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分野別対策2026年度試験対応

宅建業法の対策|20問中18点を取るための頻出テーマと覚え方

宅建業法は50問のうち20問を占めます。しかも令和4年度から令和7年度まで、4年連続で問26から問45に置かれています。出題の根拠が宅地建物取引業法と施行令・施行規則にほぼ閉じているため、覚えた分がそのまま得点になる分野です。ここを17点で止めるか19点まで伸ばすかで、合否の見え方が変わります。

公開日
2026年8月1日
更新日
2026年8月2日
読了目安
21
20問の番号表、契約書、採点チェックを配置した宅建業法の記事カバー
先に結論

宅建業法は20問中18点を目標に置きます。令和4〜7年度の80問を数えると、35条重要事項説明が12問、37条書面が9問、8種制限が9問で、この3つだけで4年間30問を占めます。制度ごとに「誰が・誰に・いつまでに・何を・例外は何か」を1つの表に並べ、対応する問題で確認する進め方が最短です。

この記事でわかること

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます

  • 令和4〜7年度の宅建業法80問を数えたテーマ別の出題実績
  • 35条書面と37条書面の違いを、時期・説明義務・記名・相手方で分ける方法
  • 8種制限の適用条件と、条文が定める数字(10分の2、5%、1,000万円など)
  • 営業保証金と保証協会、媒介契約3類型、報酬額の告示の数字を対比で覚える手順

01結論:宅建業法は範囲が閉じているから、時間が点に変わる

宅建試験の50問は、権利関係14問、法令上の制限8問、税・その他8問、宅建業法20問という構成です。宅建業法だけで全体の40%を占めます。この配点の大きさはよく指摘されますが、宅建業法を優先すべき理由はもう1つあります。出題の根拠が宅地建物取引業法と施行令・施行規則、それに国土交通省の告示やガイドラインにほぼ限られていることです。

権利関係では、条文を読み込んでも判例まで追わないと解けない問題が出ます。宅建業法にはその外側がありません。条文の要件と数字を正確に覚えれば、初見の問題でも判断できます。つまり投下した時間が最も素直に得点へ変わる分野です。

したがって目標点は20問中18点に置きます。過去10年の合格点は50問中33点から38点の範囲で動いていますが、宅建業法で18点を確保できていれば、残り30問で20点取れば38点に届きます。逆に宅建業法が14点で止まると、範囲の広い他の3分野で24点を取る必要が生じ、負担が跳ね上がります。

この記事では、当サイトが収録している令和4年度から令和7年度までの本試験から、宅建業法にあたる問26〜問45の80問を取り出して数え、どのテーマに時間を配分すべきかを決めます。条文の数字は e-Gov 法令検索の条文から確認しています。

02宅建業法20問の位置:4年連続で問26〜45

令和4年度から令和7年度まで、宅建業法は4年連続で問26から問45までの20問に置かれています問25までが権利関係・法令上の制限・税、問46からが免除科目です。この配置が安定しているため、本試験の解く順序を設計しやすくなります。

本試験は50問を120分で解くので、1問あたり2分24秒です。宅建業法20問を先に解いて48分、法令上の制限8問と税3問で26分、免除科目5問で10分、残る36分を権利関係14問に充てるという配分が1つの目安になります。権利関係を最初に解くと、事例問題で時間を使ったあと配点の大きい宅建業法に疲れた状態で入ることになります。

問45は4年連続で特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律から出ています。宅建業法そのものではありませんが、この分野の20問に含まれます。範囲が狭く、供託と保険という2つの資力確保措置を押さえれば取れる可能性が高い1問です。

03頻出テーマ一覧:令和4〜7年度の80問を数える

下の表は、令和4年度から令和7年度までの宅建業法80問を、テーマ別に分類して数えたものです1問に複数の論点が混ざる場合は、問題全体の中心になっている制度で数え、中心が定まらないものは「複数論点にまたがる総合問題」としています。分類は当サイトの基準によるもので、実施機関がテーマ別の出題数を公表しているわけではありません

表から読み取れることは明確です。35条重要事項説明が12問、37条書面が9問で、この2つだけで4年間80問中21問、全体の4分の1を超えます。毎年5問前後がこの2つから出ている計算になります。次いで8種制限が9問、営業保証金と保証協会が7問です。

上位4テーマ(35条、37条、8種制限、営業保証金と保証協会)で37問、80問の46%を占めます。宅建業法の学習時間を配分するとき、この4つに半分を充てるのが数字に沿った判断です。

宅建業法で優先して学ぶ35条・37条、8種制限など5テーマ
図解35条・37条を最優先に、8種制限、保証制度、媒介契約、報酬額を比較しながら反復します。拡大して見る ↗
宅建業法のテーマ別出題数(令和4〜7年度の問26〜45、計80問)
テーマ令和4年度令和5年度令和6年度令和7年度4年合計
重要事項説明(35条)4問2問3問3問12問
37条書面(契約書面)2問2問3問2問9問
8種制限(クーリング・オフ、手付金等の保全ほか)2問2問2問3問9問
営業保証金・保証協会2問2問2問1問7問
媒介契約(建物状況調査を含む)2問2問1問1問6問
業務上の規制(勧誘、従業者名簿、告知のガイドライン)0問3問1問2問6問
宅地建物取引士(登録・宅建士証2問0問2問1問5問
免許・変更の届出0問2問1問2問5問
広告規制1問1問1問2問5問
報酬額の制限1問1問1問1問4問
住宅瑕疵担保履行法(問451問1問1問1問4問
監督処分・罰則0問1問1問0問2問
事務所・案内所(50条2項の届出を含む)1問0問1問0問2問
犯罪による収益の移転防止に関する法律0問0問0問1問1問
複数論点にまたがる総合問題2問1問0問0問3問
合計20問20問20問20問80問

04最優先は35条と37条:4年で21問

35条書面(重要事項説明書)と37条書面(契約書面)は、名前が似ているうえに記載事項も一部重なるため、混同が起きやすい組み合わせです。しかも4年で21問出ています。ここを分けられるかどうかが、宅建業法の得点を決めます。

分ける軸は、取引のどの時点かという1点です。35条は契約が成立するまでの間、37条は契約が成立した後です。この前後関係を先に固定してから、説明義務の有無、記名、相手方、宅建士証の提示という順に並べます。記載事項を先に暗記しようとすると、どちらの書面のものか分からなくなります。

条文の文言も確認しておきます。35条1項は「その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして…書面を交付して説明をさせなければならない」と定めています。37条1項は「契約を締結したときは…遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない」で、説明義務は書かれていません。この違いがそのまま出題されます。

35条書面と37条書面の対比
項目35条書面(重要事項説明書)37条書面(契約書面)
時期契約が成立するまでの間契約が成立した後、遅滞なく
説明の要否宅地建物取引士による説明が必要説明は不要。交付だけでよい
宅地建物取引士の記名必要(35条必要(37条3項)
説明する人宅地建物取引士であればよく、専任である必要はない交付は宅地建物取引業者の義務
相手方売買は買主、貸借は借主、交換は両当事者。売主・貸主には説明不要売買・交換・貸借とも契約の各当事者
宅建士証の提示説明のときは提示しなければならない(35条5項)35条のような提示義務の規定はない。請求があれば提示(22条の4)
相手が宅建業者の場合交付のみでよく、説明は不要交付は必要
電磁的方法による提供相手方の承諾を得て可能(令和4年5月18日施行)相手方の承諾を得て可能(令和4年5月18日施行)

058種制限:最初に確認するのは当事者の属性

8種制限は、宅地建物取引業者が自ら売主となり、買主が宅地建物取引業者でない場合にだけ適用される規定群です宅建業法78条2項は「第三十三条の二及び第三十七条の二から第四十三条までの規定は、宅地建物取引業者相互間の取引については、適用しない」と定めています。問題文に「買主は宅地建物取引業者ではないものとする」という但し書きが付くのは、この適用条件を満たすためです。

したがって、8種制限の問題を見たら、制度の内容を思い出す前に2つを確認します。売主が宅建業者として自ら売主になっているか。買主が宅建業者でないか。どちらかを満たさなければ、8種制限は働きません。媒介や代理で関与しているだけの場合も適用されません。

そのうえで、条文が定める数字を正確に覚えます。下の表の数字は、いずれも本試験でそのまま問われます。

  • 工事完了前は100分の5、工事完了後は10分の1。どちらも1,000万円という上限が別に付く
  • 10分の2は損害賠償額の予定と手付の額の2か所に出る。合算するのは損害賠償額の予定と違約金
  • クーリング・オフの起算日は「告げられた日」であって、申込みをした日でも契約日でもない
8種制限の一覧と条文が定める数字
制度条文要点
自己の所有に属しない宅地建物の売買の制限33条の2取得する契約を締結しているなど一定の場合を除き、売買契約を締結できない
クーリング・オフ37条の2事務所等以外の場所で買受けの申込みをした場合。書面で告げられた日から起算して8日を経過すると不可。引渡しを受け、かつ代金の全部を支払ったときも不可
損害賠償額の予定等の制限38条予定額と違約金を合算した額が代金の10分の2を超える定めをしてはならない。超える部分が無効
手付の額の制限等39条代金の10分の2を超える額の手付を受領できない。受領した手付は解約手付とみなされる
担保責任についての特約の制限40条引渡しの日から2年以上とする特約を除き、民法より買主に不利な特約は無効
手付金等の保全(工事完了前)41条手付金等の額が代金の100分の5以下で、かつ1,000万円以下なら保全措置は不要
手付金等の保全(工事完了後)41条の2手付金等の額が代金の10分の1以下で、かつ1,000万円以下なら保全措置は不要
割賦販売契約の解除等の制限42条30日以上の相当の期間を定めて書面で催告しなければ、解除や期限未到来の賦払金の請求ができない
所有権留保等の禁止43条代金の10分の3を超える額の支払を受けるまでに、登記その他引渡し以外の売主の義務を履行しなければならない

06営業保証金と保証協会は、必ず並べて覚える

この2つは4年で7問出ています単独で覚えると必ず混ざるので、最初から対比表にします。どちらも取引の相手方を保護するための資力確保の仕組みですが、金額も手続も期限も違います。

供託所の場所を混同する誤りがよく作られます。営業保証金は主たる事務所のもよりの供託所に、宅建業者自身が供託します。弁済業務保証金は、保証協会が法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所に供託します。宅建業者が納めるのは分担金であって、供託するのは協会です。

期限の数字も並べます。営業保証金は、免許を受けた日から3か月以内に届出がないと催告が行われ、催告が到達した日から1か月以内に届出がなければ免許を取り消すことができます。保証協会の社員は、新たに事務所を設置したときは、その日から2週間以内に分担金を納付しなければなりません。

営業保証金と保証協会(弁済業務保証金)の対比
項目営業保証金保証協会に納付する分担金
主たる事務所1,000万円60万円
その他の事務所(1か所につき)500万円30万円
納める先主たる事務所のもよりの供託所に、業者自身が供託保証協会に納付。協会が法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所に供託
事業を開始できる時点供託して届け出た後加入しようとする日までに分担金を納付
事務所を新設したとき供託して届け出るまで、その事務所では営業できない設置した日から2週間以内に納付。遅れると社員の地位を失う
還付があったとき国土交通省令で定める日から2週間以内に不足額を供託通知を受けた日から2週間以内に還付充当金を納付。遅れると社員の地位を失う
有価証券での代用国債・地方債などで可能分担金は金銭のみ
画像で覚える

頻出論点を一枚で思い出す

画像を見た後は、論点解説と○×問題で判断条件まで確認できます。

07媒介契約は3類型の縦の比較で覚える

媒介契約は4年で6問出ています。一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3類型について、他業者への依頼、自己発見取引、有効期間、報告の頻度、指定流通機構への登録期限という5つの軸で比較します。

数字の出どころも分けて覚えます。有効期間3か月と報告の頻度は宅建業法34条の2に書かれていますが、指定流通機構への登録期限は施行規則15条の10に「専任媒介契約の締結の日から7日(専属専任媒介契約にあつては、5日)」と定められ、「休業日数は算入しない」とされています。この休業日の扱いが問われることがあります。

有効期間についても注意点があります3か月を超える期間を定めたときは、契約全体が無効になるのではなく、その期間が3か月とされます。更新は依頼者の申出によってのみ可能で、自動更新の特約は認められません。

媒介契約3類型の対比
項目一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
他の業者へ重ねて依頼できるできないできない
依頼者が自分で相手を見つけるできるできるできない
有効期間法律上の制限なし3か月以内。超えて定めた場合は3か月3か月以内。超えて定めた場合は3か月
業務処理状況の報告法律上の義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上
指定流通機構への登録義務なし締結の日から7日以内(休業日を除く)締結の日から5日以内(休業日を除く)
申込みがあったときの報告遅滞なく依頼者へ報告遅滞なく依頼者へ報告遅滞なく依頼者へ報告
画像で覚える

頻出論点を一枚で思い出す

画像を見た後は、論点解説と○×問題で判断条件まで確認できます。

08報酬額は毎年1問。告示の数字をそのまま覚える

報酬額の制限は、令和4年度から令和7年度まで4年連続で1問出ています。計算問題として出ることが多く、正確に覚えていれば確実に取れる1問です。

上限額を定めているのは宅建業法46条と、国土交通省の告示です。告示は価額を3つに区分し、200万円以下の部分に100分の5.5、200万円を超え400万円以下の部分に100分の4.4、400万円を超える部分に100分の3.3を掛けた金額を合計する方式を採っています。この率には消費税等相当額が含まれます。

実務や受験でよく使われる速算式は、この3区分を1本にまとめたものです。代金が400万円を超えるなら「代金×3%+6万円」、200万円を超え400万円以下なら「代金×4%+2万円」(いずれも消費税抜き)になります。区分ごとの差額を足し込んだ結果なので、告示の方式と同じ答えになります。

低廉な空家等の特例には注意が必要です。現行の告示では、800万円以下の宅地建物の売買・交換の媒介について、費用を勘案して上限を超える報酬を受けられるが、依頼者から受ける額は30万円の1.1倍を超えてはならないとされています。この特例は令和6年6月21日の告示(同年7月1日施行)で改正されているため、令和6年度以前の過去問にある数字は現行と異なる可能性があります。受験年度の告示で必ず確認してください。

報酬額の上限(国土交通省告示。率は消費税等相当額を含む)
区分告示が定める上限補足
売買・交換の媒介(200万円以下の部分)100分の5.5消費税抜きでは5%
売買・交換の媒介(200万円超400万円以下の部分)100分の4.4消費税抜きでは4%。速算では代金×4%+2万円
売買・交換の媒介(400万円を超える部分)100分の3.3消費税抜きでは3%。速算では代金×3%+6万円
売買・交換の代理媒介の計算方法で算出した額の2倍以内相手方からも受ける場合、合計額が2倍を超えてはならない
貸借の媒介双方から受ける合計が借賃1か月分の1.1倍以内居住用建物は、承諾を得ている場合を除き、依頼者の一方から0.55倍以内
貸借の代理借賃1か月分の1.1倍以内相手方からも受ける場合、合計額が1.1倍を超えてはならない
低廉な空家等(800万円以下)の売買・交換の媒介依頼者から受ける額は30万円の1.1倍以内令和6年7月1日施行の告示による特例
画像で覚える

頻出論点を一枚で思い出す

画像を見た後は、論点解説と○×問題で判断条件まで確認できます。

09免許と宅地建物取引士は、主語を分けて覚える

免許は宅地建物取引業者に、登録と宅建士証は宅地建物取引士に関する制度です。4年間で免許が5問、宅建士が5問出ています。混同が起きるのは、どちらにも欠格事由があり、どちらにも変更の届出があるためです。主語を先に決めてから内容を思い出す習慣をつけます。

免許では、免許権者の区分が繰り返し問われます。2つ以上の都道府県に事務所を設置する場合は国土交通大臣、1つの都道府県内だけなら都道府県知事です。事務所の場所であって、取引する物件の所在地ではありません

宅建士では、資格試験の合格・登録・宅建士証の交付という3段階を分けます。合格に有効期限はありませんが、登録には実務経験または登録実務講習の修了が必要で、宅建士証の有効期間は5年です。登録の移転は任意で、宅建士証の交付を受けている都道府県以外の事務所に従事することとなった場合に申請できます。

事務所には専任の宅地建物取引士を置く義務があります。施行規則15条の5の3は、事務所については業務に従事する者の数に対する専任の宅建士の割合が5分の1以上となる数、案内所等については1以上と定めています。「5人に1人」という覚え方は、この割合を言い換えたものです。

10広告規制と業務上の規制は、場面で切り分ける

広告規制は4年で5問、業務上の規制は6問出ています。合わせると11問で、35条に次ぐ量です。近年は勧誘に関する規定からの出題が目立ちます。

広告では3つを分けます。誇大広告等の禁止、未完成物件の広告開始時期の制限、取引態様の別の明示です。広告開始時期の制限は、開発許可や建築確認などの処分があった後でなければ広告できないというもので、契約締結時期の制限とは別の規定です。取引態様の明示は、広告をするときと注文を受けたときの両方で必要になります。

業務上の規制では、勧誘に関する禁止行為が繰り返し問われます。勧誘に先立って商号または名称、勧誘者の氏名、勧誘目的である旨を告げること、相手方が契約しない旨の意思を示したときに勧誘を継続しないことなどが該当します。令和5年度と令和7年度には、この領域から複数問出題されています。

令和6年度の問42では、宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン(令和3年10月8日公表)が出題されました。条文ではなくガイドラインからの出題もあるという例です。

11深入りしない論点の見極め

宅建業法は範囲が閉じているとはいえ、条文数は多く、すべてを同じ密度で覚える必要はありません。4年間の出題実績から、深追いしない領域が判断できます。

監督処分・罰則は4年で2問です。処分権者と処分の種類、聴聞の要否という骨格までは押さえますが、罰金額や拘禁刑の年数といった細部までは追いません。事務所・案内所も2問で、50条2項の届出の時期と場所という主要な論点にとどめます。

犯罪による収益の移転防止に関する法律は4年で1問です。宅建業者が特定事業者にあたることと、取引時確認の対象が売買であって媒介ではない点を押さえれば足ります。ここに時間をかけるより、35条の説明事項を1つ増やすほうが期待値が高くなります。

逆に、出題数が少なくても骨格を落とせないのが供託所等の説明(35条の2)です。単独での出題は少ないものの、35条の問題の中に肢として混ざります。同様に、宅建業の定義と免許の要否も、単独の問題より他のテーマの肢として現れます。

12学習の順序は、取引の流れに沿わせる

宅建業法を条文順に学ぶと、免許の細かい要件から入ることになり、全体像が見えないまま数字の暗記が続きます。取引の流れに沿って並べ替えると、制度どうしの関係が見えます。

流れは、業を始める段階(免許、事務所、専任の宅建士、営業保証金または保証協会への加入)、依頼を受ける段階(媒介契約、指定流通機構への登録)、物件を売り出す段階(広告規制、取引態様の明示)、契約に向かう段階(35条重要事項説明)、契約する段階(37条書面、8種制限)、報酬を受け取る段階(報酬額の制限)、違反したとき(監督処分・罰則)の順です。

この順序で1周すると、8種制限が「契約の場面で買主を守る規定群」だと位置づけられます。制度名を単独で覚えるより、どの場面の規定かが分かるほうが、問題文を読んだときに関連する知識を引き出しやすくなります。

  1. 1.業を始める:免許、事務所と専任の宅建士、営業保証金または保証協会
  2. 2.依頼を受ける:媒介契約3類型、指定流通機構への登録、建物状況調査のあっせん
  3. 3.売り出す:誇大広告等の禁止、広告開始時期の制限、取引態様の明示
  4. 4.契約に向かう:35条重要事項説明、供託所等の説明
  5. 5.契約する:37条書面、8種制限
  6. 6.報酬を受け取る:報酬額の制限、報酬以外の金銭の受領禁止
  7. 7.違反したとき:監督処分、罰則

13条文のどこを読むか

宅建業法の学習では、テキストの説明だけでなく条文そのものを一度読むと、出題される言い回しに慣れます。全条文を読む必要はありません。読む価値が高いのは、数字と要件が集中している次の条文です。

媒介契約なら34条の2、重要事項説明なら35条、37条書面なら37条、8種制限なら33条の2と37条の2から43条まで、適用除外なら78条2項です。金額の根拠は施行令にあります。営業保証金の額は施行令2条の4、手付金等の保全が不要になる額は施行令3条の5、分担金の額は施行令7条です。指定流通機構への登録期間は施行規則15条の10、専任の宅建士の割合は施行規則15条の5の3にあります。

報酬額は法律ではなく国土交通省の告示に定められています。告示は法令検索ではなく国土交通省のサイトで公表されているため、参照先が別になる点に注意してください。この記事の末尾に、参照した条文と告示のリンクをまとめてあります。

14宅建業法で間違える4つの型

宅建業法の誤りの肢は、書き換えのパターンがおおむね4つに収まります。この4つを知っていると、初見の肢でも怪しい箇所に先に目が行きます。

1つ目は主体のすり替えです。宅建士でよいものを「専任の宅建士」に限定する、都道府県知事の権限を国土交通大臣にする、といった書き換えです。35条の説明者を専任の宅建士に限る、という誤りは繰り返し出題されています。

2つ目は数字の入れ替えです。専任媒介契約の報告を1週間に1回以上にする、指定流通機構への登録を5日以内にする、といった形で専属専任の数字と交換します。手付金等の保全でも、5%と10分の1を入れ替える書き換えが作られます。

3つ目は原則と例外の反転です。相手が宅建業者の場合は35条の説明が不要であるのに必要と書く、8種制限が業者間取引に適用されないのに適用されると書く、といった形です。

4つ目は要件の欠落です。手付金等の保全措置が不要になるには「代金の5%以下」と「1,000万円以下」の両方が必要なのに、片方だけを示して不要と結論づける肢が典型です。

  • 誤答を記録するときは、論点名とあわせてこの4つのどれで間違えたかを残す
  • 同じ型で3回間違えるなら、知識ではなく読み方の問題である可能性が高い

15到達度は「説明できた問題数」で測る

宅建業法で18点を狙うなら、目安は分野内の到達率85%以上です。ここでの到達率は正答率ではなく、理由を説明したうえで正解できた問題の割合を指します。消去法で当たった問題は、本試験の別の言い回しでは再現しません。

当サイトでは、宅建業法の○×一問一答を161問、暗記表を161項目、要点整理を16論点公開しています。一問一答は1問10秒で正誤を判定する形式なので、通勤中や休憩時間の細切れ時間に回せます。間違えた問題からは、対応する論点の要点整理へ直接移動できます。

測り方の手順は単純です。宅建業法の一問一答を分野指定で30問解き、理由を説明できた問題を数えます。25問を超えているなら、次は令和7年度の問26〜45を本試験の形式で解きます。20問を切っているなら、35条・37条・8種制限の3テーマだけに絞ってもう一巡します。

宅建業法は、時間をかけた分だけ点が動く数少ない分野です。全体の学習時間が足りないと感じたときも、この分野の反復だけは最後まで残してください。

よくある質問

宅建業法は何点を目標にすればよいですか。

20問中18点を目標に置きます。過去10年の合格点は50問中33点から38点で動いており、宅建業法で18点を確保できていれば、残り30問で20点取れば38点に届きます。宅建業法が14点で止まると、範囲の広い他の3分野で24点必要になり、負担が跳ね上がります。宅建業法は出題の根拠が宅地建物取引業法と施行令・施行規則、告示にほぼ限られており、覚えた分がそのまま得点になる分野なので、ここを最優先にする配分が合理的です。

宅建業法で最も出題が多いのはどのテーマですか。

令和4〜7年度の80問を数えると、35条重要事項説明が12問で最多です。次いで37条書面が9問、8種制限が9問、営業保証金と保証協会が7問と続きます。35条と37条だけで4年間21問、全体の4分の1を超えます。上位4テーマで37問となり、80問の46%を占めます。学習時間の半分をこの4つに配分するのが、出題実績に沿った判断です。なおこの分類は当サイトの基準によるもので、実施機関がテーマ別の出題数を公表しているわけではありません。

35条書面と37条書面の違いをどう覚えればよいですか。

記載事項から覚えず、取引のどの時点かを先に固定します。35条は契約が成立するまでの間で、宅地建物取引士による説明が必要です。37条は契約が成立した後で、交付だけでよく説明義務はありません。どちらも宅地建物取引士の記名が必要です。宅建士証の提示義務は35条の説明のときにあり、37条にはその規定がありません。相手方が宅地建物取引業者の場合、35条は交付のみでよく説明が不要になりますが、37条書面の交付は必要です。この5つの軸で表にすると混同しにくくなります。

8種制限はどんなときに適用されますか。

宅地建物取引業者が自ら売主となり、買主が宅地建物取引業者でない場合にだけ適用されます。宅建業法78条2項が、33条の2および37条の2から43条までの規定を宅地建物取引業者相互間の取引には適用しないと定めているためです。媒介や代理で関与しているだけの場合も適用されません。問題文に「買主は宅地建物取引業者ではないものとする」と書かれているのは、この条件を満たすための記述です。制度の内容を思い出す前に、売主と買主の属性を確認する順序を守ってください。

手付金等の保全措置が不要になるのはどんな場合ですか。

工事完了前の物件(41条)では、手付金等の額が代金の100分の5以下で、かつ1,000万円以下のときです。工事完了後の物件(41条の2)では、代金の10分の1以下で、かつ1,000万円以下のときです。どちらも2つの条件を同時に満たす必要があり、片方だけでは不要になりません。また買主への所有権移転の登記がされたとき、買主が所有権の登記をしたときも保全措置は不要です。試験では、5%と10分の1を入れ替える書き換えや、1,000万円の条件を落とす書き換えが繰り返し作られています。

宅建業法の報酬計算はどう覚えればよいですか。

国土交通省の告示は、価額を3区分して合計する方式です。200万円以下の部分に100分の5.5、200万円を超え400万円以下の部分に100分の4.4、400万円を超える部分に100分の3.3を掛けます。この率には消費税等相当額が含まれます。速算式はこれを1本にまとめたもので、代金が400万円を超えるなら代金×3%+6万円、200万円超400万円以下なら代金×4%+2万円(いずれも税抜)になります。代理は媒介の2倍以内、貸借の媒介は双方から受ける合計が借賃1か月分の1.1倍以内です。低廉な空家等の特例は令和6年7月1日施行の告示で改正されているため、受験年度の告示で確認してください

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