の数が減少した月の翌月以後の分として減額しない額の遺族補償年金が支払われた場合、当該減額すべきであった部分については、その後に支払うべき遺族補償年金の内払とみなすことができる。
    5. E障害補償年金を受ける権利を有する者が死亡したためその支給を受ける権利が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以後の分として当該障害補償年金の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金債権に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき保険給付があるときは、当該保険給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。

    正解:C

    解説

    正解はC。保険給付の調整規定(未支給・内払・充当・第三者行為災害)を条文どおりに読めるかを問う問題である。

    A:正しい。未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、1人がした請求は全員のためその全額につきしたものとみなし、1人に対してした支給は全員に対してしたものとみなす(労災法11条4項)。

    B:正しい。同一の傷病に関し休業補償給付を受けている労働者が傷病補償年金を受ける権利を有することとなり、休業補償給付を行わないこととなった後も休業補償給付が支払われたときは、傷病補償年金の内払とみなす(労災法12条)。

    C:誤り。保険給付を受けるべき者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府はその価額の限度で保険給付をしないことができる(労災法12条の4第2項)。政府が損害賠償請求権を取得するのは、政府が保険給付をしたときに、その給付の価額の限度においてである(同条1項)。本肢は両者を取り違えている。

    D:正しい。年金を減額改定すべき事由が生じたのに、翌月以後の分として減額しない額が支払われた場合、減額すべきであった部分は、その後に支払うべき年金の内払とみなすことができる(労災法12条1項)。

    E:正しい。年金の受給権者が死亡した後に、翌月以後の分として過誤払が行われた場合、返還金債権に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき保険給付があるときは、その支払金の金額を返還金債権の金額に充当することができる(労災法12条の2)。

  14. 問14

    労災保険法

    「心理的負荷による精神障害の認定基準について」(令和5年9月1日付け基発0901第2号)におけるセクシュアルハラスメントの心理的負荷の評価に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 なお、本問において「被害者」とは「セクシュアルハラスメントを受けた者」のことであり、「行為者」とは「セクシュアルハラスメントを行った者」のことである。

    1. A被害者は、被害を受けてからすぐに相談行動をとらないことがあるが、この事実は心理的負荷が弱いと単純に判断する理由にはならない。
    2. B被害者が医療機関の初診時にセクシュアルハラスメントの事実を申し立てていないことは、心理的負荷が弱いと単純に判断する理由にはならない。
    3. C行為者が、雇用関係上、被害者に対して優越的な立場にある事実は心理的負荷を強める要素となり得る。
    4. D胸や腰等への身体接触を含むセクシュアルハラスメントが継続して行われた場合は、「特別な出来事」として評価する。
    5. E身体接触のない性的な発言のみのセクシュアルハラスメントであって、発言が継続していない場合、心理的負荷の強度は「中」と判断する。

    正解:D

    解説

    正解はD。「心理的負荷による精神障害の認定基準について」(令和5年9月1日付け基発0901第2号)でのセクシュアルハラスメントの評価を問う問題である。「特別な出来事」に当たる範囲が決め手である。

    A:正しい。被害者が被害を受けてすぐに相談行動をとらないことは、心理的負荷が弱いと単純に判断する理由にならないと、認定基準は評価の留意事項に掲げている。

    B:正しい。医療機関の初診時にセクシュアルハラスメントの事実を申し立てていないことも、心理的負荷が弱いと単純に判断する理由にならないとされている。

    C:正しい。行為者が雇用関係上、被害者に対して優越的な立場にあることは、心理的負荷を強める要素となり得るとされている。

    D:誤り。胸や腰等への身体接触を含むセクシュアルハラスメントが継続して行われた場合は、具体的出来事「セクシュアルハラスメントを受けた」の心理的負荷「強」の例である。「特別な出来事」(心理的負荷が極度のもの)として評価されるのは、強姦や、本人の意思を抑圧して行われたわいせつ行為などのセクシュアルハラスメントである。

    E:正しい。身体接触のない性的な発言のみのセクシュアルハラスメントで、発言が継続していない場合は、心理的負荷の強度「中」の例とされている。

  15. 問15

    労災保険法

    労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和49年労働省令第30号)に定める特別支給金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A遺族補償年金前払一時金が支給されたことにより、遺族補償年金が支給停止された場合、遺族特別年金も支給停止される。
    2. B遺族特別支給金の額は、遺族の人数に応じて、給付基礎日額の153日分から245日分である。
    3. C最高裁判所の判例によれば、被災労働者が労災保険から受領した特別支給金は、使用者が被災労働者に支払う損害賠償額から控除することができるとされている。
    4. D既に身体障害のあった者が、業務上の事由による負傷又は疾病により同一の部位について障害の程度を加重した場合の障害特別支給金の額は、現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害特別支給金の額から、既にあった身体障害の該当する障害等級に応ずる障害特別支給金の額を差し引いた額による。
    5. E障害特別支給金の支給の申請は、障害に係る負傷又は疾病が治った日の翌日から起算して2年以内に行わなければならない。

    正解:D

    解説

    正解はD。労働者災害補償保険特別支給金支給規則の額・支給停止・申請期限を問う問題である。

    A:誤り。遺族特別年金は、遺族補償年金の支給を停止すべき事由が生じたときは支給しないのが原則だが、遺族補償年金前払一時金の支給によって停止される場合は除かれる(特別支給金規則13条2項ただし書)。前払一時金で遺族補償年金が停止されても、遺族特別年金は支給される。

    B:誤り。遺族特別支給金は300万円で、受ける遺族が2人以上のときは300万円をその人数で除した額である(特別支給金規則5条3項)。給付基礎日額の153日分から245日分は遺族補償年金の額である。

    C:誤り。最高裁判所の判例は、特別支給金は被災労働者の損害をてん補する性質を有しないとして、使用者の損害賠償額から控除することはできないとしている。

    D:正しい。既に身体障害のあった者が同一の部位について障害の程度を加重した場合の障害特別支給金は、現在の障害等級に応ずる額から既にあった障害の障害等級に応ずる額を差し引いた額による(特別支給金規則4条2項)。

    E:誤り。障害特別支給金の申請は、障害に係る負傷又は疾病が治った日の翌日から起算して5年以内に行わなければならない(特別支給金規則4条8項)。2年以内ではない。

  16. 問16

    労災保険法

    複数業務要因災害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A複数業務要因災害の場合、いずれの事業場の事業主も労働基準法上の災害補償責任を負わない。
    2. B複数業務要因災害による休業については、労働基準法第19条第1項に基づく解雇制限の規定の適用はないことから、複数事業労働者傷病年金については、打切補償に係る労災保険法第19条は準用されない。
    3. C複数事業労働者については、1つの事業場の業務上の負荷との間に単独で因果関係が認められるような傷病等の場合であっても、複数業務要因災害の対象となる。
    4. D複数事業労働者に該当するか否かは、傷病等が生じた時点、又は傷病等の原因及び要因となる事由が生じた時点において、事業主が同一人でない2以上の事業に使用されていたか否かで判断される。
    5. E複数の事業又は作業について特別加入している者は、複数業務要因災害に係る保険給付の対象となり得る。

    正解:C

    解説

    正解はC。複数業務要因災害の対象範囲と、労基法の災害補償・解雇制限との関係を問う問題である。

    A:正しい。複数業務要因災害は、各事業場の業務上の負荷を単独で見ると業務との因果関係が認められないものであり、いずれの事業場の事業主も労基法上の災害補償責任を負わない(行政解釈)。

    B:正しい。複数業務要因災害による休業には労基法19条1項の解雇制限の適用がないので、打切補償に係る労災法19条は複数事業労働者傷病年金について準用されない(行政解釈)。

    C:誤り。1つの事業場の業務上の負荷だけで傷病等との因果関係が認められる場合は、その事業場の業務災害として扱い、複数業務要因災害の対象とはならない(行政解釈)。複数業務要因災害は、2以上の事業の業務を要因とする傷病等であり(労災法7条1項2号)、複数の事業場の業務上の負荷を総合的に評価して初めて因果関係が認められる場合をいう。

    D:正しい。複数事業労働者に該当するかどうかは、傷病等が生じた時点又は傷病等の原因・要因となる事由が生じた時点で、事業主が同一人でない2以上の事業に使用されていたかで判断する(行政解釈)。

    E:正しい。複数の事業又は作業について特別加入している者も、複数業務要因災害に係る保険給付の対象となり得る(行政解釈)。

  17. 問17

    労災保険法

    家事従事者への労災保険法の適用に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。 なお、本問において「家事サービス」とは、炊事、洗濯、掃除、買物等の、家庭において日常生活を円滑に営むことができるようにするための必要な援助として行われる作業をいう。 ア 家事従事者が家事代行サービス事業者と雇用契約を締結し、同事業者から就業場所として指定された私家庭において家事サービスを提供する場合、当該家事従事者は家事代行サービス事業者の労働者として労災保険法の適用を受ける。 イ 家事従事者が家事使用人として私家庭と雇用契約を締結して家事サービスを提供する場合、当該家事従事者は、労災保険法第33条第5号が定める特定作業従事者として労災保険に特別加入することができる。 ウ 家事従事者が家事従事者紹介所からの紹介・あっせんを受けて私家庭と雇用契約を締結して家事サービスを提供する場合、当該家事従事者は家事従事者紹介所の労働者として労災保険法の適用を受ける。 エ 家事従事者が家事代行サービス事業者として私家庭と請負契約を締結して家事サービスを提供する場合、当該家事従事者は、労災保険法第33条第3号が定める一人親方等として労災保険に特別加入することができる。 オ 家事従事者が家事従事者派遣企業と私家庭との間の労働者派遣契約に基づき私家庭に派遣されて家事サービスを提供する場合、当該家事従事者は、労災保険法第33条第7号が定める事業主が派遣する者として、労災保険に特別加入することができる。

    1. A(アとイ)
    2. B(アとウ)
    3. C(イとエ)
    4. D(ウとオ)
    5. E(エとオ)

    正解:A

    解説

    正解はA(アとイ)。家事従事者の契約形態ごとに、労災保険の適用と特別加入の区分を問う組合せ問題である。

    ア:正しい。家事代行サービス事業者と雇用契約を結び、指定された私家庭で家事サービスを提供する者は、その事業者の労働者として労災保険法の適用を受ける。

    イ:正しい。私家庭と直接雇用契約を結ぶ家事使用人は労基法の適用が除外され(労基法116条2項)、労災保険法の労働者としての適用はないが、炊事、洗濯、掃除、買物等の家庭で日常生活を営むのに必要な行為は特定作業とされ、特別加入できる(労災法33条5号、労災則46条の18第5号ロ)。

    ウ:誤り。紹介所の紹介・あっせんを受けて私家庭と雇用契約を結ぶ場合、雇用主は私家庭であり、紹介所の労働者ではない。イと同じく家事使用人として扱われる。

    エ:誤り。家事代行の作業は労災則46条の18第5号ロの特定作業に当たり、請負で家事サービスを提供する者が特別加入するとすれば、33条5号の特定作業従事者としてである。33条3号の一人親方等の事業(労災則46条の17)として加入するのではない。

    オ:誤り。33条7号は、国内の事業主が海外で行われる事業に従事させるために派遣する者(海外派遣者)の規定である。国内の私家庭に派遣される家事従事者は、派遣元の派遣企業の労働者として労災保険法の適用を受ける。

    よって正しいものはアとイで、A。

  18. 問18

    徴収法

    労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A労災保険率は、労災保険法の適用を受ける全ての事業の過去3年間の業務災害、複数業務要因災害及び通勤災害に係る災害率並びに二次健康診断等給付に要した費用の額、社会復帰促進等事業として行う事業の種類及び内容その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定める。
    2. B労災保険率は、労働保険徴収法施行規則第16条第1項及び別表第1の「労災保険率表」に定められており、各事業の細目ないし具体的範囲については、日本標準産業分類とは異なる独自の分類方式による「労災保険率適用事業細目表」及び「船舶所有者の事業の種類の細目表」において定められている。
    3. C労災保険に係る保険関係が成立している立木の伐採の事業であって、賃金総額を正確に算定することが困難なものについては、事業場の所在地を管轄する都道府県知事が定める素材1立方メートルを生産するために必要な労務費の額に、生産するすべての素材の材積を乗じて得た額を賃金総額とする。
    4. D4か月以内の期間を定めて季節的に雇用される者を使用する一元適用事業の場合、一般保険料の額の算定に当たって、当該事業を労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなしてその額を算定する。
    5. E労災保険に係る保険関係が成立している水産動植物の採捕又は養殖の事業であって、賃金総額を正確に算定することが困難なものについては、その事業の労働者につき厚生労働大臣が定める平均賃金に相当する額に、それぞれの労働者の使用期間の総日数を乗じて得た額の合算額を賃金総額とする。

    正解:C

    解説

    正解はC。労災保険率の決め方と、賃金総額の特例(徴収則12条〜15条)を問う問題である。

    A:正しい。労災保険率は、全ての事業の過去3年間の業務災害、複数業務要因災害及び通勤災害に係る災害率並びに二次健康診断等給付に要した費用の額、社会復帰促進等事業の種類・内容その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定める(徴収法12条2項)。

    B:正しい。労災保険率は徴収則16条1項・別表第1の労災保険率表で定められ、事業の細目は日本標準産業分類とは異なる独自の分類による労災保険率適用事業細目表等で定められている(行政解釈)。

    C:誤り。立木の伐採の事業の賃金総額は、所轄都道府県労働局長が定める素材1立方メートルを生産するために必要な労務費の額に、生産するすべての素材の材積を乗じて得た額とする(徴収則14条)。都道府県知事ではない。

    D:正しい。4か月以内の期間を定めて季節的に雇用される者は雇用保険の被保険者とならない(雇保法6条3号、38条1項1号)。こうした者を使用する一元適用事業では、一般保険料の算定に当たり、労災保険に係る保険関係と雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなして算定する取扱いとされる(行政解釈)。

    E:正しい。水産動植物の採捕・養殖の事業の賃金総額は、労基法12条8項に基づき厚生労働大臣が定める平均賃金に相当する額に、各労働者の使用期間の総日数を乗じて得た額の合算額とする(徴収則15条)。

  19. 問19

    徴収法

    労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A継続事業の事業主は、延納の要件を満たしている場合、納付した概算保険料の額が確定保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した概算保険料がないときは確定保険料を、確定保険料申告書を提出する際に申請することにより当該不足額等を延納することができる。
    2. B事業主は、既に納付した概算保険料の額のうち確定保険料の額を超える額の還付を請求する場合、労働保険料還付請求書を官署支出官又は所轄都道府県労働局資金前渡官吏に提出することによって行わなければならない。
    3. C事業主は、納付すべき次の保険年度の概算保険料その他未納の労働保険料等がある場合、既に納付した概算保険料の額が確定保険料の額を超えるときであっても、その超過額について還付請求することができない。
    4. D事業主が既に納付した概算保険料の額が確定保険料の額を超える場合に納付すべき次の保険年度の概算保険料があるとき、当該事業主の請求ないし承認によって、所轄都道府県労働局歳入徴収官が当該超過額を次の保険年度の概算保険料に充当したときは、その旨を当該事業主に通知しなくてよい。
    5. E政府は、事業主からなされた労働保険料の還付請求に応じる場合、還付金に利息相当分である還付加算金を加えた額を還付することとされている。

    正解:B

    解説

    正解はB。確定精算で生じた超過額の還付・充当と、延納の対象を問う問題である。

    A:誤り。延納できるのは概算保険料である(徴収法18条)。確定保険料の不足額や、概算保険料を納付していない場合の確定保険料は延納できず、確定保険料申告書の提出期限までに納付する(徴収法19条3項)。

    B:正しい。超過額の還付の請求は、所定の事項を記載した請求書を官署支出官又は所轄都道府県労働局資金前渡官吏に提出して行う(徴収則36条2項)。

    C:誤り。次の保険年度の概算保険料や未納の労働保険料等があっても、超過額の還付を請求することはできる(徴収則36条1項)。還付の請求がない場合に、次の保険年度の概算保険料等に充当される(徴収則37条1項)。

    D:誤り。所轄都道府県労働局歳入徴収官は、超過額を次の保険年度の概算保険料等に充当したときは、その旨を事業主に通知しなければならない(徴収則37条2項)。

    E:誤り。徴収法・同施行規則には、労働保険料の還付金に還付加算金を加えて還付する定めはない。

  20. 問20

    徴収法

    労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A保険関係が成立し、又は成立していた事業の事業主が、労働保険徴収法第42条の規定による命令に違反して虚偽の記載をした文書を提出した場合、当該事業主は6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処せられる。
    2. B法人である労働保険事務組合が労働保険徴収法第36条の規定に違反して帳簿を備えて置かなかった場合、その違反行為をした労働保険事務組合の代表者又は代理人、使用人その他の従業者は、6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処せられる。
    3. C法人でない労働保険事務組合の従業者が、当該労働保険事務組合の業務に関して、労働保険徴収法第43条第1項の規定に違反して行政庁職員の質問に対して答弁をしなかった場合、当該従業者は6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処せられ、当該労働保険事務組合は罰金に処せられない。
    4. D労災保険法第35条第1項に規定する団体(以下本問において「労災保険の特別加入に係る一人親方等の団体」という。)の使用人が、労働保険徴収法第42条の規定による命令に違反して報告をしなかった場合、当該使用人は6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処せられる。
    5. E労災保険の特別加入に係る一人親方等の団体が、当該団体の業務に関して、労働保険徴収法第42条の規定による命令に違反して文書を提出しなかった場合、当該団体は30万円以下の罰金に処せられる。

    正解:C

    解説

    正解はC。徴収法の罰則(46条〜48条)を問う問題で、両罰規定が法人でない労働保険事務組合にも及ぶ点が決め手である。

    A:正しい。事業主が42条の命令に違反して虚偽の記載をした文書を提出した場合は、6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処される(徴収法46条3号)。

    B:正しい。労働保険事務組合が36条の規定に違反して帳簿を備えて置かなかった場合は、違反行為をした代表者又は代理人、使用人その他の従業者が6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処される(徴収法47条1号)。

    C:誤り。法人でない労働保険事務組合も両罰規定の対象であり、従業者が業務に関して違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、労働保険事務組合にも罰金刑を科する(徴収法48条1項)。労働保険事務組合が罰金に処せられないとする点が誤りである。

    D:正しい。一人親方等の団体(労災法35条1項)が42条の命令違反等に該当する場合、違反行為をした代表者又は代理人、使用人その他の従業者も、事業主と同様に6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処される(徴収法46条後段・3号)。

    E:正しい。一人親方等の団体は48条1項の「法人」に含まれ、団体の業務に関する違反行為があったときは、団体にも46条の罰金刑(30万円以下)が科される(徴収法48条1項)。

  21. 問21

    雇用保険法

    雇用保険の被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人の事業に雇用される者(国家公務員退職手当法(昭和28年法律第182号)第2条第1項に規定する常時勤務に服することを要する国家公務員以外の者であって、同条第2項の規定により職員とみなされないものを除く。)は、厚生労働大臣の承認を受けることにより被保険者とならない。
    2. B市町村の事業に雇用される者は、雇用保険法の適用を受けることについて都道府県労働局長の承認を受けることにより被保険者となることができる。
    3. C地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第2項に規定する特定地方独立行政法人であって設立に当たり総務大臣の認可を受けたものの事業に雇用される者は、当該特定地方独立行政法人の長が雇用保険法を適用しないことについて、都道府県知事に申請し、その承認を受けることにより被保険者とならない。
    4. D国その他これに準ずるものの事業に雇用される非常勤職員(日雇労働者を含む。)であって労働者と認められる者は、国家公務員退職手当法第2条第2項の規定により同法上の職員とみなされ同法の適用を受けるに至るまでの間は、他の要件を満たす限り雇用保険の被保険者となり、職員とみなされ同法の適用を受けるに至ったときから被保険者とならない。
    5. E民間企業に雇用される労働者が地方公務員として出向する場合であって、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第38条第1項に規定する任命権者の兼業許可を受けている場合、当該出向元事業主との雇用関係を継続したまま地方公務員としての身分を併有しているときは、出向元事業主との雇用関係に係る被保険者とならない。

    正解:D

    解説

    正解はD。国・地方公共団体等の事業に雇用される者の適用除外(雇保法6条6号、雇保則4条1項)を問う問題である。承認が要るかどうかと、その申請先の区別が決め手である。

    A:誤り。国又は行政執行法人の事業に雇用される者(括弧書の者を除く)は、承認を要せず適用除外となる(雇保則4条1項1号)。承認が必要なのは都道府県等・市町村等の場合である。

    B:誤り。市町村等の事業に雇用される者は、市町村等の長が法を適用しないことについて都道府県労働局長に申請し、承認を受けた場合に適用除外となる(雇保則4条1項3号)。適用を受けることについての承認ではない。

    C:誤り。設立に当たり総務大臣の認可を受けた特定地方独立行政法人は「都道府県等」に当たり、その長が厚生労働大臣に申請して承認を受けたときに適用除外となる(雇保則4条1項2号)。都道府県知事への申請ではない。

    D:正しい。国等の非常勤職員で労働者と認められる者は、国家公務員退職手当法2条2項により職員とみなされて同法の適用を受けるに至るまでは、他の要件を満たす限り被保険者となり、同法の適用を受けるに至ったときから被保険者とならない(雇保則4条1項1号、行政解釈)。

    E:誤り。出向元との雇用関係を継続したまま地方公務員の身分を併有する場合でも、出向元との雇用関係については、他の要件を満たす限り被保険者となるとされる(行政解釈)。

  22. 問22

    雇用保険法

    被保険者資格の確認に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A雇用保険法第9条第1項の規定による被保険者となったこと又は被保険者でなくなったことの確認を受けた者が、事業主の届出による資格取得の日に誤りがあると考える場合は、資格取得日が相違していることについての確認請求を行うことができる。
    2. B労働者が被保険者であったことの確認をはじめて請求するとき、当該確認の請求は離職後2年を超えて行うことができる。
    3. C文書により確認の請求をしようとする者は、その者を雇用し又は雇用していた事業主の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に所定の請求書を提出しなければならない。
    4. D公共職業安定所長は、雇用保険法第9条第1項の規定による労働者が被保険者でなくなったことの確認をしたときは、雇用保険被保険者資格喪失確認通知書により、その旨を当該確認に係る者及びその者を雇用していた事業主(それらの所在が明らかでない場合を除く。)に通知しなければならない。
    5. E公共職業安定所長は、雇用保険法第9条の規定により被保険者となったことの確認をしたときは、その確認に係る者に雇用保険被保険者証を交付しなければならない。

    正解:A

    解説

    正解はA。被保険者資格の確認の請求・通知・被保険者証の交付を問う問題である。

    A:誤り。確認の請求(雇保法8条)は、被保険者となったこと又は被保険者でなくなったことについて確認を求めるものである(雇保法9条1項)。既に確認を受けた者が、資格取得日の相違だけを理由にこの確認請求をすることはできないとされている(行政解釈)。

    B:正しい。被保険者又は被保険者であった者は、いつでも確認を請求することができる(雇保法8条)。離職後2年を超えても請求できる。ただし、被保険者期間に算入されるのは、原則として確認があった日の2年前の日以後の期間に限られる(雇保法14条2項2号)。

    C:正しい。文書で確認の請求をしようとする者は、その者を雇用し又は雇用していた事業主の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に請求書を提出しなければならない(雇保則8条2項)。

    D:正しい。被保険者でなくなったことの確認をしたときは、雇用保険被保険者資格喪失確認通知書により、本人及び事業主に通知しなければならない(雇保則9条1項)。所在が明らかでない場合は公示の方法による(同条2項)。

    E:正しい。被保険者となったことの確認をしたときは、その確認に係る者に雇用保険被保険者証を交付しなければならない(雇保則10条1項)。交付は事業主を通じて行うことができる(同条2項)。

  23. 問23

    雇用保険法

    特定理由離職者及び特定受給資格者(雇用保険法第22条第2項に規定する就職困難者を除く。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A父又は母の死亡、疾病、負傷等のため、父又は母を扶養するために退職を余儀なくされた場合など、家庭の事情の急変により退職した者は、特定理由離職者に該当しない。
    2. B学校入学のために離職した者は、特定理由離職者に該当しない。
    3. Cオフィスコンピュータ機器が導入されたことにより、これまで有していた専門知識を十分に発揮する機会が失われた被保険者が、新たに導入された当該機器を取り扱うこととされたものの、当該機器に係るプログラム作成が困難であるなど新技術への適応が困難であることを理由に退職した場合、特定理由離職者に該当しない。
    4. D期間の定めのある労働契約の締結に際し、当該労働契約が更新されることが明示されており、更新を希望していたにもかかわらず更新されずに離職した者は、離職した事業所における通算雇用期間が3年以上でなければ特定受給資格者に該当しない。
    5. E事業の期間が予定されていない事業所において事業活動が停止し、再開される見込みがない場合であっても、裁判上の倒産手続がとられておらず、適用事業所が廃止されていないときは、事業活動が停止し、再開される見込がないことを理由に離職した者は、特定受給資格者に該当しない。

    正解:B

    解説

    正解はB。特定理由離職者と特定受給資格者の範囲を問う問題である。特定理由離職者は、期間満了で更新がなかった者のほか、正当な理由のある自己都合離職者を含む(雇保法13条3項、雇保則19条の2)。

    A:誤り。父又は母の死亡・疾病・負傷等のため父母を扶養する必要が生じて退職した場合など、家庭の事情の急変による離職は、正当な理由のある自己都合離職(雇保法33条1項)として特定理由離職者に当たる(雇保則19条の2第2号、行政解釈)。

    B:正しい。学校入学のための離職は、正当な理由のある自己都合離職に当たらないとされる(行政解釈)。したがって特定理由離職者に該当しない。

    C:誤り。新たな機器・技術が導入され、専門の知識・技能を発揮する機会を失い、新技術への適応が困難となって離職した場合は、正当な理由のある自己都合離職として扱われ、特定理由離職者に該当するとされる(雇保則19条の2第2号、行政解釈)。

    D:誤り。労働契約の締結に際し更新が明示されていたのに更新されずに離職した者は、通算雇用期間を問わず特定受給資格者に当たる(雇保則36条7号の2)。3年以上の要件があるのは、更新により3年以上引き続き雇用された後に更新されなかった場合(同条7号)である。

    E:誤り。「事業所の廃止」には事業活動が停止し再開する見込みがない場合を含み(雇保則35条3号)、これに伴い離職した者は特定受給資格者に当たる(雇保法23条2項1号)。裁判上の倒産手続や適用事業所の廃止の手続がとられている必要はない。

  24. 問24

    雇用保険法

    基本手当の支給手続に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A就職に伴う移管の場合を除き、受給資格者が他の公共職業安定所の管轄内に住居を変更した場合、基本手当の支給は移管の手続が終了した後に行われる。
    2. B基本手当の支給を口座振込の方法によって受ける場合、指定する振込先普通預金又は普通貯金の口座は、受給資格者本人の同意がある場合に限り、当該受給資格者と生計を同じくする配偶者名義の口座を指定することができる。
    3. C受給資格者が公共職業安定所への出頭に要する時間が通常の交通機関を利用して往復6時間以上要する離島等特殊遠隔地(厚生労働省職業安定局長の承認を受けた地域に限る。)に居住し、失業の認定を受けるために出頭するのに多額の費用を必要とする場合、当該受給資格者の居住する市町村長の取次ぎにより、失業の認定及び基本手当の支給を受けることができる。
    4. D基本手当の受給資格者(口座振込受給資格者を除く。)が疾病、負傷、就職その他やむを得ない理由によって、支給日に管轄公共職業安定所に出頭することができないときは、その代理人が当該受給資格者に支給されるべき基本手当の支給を受けることができる。
    5. E管轄公共職業安定所の長は、受給資格者に公共職業訓練等を受けることを指示したときは、その者について支給日を新たに定め、その者に通知するものとされている。

    正解:B

    解説

    正解はB。基本手当の支給手続(住居変更、口座振込、遠隔地の取次ぎ、代理人受給、支給日)を問う問題である。

    A:正しい。就職に伴う場合を除き、受給資格者が他の公共職業安定所の管轄区域内に住居を変更した場合は、新住所地の安定所に受給資格者の事務が移管され、基本手当の支給は移管の手続が終了した後に行われる(行政解釈)。

    B:誤り。口座振込の振込先は、受給資格者本人名義の普通預金又は普通貯金の口座に限られる(行政解釈)。本人の同意があっても、生計を同じくする配偶者名義の口座は指定できない。

    C:正しい。出頭に通常の交通機関で往復6時間以上を要する離島等の特殊遠隔地(厚生労働省職業安定局長の承認を受けた地域)に居住し、出頭に多額の費用を要する受給資格者は、市町村長の取次ぎにより失業の認定及び基本手当の支給を受けることができる(行政解釈)。

    D:正しい。口座振込受給資格者以外の受給資格者が、疾病、負傷、就職その他やむを得ない理由で支給日に出頭できないときは、代理人が基本手当の支給を受けることができる(雇保則46条)。

    E:正しい。管轄公共職業安定所の長は、受給資格者に公共職業訓練等を受けることを指示したときは、その者の支給日を新たに定め、その者に通知する(雇保則43条2項)。

  25. 問25

    雇用保険法

    延長給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A基本手当の所定給付日数を超えて基本手当を支給することができる広域延長給付は、60日を限度とする。
    2. B雇用保険法第27条第1項に基づき全国延長給付を支給する措置は、連続する4月間内の各月における基本手当の受給率(雇用保険法施行令第7条第1項第1号に規定する率をいう。)が100分の4を超え、かつ、当該連続する4月間内の各月における初回受給率(雇用保険法施行令第7条第1項第2号に規定する率をいう。)が、当該期間内において低下する傾向にない状態が継続すると認められる場合に実施される。
    3. C厚生労働大臣は、その地域において職業に就くことが困難であると認める地域に居住する求職者が他の地域において職業に就くことを促進するための計画を作成し、関係都道府県労働局長及び公共職業安定所長に当該計画に基づく広範囲の地域にわたる職業紹介活動を行わせた場合、受給資格者に対し所定給付日数を超えて基本手当を支給する措置を決定することができる。
    4. D個別延長給付を受けている受給資格者は、当該個別延長給付が終わった後でなければ全国延長給付を受けることができない。
    5. E訓練延長給付を受けている受給資格者について広域延長給付が行われる間、当該受給資格者について訓練延長給付は行われない。

    正解:A

    解説

    正解はA。延長給付の日数・発動要件と、延長給付どうしの調整を問う問題である。

    A:誤り。広域延長給付で所定給付日数を超えて支給する日数は、政令で定める日数(90日)を限度とする(雇保法25条1項後段、雇保令6条3項)。60日ではない。

    B:正しい。全国延長給付は、連続する4月間の各月の基本手当の受給率が100分の4を超え、かつ各月の初回受給率が低下する傾向になく、これらの状態が継続すると認められる場合に実施される(雇保法27条1項、雇保令7条1項)。

    C:正しい。厚生労働大臣は、求職者が他の地域で職業に就くことを促進するための計画を作成し、関係都道府県労働局長及び公共職業安定所長に広範囲の地域にわたる職業紹介活動を行わせた場合に、所定給付日数を超えて基本手当を支給する措置を決定することができる(雇保法25条1項)。

    D:正しい。個別延長給付を受けている受給資格者については、個別延長給付が終わった後でなければ広域延長給付、全国延長給付及び訓練延長給付は行わない(雇保法28条1項)。

    E:正しい。訓練延長給付を受けている受給資格者について広域延長給付が行われることとなったときは、その間は訓練延長給付を行わない(雇保法28条2項)。

  26. 問26

    雇用保険法

    高年齢被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A高年齢受給資格者は、公共職業安定所長の指示により公共職業訓練等を受講することとなった場合、技能習得手当を受給することができる。
    2. B高年齢受給資格者は、求職の申込みをした後に疾病又は負傷により引き続き15日以上職業に就くことができなくなった場合、傷病手当を受給することができる。
    3. C高年齢求職者給付金の支給を受けるためには、離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12か月以上あることが必要である。
    4. D高年齢求職者給付金は、高年齢受給資格に係る失業の認定があった日から受給期限日(離職の日の翌日から起算して1年を経過する日)までの日数が、算定基礎期間に応じた所定の給付日数未満であるときは、当該給付日数にかかわらず、当該認定があった日から受給期限日までの日数分のみが支給される。
    5. E高年齢受給資格者が離職の日の翌日から起算して1年を経過する日までの間に疾病又は負傷により引き続き15日以上職業に就くことができない場合、管轄公共職業安定所の長に申し出ることにより、高年齢求職者給付金の支給を受けることができる期限を1年間延長することができる。

    正解:D

    解説

    正解はD。高年齢被保険者の求職者給付(高年齢求職者給付金)の要件・額・期限を問う問題である。

    A:誤り。高年齢被保険者には、一般被保険者の求職者給付の節(14条を除く)が適用されない(雇保法37条の2第2項)。技能習得手当は支給されない。

    B:誤り。同じく傷病手当も支給されない(雇保法37条の2第2項)。

    C:誤り。高年齢受給資格の要件は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あることである(雇保法37条の3第1項)。2年間に12か月以上ではない。

    D:正しい。高年齢求職者給付金の額は、算定基礎期間に応じ基本手当の日額の50日分(1年以上)又は30日分(1年未満)だが、失業の認定があった日から受給期限日までの日数がこれに満たないときは、その日数分となる(雇保法37条の4第1項)。

    E:誤り。高年齢求職者給付金の受給期限は離職の日の翌日から起算して1年を経過する日まで(雇保法37条の4第5項)であり、疾病・負傷を理由に受給期限を延長する仕組みはない。

  27. 問27

    雇用保険法

    次の①から⑧の過程を経た者の、⑧の育児休業開始に伴う育児休業給付金の受給資格確認において、みなし被保険者期間の長さとして適切なものはどれか。 なお、各事業所での就業期間中に③⑥⑦⑧の期間を除く欠勤・休職期間はなく、就業期間中の各月における賃金支払基礎日数はすべて20日以上であった。 ① 22歳0月で適用事業所Xに、週所定労働時間が8時間の短時間労働者として雇用された。 ② 23歳0月でXにおける週所定労働時間が33時間に変更され、初めて一般被保険者となった。 ③ 24歳0月から私傷病により引き続き18か月間Xを休職したが、その休職の期間賃金は受けなかった。 ④ 25歳6月で当該私傷病によるXの休職期間が満了したことで、Xを退職した。 ⑤基本手当の受給資格の決定を受けることなく、25歳7月で適用事業所Yに一般被保険者として雇用された。 ⑥ 25歳10月から産前休業を開始したが、その休業の間賃金は受けなかった。 ⑦ 26歳0月で出産し、産後休業を開始したが、その休業の間賃金は受けなかった。 ⑧ 26歳2月から育児休業を開始した(令和3年9月1日以降)。

    1. A3か月
    2. B12か月
    3. C15か月
    4. D18か月
    5. E19か月

    正解:C

    解説

    正解はC(15か月)。育児休業給付金のみなし被保険者期間(雇保法61条の7)を、経歴に当てはめて数える計算問題である。

    みなし被保険者期間は、育児休業を開始した日を被保険者でなくなった日とみなして14条を適用した場合の被保険者期間に相当する期間である(雇保法61条の7第3項)。数える範囲は休業開始日前2年間だが、その間に疾病・負傷・出産等で引き続き30日以上賃金の支払を受けられなかった者は、その日数を2年に加算する(最長4年。同条1項、雇保則101条の29)。

    ①②:Xで週8時間の間は被保険者でないので数えない。一般被保険者となった23歳0月から数える。③:24歳0月からの18か月の私傷病休職は無給なので、この間の月は被保険者期間にならない。一方で、算定の範囲を延ばす事由になる。④⑤:Xを退職した後、受給資格の決定を受けずに翌月Yで被保険者となったので、Xでの被保険者期間も通算できる(行政解釈)。⑥⑦:産前産後休業も無給なので被保険者期間にならず、出産による加算の対象となる。

    ⑧の育児休業開始は26歳2月で、その前2年間は24歳2月以降である。この中に私傷病休職と産前産後休業の無給期間が含まれ、それらを2年に加えると範囲は23歳0月より前まで遡る(4年以内に収まる)。

    数える月は、Xで一般被保険者として就労した23歳0月〜24歳0月の12か月と、Yで就労した25歳7月〜25歳10月の3か月で、合計15か月となる。12か月以上あるので、産前休業開始日を基準とする特例(同条4項)を使う必要もない。よってC。

  28. 問28

    徴収法

    労働保険徴収法等の規定により、保険関係が成立した次の事業の事業主が提出すべき保険関係成立届の提出先等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A二元適用事業に係る雇用保険関係成立届の提出先は、所轄公共職業安定所長である。
    2. B一元適用事業であって、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託していないもののうち、労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業に係る保険関係成立届の提出先は、所轄労働基準監督署長である。
    3. C一元適用事業であって、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託していないもののうち、雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業に係る保険関係成立届の提出先は、所轄公共職業安定所長である。
    4. D一元適用事業であって、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している事業に係る保険関係成立届の提出先は、所轄公共職業安定所長である。
    5. E有期事業であって、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託していない社会保険適用事業所(厚生年金保険又は健康保険の適用事業所をいう。)の事業主は、保険関係成立届を年金事務所(日本年金機構法(平成19年法律第109号)第29条の年金事務所をいう。)を経由して提出することができる。

    正解:E

    解説

    正解はE。保険関係成立届の提出先と、年金事務所を経由できる範囲を問う問題である(徴収則1条、4条2項、78条2項)。

    A:正しい。二元適用事業の雇用保険に係る保険関係成立届は、雇用保険に係る保険関係のみに係る事務として所轄公共職業安定所長に提出する(徴収則1条1項3号、4条2項)。

    B:正しい。労働保険事務組合に委託していない一元適用事業(徴収則1条3項1号の事業)で両保険関係が成立している事業の成立届は、所轄労働基準監督署長に提出する(徴収則1条1項2号、4条2項)。

    C:正しい。雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業の成立届は、所轄公共職業安定所長に提出する(徴収則1条1項3号、4条2項)。

    D:正しい。労働保険事務組合に委託している一元適用事業(徴収則1条3項2号の事業)の成立届は、所轄公共職業安定所長に提出する(徴収則1条1項3号、4条2項)。

    E:誤り。社会保険適用事業所の事業主が成立届を年金事務所を経由して提出できるのは、有期事業以外の事業に係るものに限られる(徴収則78条2項)。有期事業の成立届は年金事務所を経由できない。

  29. 問29

    徴収法

    労働保険の保険料の徴収等に関して、次の状況にある事業主が納付すべき延滞金の記述のうち、正しいものはどれか。 なお、本問においては労働保険徴収法第28条第1項に規定する延滞金の割合(年14.6%及び年7.3%)を適用し、租税特別措置法(昭和32年法律第26号) 第94条第1項に規定する延滞税特例基準割合は考慮しないものとする。

    1. A法定納期限が令和8年7月10日の概算保険料100,000円を滞納している事業主に対して、所轄都道府県労働局歳入徴収官が当該概算保険料の納付を督促し、督促状に記された指定期限が同年8月31日であるとき、当該事業主が同年8月31日に完納した場合に納付すべき延滞金は1,000円となる。
    2. B法定納期限が令和8年7月10日の概算保険料100,000円を滞納している事業主に対して、所轄都道府県労働局歳入徴収官が当該概算保険料の納付を督促し、督促状に記された指定期限が同年8月31日であるとき、当該事業主が同年9月30日に完納した場合に納付すべき延滞金は3,200円となる。
    3. C法定納期限が令和8年7月10日の概算保険料100,000円を滞納している事業主の住所及び居所が明らかでないため、同年8月10日に都道府県労働局の掲示場に公示送達書が掲示されたとき、当該事業主が同年8月19日に完納した場合に納付すべき延滞金は700円となる。
    4. D法定納期限が令和8年10月31日の概算保険料10,000円を滞納している事業主に対して、所轄都道府県労働局歳入徴収官が当該概算保険料の納付を督促し、督促状に記された指定期限が同年12月15日であるとき、当該事業主が同年12月20日に完納した場合に納付すべき延滞金は98円となる。
    5. E法定納期限が令和8年10月31日の概算保険料100,000円を滞納している事業主に対して、所轄都道府県労働局歳入徴収官が当該概算保険料の納付を督促し、督促状に記された指定期限が同年12月20日であるとき、当該事業主が同年12月10日に滞納概算保険料の一部50,000円を納付していた場合、当該事業主が翌年1月20日に完納した場合に納付すべき延滞金は1,300円となる。

    正解:E

    解説

    正解はE。延滞金(徴収法28条)の計算問題である。延滞金は、納期限の翌日から完納の日の前日までの日数に応じ、納期限の翌日から2月を経過する日までは年7.3%、その後は年14.6%で計算する(同条1項)。一部納付後は残額を基礎とし(同条2項)、保険料額の1,000円未満と延滞金の100円未満の端数は切り捨てる(同条3項・4項)。督促状の指定期限までに完納したとき、公示送達で督促したとき、延滞金が100円未満のときは徴収しない(同条5項)。

    A:誤り。督促状の指定期限(8月31日)までに完納しているので、延滞金は徴収しない(徴収法28条5項1号)。

    B:誤り。7月11日〜9月10日の62日は年7.3%で、100,000円×7.3%×62/365=1,240円。9月11日〜9月29日の19日は年14.6%で、100,000円×14.6%×19/365=760円。合計2,000円であり、3,200円ではない。

    C:誤り。住所及び居所が明らかでないため公示送達の方法で督促したときは、延滞金を徴収しない(徴収法28条5項2号)。

    D:誤り。11月1日〜12月19日の49日で、10,000円×7.3%×49/365=98円。延滞金が100円未満なので徴収しない(徴収法28条5項3号)。

    E:正しい。11月1日〜12月9日の39日は100,000円×7.3%×39/365=780円。12月10日の一部納付以後は残額50,000円が基礎となり、12月10日〜12月31日の22日は50,000円×7.3%×22/365=220円。翌年1月1日〜1月19日の19日は2月経過後なので年14.6%で、50,000円×14.6%×19/365=380円。合計1,380円の100円未満を切り捨てて1,300円となる。

  30. 問30

    徴収法

    労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A労働保険事務組合は、労働保険事務の処理を委託している事業主ごとに労働保険事務等処理委託事業主名簿、労働保険料等徴収及び納付簿、(雇用保険に係る保険関係が成立している事業にあっては)雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿を事務所に備えておかなければならず、これら3つの帳簿すべてに当該事業主の事業が労働保険徴収法施行規則第68条に規定する5人未満委託事業、5人以上15人以下委託事業又はそれ以外の事業のいずれの事業に該当するかの別を記載する項目がある。
    2. B政府は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託した事業主に対してすべき概算保険料の超過納付額の還付について、当該事業主に対して還付せずに当該労働保険事務組合に対してすることができる。
    3. C労働保険事務組合が政府から労働保険料に係る報奨金の交付を受けるには、7月10日において、常時15人以下の労働者を使用する事業の事業主の委託に係るものにつき、前年度の確定保険料の額(当該確定保険料に係る追徴金又は延滞金を納付すべき場合にあっては、当該確定保険料の額と当該追徴金又は延滞金の額との合計額)のすべてが納付されていることが、その要件の一つに定められている。
    4. D事業主が労働保険事務組合に処理を委託することができる労働保険事務の範囲に「雇用保険の被保険者資格の取得及び喪失の届出」は含まれるが、「雇用保険の保険給付に関する請求書等に係る事務手続及びその代行」は当該範囲に含まれない。
    5. E労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の業務を廃止しようとするときは、60日前までに、業務の廃止に係る届書を労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出することにより、業務廃止の旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

    正解:C

    解説

    正解はC。労働保険事務組合の帳簿、還付、報奨金、委託できる事務の範囲、業務の廃止を問う問題である。

    A:正しい。労働保険事務組合は、労働保険事務等処理委託事業主名簿、労働保険料等徴収及び納付簿、(雇用保険に係る保険関係が成立している事業については)雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿を備え、いずれにも5人未満委託事業、5人以上15人以下委託事業又はそれ以外の事業の別を記載する(徴収則68条1号イ・2号イ・3号イ)。

    B:正しい。政府は、労働保険事務組合に委託した事業主に対してすべき還付金の還付を、労働保険事務組合に対してすることができる(徴収法34条)。

    C:誤り。報奨金の要件は「労働保険事務組合に対する報奨金に関する省令」に定められており、常時15人以下の事業主の委託に係る前年度の労働保険料について、10月10日において確定保険料額の100分の95以上が納付されていることとされている。7月10日においてすべてが納付されていることではない。

    D:正しい。雇用保険の被保険者資格の取得・喪失の届出は委託できる労働保険事務に含まれるが、保険給付に関する請求書等に係る事務手続及びその代行は含まれない(行政解釈)。

    E:正しい。労働保険事務組合は、業務を廃止しようとするときは、60日前までにその旨を厚生労働大臣に届け出なければならない(徴収法33条3項)。届書は主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出する。

  31. 問31

    労務管理その他の労働に関する一般常識

    我が国の若年者雇用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問は、「令和5年若年者雇用実態調査(厚生労働省)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。 当該調査では、「若年労働者」を令和5年10月1日時点で満15歳から34歳までの労働者とし、「若年正社員」を若年労働者のうち正社員の者としている。

    1. A「若年正社員がいる」事業所の割合を産業別にみると、「宿泊業,飲食サービス業」が最も高く、次いで「教育,学習支援業」となっている。
    2. B「正社員以外の若年労働者がいる」事業所の割合を産業別にみると、「金融業,保険業」が最も高く、次いで「電気・ガス・熱供給・水道業」となっている。
    3. C若年正社員の採用選考をした事業所のうち、採用選考にあたり重視した点(複数回答)について採用区分別にみると、「新規学卒者」、「中途採用者」とも「業務に役立つ職業経験・訓練経験」がそれぞれ最も高くなっている。次いで「新規学卒者」、「中途採用者」とも「コミュニケーション能力」、「マナー・社会常識」の順となっている。
    4. D若年正社員の育成方法(複数回答)についてみると、「OJT」が最も高く、次いで「OFF-JT」、「自己啓発への支援」、「ジョブローテーション」の順となっている。
    5. E正社員以外の労働者を正社員へ転換させる「制度がある」事業所は約3割となっている。

    正解:D

    解説

    正解はD。「令和5年若年者雇用実態調査(厚生労働省)」の事業所調査の結果を問う問題である。

    A:誤り。「若年正社員がいる」事業所割合が最も高いのは「金融業,保険業」で、次いで「電気・ガス・熱供給・水道業」である。本肢の「宿泊業,飲食サービス業」「教育,学習支援業」は、「正社員以外の若年労働者がいる」事業所割合の1位・2位であり、Bと入れ替えている。

    B:誤り。「正社員以外の若年労働者がいる」事業所割合は「宿泊業,飲食サービス業」が最も高く、次いで「教育,学習支援業」である。

    C:誤り。採用選考で重視した点は、「新規学卒者」「中途採用者」とも「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」が最も高く、次いで「コミュニケーション能力」「マナー・社会常識」の順である。「業務に役立つ職業経験・訓練経験」が最も高いのではない。

    D:正しい。若年正社員の育成方法(複数回答)は「OJT」が最も高く、次いで「OFF-JT」「自己啓発への支援」「ジョブローテーション」の順である。

    E:誤り。正社員以外の労働者を正社員へ転換させる「制度がある」事業所は59.9%で約6割である。約3割ではない。

  32. 問32

    労務管理その他の労働に関する一般常識

    我が国の雇用管理の実態等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 なお、本問は、「令和6年度雇用均等基本調査(企業調査) (厚生労働省)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。

    1. A新規学卒者の採用を行った企業を規模別にみると、企業規模が大きいほど女性を採用した企業割合が高い傾向にある。
    2. B男性のみ採用した採用区分があった企業が、男性のみ採用した理由(複数回答)については、「女性の応募がなかった」とする企業割合が最も高く、次いで「女性の応募はあったが、採用前に辞退された」、「女性の応募はあったが、試験の成績等が採用基準に達していなかった」の順となっている。
    3. C係長相当職以上(役員を含む。)の女性管理職等を有する企業割合は約4割、課長相当職以上(役員を含む。)の女性管理職を有する企業割合は約3割となっている。
    4. D課長相当職以上(役員を含む。)の管理職に占める女性の割合を産業別にみると、「医療,福祉」が最も高く、次いで「生活関連サービス業,娯楽業」、「宿泊業,飲食サービス業」、「教育,学習支援業」の順となっている。
    5. Eセクシュアルハラスメントを防止するための対策に「取り組んでいる」と回答した企業割合は約9割となっている。

    正解:C

    解説

    正解はC。「令和6年度雇用均等基本調査(企業調査)(厚生労働省)」の結果を問う問題である。

    A:正しい。新規学卒者の採用を行った企業を規模別にみると、企業規模が大きいほど女性を採用した企業割合が高い傾向にある。

    B:正しい。男性のみ採用した理由(複数回答)は「女性の応募がなかった」(71.2%)が最も高く、次いで「女性の応募はあったが、採用前に辞退された」(13.2%)、「女性の応募はあったが、試験の成績等が採用基準に達していなかった」(7.7%)の順である。

    C:誤り。係長相当職以上(役員を含む)の女性管理職等を有する企業割合は64.4%で約6割、課長相当職以上(役員を含む)の女性管理職を有する企業割合は54.9%で約5割である。本肢の「約4割」「約3割」はいずれも合わない。

    D:正しい。課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は「医療,福祉」(50.4%)が突出して高く、「生活関連サービス業,娯楽業」(26.0%)、「宿泊業,飲食サービス業」(21.0%)、「教育,学習支援業」(21.0%)と続いている。

    E:正しい。セクシュアルハラスメントを防止するための対策に「取り組んでいる」企業割合は89.9%で、約9割である。

  33. 問33

    労務管理その他の労働に関する一般常識

    我が国における労働争議に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は、「令和6年労働争議統計調査(厚生労働省)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。 当該調査では、「争議行為を伴う争議」を争議行為(同盟罷業、作業所閉鎖、怠業、その他(業務管理等))を伴う争議のこととし、「労働損失日数」を半日以上の同盟罷業又は作業所閉鎖が行われた期間に労働者が実際に半日以上の同盟罷業に参加した又は作業所閉鎖の対象となったことによって労働に従事しなかった延べ日数のこととし、「総争議」を当該調査の対象となるすべての労働争議のこととしている。

    1. A「争議行為を伴う争議」を産業別にみると、件数は「医療,福祉」が最も多く、次いで「製造業」、「運輸業,郵便業」の順となっている。
    2. B「争議行為を伴う争議」を産業別にみると、労働損失日数は「運輸業,郵便業」が最も多く、次いで「製造業」、「医療,福祉」の順となっている。
    3. C民営企業における「争議行為を伴う争議」があった企業数(延べ数)を企業規模(「99人以下」、「100~299人」、「300~999人」、「1,000人以上」)別にみると、「300~999人」で最も多くなっている。
    4. D民営企業における「争議行為を伴う争議」による労働損失日数を企業規模別にみると、「1,000人以上」で最も多くなっている。
    5. E「総争議」の件数を要求事項別(主要要求事項2つまでの複数回答)にみると、「組合保障及び労働協約」に関する事項が最も多く、次いで「経営・雇用・人事」に関する事項、「賃金」に関する事項の順となっている。

    正解:E

    解説

    正解はE。「令和6年労働争議統計調査(厚生労働省)」の結果を問う問題である。

    A:正しい。「争議行為を伴う争議」の件数は「医療,福祉」(35件)が最も多く、次いで「製造業」(12件)、「運輸業,郵便業」(11件)である。

    B:正しい。労働損失日数は「運輸業,郵便業」(1,277日)が最も多く、次いで「製造業」(558日)、「医療,福祉」(411日)である。

    C:正しい。民営企業における「争議行為を伴う争議」があった企業数(延べ数)は、「300~999人」規模で最も多い。

    D:正しい。民営企業における「争議行為を伴う争議」による労働損失日数は、「1,000人以上」規模で最も多い。

    E:誤り。「総争議」の件数を要求事項別にみると、「賃金」に関する事項(154件)が最も多く、次いで「組合保障及び労働協約」に関する事項(94件)、「経営・雇用・人事」に関する事項(90件)の順である。「組合保障及び労働協約」が最も多いとする点が誤りである。

  34. 問34

    労務管理その他の労働に関する一般常識

    労働契約法等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A労働契約法第3条第5項は、権利濫用の禁止の原則を規定しているが、この規定は同法第3章に定める出向、懲戒及び解雇に関する権利濫用の禁止を確認したものであり、同章で規定していない労働契約の場面では、権利濫用の禁止の原則は適用されない。
    2. B請負人と雇用契約を締結し注文者の工場に派遣されていた労働者が、注文者から直接具体的な指揮命令を受けて作業に従事していたために、請負人と注文者の関係がいわゆる偽装請負に当たり、上記の派遣を労働者派遣法に違反する労働者派遣と解すべき場合において、⑴上記雇用契約は有効に存在していたこと、⑵注文者が請負人による当該労働者の採用に関与していたとは認められないこと、⑶当該労働者が請負人から支給を受けていた給与等の額を注文者が事実上決定していたといえるような事情はうかがわれないこと、⑷請負人が配置を含む当該労働者の具体的な就業態様を一定の限度で決定し得る地位にあったことなど判示の事情の下であっても、当該労働者が注文者から直接具体的な指揮命令を受けて作業に従事していたことをもって、注文者と当該労働者との間に雇用契約関係が黙示的に成立していたといえるとするのが、最高裁判所の判例である。
    3. C労働契約法第7条により、労働契約において労働条件を詳細に定めずに労働者が就職した場合でも、合理的な労働条件が定められている就業規則であるという要件さえ満たしていれば、当該就業規則を労働者に周知させていなくても、当該就業規則で定める労働条件が労働契約の内容を補充し、「労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件による」という法的効果が生じる。
    4. D労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分についても、合意の内容が就業規則で定める基準に達しない場合には、就業規則の内容が優先されることとなる。
    5. E従業員が職場で上司に対する暴行事件を起こしたことなどが就業規則所定の懲戒解雇事由に該当するとして、使用者が捜査機関による捜査の結果を待った上で上記暴行事件から7年以上経過した後に諭旨退職処分を行った場合において、上記暴行事件には目撃者が存在しており、捜査の結果を待たずとも使用者において処分を決めることが十分に可能であったこと、上記諭旨退職処分がされた時点で企業秩序維持の観点から重い懲戒処分を行うことを必要とするような状況はなかったことなど判示の事情の下であっても、就業規則所定の懲戒解雇事由を厳正に解釈して、上記諭旨退職処分は、権利の濫用として無効であるとまではいえないとするのが、最高裁判所の判例である。

    正解:D

    解説

    正解はD。労働契約法の条文と、偽装請負・懲戒の最高裁判例を問う問題である。

    A:誤り。労契法3条5項は、労働契約に基づく権利の行使全般について権利濫用を禁止する一般原則である。出向・懲戒・解雇(労契法14条〜16条)の規定はこれを場面ごとに具体化したもので、3条5項の適用をそれらの場面に限るものではない。

    B:誤り。偽装請負の事案で、判示の事情(請負人との雇用契約は有効に存在、注文者は採用に関与していない、給与額を事実上決定していない、請負人が配置を含む就業態様を一定の限度で決定し得た)の下では、注文者から直接指揮命令を受けていたことをもって、注文者と労働者との間に雇用契約関係が黙示的に成立していたとはいえないとするのが、最高裁判所の判例である。

    C:誤り。労契法7条の効果が生じるには、合理的な労働条件が定められた就業規則を労働者に周知させていたことが必要である(労契法7条本文)。周知がなければ、その就業規則の労働条件が労働契約の内容にはならない。

    D:正しい。就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分は、就業規則の変更の影響を受けないが、12条に該当する場合は除かれる(労契法10条ただし書)。合意の内容が就業規則で定める基準に達しない場合は、その部分は無効となり、就業規則で定める基準による(労契法12条)。

    E:誤り。暴行事件から7年以上経過した後の諭旨退職処分について、判示の事情(目撃者がいて捜査の結果を待たずに処分を決められた、処分時点で重い懲戒処分を必要とする状況になかった)の下では、処分は社会通念上相当なものとは認められず、権利の濫用として無効であるとするのが、最高裁判所の判例である(労契法15条参照)。

  35. 問35

    労務管理その他の労働に関する一般常識

    社会保険労務士法令に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A社会保険労務士法第1条は、「この法律は、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正を図り、もつて労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的とする。」と定めている。
    2. B社会保険労務士が、「労働社会保険諸法令に基づく療養の給付及びこれに相当する給付の費用についてこれらの給付を担当する者のなす請求に関する事務」を、社会保険労務士の名称を用いず、医療機関と個人の契約に基づいて行うことは、社会保険労務士法上、問題ないこととされている。
    3. C社会保険労務士の業務のうち、社会保険労務士法第2条第1項第1号の3に定める「事務代理」は、同号に定める申請等及びこれらに係る行政機関等の調査又は処分に対してする主張又は陳述の事実行為にとどまるから、代理人の判断で法律行為を行う余地はなく、代理人には、行政機関等の許可、決定等の受領、申請等の撤回、委任の範囲外の申請等の内容の変更等を行う権限はないと解される。
    4. D社会保険労務士が、新たに開業するために事務所を設けるに至ったとき等、社会保険労務士名簿に新たに登録事項を追加する場合は、社会保険労務士法第14条の4に基づき、変更の登録を申請しなければならない。
    5. E他人の求めに応じ報酬を得て、社会保険労務士法第2条に規定する事務を業として行う社会保険労務士(社会保険労務士法人の社員を除く。)は、厚生労働大臣の許可を受けていない限り、その業務を行うための事務所を2以上設けてはならない。

    正解:A

    解説

    正解はA。社会保険労務士法の1条の改正と、業務の範囲・登録・事務所を問う問題である。

    A:誤り。本肢の文言は改正前の1条(目的)である。令和7年の社会保険労務士法改正(2025年6月25日施行)で1条は「社会保険労務士の使命」に改められ、労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施を通じて適切な労務管理の確立及び個人の尊厳が保持された適正な労働環境の形成に寄与することにより、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上並びに社会保障の向上及び増進に資し、もって豊かな国民生活及び活力ある経済社会の実現に資することを使命とする、と定めている(社労士法1条)。法令基準日(令和8年4月10日)には既に施行されている。

    B:正しい。療養の給付及びこれに相当する給付の費用についてこれらの給付を担当する者のなす請求に関する事務は、社会保険労務士の業務に含まれない(社労士法2条4項)。社会保険労務士の業務でないので、名称を用いず医療機関との個人の契約に基づいて行うことは社労士法上問題ないとされる(行政解釈)。

    C:正しい。事務代理(社労士法2条1項1号の3)は申請等や主張・陳述という事実行為の代理にとどまり、行政機関等の許可・決定等の受領、申請等の撤回、委任の範囲外の申請等の内容の変更等を行う権限はないと解されている(行政解釈)。

    D:正しい。社会保険労務士名簿に登録を受けた事項に変更を生じたときは、遅滞なく変更の登録を申請しなければならない(社労士法14条の4)。新たに開業して事務所を設けるなど登録事項を追加する場合も、変更の登録による(行政解釈)。

    E:正しい。開業社会保険労務士は、業務を行うための事務所を2以上設けてはならないが、特に必要がある場合において厚生労働大臣の許可を受けたときはこの限りでない(社労士法18条1項)。

  36. 問36

    社会保険に関する一般常識

    確定給付企業年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A確定給付企業年金法第2条第3項によると、確定給付企業年金法において「厚生年金保険の被保険者」とは、厚生年金保険法第2条の5第1項第1号に規定する第1号厚生年金被保険者のみをいう。
    2. B確定給付企業年金法第30条第1項によると、給付を受ける権利(以下本問において「受給権」という。)は、その権利を有する者の請求に基づいて、事業主(企業年金基金を設立して実施する確定給付企業年金を実施する場合にあっては、企業年金基金。以下本問において「事業主等」という。)が裁定する。
    3. C確定給付企業年金法第34条第1項及び第2項によると、受給権は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢給付金、脱退一時金及び障害給付金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。また、租税その他の公課は、遺族給付金として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
    4. D確定給付企業年金法第55条第1項及び第2項によると、事業主は、給付に関する事業に要する費用に充てるため、規約で定めるところにより、年1回以上、定期的に掛金を拠出しなければならない。加入者は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、当該掛金の一部を負担しなければならない。
    5. E事業主等は、毎事業年度終了後6か月以内に、厚生労働省令で定めるところにより、確定給付企業年金の事業及び決算に関する報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。

    正解:B

    解説

    正解はB。確定給付企業年金法の定義・裁定・受給権の保護・掛金・報告書を条文どおりに覚えているかを問う。Bは30条1項そのままである。

    A:誤り。2条3項の「厚生年金保険の被保険者」は、第1号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者に限られる。第1号だけではない。

    B:正しい。受給権は、受給権者の請求に基づいて事業主等が裁定する(30条1項)。

    C:誤り。国税滞納処分による差押えが例外的に許されるのは老齢給付金・脱退一時金・遺族給付金を受ける権利であり、租税その他の公課を課することができないのは障害給付金として支給を受けた金銭である(34条1項・2項)。問題文は障害給付金と遺族給付金が入れ替わっている。

    D:誤り。事業主が年1回以上定期的に掛金を拠出する点は正しい(55条1項)。しかし加入者は掛金の一部を負担「することができる」のであり(同条2項)、負担の義務はない。

    E:誤り。報告書は毎事業年度終了後4月以内に厚生労働大臣に提出する(100条1項)。6か月ではない。

  37. 問37

    社会保険に関する一般常識

    確定拠出年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A確定拠出年金法において「個人型年金加入者」とは、個人型年金において、掛金を拠出し、かつ、その個人別管理資産について運用の指図を行う者をいう。
    2. B確定拠出年金法第19条第2項によると、事業主掛金の額は、企業型年金規約で定めるものとする。
    3. C確定拠出年金法第40条によると、企業型年金の死亡一時金は、企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が死亡したときに、その者の遺族に、資産管理機関が企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づいて、支給する。
    4. D確定拠出年金法第70条の2第1項によると、中小事業主は、同法第68条の2第1項の規定により中小事業主掛金を拠出するときは、個人型年金規約で定めるところにより、確定拠出年金運営管理機関に納付するものとする。
    5. E確定拠出年金法第88条第1項及び第2項によると、確定拠出年金運営管理業は、主務大臣の登録を受けた法人でなければ、営んではならない。銀行その他の政令で定める金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、当該登録を受けて確定拠出年金運営管理業を営むことができる。

    正解:D

    解説

    正解はD。確定拠出年金法の定義・掛金・死亡一時金・中小事業主掛金・運営管理業の登録を問う。決め手は中小事業主掛金の納付先である。

    A:正しい。2条10項の定義どおり。

    B:正しい。事業主掛金の額は企業型年金規約で定める(19条2項)。事業主は年1回以上定期的に掛金を拠出する(同条1項)。

    C:正しい。40条の条文どおり。死亡一時金は、資産管理機関が企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づいて遺族に支給する。

    D:誤り。中小事業主掛金は、個人型年金規約で定めるところにより国民年金基金連合会に納付する(70条の2第1項)。確定拠出年金運営管理機関に納付するのではない。

    E:正しい。88条1項・2項の条文どおり。

  38. 問38

    社会保険に関する一般常識

    国民健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A国民健康保険法第5条第1項及び同法第6条第1項によると、都道府県の区域内に住所を有する世帯主は、当該都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険の被保険者とする。なお、世帯主に扶養される者は、当該国民健康保険の被扶養者とする。しかしながら、健康保険法の規定による被保険者及び健康保険法の規定による被扶養者は都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険の被保険者としない。
    2. B国民健康保険法第116条によると、修学のため一の市町村の区域内に住所を有する被保険者であって、修学していないとすれば他の市町村の区域内に住所を有する他人と同一の世帯に属するものと認められるものは、この法律の適用については、当該他の市町村の区域内に住所を有するものとみなし、かつ、当該世帯に属するものとみなす。
    3. C国民健康保険法第116条の2第1項によると、病院又は診療所への入院をしたことにより、病院、診療所の所在する場所に住所を変更したと認められる被保険者であって、当該病院等に入院等をした際他の市町村(当該病院等が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるものは、この法律の適用については、当該他の市町村の区域内に住所を有するものとみなすが、老人福祉法に規定する養護老人ホーム又は特別養護老人ホームへの入所をしたことにより、養護老人ホーム又は特別養護老人ホームの所在する場所に住所を変更したと認められる被保険者については、当該病院等に入所をした際他の市町村(当該病院等が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるものであっても、この法律の適用については、当該他の市町村の区域内に住所を有するものとみなさない。
    4. D国民健康保険法第19条第1項によると、国民健康保険組合の組合員及び組合員の世帯に属する者は、当該国民健康保険組合が行う国民健康保険の被保険者とする。その国民健康保険の被保険者が同時に2以上の事業所に使用される場合において、保険者である国民健康保険組合が2以上あるときは、事実発生から10日以内に被保険者が主たる事業所を選択しなければならない。
    5. E国民健康保険法第99条によると、審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して2か月以内に、文書又は口頭でしなければならない。ただし、正当な理由により、この期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない。

    正解:B

    解説

    正解はB。国民健康保険の被保険者・修学中や入院中の住所の特例・組合の被保険者・審査請求期間を問う。Bは116条の条文どおりである。

    A:誤り。都道府県等が行う国保の被保険者は、都道府県の区域内に住所を有する者である(5条)。世帯主に限らず、国保には健康保険のような「被扶養者」の区分もない。健康保険の被保険者・被扶養者が適用除外となる点(6条1号・5号)は正しい。

    B:正しい。116条。

    C:誤り。116条の2第1項の住所地特例は、病院・診療所への入院(1号)だけでなく、入所措置による養護老人ホーム・特別養護老人ホームへの入所(5号)なども対象とする。養護老人ホーム等の入所者を除外するとした点が誤り。

    D:誤り。19条1項は組合員と組合員の世帯に属する者を被保険者とし、ただし書で他の組合が行う国保の被保険者を除く。2以上の事業所に使用される場合に10日以内に主たる事業所を選択させる規定は国保法にない。

    E:誤り。審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内にする(99条)。2か月ではない。

  39. 問39

    社会保険に関する一般常識

    高齢者医療確保法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A高齢者医療確保法において「特定健康診査」とは、同法第18条第1項によると、糖尿病その他の政令で定める生活習慣病に関する健康診査をいう。
    2. B高齢者医療確保法第51条によると、生活保護法による保護を受けている世帯(その保護を停止されている世帯を除く。)に属する者及び後期高齢者医療の適用除外とすべき特別の理由がある者で厚生労働省令で定めるものは、後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者としない。
    3. C高齢者医療確保法第56条によると、後期高齢者医療給付は、療養の給付及び入院時食事療養費等の支給、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給、後期高齢者医療広域連合の条例で定めるところにより行う給付とする。
    4. D高齢者医療確保法第95条第1項及び第2項によると、国は、後期高齢者医療の財政を調整するため、政令で定めるところにより、後期高齢者医療広域連合に対して調整交付金を交付する。当該調整交付金の総額は、同法第93条第1項の規定による負担対象総額の見込額の総額の12分の1に相当する額とする。
    5. E高齢者医療確保法第104条第2項及び第3項によると、後期高齢者医療の保険料率(政令で定める基準に従い後期高齢者医療広域連合の条例で定めるところにより算定された保険料率)は、療養の給付等に要する費用の額の予想額等に照らし、おおむね5年を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならない。

    正解:D・E

    実施機関の訂正:試験センターは、本問について選択肢E以外にDも誤った内容であったとして、D及びEの両方を正答としました(令和8年10月1日「問題誤りについて」)。

    解説

    公式正答はD及びE(試験センターが両方を正答とした)。高齢者医療確保法の特定健康診査・適用除外・給付の種類・調整交付金・保険料率を問う。Eの「おおむね5年」と、Dの調整交付金総額の記述の欠落が誤りである。

    A:正しい。特定健康診査は糖尿病その他の政令で定める生活習慣病に関する健康診査をいう(18条1項)。

    B:正しい。51条1号・2号。

    C:正しい。56条1号〜3号の区分どおり(1号には生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、移送費も含まれる)。

    D:誤り。調整交付金の総額は、負担対象総額の見込額の総額の12分の1に相当する額「及び」子ども・子育て支援納付金の額の見込額の120分の1に相当する額の合計額である(95条2項)。問題文は後者が抜けているため誤りとなり、試験センターもこの肢を誤りと認めた。

    E:誤り。保険料率は、おおむね2年を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならない(104条3項)。5年ではない。

  40. 問40

    社会保険に関する一般常識

    児童手当法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 ア 「児童」とは、15歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者であって、日本国内に住所を有するもの又は留学その他の内閣府令で定める理由により日本国内に住所を有しないものをいう。 イ 児童手当の支給は、一般受給資格者及び施設等受給資格者が児童手当法第7条の規定による認定の請求をした日の属する月から始め、児童手当を支給すべき事由が消滅した日の属する月で終わる。 ウ 児童手当は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれの前月までの分を支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであった児童手当又は支給すべき事由が消滅した場合におけるその期の児童手当は、その支払期月でない月であっても、支払うものとする。 エ 児童手当を支給すべきでないにもかかわらず、児童手当の支給としての支払が行われたときは、その支払われた児童手当は、その後に支払うべき児童手当の内払とみなすことができない。 オ 児童手当の支給を受ける権利は、これを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅する。

    1. A(アとイ)
    2. B(アとウ)
    3. C(イとエ)
    4. D(ウとオ)
    5. E(エとオ)

    正解:D

    解説

    正解はD。児童手当法の児童の定義・支給の始期・支払期月・内払調整・時効を問う。令和6年改正後の条文で判断する。

    ア:誤り。「児童」は18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者である(3条1項)。15歳ではない。

    イ:誤り。支給は認定の請求をした日の属する月の「翌月」から始め、支給すべき事由が消滅した日の属する月で終わる(8条2項)。

    ウ:正しい。2月・4月・6月・8月・10月・12月の6期に、それぞれ前月までの分を支払う(8条4項)。

    エ:誤り。支給すべきでないのに支払われた児童手当は、その後に支払うべき児童手当の内払とみなすことが「できる」(13条)。

    オ:正しい。支給を受ける権利は、行使することができる時から2年で時効消滅する(23条1項)。

    よって正しいものはウとオで、D。

  41. 問41

    健康保険法

    健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の一部を行わないことができる。療養の給付については、正当の理由なく療養の指揮に従わない顕著な事実があって、これを矯正するのに他の手段が行われ難い場合に限り制限の対象とする。
    2. B高額療養費の時効起算日は、診療月の翌月の1日であり、傷病が月の途中で治癒した場合においても同様である。ただし、診療費の自己負担分を、診療月の翌月以後に支払ったときは、支払った日の翌日が起算日となる。
    3. C保険者は、療養の給付若しくは入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給(以下この項において「療養の給付等」という。)を行うことが困難であると認めるとき、又は被保険者が保険医療機関等以外の病院、診療所、薬局その他の者から診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、保険者がやむを得ないものと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる。保険者がやむを得ないものと認める場合とは、疾病又は負傷等に際し直に診療又は手当を受けなければならないため、保険医のところに行って診療又は手当を受ける時間的余裕のない場合等通常の場合において保険医を選定することが不能又は著しく困難と認められる状態をいう。
    4. D独立して生計を営む子が、健康保険法の適用を受けない事業所に勤務するうち疾病のため失業し、被保険者である父に扶養されるようになった場合、父の被扶養者として家族療養費は支給されない。
    5. E被扶養者が健康保険組合である保険者が開設する病院若しくは診療所又は薬局から療養を受けた場合、保険者がその被扶養者の支払うべき療養に要した費用のうち家族療養費として被保険者に支給すべき額に相当する額の支払を免除したときは、被保険者に対し家族療養費の支給があったものとみなす。

    正解:D

    解説

    正解はD。健康保険の給付制限・高額療養費の時効の起算日・療養費・被扶養者の認定・家族療養費のみなし支給を問う。Dは行政解釈の結論と逆である。

    A:正しい。前段は119条の条文どおり。療養の給付の制限は、療養の指揮に従わない顕著な事実があり、他の手段では矯正し難い場合に限るとするのが行政解釈である。

    B:正しい。高額療養費の時効の起算日は診療月の翌月の1日で、自己負担分を翌月以後に支払ったときは支払日の翌日とするのが行政解釈である。

    C:正しい。前段は87条1項。「やむを得ないもの」の意味は行政解釈どおりである。

    D:誤り。独立して生計を営んでいた子でも、失業して被保険者である父に主として生計を維持されるようになれば被扶養者となり(3条7項1号)、その後の療養については家族療養費が支給されるとするのが行政解釈である。

    E:正しい。健康保険組合が開設する病院等(63条3項3号)で支払が免除されたときは、家族療養費の支給があったものとみなす(110条6項)。

  42. 問42

    健康保険法

    健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A被保険者(任意継続被保険者を除く。)は、その事業所に使用されなくなったときに至った日の翌日(その事実があった日に更に被保険者の資格を取得するに至ったときは、その日)から、被保険者の資格を喪失する。事実上の使用関係がなく、かつ、休業手当も支給されてはいないが、雇用契約が存続する場合には、被保険者の資格は喪失しない。
    2. B被保険者の被扶養者が死亡したときは、家族埋葬料として、被保険者に対して5万円が支給される。死産児につき法律上埋葬を必要とするため、被保険者の経済的負担となる事実に鑑み死産の場合には、埋葬の事実に基づいて家族埋葬料を支給する。
    3. C任意継続被保険者の申出は、被保険者の資格を喪失した日から20日以内にしなければならない。ただし、保険者は、被保険者の法律の不知は正当な理由であるとして、この期間を経過した後の申出であっても受理することができる。
    4. D任意継続被保険者になった者が、保険者の被保険者の被扶養者となる要件を充足した場合、その日に任意継続被保険者としての資格を喪失する。
    5. E被保険者の賞与額に関する健康保険法第48条の規定による届出は、賞与を支払った日から5日以内に、健康保険被保険者賞与支払届を日本年金機構又は健康保険組合に提出することによって行う。事業主は、同一月に2回以上賞与等の支払を行う場合にあっては、最後の賞与等の支払を行った後5日以内に、合算し一括して差し支えない。

    正解:E

    解説

    正解はE。資格喪失の時期・家族埋葬料・任意継続被保険者の申出と資格喪失・賞与支払届を問う。Eは施行規則の届出期限どおりである。

    A:誤り。資格喪失は36条による。事実上の使用関係がなく休業手当も支給されていないときは、雇用契約が続いていても資格を喪失するとするのが行政解釈である。

    B:誤り。家族埋葬料が政令で定める金額(5万円)である点は正しい(113条、健保令35条)。しかし死産児は被扶養者に当たらず、家族埋葬料は支給されないとするのが行政解釈である。

    C:誤り。申出が資格喪失日から20日以内である点は正しい(37条1項)。しかし法律の不知は「正当な理由」に当たらないとするのが行政解釈である。

    D:誤り。任意継続被保険者の資格喪失事由(38条各号)に、被扶養者の要件を満たしたことは含まれない。資格を失うのは本人が喪失を申し出た場合(同条7号)などである。

    E:正しい。賞与支払届は賞与を支払った日から5日以内に日本年金機構又は健康保険組合に提出する(健保則27条1項)。同一月に2回以上支払う場合の合算・一括提出は行政解釈で認められている。

  43. 問43

    健康保険法

    健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A人工妊娠中絶のうち妊娠4か月以上のものにあっては、療養の給付及び出産育児一時金の給付の対象となり、妊娠4か月未満のものにあっては、療養の給付のみが対象となる。ただし、療養の給付については単に経済的理由による場合には対象とはならない。
    2. B賞与に係る報酬額は、標準報酬月額の定時決定又は7月、8月若しくは9月の随時改定の際、(ア)7月1日前の1年間に受けた賞与の額を12で除して得た額、(イ)7月1日以前1年内に諸規定により賞与の支給回数が変更され、新たに当該賞与が報酬に該当したときは、変更後の諸規定による賞与の支給回数等の支給条件であったとすれば同日前1年間に受けたであろう賞与の額を算定し、その額を12で除して得た額により算定する。
    3. C被保険者に係る療養の給付等について、労災保険法の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には行わない。労災保険の任意適用事業所に使用される被保険者に係る通勤災害について、それが労災保険の保険関係の成立の日前に発生したものであるときは、健康保険等で給付される。ただし、事業主の申請により、保険関係成立の日から労災保険の通勤災害の給付が行われる場合はこの限りではない。
    4. D高齢受給者証の交付を受けている者の一部負担金の割合について、随時改定により標準報酬月額が変更になり負担割合も変更する者については、負担割合が変更になるのは改定後の標準報酬月額が適用される月の翌月からである。
    5. E日雇特例被保険者が家族埋葬料の支給を受けるには、死亡の日の属する月の前2か月間に通算して26日分以上又は当該月の前6か月間に通算して78日分以上の保険料が、その日雇特例被保険者について納付されていなければならない。

    正解:D

    解説

    正解はD。人工妊娠中絶の給付・賞与に係る報酬・労災保険との調整・高齢受給者の負担割合・日雇特例被保険者の家族埋葬料を問う。Dは負担割合が変わる時期が誤り。

    A:正しい。妊娠4か月(85日)以上の人工妊娠中絶は出産として出産育児一時金の対象となり、医療上の必要による中絶は療養の給付の対象となる。単に経済的理由による中絶が療養の給付の対象外である点も含め、行政解釈どおり。

    B:正しい。年4回以上支給され報酬に該当する賞与の算定方法として、行政解釈どおり。

    C:正しい。前段は55条1項。任意適用事業所の保険関係成立前に生じた通勤災害の扱いは行政解釈どおり。

    D:誤り。随時改定で標準報酬月額が変わり一部負担金の割合も変わる場合、負担割合は改定後の標準報酬月額が適用される月から変わるとするのが行政解釈である。その翌月からではない。

    E:正しい。死亡日の属する月の前2月間に通算26日分以上又は前6月間に通算78日分以上の保険料納付が要件である(143条2項)。

  44. 問44

    健康保険法

    健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第252条の19第1項の指定都市にあっては、区長又は総合区長とする。)は、保険者又は保険給付を受けるべき者に対して、当該市町村(特別区を含む。)の条例で定めるところにより、被保険者又は被保険者であった者の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。埋葬料又は埋葬費支給申請のときに添付する埋葬許可証又は火葬許可証の写しは、戸籍に関する証明に該当する。
    2. B厚生労働大臣は、健康保険法第63条第2項第4号に規定する患者申出療養の申出を受けた場合において、当該申出に係る療養を患者申出療養として定めることとした場合には、その旨を当該申出を行った者に速やかに通知する。当該申出に係る療養を患者申出療養として定めないこととした場合には、その結果のみを当該申出を行った者に速やかに通知する。
    3. C健康保険法第82条第2項によると、厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局に係る指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師に係る登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、地方社会保険医療協議会の議を経なければならない。
    4. D被保険者が療養の給付(保険外併用療養費に係る療養を含む。)を受けるため、病院又は診療所に移送されたときは、移送費として、厚生労働省令で定めるところにより算定した金額を支給する。移送費は、厚生労働省令で定めるところにより、保険者が必要であると認める場合に限り、支給するものとする。保険者は、①移送により法に基づく適切な療養を受けたこと、②移送の原因である疾病又は負傷により移動をすることが著しく困難であったこと、③緊急その他やむを得なかったこと、以上のいずれにも該当すると認められる場合に移送費を支給する。したがって、通院なども一時的、緊急的な必要性があれば移送費の支給の対象となる。
    5. E保険者は、被保険者の資格を取得した者があるときは、日、時間、出来高又は請負によって報酬が定められる場合、被保険者の資格を取得した月前1か月間に当該事業所において、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。

    正解:E

    解説

    正解はE。戸籍の無料証明・患者申出療養の通知・地方社会保険医療協議会・移送費・資格取得時決定を問う。Eは42条1項2号どおりである。

    A:誤り。前段は196条1項どおり。しかし埋葬許可証・火葬許可証の写しは戸籍に関する証明に該当しないとするのが行政解釈である。

    B:誤り。患者申出療養として定めないこととした場合も、「理由を付して」その旨を申出者に速やかに通知する(63条7項)。結果のみの通知ではない。

    C:誤り。保険医療機関等の指定・指定取消し、保険医等の登録取消しをしようとするときは、地方社会保険医療協議会に「諮問するものとする」(82条2項)。「議を経なければならない」ではない。

    D:誤り。前段と3要件は97条と行政解釈どおりだが、行政解釈は通院など一時的・緊急的とは認められない場合を移送費の対象外としている。通院も対象になるとした結論が誤り。

    E:正しい。日・時間・出来高・請負で報酬が定められる場合は、資格取得月前1月間に同じ事業所で同様の業務に従事し同様の報酬を受ける者の報酬の平均額を報酬月額とする(42条1項2号)。

  45. 問45

    健康保険法

    健康保険法に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 ア 健康保険組合の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。健康保険組合は、毎年度、収入支出の予算を作成し、当該年度の開始前に、厚生労働大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様である。また毎年度終了後6か月以内に事業及び決算に関する報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。さらに毎月の事業状況を翌月20日までに管轄地方厚生局長等に報告しなければならない。 イ 健康保険組合は、規約において、名称、事務所の所在地、健康保険組合の設立に係る適用事業所の名称及び所在地、組合会に関する事項、役員に関する事項、組合員に関する事項、保険料に関する事項、準備金その他の財産の管理に関する事項、公告に関する事項などを定めなくてはならない。また、これらの規約内容のすべての変更は厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 ウ 健康保険法第53条によると、保険者が健康保険組合である場合においては、同法第52条各号に掲げる保険給付に併せて、理事の定数の2分の1以上の同意があれば、保険給付としてその他の給付を行うことができる。 エ 健康保険組合は、支払上現金に不足を生じたときは、準備金に属する現金を繰替使用し、又は一時借入金をすることができる。ただし、この繰替使用した金額及び一時借入金は、当該会計年度内に返還しなければならない。 オ 健康保険組合連合会は、健康保険組合が管掌する健康保険の医療に関する給付、保健事業及び福祉事業の実施又は健康保険組合に係る前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等、日雇拠出金、介護納付金、流行初期医療確保拠出金等若しくは子ども・子育て支援納付金の納付に要する費用の財源の不均衡を調整するため、健康保険組合に対する交付金の交付事業を実施している。その事業の費用に充てるために、健康保険組合は調整保険料を徴収し、拠出金を健康保険組合連合会に拠出している。

    1. A(アとイ)
    2. B(アとエ)
    3. C(イとウ)
    4. D(ウとオ)
    5. E(エとオ)

    正解:C

    解説

    正解はC。健康保険組合の会計・規約の変更・付加給付・繰替使用・財政調整事業を問う、誤りの組合せの問題である。

    ア:正しい。会計年度は4月1日から翌年3月31日まで(健保令15条)。予算は年度開始前に厚生労働大臣へ届け出る(同16条1項)。事業・決算報告書は毎年度終了後6月以内に提出する(同24条1項)。毎月の事業状況は翌月20日までに管轄地方厚生局長等に報告する(健保則14条)。

    イ:誤り。規約の記載事項は16条1項どおり。しかし厚生労働省令で定める事項に係る変更は認可を要せず、遅滞なく届け出ればよい(16条2項・3項)。すべての変更に認可が必要なわけではない。

    ウ:誤り。健康保険組合の付加給付は「規約で定めるところにより」行う(53条)。理事の定数の2分の1以上の同意といった要件はない。

    エ:正しい。健保令21条1項・2項。

    オ:正しい。健康保険組合連合会が交付金の交付事業を行い、組合は拠出金を拠出し、そのために調整保険料を徴収する(附則2条1項〜3項)。

    よって誤っているものはイとウで、C。

  46. 問46

    健康保険法

    健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A地域型健康保険組合とは、合併により設立された健康保険組合又は合併後存続する健康保険組合のうち、次のいずれの要件に該当するものをいう。①合併前の健康保険組合の設立事業所がいずれも同一都道府県の区域にあること、②当該合併が指定健康保険組合、被保険者の数が常時700人に満たなくなった又は共同して設立された場合は常時3,000人に満たなくなった健康保険組合その他事業運営基盤の安定が必要と認められる健康保険組合として厚生労働省令で定めるものを含むこと。
    2. B傷病手当金は、被保険者(任意継続被保険者を除く。)が療養のため労務に服することができないときに、その労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間に、支給される。そのため本来の職場では働けないが、本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業の労務に従事して、賃金を得ることができるような場合は支給されない。
    3. C法人である納付義務者が解散したとき、又は納付義務者に競売の開始があったとき、保険者は納期前であってもすべての保険料を徴収することができる。
    4. D出産手当金は出産の日(出産の日が出産の予定日後になった場合は、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産の日の後56日までの間において労務に服さなかった期間に支給される。
    5. E被保険者が電子資格確認を受けることができない状況にあるときは、その被保険者は保険者に対し、当該状況にある被保険者の資格に係る情報に関する事項を記載した書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供を求めることができる。書面の交付を受け、若しくは電磁的方法により当該事項の提供を受けた被保険者は、それを保険医療機関の窓口において提示することにより、療養の給付を受ける場合の被保険者の資格の確認を受けることができる。

    正解:B

    解説

    正解はB。地域型健康保険組合・傷病手当金の労務不能・保険料の繰上徴収・出産手当金・資格確認のための書面を問う。Bは副業をした場合の扱いが逆である。

    A:正しい。附則3条の2第1項の要件どおり。人数は11条の政令で定める数で、単独設立700人、共同設立3,000人である(健保令1条の3)。

    B:誤り。前段は99条1項どおり。しかし、本来の職場の労務に対する代替的性格をもたない副業や内職で賃金を得ていても、本来の職場で労務に服することができなければ労務不能に当たり、傷病手当金は支給されうるとするのが行政解釈である。

    C:正しい。法人である納付義務者の解散、納付義務者についての競売の開始は繰上徴収の事由である(172条1号ヘ・2号)。

    D:正しい。102条1項。

    E:正しい。51条の3第1項・2項。

  47. 問47

    健康保険法

    健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A保険外併用療養費は、被保険者が保険医療機関等のうち自己の選定するものから、電子資格確認等により、被保険者であることの確認を受け、評価療養、患者申出療養又は選定療養を受けたときに、その療養に要した費用について支給される。
    2. B健康保険法第160条の2によると、子ども・子育て支援金率については、各年度において全ての保険者が納付すべき子ども・子育て支援納付金の総額を当該年度における全ての保険者が管掌する被保険者の標準報酬月額の総額の見込額で除した率を基礎として、保険者が定めるとされている。
    3. C出産育児一時金及び家族出産育児一時金の支給に要する費用の一部については、政令で定めるところにより、高齢者の医療の確保に関する法律の規定により社会保険診療報酬支払基金が保険者に対して交付する出産育児交付金が充てられている。
    4. D産前産後休業を終了した被保険者が、当該産前産後休業を終了した日において当該産前産後休業に係る子を養育する場合において、その使用される事業所の事業主を経由して保険者等に申出をしたときは、保険者等は産前産後休業終了日の翌日が属する月以後3か月間(産前産後休業終了日の翌日において使用される事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日未満である月があるときは、その月を除く。)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を改定する。
    5. E健康保険法施行規則第44条によると、任意継続被保険者は、個人番号、氏名又は住所を変更したときは、5日以内に、変更前及び変更後の個人番号、氏名又は住所を保険者に届け出なければならない。ただし、住所の変更については、当該任意継続被保険者が健康保険組合が管掌する健康保険の任意継続被保険者であって、当該健康保険組合が当該任意継続被保険者に係る機構保存本人確認情報の提供を受けることができるとき(当該健康保険組合が、当該任意継続被保険者に対し、当該任意継続被保険者に係る情報の提供を求めないときに限る。)は、この限りでない。

    正解:B

    解説

    正解はB。保険外併用療養費・子ども・子育て支援金率・出産育児交付金・産前産後休業終了時改定・任意継続被保険者の届出を問う。Bは率を計算する分母が誤り。

    A:正しい。86条1項。

    B:誤り。子ども・子育て支援金率は、支援納付金の総額を全保険者の被保険者の「総報酬額」の総額の見込額で除した率を基礎として、政令で定める率の範囲内で保険者が定める(160条の2第1項)。総報酬額は標準報酬月額と標準賞与額の合計額であり(160条)、標準報酬月額の総額ではない。

    C:正しい。152条の2の内容どおり。

    D:正しい。43条の3第1項。

    E:正しい。健保則44条。

    補足:2026年11月取得の現行の152条の2では、出産育児交付金を交付する者は「基盤機構」と規定されており、問題文の「社会保険診療報酬支払基金」と名称が異なる。現行法で学ぶときは名称に注意する。

  48. 問48

    健康保険法

    健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A健康保険法第115条第1項によると、療養の給付について支払われた一部負担金の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く。)に要した費用の額からその療養に要した費用につき保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額が著しく高額であるときは、その療養の給付又はその保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。
    2. B全国健康保険協会が管掌する健康保険の被保険者が同一月内で健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者となった場合の高額療養費は、同一の病院で受けた療養の給付であったとしても、診療報酬請求明細書(レセプト)がそれぞれの管掌者別に区分されるので、それぞれの管掌者ごとに支給対象となるか否かを判断する。
    3. C被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するものの場合、その配偶者の死亡後においてもその父母及び子であって、引き続きその被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するものは被扶養者である。
    4. D年収500万円の被保険者と同居している妻(令和8年4月1日現在21歳の大学生であって障害者ではない。)が、年間の見込収入額が144万円の場合、主としてその被保険者により生計を維持する者として被扶養者に認定される。
    5. E年収700万円の被保険者と別居している子(令和8年4月1日現在19歳の大学生であって、実家から離れて被保険者から年間180万円の援助により生活しており、障害者ではない。)が、年間の見込収入額が145万円の場合、主としてその被保険者により生計を維持する者として被扶養者に認定される。

    正解:D

    解説

    正解はD。高額療養費と、被扶養者の範囲・収入の基準を問う。Dは配偶者に19歳以上23歳未満の特例が使えない点が決め手である。

    A:正しい。115条1項。

    B:正しい。月の途中で保険者が変わった場合、高額療養費は管掌者(レセプト)ごとに支給対象か否かを判断するとするのが行政解釈である。

    C:正しい。事実婚の配偶者の父母・子は、同一世帯で主として生計を維持されていれば被扶養者となり(3条7項3号)、その配偶者が死亡した後も引き続き同一世帯で生計を維持されていれば被扶養者である(同項4号)。

    D:誤り。被扶養者の認定基準(行政解釈)は、19歳以上23歳未満の者の年間収入の基準を150万円未満としているが、この特例から配偶者は除かれる。配偶者は原則の130万円未満で判断するため、見込収入144万円の妻は被扶養者に認定されない。

    E:正しい。別居の子(19歳以上23歳未満で配偶者ではない)は、年間収入が150万円未満で、かつ被保険者からの援助額(180万円)より少なければ被扶養者に認定される。145万円はどちらも満たす。

  49. 問49

    健康保険法

    健康保険法に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 ア 被保険者に関する毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。ただし、任意継続被保険者に関する保険料については、その月の10日(初めて納付すべき保険料については、保険者が指定する日)までとする。 イ 任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。任意継続被保険者は自己の負担する保険料を納付する義務を負い、保険料の前納は、4月から9月まで若しくは10月から翌年3月までの6か月間又は4月から翌年3月までの12か月間を単位として行うものとする。ただし、当該6か月又は12か月の間において、任意継続被保険者の資格を取得した者又はその資格を喪失することが明らかである者については、当該6か月間又は12か月間のうち、その資格を取得した日の属する月の翌月以降の期間又はその資格を喪失する日の属する月の前月までの期間の保険料について前納を行うことができる。 ウ 被保険者(任意継続被保険者を除く。)が療養のため労務に服することができないことにより傷病手当金を受給している期間中に65歳に達したことにより国民年金法及び厚生年金保険法による老齢を支給事由とする年金たる給付の支給を受けることができるときは、傷病手当金は、支給されない。ただし、その受けることができる老齢退職年金給付の額(当該老齢退職年金給付が2以上あるときは、当該2以上の老齢退職年金給付の額の合算額)につき厚生労働省令で定めるところにより算定した額が、傷病手当金の額より少ないときは、その差額が支給される。 エ 被保険者の被扶養者が家族療養費に係る療養を受けるため、病院又は診療所に移送されたときは、家族移送費として、被保険者に対し、厚生労働省令で定めるところにより算定した金額が支給される。 オ 被保険者の疾病又は負傷に関して、入院している場合における食事は医療の一環として提供されるべきものであり、それぞれ患者の病状に応じて必要とする栄養量が与えられ、食事の質の向上と患者サービスの改善をめざして行われるべきものである。また、生活療養の温度、照明及び給水に関する療養環境は医療の一環として形成されるべきものであり、それぞれの患者の病状に応じて適切に行われるべきものである。これらは健康保険法第63条第1項に定める療養の給付により提供される。

    1. A(アとイ)
    2. B(アとエ)
    3. C(イとオ)
    4. D(ウとエ)
    5. E(ウとオ)

    正解:E

    解説

    正解はE。保険料の納期限・任意継続被保険者の前納・傷病手当金と老齢年金の調整・家族移送費・食事療養と生活療養を問う、誤りの組合せの問題である。

    ア:正しい。164条1項。

    イ:正しい。前納ができる点は165条1項、前納の単位(6月又は12月)と資格の取得・喪失月の扱いは健保令48条のとおり。

    ウ:誤り。老齢退職年金給付との調整(108条5項)の対象は、資格喪失後の継続給付(104条)として傷病手当金を受ける者である。在職中の被保険者が65歳になり老齢年金を受けられるようになっても、この規定で傷病手当金が止まることはない。

    エ:正しい。112条1項。

    オ:誤り。入院中の食事の提供(食事療養)や、特定長期入院被保険者の温度・照明・給水に関する療養環境の形成(生活療養)は、療養の給付に含まれない(63条2項1号・2号)。入院時食事療養費・入院時生活療養費として給付される(85条・85条の2)。前段の考え方は行政解釈どおりだが、「63条1項の療養の給付により提供される」とした結論が誤り。

    よって誤っているものはウとオで、E。

  50. 問50

    健康保険法

    健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A定時決定の規定は、6月1日から7月1日までの間に被保険者の資格を取得した者には適用されない。6月1日に入社した者の資格取得時決定により決定された標準報酬月額は、同じ事業所にて定時決定された被保険者と同じ翌年の8月までの各月の標準報酬月額とされる。
    2. B保険者等は、月給者の定時決定を行う場合、その被保険者が毎年4月1日現に使用される事業所において同日以後3か月間である4月、5月、6月に実際に支給された賃金や報酬の総額をもとに標準報酬月額を決定する。
    3. C標準報酬月額の定時決定等における支払基礎日数の取扱いとして、月給者については各月の暦日数によることから、月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合にあっては、その月における暦日の数から当該欠勤日数を控除した日数を支払基礎日数とする。
    4. D保険者等は、被保険者が現に使用される事業所において継続した3か月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日未満である月があるときは、その月を除く。)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった報酬月額に比べて、著しく高低を生じた場合において、必要があると認めるときは随時改定の対象となり、その額を報酬月額として、その著しく高低を生じた月の翌月から、標準報酬月額を改定することができる。
    5. E健康保険法第199条第1項によると、保険者等は、被保険者の資格、標準報酬又は保険料に関し必要があると認めるときは、事業主に対し、事業所の名称、所在地その他必要な資料の提供を求め、又は銀行、信託会社その他の機関に対し、被保険者若しくは被保険者であると認められる者の収入の状況その他の事項につき、報告を求めることができる。

    正解:A

    解説

    正解はA。定時決定・資格取得時決定・支払基礎日数・随時改定・資料の提供を問う。Aは41条3項と42条2項を組み合わせたとおりである。

    A:正しい。6月1日から7月1日までに資格を取得した者には、その年の定時決定を適用しない(41条3項)。6月1日から12月31日までに資格を取得した者の資格取得時決定は、翌年8月までの各月の標準報酬月額となる(42条2項)。

    B:誤り。定時決定は、7月1日現に使用される事業所において同日前3月間(4月〜6月)に受けた報酬をもとに行う(41条1項)。基準日は4月1日ではない。

    C:誤り。月給者で欠勤日数分の給与が差し引かれる場合、支払基礎日数は就業規則・給与規程等で定めた日数から欠勤日数を控除した日数とするのが行政解釈である。暦日数から控除するのではない。

    D:誤り。随時改定は、継続した3月間の「各月とも」報酬支払基礎日数が17日以上であることが要件で、報酬総額を3で除す(43条1項)。17日未満の月を除いて平均するのは定時決定や産前産後休業終了時改定などの扱いである。

    E:誤り。199条1項で資料の提供を求めるのは厚生労働大臣で、求める相手は官公署である。「保険者等」が「事業主」に求めるのではない。

  51. 問51

    厚生年金保険法

    厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A障害等級2級に該当する程度の障害の状態であり、障害厚生年金の受給権者である甲について、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなったことにより、当該障害厚生年金の支給が停止された。その後、甲が障害厚生年金の支給事由となった障害とは別の疾病により障害の状態となり、当該新たな疾病に係る障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間において、当該障害厚生年金の支給事由となった障害と新たな障害とを併合した障害の程度が障害等級2級に該当する程度の障害の状態となった。この場合、当該障害厚生年金の支給停止は解除される。なお、新たな疾病の初診日において甲は被保険者であり、また、厚生年金保険法第47条第1項ただし書きで規定する保険料納付要件を満たしているものとする。
    2. B障害厚生年金は、その受給権者が当該傷病について労働基準法第77条の規定による障害補償を受ける権利を取得したときは、7年間、その支給が停止される。
    3. C厚生年金保険法第48条第1項の規定による前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金の額の算定においては、併合されたそれぞれの障害に係る障害認定日のうちいずれか早い日の属する月後における被保険者期間は、その計算の基礎とされない。
    4. D障害厚生年金の受給権者の配偶者であり、加給年金額加算の対象となっていた者が、老齢厚生年金(年金額の計算の基礎となる被保険者期間が120月であるとする。)の支給を受けることができるようになった。この場合、加給年金額の支給が停止される。
    5. E障害厚生年金(障害等級1級又は2級)の受給権を取得した日に、当該受給権者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者がいる場合は、加給年金額の加算が行われるが、受給権を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者を有することになった場合には加給年金額の加算は行われない。

    正解:A

    解説

    正解はA。障害厚生年金の支給停止の解除・労働基準法の障害補償との調整・併合した年金の額・加給年金額を問う。

    A:正しい。障害等級に該当しないため支給停止中の受給権者が、被保険者中に初診日のある別の傷病により、65歳に達する日の前日までに前の障害と併合して1級又は2級に該当すれば、支給停止は解除される(54条2項ただし書)。保険料納付要件も準用される(同条3項)。

    B:誤り。労基法77条の障害補償を受ける権利を取得したときの支給停止は6年間である(54条1項)。

    C:誤り。併合した障害厚生年金の額では、併合されたそれぞれの障害認定日のうち「いずれか遅い日」の属する月後の被保険者期間を計算の基礎としない(51条)。

    D:誤り。配偶者の加給年金額が止まるのは、配偶者が被保険者期間240月以上の老齢厚生年金や障害を支給事由とする年金などを受けられるときである(54条3項で準用する46条6項)。120月の老齢厚生年金では停止されない。

    E:誤り。受給権取得日の翌日以後に生計を維持する65歳未満の配偶者を有するに至った場合も加給年金額が加算され、その翌月から額が改定される(50条の2第3項)。

  52. 問52

    厚生年金保険法

    厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A常時5人以上の従業員を使用する社会保険労務士の事務所(法人ではないものとする。)は、当該事業所を適用事業所とするためには厚生労働大臣の認可を受ける必要がある。
    2. B適用事業所となる船舶の船舶所有者は適用事業所の事業主とみなされるが、船舶賃借の場合は、船舶の所有者ではなく船舶借入人が事業主とみなされる。
    3. C健康保険法第31条第2項による任意適用事業所の認可の申請と同時に厚生年金保険法第6条第4項による任意適用事業所の認可の申請を行う場合であっても、両者はそれぞれ個別に申請書を提出しなければならない。
    4. D2以上の適用事業所(船舶ではないものとする。)の事業主が同一である場合には、当該事業主は、厚生労働大臣に届け出ることにより、当該2以上の事業所を1の適用事業所とすることができるが、この届出があった場合には、当該2以上の適用事業所は適用事業所でなくなったものとみなされる。
    5. E適用事業所の事業主は、廃止、休止その他の事情により適用事業所に該当しなくなったときは、原則として、当該事実があった日から10日以内に、所定の事項を記載した届書を日本年金機構に提出しなければならないが、この届書には、登記事項証明書その他の適用事業所に該当しなくなったことを証する書類を添えなければならない。なお、当該事業主は船舶所有者ではなく、また、任意適用取消の申請は行っていないものとする。

    正解:B

    解説

    正解はB。適用事業所の範囲・船舶所有者・任意適用の申請・一括適用・適用事業所に該当しなくなったときの届出を問う。

    A:誤り。6条1項1号レは、弁護士・公認会計士その他政令で定める者が法令に基づき行う法律・会計の業務を行う事業を強制適用の対象としており、社会保険労務士の事務所もこれに当たる。常時5人以上の従業員を使用していれば、個人の事務所でも認可なしに適用事業所となる。

    B:正しい。6条1項3号の船舶所有者には、船員保険法3条により船舶所有者とされる者が含まれ、船舶を賃借している場合は船舶借入人がこれに当たる。その者が適用事業所の事業主とみなされる(6条2項)。

    C:誤り。健康保険の任意適用の認可申請と同時に厚生年金保険の任意適用の認可申請をするときは、健康保険の申請書に併記して行う(厚年則13条の3第1項)。別々の申請書は要しない。

    D:誤り。2以上の適用事業所を1の適用事業所とするには、厚生労働大臣の「承認」が必要である(8条の2第1項)。届出では足りない。承認があれば元の事業所は適用事業所でなくなったものとみなされる(同条2項)。

    E:誤り。適用事業所に該当しなくなったときの届出は、事実があった日から5日以内である(厚年則13条の2第1項)。登記事項証明書等の添付(同条2項)は正しい。10日以内は船舶の場合(同条4項)である。

  53. 問53

    厚生年金保険法

    厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A1か月の期間を定めて臨時に使用される者で、定めた期間を超えて使用されることが見込まれないものは、厚生年金保険の被保険者とはならない。ただし、船舶所有者に使用される船員ではないものとする。
    2. B2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る老齢厚生年金について、厚生年金保険法第42条(受給権者)の規定を適用する場合においては、第1号厚生年金被保険者期間、第2号厚生年金被保険者期間、第3号厚生年金被保険者期間又は第4号厚生年金被保険者期間に係る被保険者期間ごとに適用するものとされている。
    3. C厚生年金保険法第43条第2項に規定する在職定時改定は、同法附則第8条に規定する65歳未満の者に支給する特例による老齢厚生年金の額については、適用しない。
    4. D特定適用事業所に使用される者で1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満である者は、1週間の所定労働時間が20時間以上であったとしても、その者が学校教育法に規定する大学の学生(卒業を予定している者であって、適用事業所に使用され、卒業した後も引き続き当該適用事業所に使用されることとなっているもの、休学中の者及び定時制の課程等に在学する者その他これらに準ずる者には該当しないものとする。)である場合には、厚生年金保険の被保険者とはならない。
    5. E特定適用事業所に該当しなくなった適用事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者(厚生年金保険の被保険者の資格を有していたものとする。)については、事業主の申出がない場合であっても、特定適用事業所に該当しなくなった日の翌日に、厚生年金保険の被保険者の資格を喪失する。

    正解:E

    解説

    正解はE。適用除外・2以上の種別の被保険者期間・在職定時改定・短時間労働者の適用を問う。Eは事業主の申出がなければ資格は続く点が決め手である。

    A:正しい。2月以内の期間を定めて臨時に使用され、その期間を超えて使用される見込みがない者は被保険者としない(12条1号ロ)。1か月の期間を定めた者もこれに当たる。

    B:正しい。78条の26第1項。

    C:正しい。43条2項(在職定時改定)は、附則8条の特別支給の老齢厚生年金の額には適用しない(附則9条)。

    D:正しい。4分の3未満の短時間労働者で大学の学生(休学中・定時制等を除く)は、週20時間以上でも被保険者としない(12条5号ロ)。

    E:誤り。特定適用事業所に該当しなくなった適用事業所の特定4分の3未満短時間労働者は、原則として引き続き被保険者となる(平成24年改正法附則17条2項本文)。事業主が4分の3以上の同意を得て申出をし、その申出が受理された日の翌日に資格を喪失する(同項ただし書・4項)。申出がなければ喪失しない。

  54. 問54

    厚生年金保険法

    厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A遺族厚生年金の支給要件を満たす被保険者の死亡について労働基準法第79条による遺族補償の支給が行われるべきものであるときは、死亡の日から6年間、遺族厚生年金の支給が停止される。
    2. B2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の遺族に係る遺族厚生年金(厚生年金保険法第58条第1項第1号から第3号までのいずれかに該当することにより支給されるものに限る。)の額については、死亡した者に係る2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算し、1の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして、遺族厚生年金の額の計算及びその支給停止に関する規定その他政令で定める規定が適用される。
    3. C配偶者以外の者に対する遺族厚生年金の受給権者が2人以上である場合において、受給権者のうち1人以上の者の所在が1年以上明らかでないときは、その者に対する遺族厚生年金は、他の受給権者の申請によって、その所在が明らかでなくなった時にさかのぼって、その支給を停止する。
    4. D被保険者である甲には妻の乙と10歳の子である丙がいたが、甲が死亡したことにより、乙と丙が遺族厚生年金の受給権者となった。その3年後、乙は丁と再婚し、丙は丁の養子となった。この場合、乙と丙の受給権は消滅する。
    5. E被保険者であり老齢厚生年金の受給権者でもある戊は、令和8年3月31日に適用事業所を退職したことにより同年4月1日に被保険者の資格を喪失したが、その後、同年8月現在まで被保険者にはなっていない。この場合、厚生年金保険法第43条第3項に規定する退職改定として、同年4月から年金額が改定される。

    正解:D

    解説

    正解はD。遺族厚生年金の支給停止・2以上の種別の額の特例・所在不明による支給停止・失権・退職改定を問う。Dは子の受給権が残る点が決め手である。

    A:正しい。64条。

    B:正しい。78条の32第1項。

    C:正しい。68条1項。

    D:誤り。乙は再婚(婚姻)により受給権を失う(63条1項2号)。一方、丙が養子となった丁は母乙の夫であり、丙から見て直系姻族に当たる。受給権が消滅するのは直系血族・直系姻族「以外」の者の養子となったときであるから(同項3号)、丙の受給権は消滅しない。

    E:正しい。被保険者である受給権者が資格を喪失し、被保険者とならずに1月を経過したときは、退職日(使用されなくなった日。14条2号)から起算して1月を経過した日の属する月から年金額を改定する(43条3項)。3月31日の退職なら4月から改定される。

  55. 問55

    厚生年金保険法

    厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A65歳以後の在職老齢年金の計算で用いられる基本月額は、加給年金額を含む老齢厚生年金の額を12で除して得た額である。
    2. B67歳の老齢厚生年金の受給者かつ厚生年金保険の被保険者で、在職老齢年金による支給停止を受けていた者が、令和8年8月1日に退職した。この退職の後に再就職する予定はない。この場合、令和8年8月分の老齢厚生年金は、在職老齢年金による支給停止の対象とはならない。
    3. C67歳の老齢厚生年金の受給者かつ65歳到達以降、厚生年金保険の被保険者ではなかった者が、令和8年8月1日に就職し、厚生年金保険の被保険者の資格を取得した。この場合、令和8年8月分の老齢厚生年金は、在職老齢年金による支給停止の対象とはならない。
    4. D報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合、その価額は、全国一律の基準で、厚生労働大臣が定める。
    5. E当分の間、一定の要件を満たす60歳以上65歳未満である者は、65歳に達する前に老齢厚生年金の支給繰上げの請求をすることができる。現に国民年金の任意加入被保険者である者も、この請求をすることができる。

    正解:C

    解説

    正解はC。在職老齢年金の基本月額と支給停止の対象月・現物給与の価額・老齢厚生年金の繰上げを問う。BとCは、その月に「前月以前から引き続き」被保険者である日があるかで結論が分かれる。

    A:誤り。基本月額は、加給年金額と繰下げ加算額を除いた老齢厚生年金の額を12で除した額である(46条1項)。

    B:誤り。8月1日に退職した者は8月1日まで被保険者で、資格喪失は翌日の8月2日である(14条)。8月1日は7月から引き続き被保険者である日なので、8月分は支給停止の対象となる(46条1項)。

    C:正しい。8月1日に資格を取得した者には、8月中に前月以前から引き続き被保険者である日がない。このため8月分は支給停止の対象とならない(46条1項)。

    D:誤り。通貨以外で支払われる報酬・賞与の価額は、その地方の時価によって厚生労働大臣が定める(25条)。全国一律の基準ではない。

    E:誤り。繰上げ請求ができるのは、国民年金の任意加入被保険者(国年法附則5条1項)でない者に限られる(附則7条の3第1項)。

  56. 問56

    厚生年金保険法

    厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A老齢厚生年金における加給年金額の加算対象となる配偶者が、国民年金法第30条の4の障害基礎年金を受給している場合は、当該加給年金額は支給停止となる。ただし、配偶者の前年所得に応じて、当該障害基礎年金の2分の1相当額が支給停止されているときは、加給年金額は支給停止とならない。
    2. B甲は、高校卒業直後の4月1日に18歳で就職し、厚生年金保険の被保険者となった。入社2か月目に初診日のある傷病により、障害認定日に障害の状態が障害等級2級に該当すると認定された。障害認定日時点では19歳であった。20歳前に初診日があるため、甲には障害厚生年金は支給されず、20歳に達した日の属する月の翌月分から、国民年金法第30条の4に基づく障害基礎年金が支給される。
    3. C加給年金額の対象者がいる老齢厚生年金の受給権者は、原則として、毎年、誕生日の属する月の翌月末日までに、生計維持確認届を日本年金機構に提出しなければならない。なお、当該老齢厚生年金の額の全部につき支給が停止されているときも、生計維持確認届の提出が必要である。
    4. D「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」(令和7年法律第74号)により、法律の公布日の属する年度の翌年度から、次期財政検証作成年度の翌年度までの間は、厚生年金(報酬比例部分)の給付調整が継続される。この間、厚生年金では、マクロ経済スライドによる調整において、その調整率が軽減される。
    5. E年金額は物価変動率などに応じて毎年度改定が行われるが、改定後の年金額が最初に支給されるのは4月の支給日である。

    正解:D

    解説

    正解はD。加給年金額の支給停止・障害厚生年金の支給要件・生計維持確認届・令和7年改正法の経過措置・改定後の年金額の支払時期を問う。

    A:誤り。対象配偶者が障害基礎年金を受けられるときは、加給年金額の支給が停止される(46条6項)。停止されないのは、障害を支給事由とする給付が「全額」支給停止されている場合だけである(厚年令3条の7ただし書)。2分の1が停止されているだけなら、加給年金額は停止される。

    B:誤り。障害厚生年金は初診日に被保険者であればよく、年齢の要件はない(47条1項)。甲は初診日に国民年金の第2号被保険者でもあるため、障害厚生年金と障害基礎年金(国年法30条1項)が支給される。20歳前傷病の障害基礎年金(同法30条の4)の対象ではない。

    C:誤り。老齢厚生年金の額の全部が支給停止されているときは、生計維持確認届は不要である(厚年則35条の3第1項ただし書)。

    D:正しい。令和7年法律第74号附則3条1項は、公布日の属する年度の翌年度から次期財政検証作成年度の翌年度までを厚生年金保険法34条の調整期間とし、調整率の代わりに「経過的軽減調整率」を用いるとしている。調整は続くが、調整の度合いは軽くなる。

    E:誤り。年金は偶数月に前月までの分を支払う(36条3項)。改定後の4月分が最初に支払われるのは6月の支払日である。

  57. 問57

    厚生年金保険法

    厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A厚生年金保険法第56条の規定により、障害手当金は、原則として、厚生年金保険の年金たる保険給付の受給権者には支給されない。ただし、最後に障害等級に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害厚生年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)は支給対象となりうる。
    2. B障害手当金を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したときは、時効によって消滅する。
    3. C障害厚生年金の受給権者で、障害の程度の診査が必要であると認めて厚生労働大臣が指定したものは、厚生労働大臣が指定した年において、指定日までに、指定日前の1年以内に作成されたその障害の現状に関する医師等の診断書を日本年金機構に提出しなければならない。ただし、当該障害厚生年金の額の全部につき支給が停止されているときは、この限りでない。
    4. D実施機関は、合意分割(厚生年金保険法第78条の2に規定する離婚等をした場合における標準報酬の改定の特例をいう。)の規定により標準報酬の改定又は決定を行ったときは、その旨を通知しなければならない。その通知の対象となるのは、対象期間標準報酬総額が多く、分割を行う側である第1号改定者と、対象期間標準報酬総額が少なく、分割を受ける側である第2号改定者の双方である。
    5. E厚生年金保険法第100条第1項に基づく立入検査は、適用事業所の事業主に対してだけでなく、厚生年金保険の適用が行われていないものの、適用事業所であると認められる事業所の事業主に対しても行うことができる。

    正解:C

    解説

    正解はC。障害手当金の支給制限と時効・障害状態の届出・合意分割の通知・立入検査を問う。Cは診断書の作成時期が誤り。

    A:正しい。年金たる保険給付の受給権者には原則として障害手当金を支給しないが、障害状態に該当しなくなってから該当することなく3年を経過した障害厚生年金の受給権者(現に該当しない者)は除かれる(56条1号)。

    B:正しい。保険給付を受ける権利は、支給すべき事由が生じた日から5年で時効消滅する(92条1項)。

    C:誤り。提出する診断書は、指定日前「3月以内」に作成されたものである(厚年則51条の4第1項)。1年以内ではない。全額支給停止中は提出不要である点は正しい。

    D:正しい。実施機関は標準報酬の改定・決定を行ったとき、その旨を当事者に通知する(78条の8)。当事者は第1号改定者と第2号改定者である(78条の2第1項)。

    E:正しい。100条1項は「適用事業所であると認められる事業所の事業主」も立入検査等の対象としている。

  58. 問58

    厚生年金保険法

    厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A死亡した被保険者の子は、被保険者死亡の当時、年齢が19歳で婚姻をしていたとしても、障害等級2級に該当する障害の状態にあり、かつ、被保険者によって生計を維持していれば、遺族厚生年金を受けることができる遺族に含まれる。なお、死亡した被保険者によって生計を維持していた他の遺族はいないものとする。
    2. B死亡した被保険者の配偶者の母は、被保険者死亡の当時に年齢が55歳以上、かつ、被保険者によって生計を維持していたとしても、遺族厚生年金を受けることができる遺族には含まれない。なお、死亡した被保険者によって生計を維持していた他の遺族はいないものとする。
    3. C厚生年金保険法第9条及び第10条第1項の規定にかかわらず、同法第12条の規定により、所在地が一定しない事業所に使用される者は、厚生年金保険の被保険者とはならない。ただし、継続して6か月を超えて使用されるべき場合は、この限りでない。
    4. D厚生年金保険法第9条及び第10条第1項の規定にかかわらず、同法第12条の規定により、臨時的事業の事業所に使用される者は、厚生年金保険の被保険者とはならない。ただし、継続して2か月を超えて使用されるべき場合は、この限りでない。
    5. E障害等級3級に該当する障害厚生年金を受給している者が65歳に到達し、老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権も取得した場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金の組み合わせか、老齢基礎年金と障害厚生年金の組み合わせのどちらかを選択する必要がある。

    正解:B

    解説

    正解はB。遺族厚生年金の遺族の範囲・適用除外・65歳以後の併給を問う。

    A:誤り。子が遺族となるには、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか20歳未満で障害等級1級・2級に該当し、かつ「現に婚姻をしていない」ことが必要である(59条1項2号)。婚姻している子は遺族に含まれない。

    B:正しい。遺族の範囲は、被保険者等の配偶者・子・父母・孫・祖父母である(59条1項)。配偶者の母は含まれない。

    C:誤り。所在地が一定しない事業所に使用される者は被保険者としない(12条2号)。この号には「継続して6か月を超えて使用されるべき場合」といった例外はない。

    D:誤り。臨時的事業の事業所に使用される者の例外は、継続して6月を超えて使用されるべき場合である(12条4号)。2か月ではない。

    E:誤り。障害厚生年金は、同一の支給事由の障害基礎年金以外の国民年金の年金給付を受けられるときは停止され(38条1項)、65歳以後も老齢基礎年金との組合せはできない。3級の障害厚生年金には障害基礎年金がないので、「老齢基礎年金+老齢厚生年金」か「障害厚生年金のみ」かを選ぶことになる。

  59. 問59

    厚生年金保険法

    厚生年金保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 ア 67歳到達時点で老齢厚生年金の支給繰下げの申出を行った場合において、経過的加算として老齢厚生年金に加算される部分についても、当該老齢厚生年金の支給繰下げの申出に応じた増額の対象となる。 イ 65歳から支給される老齢厚生年金に配偶者加給年金額が加算される場合において、68歳到達時点で老齢厚生年金の支給繰下げの申出を行ったときは、当該配偶者加給年金額は、老齢厚生年金の支給繰下げの申出に応じた増額の対象となる。 ウ 積立金の運用に係る行政事務に従事する厚生労働省、財務省、総務省及び文部科学省の職員(政令で定める者に限る。)は、積立金の運用の目的に沿って、慎重かつ細心の注意を払い、全力を挙げてその職務を遂行しなければならない。 エ 65歳未満の特別支給の老齢厚生年金を受給していた者が、65歳に到達し、厚生年金保険法第42条に規定する本来の老齢厚生年金をその時点から受給しようとする場合は、実施機関に請求書を提出する必要はない。 オ 第1号厚生年金被保険者に係る適用事業所の事業主は、被保険者が70歳に到達し、引き続き当該事業所に使用されることにより70歳以上の使用される者の要件に該当する場合において、当該者の標準報酬月額に相当する額が70歳到達日の前日における標準報酬月額と同額であっても、70歳以上被用者該当届及び70歳到達時の被保険者資格喪失届を省略することができない。

    1. A(アとウ)
    2. B(アとエ)
    3. C(イとエ)
    4. D(イとオ)
    5. E(ウとオ)

    正解:A

    解説

    正解はA。老齢厚生年金の繰下げと加算部分・運用職員の責務・65歳時の請求・70歳到達時の届出を問う。

    ア:正しい。経過的加算は老齢厚生年金の額の一部であり、繰下げによる増額(44条の3第4項)の対象となる。

    イ:誤り。繰下げの増額は43条1項の例による額などを基礎に計算され(44条の3第4項)、加給年金額は増額の対象とならない。

    ウ:正しい。79条の10の条文どおり。

    エ:誤り。65歳未満の特別支給の老齢厚生年金と65歳からの老齢厚生年金は別の給付である。保険給付を受ける権利は受給権者の請求に基づいて裁定するため(33条)、65歳到達時に改めて請求書を提出する必要がある。

    オ:誤り。70歳到達後も引き続き同じ事業所に使用され、標準報酬月額相当額が70歳到達日の前日の標準報酬月額と同額であるときは、70歳以上被用者該当届の提出を要しない(厚年則15条の2第1項ただし書)。この場合は70歳到達時の資格喪失届も要しない(同則22条1項5号)。

    よって正しいものはアとウで、A。

  60. 問60

    厚生年金保険法

    厚生年金保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 ア 障害厚生年金の受給権者は、実施機関に対し、障害の程度が増進したことによる障害厚生年金の額の改定を請求することができるが、当該請求については、障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き、当該障害厚生年金の受給権を取得した日又は実施機関の診査を受けた日から起算して1年6か月を経過した日後でなければ行うことができない。 イ 障害手当金の額は、障害厚生年金の額の規定の例により計算した額の100分の200に相当する額と定められているが、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たない場合も、実際の被保険者期間の月数で計算されることとなっている。 ウ 第1号厚生年金被保険者が死亡したことにより、死亡した被保険者の母が遺族厚生年金の受給権者となった場合において、その後、当該母に届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある配偶者が生じたときは、当該母の遺族厚生年金の受給権は消滅する。 エ 厚生年金保険法第78条の7に規定する離婚時みなし被保険者期間については、老齢厚生年金の配偶者加給年金額が加算されるために必要な要件の1つとなっている老齢厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数の中に含めることができる。 オ 昭和38年10月7日生まれで、令和8年10月に63歳となる女性について、第1号厚生年金被保険者期間のみを有し、特別支給の老齢厚生年金の受給資格要件を満たす(長期加入者や障害者などの特例には該当していない。)場合、報酬比例部分の支給開始年齢も63歳である。

    1. A(アとウ)
    2. B(アとエ)
    3. C(イとエ)
    4. D(イとオ)
    5. E(ウとオ)

    正解:E

    解説

    正解はE。障害厚生年金の額の改定請求・障害手当金の額・遺族厚生年金の失権・離婚時みなし被保険者期間・特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢を問う。

    ア:誤り。障害の程度の増進による改定請求は、受給権取得日又は診査日から起算して「1年」を経過した日後でなければできない(52条3項)。1年6か月ではない。

    イ:誤り。障害手当金の額は50条1項の例により計算した額の100分の200である(57条)。50条1項には、被保険者期間が300月に満たないときは300月とする定めがあり、障害手当金にもこの300月みなしが及ぶ。

    ウ:正しい。失権事由の婚姻には、届出をしていない事実婚も含まれる(63条1項2号)。

    エ:誤り。配偶者加給年金額の要件となる被保険者期間240月には、離婚時みなし被保険者期間を含めない(78条の11による44条1項の読替え)。

    オ:正しい。第1号厚生年金被保険者期間のみを有する女子で、昭和37年4月2日から昭和39年4月1日までに生まれた者の報酬比例部分の支給開始年齢は63歳である(附則8条の2第2項)。昭和38年10月7日生まれはこれに当たる。

    よって正しいものはウとオで、E。

  61. 問61

    国民年金法

    国民年金法に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 ア 保険料の一部免除に関する規定により納付することを要しないものとされたその一部の額以外の残余の額に50円未満の端数が生じたときはこれを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときはこれを100円に切り上げるものとする。 イ 国民年金法第90条の3第1項の規定により保険料を納付することを要しないものとされた被保険者は、国民年金法施行令第6条の6に規定する生徒若しくは学生でなくなったとき(その原因が卒業であるときを除く。)は、氏名、生年月日及び住所並びに個人番号又は基礎年金番号を記載した届書を日本年金機構に提出しなければならない。 ウ 納付猶予とは、第1号被保険者等本人(50歳未満)及びその世帯主又は配偶者のいずれもが、地方税法に定める障害者、寡婦その他の同法の規定による市町村民税が課されない者として政令で定める者であって、当該保険料を納付することを要しないものとすべき月の属する年の前年の所得が135万円以下であるとき、当該第1号被保険者等が厚生労働大臣に申請することにより、保険料の全額の納付義務を猶予する制度である。 エ 法定免除、全額免除、学生納付特例又は納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料の一部につき追納をするときは、学生納付特例又は納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料につき行い、次いで法定免除若しくは全額免除、一部免除の規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき行うものとし、これらの保険料のうちにあっては、先に経過した月の分から順次に行うものとする。なお、学生納付特例又は納付猶予により納付を免除された保険料より前に法定免除、全額免除及び申請一部免除により納付を免除された保険料は一切ないものとする。 オ 厚生労働大臣は、国民年金法第96条第1項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないときは、国税滞納処分の例によってこれを処分し、又は滞納者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村に対して、その処分を請求することができる。

    1. A(アとイ)
    2. B(アとウ)
    3. C(イとエ)
    4. D(ウとオ)
    5. E(エとオ)

    正解:B

    解説

    正解はB。一部免除の端数処理・学生納付特例の届出・納付猶予の要件・追納の順序・滞納処分を問う、誤りの組合せの問題である。

    ア:誤り。一部免除の残余の額は、5円未満の端数を切り捨て、5円以上10円未満の端数を10円に切り上げる(90条の2第6項)。50円・100円単位ではない。

    イ:正しい。国年則77条の9第1項。

    ウ:誤り。納付猶予(30歳未満の期間は平成16年改正法附則19条2項、30歳以上50歳未満の期間は平成26年改正法附則14条1項)で所得等の要件を審査されるのは本人と配偶者であり、世帯主は含まれない。この点が、世帯主の所得等も見る申請免除(90条1項ただし書など)との違いである。

    エ:正しい。一部を追納するときは、学生納付特例(及び納付猶予)の期間を先にし、次いで法定免除・全額免除・一部免除の期間を、それぞれ先に経過した月から行う(94条2項)。

    オ:正しい。96条4項。

    よって誤っているものはアとウで、B。

  62. 問62

    国民年金法

    国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A障害基礎年金、遺族基礎年金又は寡婦年金は、その受給権者が他の年金給付(付加年金を除く。)又は厚生年金保険法による年金たる保険給付(当該年金給付と同一の支給事由に基づいて支給されるものを除く。)を受けることができるときは、その間、その支給を停止する。
    2. B年金給付(国民年金法の他の規定又は他の法令の規定によりその全額につき支給を停止されている年金給付を除く。)につき、その全額の支給を停止する受給権者の申出は、申出の時点に遡って撤回することができる。
    3. C自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、死亡又はその原因となった事故を生じさせた者の死亡については、これを支給事由とする給付を一時差し止めることができる。
    4. D障害認定日は、初診日から起算して1年6か月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。))とされるが、人工透析療法を受けている場合には透析を始めてから3か月を経過した日(初診日から起算して1年6か月を超える場合を除く。)が障害認定日とされる。
    5. E死亡一時金の支給を受ける者が第1号被保険者の死亡により寡婦年金を受けることができるときは、死亡一時金と寡婦年金とのうち、死亡日から6年間、その1つを支給し、他は支給を停止する。

    正解:D

    解説

    正解はD。併給の調整・申出による支給停止の撤回・給付制限・障害認定日・死亡一時金と寡婦年金の調整を問う。

    A:誤り。他の年金給付と厚生年金保険法の年金たる保険給付の両方との関係で停止されるのは遺族基礎年金と寡婦年金である(20条1項前段)。障害基礎年金が停止されるのは国民年金の他の年金給付(付加年金を除く)を受けられる場合であり(同項後段)、厚生年金保険法の年金たる保険給付を理由には停止されない。

    B:誤り。受給権者の申出による支給停止は、いつでも「将来に向かって」撤回できる(20条の2第3項)。さかのぼっては撤回できない。

    C:誤り。故意の犯罪行為や重大な過失などにより死亡又はその原因となった事故を生じさせた者の死亡を支給事由とする給付は、その「全部又は一部を行わないことができる」(70条後段)。一時差止めではない。

    D:正しい。障害認定日の原則は30条1項のとおり。人工透析療法を受けている場合に透析開始から3月を経過した日を障害認定日とする扱いは、障害認定に関する行政解釈による。

    E:誤り。死亡一時金と寡婦年金の両方を受けられるときは、その者の選択によりどちらか一方を支給し、他方は支給しない(52条の6)。「死亡日から6年間」という定めはない。

  63. 問63

    国民年金法

    国民年金法における産前産後期間の保険料免除制度に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 ア 産前産後期間の保険料免除制度により保険料を納付することを要しないこととされた期間について、当該期間中に生活保護法による生活扶助を受けるときは、国民年金法第89条第1項第2号に該当するため、同条により保険料が免除される。 イ 産前産後の保険料免除期間は、死亡一時金及び脱退一時金の支給要件において、保険料納付済期間に算入される。 ウ 産前産後期間の保険料免除に関わる出産とは、妊娠85日(4か月)以上の分娩をいい、早産、死産、流産及び人工妊娠中絶を含む。 エ 国民年金に任意加入している被保険者は、産前産後保険料免除の対象となり、保険料の負担を免除される。 オ 保険料の納付期限から2年を経過したとき以降、産前産後の保険料免除に係る届出を行うことはできない。

    1. A(アとイ)
    2. B(アとエ)
    3. C(イとウ)
    4. D(ウとオ)
    5. E(エとオ)

    正解:C

    解説

    正解はC。国民年金の産前産後期間の保険料免除の効果・対象者・届出を問う。

    ア:誤り。法定免除(89条1項)は、88条の2(産前産後免除)の適用を受ける被保険者を除いている。産前産後免除の期間中に生活扶助を受けても、法定免除ではなく産前産後免除が適用される。

    イ:正しい。産前産後免除の期間は保険料納付済期間に算入される(5条1項)。このため、保険料納付済期間で要件を判断する死亡一時金(52条の2)や脱退一時金でも納付済期間として数える。

    ウ:正しい。産前産後免除の「出産」は妊娠85日(4か月)以上の分娩で、早産・死産・流産・人工妊娠中絶を含むとするのが行政解釈である。

    エ:誤り。任意加入被保険者には88条の2から90条の3までの規定を適用しない(附則5条10項)。産前産後免除の対象外である。

    オ:誤り。届出は出産予定日の6月前からできる(国年則73条の7第3項)が、届出の期限は定められていない。納付期限から2年を経過した後も届出ができるとするのが行政解釈である。

    よって正しいものはイとウで、C。

  64. 問64

    国民年金法

    国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A任意加入被保険者として保険料を前納した者が、前納期間の途中で第1号被保険者資格を取得した場合に当該被保険者が希望したときは、未経過期間に係る前納保険料の還付請求を求めず、当該期間を第1号被保険者の保険料納付済期間として算入させる。
    2. B第1号被保険者として保険料を前納した者が、前納期間の途中で国民年金法第88条の2の規定により産前産後期間の保険料納付義務が免除される場合は、未経過期間に係る前納保険料の還付請求を求めず、当該保険料を免除期間後の保険料として充当する。
    3. C第1号被保険者として保険料を前納した者が、前納期間の途中で第2号被保険者資格を取得したときは、未経過期間に係る前納保険料の還付請求を求めず、当該期間を第2号被保険者の保険料納付済期間として算入させる。
    4. D保険料を前納した者が、前納期間の途中で障害基礎年金の受給権者となったときは、既に納付した前納保険料は、その全額が保険料納付済期間として将来の老齢基礎年金の額に反映されるため、還付請求できない。
    5. E障害基礎年金の受給権者は、保険料納付を要しないため、保険料の前納はできない。

    正解:A

    解説

    正解はA。前納保険料の還付と、前納期間の途中で資格や免除の状況が変わった場合の扱いを問う。前納した保険料は、各月が経過した際に納付されたものとみなされる(93条3項)。

    A:正しい。任意加入被保険者が前納期間の途中で第1号被保険者の資格を取得した場合、本人が希望すれば、未経過期間の前納保険料を還付せずに第1号被保険者の保険料納付済期間に算入する扱いとするのが行政解釈である。

    B:誤り。前納期間の途中で産前産後免除(88条の2)に該当したときは、納付を要しなくなった期間に係る前納保険料は請求に基づき還付される(国年令9条1項2号イ)。免除期間後の保険料に充当するのではない。

    C:誤り。前納期間の途中で第2号被保険者となったときは、未経過期間に係る前納保険料は請求に基づき還付される(国年令9条1項1号ロ)。

    D:誤り。障害基礎年金の受給権者となり法定免除(89条1項)に該当すると、免除される期間に係る前納保険料は還付の対象となる(国年令9条1項2号ロ)。全額が必ず納付済期間になるわけではない。

    E:誤り。法定免除に該当する障害基礎年金の受給権者も、申出をすれば保険料を納付できる(89条2項)。前納ができないとはいえない。

  65. 問65

    国民年金法

    国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A国民年金法第89条第1項等の規定により納付を要しないとされた保険料の全部又は一部につき追納できるのは、被保険者又は被保険者であった者であり、障害基礎年金の受給権者は該当しない。
    2. B保険料を追納できる期間は、老齢基礎年金の受給権を得る前で、追納申請が厚生労働大臣に承認された日の属する月前5年以内の期間に限られる。
    3. C保険料の一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料について追納するには、その残余の額につき納付されていなければならない。
    4. D平成15年10月生まれの大学生が、20歳となった令和5年の誕生日月から令和8年3月末に卒業するまで学生納付特例の承認を受けた。この者が、令和10年10月に初めて追納を開始する場合の保険料額は、学生納付特例の承認を受けた当時の保険料額である。
    5. E申請免除等の始期は、申請日の属する月の5年前とされていることから、保険料の納期限から5年を経過していない期間について、遡って保険料免除申請及び納付猶予申請ができる。

    正解:C

    解説

    正解はC。保険料の追納の要件・期間・追納額と、免除申請でさかのぼれる期間を問う。

    A:誤り。追納できるのは被保険者又は被保険者であった者で、除かれるのは老齢基礎年金の受給権者だけである(94条1項)。障害基礎年金の受給権者は追納できる。

    B:誤り。追納できるのは、承認の日の属する月前「10年以内」の期間の保険料である(94条1項)。

    C:正しい。一部免除の保険料は、残余の額が納付されているときに限り追納できる(94条1項ただし書)。

    D:誤り。追納額は、各月の保険料額に政令で定める額を加算した額である(94条3項)。加算は、免除月の属する年度の翌々年度より後に追納する場合に生じる(国年令10条)。令和5年10月から令和8年3月までの保険料を令和10年10月(令和10年度)に追納すると、どの月も加算の対象となり、承認当時の保険料額のままではない。

    E:誤り。免除や納付猶予の申請でさかのぼれるのは、保険料の納期限から2年を経過していない期間であるとするのが行政解釈である。5年ではない。

  66. 問66

    国民年金法

    国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A厚生年金保険の被保険者の資格を取得したときは、その者が20歳未満でも、国民年金の第2号被保険者資格を取得する。
    2. B国民年金法第109条の2の2第1項に規定する学生等被保険者が学生納付特例事務法人に学生納付特例申請をしたときは、学生等被保険者により提出された申請書類を、当該法人が日本年金機構に提出した日に学生納付特例申請があったものとみなす。
    3. C国民年金第1号被保険者の甲は、日本国内に住所を有しなくなった日に、さらに国民年金第2号被保険者に該当するに至った。この場合、甲は、国民年金第2号被保険者に該当するに至った日に国民年金第1号被保険者資格を喪失する。
    4. D第3号被保険者とは、第2号被保険者の被扶養配偶者のうち20歳以上60歳未満の者のことであるが、被扶養配偶者の認定については令和8年4月1日以降、認定対象者の年間収入が、労働条件通知書等の労働契約の内容が確認できる書類において規定される時給・労働時間・日数等を用いて算出した年間収入の見込み額が基準額未満である場合を想定し、労働契約段階では見込み難い時間外労働に対する賃金等の臨時収入を含めないで判定される。
    5. E第1号被保険者及び第3号被保険者は、第2号被保険者に該当することとなった場合を除き、60歳に達した日に国民年金の被保険者の資格を喪失する。

    正解:B

    解説

    正解はB。被保険者資格の取得と喪失・学生納付特例事務法人・第3号被保険者の認定を問う。Bは申請があったとみなす日が誤り。

    A:正しい。第2号被保険者は厚生年金保険の被保険者であり(7条1項2号)、20歳未満でもなる。

    B:誤り。学生等被保険者が学生納付特例事務法人に申請を委託したときは、その「委託をした日」に申請があったものとみなす(109条の2の2第2項)。法人が日本年金機構に提出した日ではない。

    C:正しい。日本国内に住所を有しなくなった日に第2号被保険者に該当したときは、その日に第1号被保険者の資格を喪失する(9条2号と柱書の括弧書き)。

    D:正しい。第3号被保険者の定義は7条1項3号のとおり。令和8年4月1日以降の被扶養者の認定は、労働条件通知書等に記された労働契約の内容から算出した年間収入の見込額で判定し、契約段階で見込み難い時間外労働の賃金等の臨時収入は含めないとするのが行政解釈である。

    E:正しい。60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く)は、その日に資格を喪失する(9条3号と柱書の括弧書き)。

  67. 問67

    国民年金法

    国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

    1. A国民年金法第109条の2に規定された指定全額免除申請事務取扱者は、基準に該当する被保険者又は被保険者であった者に対して納付勧奨及び免除勧奨を行うこととされ、基準に該当する被保険者又は被保険者であった者より委託を受けて全額免除申請及び納付猶予申請を行うことができる。
    2. B昭和61年3月31日までの期間において、厚生年金保険の被保険者の配偶者であったため、国民年金の任意加入被保険者となることができた期間は、老齢基礎年金の合算対象期間とされるが、この期間に任意加入の申出を行い任意加入被保険者となったものの保険料を納付しなかった場合は合算対象期間とはされない。
    3. C障害基礎年金の受給権は、厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害厚生年金の障害等級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過したときは消滅する。ただし、3年を経過した日において、当該受給権者が65歳未満であるときを除く。
    4. D死亡日の前日において遺族基礎年金の保険料納付要件を満たした第3号被保険者が死亡したときに、その者に生計を維持する子(国民年金法第37条の2第1項第2号に該当する子)がいた場合は、その者と生計を同じくしていた配偶者の収入が将来にわたって厚生労働大臣の定める金額未満であれば、当該配偶者に遺族基礎年金が支給される。
    5. E初診日の前日において障害基礎年金の保険料納付要件を満たした第3号被保険者が国民年金法第30条第2項に規定する障害等級に該当したときに、その者に生計を維持する子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にある子)がいる場合は、その者の障害基礎年金の額に子の加算が行われる。

    正解:B

    解説

    正解はB。全額免除申請の事務手続の特例・合算対象期間・障害基礎年金の失権・遺族基礎年金・子の加算を問う。Bは任意加入して未納だった期間の扱いが逆である。

    A:正しい。指定全額免除申請事務取扱者は、全額免除の要件に該当する被保険者等から委託を受けて全額免除申請をすることができ(109条の2第1項)、納付猶予の要件に該当する者から委託を受けて納付猶予申請をすることもできる(平成26年改正法附則15条1項)。指定を受けるには、保険料の納付の勧奨等の事務を実施する者であることを示さなければならない(国年則83条の3の2第4号)。

    B:誤り。昭和61年3月31日以前に厚生年金保険の被保険者等の配偶者として任意加入できた期間は、任意加入しなかった期間が合算対象期間となる(昭和60年改正法附則8条5項1号)。加えて、任意加入したが保険料を納付しなかった期間も合算対象期間に算入される(平成24年改正法附則11条1項)。「合算対象期間とはされない」が誤り。

    C:正しい。障害等級(3級を含む)に該当しなくなってから該当することなく3年を経過したときは失権するが、その日に65歳未満であれば失権しない(35条3号)。

    D:正しい。被保険者の死亡で保険料納付要件を満たせば遺族基礎年金の支給要件に当たる(37条1号)。子と生計を同じくする配偶者は遺族となり(37条の2第1項1号)、生計維持の認定は政令の定めによる(同条3項)。

    E:正しい。生計を維持する子があるときは障害基礎年金に子の加算が行われる(33条の2第1項)。受給権取得後に子を有するに至った場合も加算される(同条2項)。

  68. 問68

    国民年金法

    国民年金法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 ア 政府は、国民年金法第4条の3第1項の規定により作成する「財政の現況及び見通し」において、年金たる給付(付加年金を含む。)の額の調整を行う必要がなくなったと認められるときは、政令で、調整期間の終了年度を定めるものとされている。 イ 国民年金法第94条第1項の規定により保険料の追納が行われたときは、追納が行われた日に、追納に係る月の保険料が納付されたものとみなすこととなっている。 ウ 国民年金法第93条第1項の規定により保険料の前納が行われたときは、保険料納付済期間又は保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間若しくは保険料4分の1免除期間を計算する場合においては、前納が行われた日に、前納に係る期間の各月の保険料が納付されたものとみなすこととなっている。 エ 付加保険料を納付する第1号被保険者が、国民年金基金の加入員となったときは、その加入員となった日の前日に、付加保険料の納付の辞退の申出をしたものとみなされる。 オ 国民年金基金連合会には、評議員で組織する評議員会が置かれ、規約の変更、毎事業年度の予算、毎事業年度の事業報告及び決算その他規約で定める事項については、評議員会の議決を経なければならない。

    1. A(アとウ)
    2. B(アとエ)
    3. C(イとエ)
    4. D(イとオ)
    5. E(ウとオ)

    正解:D

    解説

    正解はD。調整期間・追納と前納の効果・付加保険料・国民年金基金連合会を問う。

    ア:誤り。マクロ経済スライドで調整するのは「年金たる給付(付加年金を除く。)」の額である(16条の2第1項)。調整期間の終了年度を政令で定める点(同条2項)は正しいが、付加年金を含むとした点が誤り。

    イ:正しい。94条4項。

    ウ:誤り。前納された保険料は、前納に係る期間の「各月が経過した際に」その月の保険料が納付されたものとみなす(93条3項)。前納が行われた日ではない。

    エ:誤り。付加保険料を納付する者が国民年金基金の加入員となったときは、加入員となった「日」に付加保険料を納付する者でなくなる申出をしたものとみなす(87条の2第4項)。前日ではない。

    オ:正しい。連合会に評議員で組織する評議員会を置き(137条の10第1項・2項)、規約の変更・予算・事業報告及び決算・規約で定める事項は評議員会の議決を要する(137条の11第1項)。

    よって正しいものはイとオで、D。

  69. 問69

    国民年金法

    国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A老齢基礎年金の振替加算について、年齢要件については大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者であるが、その額については、受給権者の老齢基礎年金の額に受給権者の生年月日に応じて政令で定められた率を乗じて得た額となる。
    2. B振替加算が加算された老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金の支給を受けることができるときは、その間、振替加算の額に相当する部分の支給が停止される。
    3. C付加年金の額は、200円に付加保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とされており、老齢基礎年金の支給繰下げの申出を行った場合においても付加年金は支給の繰下げは行われず、支給額が増額されることもない。
    4. D受給権者が、正当な理由がなくて、国民年金法第105条第3項の規定による届出をせず、又は書類その他の物件を提出しないときは、年金給付の支給は停止されることとなっている。
    5. E国民年金法による学生の保険料の納付特例の規定により、保険料を納付することを要しないものとされた期間については、その期間に係る保険料が追納されない限り、老齢基礎年金の額には反映されない。

    正解:E

    解説

    正解はE。振替加算・付加年金の繰下げ・届出をしない場合の効果・学生納付特例期間の年金額への反映を問う。

    A:誤り。振替加算の対象が大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた者である点は正しい。しかし額は、22万4,700円に改定率を乗じた額に、生年月日に応じて政令で定める率を乗じて得た額である(昭和60年改正法附則14条1項)。老齢基礎年金の額に率を乗じるのではない。

    B:誤り。振替加算の額に相当する部分が停止されるのは、障害基礎年金・障害厚生年金など障害を支給事由とする年金給付を受けられるときである(昭和60年改正法附則16条1項)。遺族厚生年金はこれに当たらない。

    C:誤り。付加年金の額が200円に付加保険料の納付済期間の月数を乗じた額である点は正しい(44条)。しかし老齢基礎年金を繰り下げると付加年金も繰り下げられ、老齢基礎年金と同じ率で増額される(46条1項・2項で28条4項を準用)。

    D:誤り。105条3項の届出をしない等の場合は、年金給付の支払を「一時差し止めることができる」(73条)。支給停止ではない。

    E:正しい。学生納付特例の期間は保険料全額免除期間に算入されるが、老齢基礎年金の額を計算する月数からは除かれる(27条8号の括弧書き)。追納すれば保険料納付済期間となり、額に反映される。

  70. 問70

    国民年金法

    国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. A年金の支払においては、毎支払期月ごとに支払われる金額に1円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てるものとされているが、毎年5月から翌年4月までの間において切り捨てた金額の合計額(1円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てた額)については、これを当該4月の支払期月の年金額に加算するものとする。
    2. B厚生労働大臣は、国民年金制度に対する国民の理解を増進させ、及びその信頼を向上させるため、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者に対し、当該被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとされているが、当該被保険者が35歳、45歳及び55歳に達する日の属する年度における通知については、被保険者の資格の取得及び喪失並びに種別の変更の履歴や国民年金保険料の納付状況なども通知することとなっている。
    3. C配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時胎児であった子が生まれたときは、その子は、配偶者がその権利を取得した当時遺族基礎年金の遺族の範囲に該当するものとされるが、遺族基礎年金の額については、その子が生まれた日の属する月から改定される。
    4. D期間を定めて支給を停止されている障害基礎年金の受給権者に対して、更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、併合認定の規定により支給する前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金は、従前の障害基礎年金の支給を停止すべきであった期間、その支給を停止するものとし、その間、その者に従前の障害を併合しない障害の程度による障害基礎年金を支給する。
    5. E死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における付加保険料納付済期間が2年以上である者の遺族に支給される死亡一時金の額には、一律8,500円が加算される。

    正解:D

    解説

    正解はD。支払額の端数処理・ねんきん定期便・胎児が生まれたときの改定・併合認定と支給停止・死亡一時金の加算を問う。Dは32条1項どおりである。

    A:誤り。各支払期月の支払額の1円未満の端数を切り捨てる点は正しい(18条の2第1項)。しかし切り捨てた金額は毎年3月から翌年2月までの分を合計し、2月の支払期月の年金額に加算する(同条2項)。

    B:誤り。資格の取得・喪失・種別変更の履歴や全期間の納付状況まで通知するのは、35歳・45歳・59歳に達する日の属する年度である(国年則15条の4第2項)。55歳ではない。

    C:誤り。胎児であった子が生まれたときは、その子が生まれた日の属する月の「翌月」から遺族基礎年金の額を改定する(39条2項)。

    D:正しい。32条1項の条文どおり。

    E:誤り。8,500円が加算されるのは、付加保険料の納付済期間が「3年以上」ある者の遺族である(52条の4第2項)。2年ではない。

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