本試験問題(2026年実施)
第32回国家資格キャリアコンサルタント試験の過去問50問
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- 50問
- 収録数
- 学科50問・100分/論述50分/面接(50分の相談場面を想定した冒頭15分のロールプレイ+口頭試問5分)
- 本試験
実施日:2026-07-05/法令基準日:2026-04-01。法令・統計は設問が指定する時点で判断します。問題・公式正答は許諾を得て掲載し、解説は合トレが独自に作成しています。
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問1 職業能力開発・労働市場
「AI の職場導入による働き方への影響等に関する調査(労働者 Web アンケート)結果」(独立行政法人労働政策研究・研修機構、2025 年)で示された、2024 年の調査を基にした、AI の活用状況と働き方の変化等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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第32回の全50問|問題文・正解・解説
収録している50問を、正解と解説つきで通して読めます。上の演習で 間違えた問題を見直すときや、特定の論点がどう問われたかを確かめたいときに使ってください。 正解番号はキャリアコンサルティング協議会/日本キャリア開発協会(JCDA)の公表資料に基づきます。
問1
職業能力開発・労働市場「AI の職場導入による働き方への影響等に関する調査(労働者 Web アンケート)結果」(独立行政法人労働政策研究・研修機構、2025 年)で示された、2024 年の調査を基にした、AI の活用状況と働き方の変化等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1生成 AI を利用している労働者の、現在の仕事での生成 AI 活用方法としては「アイデアの検討・改良」が、「資料や文章の原案作成」や「文章等の修正・編集・校正・要約」よりも多い。
- 2AI 利用者のうち、AI の利用前後で「仕事の楽しさ」、「仕事を通じて感じる活力」といった仕事の質について、高まった/増加したと肯定する人の割合は、否定する人の割合を上回った。
- 3求職活動をしており、求職活動に AI を利用している人は、生成 AI の効果について「求職活動に必要な準備を効率化してくれる」とするものの、「求職活動のストレスを軽減してくれる」とは感じていない。
- 4AI 使用企業の労働者や AI 利用者に限定すると「AI は賃金を増加させると思う」との期待感に否定的であり、逆に現在 AI を利用していない者の方が、楽観的な将来観測を持つ。
正解:2
解説
肢2が正解です。設問の調査では、AI利用後の仕事の楽しさや活力について肯定的な変化を答えた割合が否定的な割合を上回っています。これは調査対象者の回答傾向であり、AIを使えば全員の仕事の質や賃金が必ず上がるという因果関係を示すものではありません。
問2
社会的意義・制度職業能力開発促進法で規定されている「キャリアコンサルティング」、「キャリアコンサルタント」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1キャリアコンサルティングを、「労働者の人生設計に関する相談に応じ、意思決定のための選択肢をともに取りまとめること」と定義している。
- 2事業主に、「労働者の求めに応じてキャリアコンサルティングの機会を確保すること、その他の援助を行うこと」を求めている。
- 3事業主の義務として、「キャリアコンサルティングの機会を確保する場合には、キャリアコンサルタントを活用しなければならない」としている。
- 4キャリアコンサルタントを「業務独占」の国家資格としている。
正解:2
解説
肢2が正解です。事業主による機会の確保等と、キャリアコンサルタントの活用についての規定を分けて読みます。法定定義は職業の選択・職業生活設計・職業能力の開発向上に関する相談、助言・指導であり、肢1の文言ではありません。資格は業務独占ではなく名称独占です。
問3
職業能力開発・労働市場「経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会報告書」(厚生労働省、令和 8 年 1 月)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1経済社会情勢の変化により、活動の場が企業や需給調整機関のほか、学校、行政機関、各種支援機関など、様々な領域に広がるにつれ、それぞれの活動領域に応じた専門性が求められるようになっている。
- 2労働者が自身の職業人生において目指す姿を設定し、その実現のための課題の達成に向けて継続的に取り組む力を身につけることを支援する「解決型」の支援を行うことができる能力が求められる。
- 3労働者が自らキャリアを形成する力を身につけることを支援するにあたっては、様々な情報を活用して、相談者の自己理解・仕事理解・環境理解を促進する支援を行うことが必要である。
- 4AI が提示する情報の正確性や妥当性を見極める能力や、倫理面の問題が生じない形で AIをキャリアコンサルティングの質を高める支援ツールとして効果的に活用する能力が求められる。
正解:2
解説
肢2が不適切で、正解です。目指す姿の実現に向けて継続的に取り組む力を育てる説明は「開発型」の支援に当たり、「解決型」との取り違えです。現在の困り事への対応に加え、相談者自身が将来のキャリアを形成する力を高める支援まで捉えることがポイントです。
問4
理論・カウンセリングサビカス(Savickas, M. L.)が提唱した、キャリア・アダプタビリティのある人に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1職業人として、自らの未来について「関心」をもっていること。
- 2職業上の未来に対して、自らが「統制」をしていること。
- 3自らの可能性と未来のシナリオを探索することに、「好奇心」を発揮していること。
- 4自らの転機を乗り越えるための「援助」が受けられること。
正解:4
解説
肢4が不適切で、正解です。キャリア・アダプタビリティの4つの資源は、関心・統制・好奇心・自信です。周囲から援助を受けられることも実際の支援では大切ですが、4Cの構成要素の名称ではありません。「他者の援助」と「自分なら対処できるという自信」を区別します。
問5
理論・カウンセリングシャイン(Schein, E. H.)のキャリア・アンカーに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1自分のキャリア・アンカーを知るようになるのは、キャリア初期の発達課題である。
- 2キャリア・アンカーとは、個人のキャリアを方向づける要因であり、欲求、価値観、性格のことを指している。
- 3キャリア・アンカーとは、キャリアや職業における自己概念・セルフイメージのことである。
- 4キャリア・アンカーには 8 つのタイプがあることが提示され、後には 4 つのタイプに集約された。
正解:3
解説
肢3が正解です。キャリア・アンカーは、自覚した能力・才能、動機・欲求、価値観が結びついた職業上の自己概念です。職業選択の際にどうしても手放したくない拠り所として働きます。肢2は能力・才能を性格に置き換えており、肢4の8タイプから4タイプへの集約も適切ではありません。
問6
理論・カウンセリングキャリア理論に関する次の記述のうち、特性-因子論に沿った説明として、最も適切なものはどれか。
- 1人は、生涯において 9 つの大きな役割を演じるが、この役割を演じる舞台は家庭、地域、学校、職場で 1 つのこともあるし、複数のこともある。
- 2人間には個人差があり、職業には職業差があるが、両者をうまく合致させることが可能であり、そのことが良い職業選択や職業適応となる。
- 3キャリアカウンセリングでは、あるキャリアの筋書きの中でどのような主人公を演じるかに関心を持つ。
- 4職業選択では、未学習や誤った信念や思い込みなどの実際の学習経験が、職業選択を困難にする場合が多い。
正解:2
解説
肢2が正解です。特性‐因子論は、個人の能力・興味などの特性と、職業側が求める条件とを理解し、両者の適合を考える立場です。生活役割、人生の物語、学習経験は、それぞれ異なる理論で重視される視点です。「個人差と職業差の照合」を判断の軸にします。
問7
相談実務・倫理ヒルトン(Hilton, T. L.)の意思決定モデルの用語に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1プロセス、非可逆性、妥協
- 2構築、共構築、脱構築
- 3予期システム、価値システム、基準システム
- 4前提、不協和の検閲、試案的計画
正解:4
解説
肢4が正解です。ヒルトンのモデルでは、意思決定に関わる前提と新しい情報との不協和を点検し、試案的な計画を検討する過程を捉えます。単に有名な意思決定用語を集めるのではなく、「前提・不協和の検閲・試案的計画」という組み合わせをモデルと対応させましょう。
問8
理論・カウンセリングサビカス(Savickas, M. L.)の理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1サビカスのキャリア・アダプタビリティの構成要素の一つである「適性」は、過去の職業経験に向けたものである。
- 2サビカスは、変化する環境の中で生じる予期せぬ課題や変化に対応するために、4 つの Sで代表される資源の点検が有効であると述べている。
- 3サビカスは、個人の興味や能力等といった特性と、特定の職業が求める要件を客観的・科学的に照合させることを強調している。
- 4サビカスは、現代の不確実な社会においては、静的な職業選択ではなく、個人が自身の職業行動に主観的な意味付けを行うことを強調している。
正解:4
解説
肢4が正解です。サビカスは、本人が経験や職業行動にどのような意味を与え、キャリアを構成していくかを重視します。肢2の4Sはシュロスバーグの転機への対処資源で、肢3は特性と職業の条件を照合する考え方です。理論家と支援の視点の組み合わせを確認します。
問9
理論・カウンセリングクランボルツ(Krumboltz, J. D.)の理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1キャリアの意思決定を連続的なプロセスとして捉え、客観的な情報を収集・分析することで、将来の予測に基づいた最も合理的で後悔のない選択肢を導き出すためのガイダンスの必要性を説いた。
- 2個人のキャリア形成は学習経験の結果であるとし、その意思決定に影響を与える要因として、遺伝的特性や特別な能力、環境的状況や出来事、学習経験、および課題接近スキルの4 つを挙げている。
- 3直接経験による学習に基盤を置き、キャリア選択の成否は個人の自己効力感のみに依存すると考え、内面的な自信の醸成を最も重要な援助目標としている。
- 4キャリア形成における偶発的な出来事の重要性を認めつつも、最終的には個人の主観的な意志によってそれらを排除し、あらかじめ設定した計画に沿ってキャリアを構築することを推奨している。
正解:2
解説
肢2が正解です。クランボルツの社会的学習理論では、遺伝的特性等、環境、学習経験、課題接近スキルがキャリアの意思決定に影響すると考えます。自己効力感だけで成否が決まるのではありません。また、偶然を排除するのではなく、経験や機会から学ぶ姿勢を重視します。
問10
理論・カウンセリング精神力動論的立場に立つアプローチに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1人の悩み、苦しみや心の症状は「過去についた心の傷」へのとらわれから生じると考え、そのとらわれからの脱却をサポートしていく。
- 2自己実現の視点から、本当の自分に気づき、より深く自分自身の心の声を聴き、生きるための方法を学んでいく。
- 3「非合理的な信条」が、より人生の現実に即した「合理的な信条」へと修正されることで、もっと幸福な気持ちで生活できるようになる。
- 4クライエントが身につけるべき「ものの見方」や「行動」を学習していくのを援助する。
正解:1
解説
肢1が正解です。この選択肢は、過去の経験やその影響に着目する精神力動論的な視点に対応します。肢3の非合理的信条の修正は論理療法、肢4の見方や行動を学ぶ援助は認知・行動的な視点です。理論の説明であり、すべての悩みの原因を一律に過去の傷と断定する意味ではありません。
問11
理論・カウンセリング家族療法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1円環的因果律とは、「A は B の原因であり、B は C の原因であり、C は A の原因である」というように、それぞれの要素は循環していると考える捉え方である。
- 2ダブルバインドとは、あるメッセージ(言語的)と、それとは矛盾するメッセージ(非言語的)を同時に与えられることによって、混乱する状況に置かれることをいう。
- 3リフレーミングとは、クライエントのことを褒めたり、ねぎらったりすることをいい、これによりクライエントに一定の方向づけをしたり、エンパワーしたり(力づけたり)する。
- 4ジェノグラムとは、家族樹形図のことであり、今の家族、家族の歴史、システムとしての家族を理解するのに役立つツールである。
正解:3
解説
肢3が不適切で、正解です。リフレーミングは、出来事や行動を見る枠組みを変え、別の意味づけを可能にすることです。褒める・ねぎらうことを指すコンプリメントと区別します。たとえば「優柔不断」を「慎重に比較している」と捉え直すのは、見方の枠を変える例です。
問12
職業能力開発・労働市場ジョブ・カードの職務経歴シートに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1職務経歴シートは、求職者のみが記載する。
- 2職務経歴シートを作成することで、キャリア・プランシート作成時の資料として、キャリア・プランの実現性、即効性、具体性を検討することに役立つ。
- 3職務経歴シートは、求職時の応募書類としては活用できない。
- 4職務経歴シートは、正社員での職務経歴のみに絞り込んだうえで棚卸しをする。
正解:2
解説
肢2が正解です。職務経歴を振り返ると、経験・強み・今後補いたい能力が具体化し、キャリア・プランの検討材料になります。在職者も利用でき、正社員以外の経験も棚卸しの対象です。シートの完成だけを目的にせず、そこから何を学び次にどう生かすかを話し合います。
問13
職業能力開発・労働市場リカレント教育を支援する制度やプラットフォームに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1職業実践力育成プログラムは、大学等における社会人や企業等のニーズに応じた実践的・専門的なプログラムを厚生労働大臣が認定する制度である。
- 2第四次産業革命スキル習得講座認定制度は、将来の成長が強く見込まれ、雇用創出に貢献する分野における専門的・実践的な教育訓練講座を、厚生労働大臣が認定する制度である。
- 3マナパスは社会人の学びを応援するポータルサイトで、大学等が実施している講座のうち、正規課程を除く公開講座や科目等履修生のプログラムが紹介されている。
- 4マナビ DX は、デジタルに関する知識・スキルを身につけることができるポータルサイトで、経済産業省や IPA(独立行政法人情報処理推進機構)で策定した各種スキル標準を活用して講座を探すことができる。
正解:4
解説
肢4が正解です。マナビDXは、デジタル分野の知識・スキルを学ぶ講座を探す入口です。職業実践力育成プログラムは文部科学大臣、第四次産業革命スキル習得講座は経済産業大臣の認定であり、肢1・2は認定主体が違います。制度名だけでなく所管と対象をセットで整理します。
問14
職業能力開発・労働市場教育訓練給付制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1訓練を実施した事業主に対して給付金を支給する制度である。
- 2在職者のみが対象となり、離職者は対象にならない。
- 3雇用保険被保険期間があれば、その長さにかかわらず支給対象となる。
- 4教育訓練の種類によっては、資格取得や就業状況等の要件を満たすことで、給付率が引き上げられる。
正解:4
解説
肢4が正解です。教育訓練給付には複数の種類があり、資格取得・就職等の条件を満たすと追加給付の対象になるものがあります。給付を受けるのは訓練を行った事業主ではなく要件を満たす本人です。在職・離職の別だけで判断せず、被保険者期間や受講する講座の指定も確認します。
問15
職業能力開発・労働市場「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」(厚生労働省、令和 4 年)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1長期雇用を前提とした正社員を想定し、学び・学び直しを促進する際の基本的な考え方等が記述されている。
- 2労使が協働して取り組むことの必要性が示されている。
- 3管理職に対しての言及はないが、支援の中心となるキャリアコンサルタントの推奨される取組みや経営層への働きかけの例が示されている。
- 4学び・学び直しのための企業内の取組みを対象としており、公的支援策の活用については示されていない。
正解:2
解説
肢2が正解です。学び直しは労働者個人に任せきりにせず、労使が協働し、経営層や現場の管理職も支えることが重要です。対象を長期雇用の正社員だけに狭めたり、公的支援策を対象外としたりする読み方は不適切です。学習機会と、学んだ能力を発揮できる環境を併せて考えます。
問16
職業能力開発・労働市場職業能力や技能の評価、振興のための制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1技能検定の合格者には合格証書が交付され、業務独占資格である「技能士」となることができる。
- 2社内検定認定制度により認定を受けた社内資格は、厚生労働大臣が認定した「資格制度」として外部に発信することが可能になる。
- 3職業能力評価基準における職務遂行能力は、動機、人柄、信念、価値観等の個人特性が記述されている。
- 4技能五輪国際大会の目的は、参加各国における職業訓練の振興と青年技能者の国際交流、親善を図ることにある。
正解:4
解説
肢4が正解です。技能五輪国際大会は職業訓練の振興と青年技能者の交流等を目的とします。技能士は業務独占資格ではありません。また、職業能力評価基準は職務を遂行するための知識・技能や行動等を整理するもので、動機や人柄を列挙した人格評価表ではありません。
問17
職業能力開発・労働市場教育訓練休暇給付金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1勤務先において、就業規則や労働協約の規定がなく、慣行として教育訓練休暇を実施している場合でも要件を満たす。
- 2教育訓練休暇を自発的に取得することが必要であり、勤務先から業務として命じられた教育訓練には適用されない。
- 3教育訓練休暇が有給とされていた場合でも、他の要件を満たしていれば当該給付金が支給される。
- 4教育訓練休暇の日数は、14 日以上であれば足りる。
正解:2
解説
肢2が正解です。教育訓練休暇給付金は、本人が自発的に教育訓練のための休暇を取得する制度です。会社が業務として命じる研修とは区別します。就業規則等に基づく連続30日以上の無給休暇などの要件があり、有給休暇や14日間の休暇ならよいとする肢も誤りです。
問18
相談実務・倫理「仕事と生活の調和推進のための調査研究~キャリア形成と育児等の両立を阻害する要因に関する調査~報告書」(内閣府男女共同参画局、2025 年)で示された、企業における女性のキャリア形成に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1育児休業取得前に将来のキャリアプランを持っていた者は、復帰後の仕事へのモチベーションや生活全体への満足度が高い傾向にある。
- 2育児休業取得前に、一般的に難易度が高いとされる業務経験を積んだ者は、こうした経験を積んでいない者に比べると、育児休業からの復帰後に「キャリアをセーブする」割合が低い傾向にある。
- 335 歳以上の女性の約 8 割が、「育児休業取得前に描いていたキャリアプランどおりである、または当初描いていたよりもキャリアアップできた」と回答している。
- 4育児をしながら仕事をしていることが業務評価にポジティブな影響を与えると感じている者は、その理由の一つとして、「労働時間の長さが評価の軸になっていない職場環境である」ことを挙げている。
正解:3
解説
肢3が不適切で、正解です。設問の調査結果について、「35歳以上の約8割が当初のプランどおり、またはそれ以上にキャリアアップした」という捉え方はできません。育休前の見通し、難しい仕事の経験、長時間労働だけによらない評価環境を分けて読み、調査の傾向を個人へ一律に当てはめないことも大切です。
問19
職業能力開発・労働市場次の記述のうち、雇用、給与および労働時間について、全国的変動と都道府県別の変動を明らかにすることを目的として行われている統計調査として、適切なものはどれか。
- 1雇用均等基本調査
- 2毎月勤労統計調査
- 3就業構造基本調査
- 4労働力調査
正解:2
解説
肢2が正解です。毎月勤労統計調査は、雇用・給与・労働時間の変動を全国と地方について把握する調査です。労働力調査は就業者・完全失業者などの就業状態、就業構造基本調査は就業構造、雇用均等基本調査は男女の雇用管理等に着目します。「何を測る統計か」で選びます。
問20
職業能力開発・労働市場次の記述のうち、わが国の労働にかかる伝統的な制度・慣行・組織として、最も不適切なものはどれか。
- 1終身雇用
- 2年功序列型賃金
- 3職能資格制度
- 4産業別組合
正解:4
解説
肢4が不適切で、正解です。日本の伝統的な雇用慣行と結びつけて説明される労働組合の特徴は、企業別組合です。産業別組合とは組織の単位が異なります。終身雇用や年功的な賃金等も、すべての労働者に例外なく適用される制度ではなく、歴史的な特徴として理解します。
問21
職業能力開発・労働市場「令和 7 年版労働経済の分析」(厚生労働省)で述べられた、雇用情勢の動向に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 12024 年の非製造業の雇用者数は、製造業の雇用者数の約 3 倍である。
- 22024 年は、15 歳〜54 歳で過去 1 年間に離職した者のうち、離職前後で正規雇用であった人数が前年と比べて減少した。
- 32024 年の障害種別の雇用者数は、身体障害者、知的障害者、精神障害者の全てで前年と比べて増加している。
- 42024 年の外国人労働者数を在留資格別にみると、「技能実習」の割合が最も多い。
正解:3
解説
肢3が正解です。設問が対象とする2024年のデータでは、身体・知的・精神のいずれの障害種別でも雇用者数が前年を上回っています。統計問題は、対象年、集計範囲、実数か割合か、前年差かを分けて確認します。この正答を、別の年にも必ず増加するという予測に置き換えないでください。
問22
職業能力開発・労働市場「令和 7 年版労働経済の分析」(厚生労働省)で述べられた、社会インフラ関連職(医療・福祉業をはじめとした人々の生活に密接に関係している分野)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1社会インフラ関連職の 2024 年平均の有効求人倍率は、全職種平均と同程度である。
- 2社会インフラ関連職の 2015 年~2024 年の就業者数推移をみると、男女とも増加している。
- 3社会インフラ関連職の月額賃金は、非社会インフラ関連職と同程度である。
- 4社会インフラ関連職の賃金カーブの傾きは、非社会インフラ関連職と比較すると緩やかである。
正解:4
解説
肢4が正解です。設問の資料では、社会インフラ関連職は非社会インフラ関連職に比べて賃金カーブの傾きが緩やかとされています。これは年齢等に沿った賃金の上がり方の比較であり、月額賃金そのものや求人倍率が同じという意味ではありません。比較する指標を取り違えないことがポイントです。
問23
相談実務・倫理労働安全衛生法で定められた、心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック制度)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- 1ストレスチェックの結果を本人に通知するときは、個人のストレスプロフィール、高ストレス者に該当するか否かの評価結果、面接指導を受ける必要があるかどうかの評価結果を通知する。
- 2ストレスチェックを行うことができる者は、医師に限られる。
- 3ストレスチェックを行った医師は、その結果を労働者の同意の有無にかかわらず事業者に提供しなければならない。
- 4ストレスチェック実施の事務にあたっては、人事部長など、労働者の解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者が、職責上従事しなければならない。
正解:1
解説
肢1が正解です。本人へ検査結果、ストレスの程度や面接指導の要否等を通知します。実施者は医師だけに限られず、結果を事業者へ提供する際には本人の同意が問題になります。解雇・昇進・異動に直接の権限を持つ者を実施事務に関与させる肢4は、情報保護の趣旨に反します。
問24
職業能力開発・労働市場賃金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1賃金の支払日は決めておかねばならず、支払日が日曜日に当たる際は、必ずその日以前に支給しなければならない。
- 2年少者の賃金については、権利能力がないため本人が直接受け取ることはできない。
- 3賃金は通貨で支払うことが原則であるが、労働者が同意した場合は賃金を銀行振り込みで支払うことができる。
- 4賃金は直接労働者に支払うことが原則であり、労働者が病気欠勤中に家族が「使者」として受け取りにきた場合にも、その家族に支払うことはできない。
正解:3
解説
肢3が正解です。賃金は通貨で直接支払うのが原則ですが、本人の同意など所定の条件の下で銀行振込みが認められます。未成年者も自ら賃金を請求できます。また、本人の使者への受渡しと、本人に代わる権利者への支払いとは違います。原則と認められる支払方法を分けて整理します。
問25
職業能力開発・労働市場休暇・休業に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1労働基準法で規定される生理休暇については、有給としなければならないと定められている。
- 2育児・介護休業法にいう子の看護等休暇は、子供の健康に関する事項について休暇を取得するものであり、卒園式、入学式のための休暇は認められない。
- 3産後 6 週間以内の女性であっても、本人が就業を請求した場合であれば、使用者は就業させることができる。
- 46 週間以内に出産を予定する女性であっても、本人が休業を請求しない場合であれば、使用者は就業させることができる。
正解:4
解説
肢4が正解です。産前6週間の休業は本人の請求が要件なので、請求がない場合まで一律に就業禁止とはなりません。一方、産後6週間は本人が希望しても就業させられません。生理休暇に法律上の有給義務はなく、子の看護等休暇には入園・入学式や卒園式等の対象行事もあります。
問26
職業能力開発・労働市場職業訓練や教育訓練に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
- 1雇用保険制度の被保険者でなくとも、労働の意思及び能力を有し、職業訓練その他の支援措置を行う必要があると公共職業安定所長が認めた場合、職業訓練を受けながら、月 10 万円の生活支援の給付金を受給できる場合がある。
- 2雇用保険の基本手当の受給資格者が、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合、訓練期間中に所定給付日数が終了しても、訓練が終了する日まで引き続き基本手当が支給される訓練延長給付制度がある。
- 3自己都合で退職した者が、雇用の安定・就職の促進に必要な職業に関する教育訓練等を自ら受けた場合、基本手当の受給において給付制限が解除される。
- 4教育訓練給付制度の支給対象となるのは、雇用保険の被保険者であった期間が 3 年以上の在職者である。
正解:4
解説
肢4が不適切で、正解です。教育訓練給付は在職者だけに限定されず、離職者も所定の要件を満たせば対象です。必要な被保険者期間も給付の種類や初回利用かどうかで異なります。求職者支援制度、訓練延長給付、教育訓練給付を、対象者と給付の目的で分けて整理しましょう。
問27
理論・カウンセリング「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」(中央教育審議会、2019 年)で示された、教師の業務としての進路指導の位置づけに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1進路指導は、原則として学校以外が中心となって担う業務と位置付けられている。
- 2進路指導は、原則として学校以外が中心となって担う業務であるが、模擬試験等の監督については、教師が担うべきと位置付けられている。
- 3進路指導は、教師の業務であるが、負担軽減が可能な業務と位置付けられている。
- 4進路指導については、教師が行うべき業務としての記載はない。
正解:3
解説
肢3が正解です。答申では、進路指導は教師の業務でありつつ、負担を軽くする工夫が可能な業務として整理されています。「教師の仕事であること」と「すべてを教師だけで抱えること」は同じではありません。学校外が中心となる業務へ丸ごと移されたという肢1・2の読み方は誤りです。
問28
理論・カウンセリング「令和 5 年度 大学・短期大学・高等専門学校における学生のキャリア形成支援活動の実施状況について」(文部科学省)で示された、インターンシップの実施状況に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- 1大学(学部・大学院)におけるキャリア形成支援活動の類型別参加学生数の割合は、タイプ 2(就業体験を伴うキャリア教育)よりもタイプ 3(汎用的能力・専門活用型インターンシップ)の方が高い。
- 2高等専門学校におけるインターンシップ参加学生の数を実施形式別にみると、「実地のみ」よりも、「オンラインのみ」で実施されたインターンシップに参加した学生数の方が多かった。
- 3大学(学部・大学院)で単位認定を行うインターンシップを含むキャリア形成支援活動の実施率は、私立大学よりも国立大学の方が高い。
- 4短期大学におけるインターンシップ参加学生数を実施期間別にみると、「2 週間~3 週間未満」が最も多かった。
正解:3
解説
肢3が正解です。設問の令和5年度調査では、単位認定を行うキャリア形成支援活動の実施率は、私立大学より国立大学で高くなっています。学校の実施率と学生の参加者数・割合は別の指標です。タイプ別、学校種別、実施形式別のどれを比べているかを確認して読みましょう。
問29
理論・カウンセリング「高等学校学習指導要領」(文部科学省、平成 30 年)で示された、キャリア教育に関する次の記述のうち、( )に入る語句の組み合わせとして、適切なものはどれか。生徒が、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、( A )的・( B )的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう(中略)キャリア教育の充実を図ること。
- 1A. 社会 B. 職業
- 2A. 社会 B. 個人
- 3A. 職業 B. 組織
- 4A. 組織 B. 個人
正解:1
解説
肢1が正解です。入る語句は「社会」と「職業」で、社会的・職業的自立に向けた基盤を育てることがキャリア教育の方向です。就職先を早く決めるためだけの教育ではありません。現在の学びと将来の生き方・働き方を結びつける視点から、学校生活全体の活動を捉えます。
問30
相談実務・倫理職場におけるメンタルヘルス対策に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1メンタルヘルスケアを進めるに当たっては、個人情報保護の配慮は必要ない。
- 2ストレスチェックが労働者数 50 人未満の事業場も義務化されたことに伴い、事業者には医師による健康診断が努力義務となった。
- 3メンタルヘルスケアの推進は、職場配置や人事異動等の人事労務管理とは切り離して考えるべきである。
- 4メンタルヘルス対策に取り組む事業場の割合を 80%以上とすることが、第 14 次労働災害防止計画の目標の一つである。
正解:4
解説
肢4が正解です。第14次労働災害防止計画には、メンタルヘルス対策に取り組む事業場の割合を80%以上とする目標があります。対策を人事労務管理から切り離すことや、個人情報への配慮を不要とする考え方は誤りです。ストレスチェック制度の変更を健康診断義務の廃止と混同しないでください。
問31
相談実務・倫理精神疾患に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1うつ病の症状は、気分の落ち込みや意欲の低下のみならず、脳の機能全体が落ちることによる集中力・記憶力・判断力の低下や、さまざまな身体症状として現われる。
- 2強迫性障害は、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れず、わかっていながら何度も同じ確認などを繰り返してしまう状態である。
- 3発達障害は、脳の働き方の違いにより、物事のとらえかたや行動のパターンに違いがあり、日常生活に支障が出る状態である。
- 4双極性障害は、こころや考えがまとまりづらくなってしまう病気で、健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状と、健康なときにあったものが失われる陰性症状がある。
正解:4
解説
肢4が不適切で、正解です。陽性症状・陰性症状という説明は統合失調症に関するもので、双極性障害の説明との取り違えです。双極性障害では躁状態・軽躁状態や抑うつ状態などの気分の変化が問題になります。資格学習上の区別であり、相談者を症状の断片だけで診断するための知識ではありません。
問32
理論・カウンセリングシュロスバーグ(Schlossberg, N. K.)の理論に関する次の記述のうち、転機を理解するための構造として、最も適切なものはどれか。
- 1「転機の構築」、「転機の脱構築」、「転機の共構築」の 3 つの部分からなる。
- 2「転機の分類化」、「対処方略の選択」、「転機の総括」の 3 つの部分からなる。
- 3「転機として認知する」、「行動と内省を繰り返す」、「転機から学ぶ」の 3 つの部分からなる。
- 4「転機へのアプローチ」、「対処のための資源を活用する」、「転機に対処する」の 3 つの部分からなる。
正解:4
解説
肢4が正解です。シュロスバーグの枠組みでは、転機をどう捉えるか、対処に使える資源は何か、どう対処するかを整理します。資源を点検する4Sと、この3つの部分からなる全体構造は同じ分類ではありません。相談場面では、出来事だけでなく本人の受け止め方や利用できる支援も確認します。
問33
相談実務・倫理発達障害のある人が、就職活動をするにあたり、準備・検討することが望ましい事項に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1自分の障害を受容していること
- 2自分の障害の特性の分析ができていること
- 3希望する配慮を具体的に伝えられること
- 4過去の職場での困りごとについては振り返らないこと
正解:4
解説
肢4が不適切で、正解です。過去の困り事を振り返ることは、苦手な状況や必要な配慮を具体化する手掛かりになります。失敗を責めるための振り返りではありません。本人のペースを尊重し、できていた条件や強みも一緒に整理して、働きやすい環境や伝え方を検討します。
問34
相談実務・倫理「平成 29 年度版 仕事と介護両立のポイント あなたが介護離職しないために」(厚生労働省)における、仕事と介護の両立に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1介護のためには、介護者が働き方を変えて、出来る限り介護に専念するのが良い。
- 2介護者は、職場に介護を行っていることを伝えると、人事評価でマイナスとなる恐れがあるため、極力申告を控える。
- 3ケアマネジャーは介護の専門家なので、介護者自身の介護の悩みや不安の相談は控える。
- 4介護を深刻に捉えすぎず、自分の時間を確保して、介護者の生活や健康を第一に考える必要がある。
正解:4
解説
肢4が正解です。仕事と介護を続けるには、介護する人自身の生活や健康を守り、一人で抱え込まないことが重要です。職場に状況を相談して制度を利用したり、ケアマネジャー等と調整したりする方法があります。直ちに働き方を変えて介護だけに専念することを唯一の解決策にしません。
問35
相談実務・倫理良いカウンセラーの条件に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1クライエントの話を聴きながらカウンセラーが結論を検討し、そうなるようにクライエントを導く。
- 2クライエントに言わなければならないことは、毅然とした態度で伝える。
- 3質問はせず、クライエントの言葉を聴くことに徹する。
- 4ときには、説教したり、感情的になって議論をする。
正解:2
解説
肢2が正解です。相談者を尊重することは、必要なことを一切伝えないことではありません。説明すべき限界やルール等は誠実に伝えます。ただし、毅然とした説明と、説教・感情的な議論・支援者が決めた結論への誘導は別です。傾聴を基盤に、必要な質問や情報提供を行います。
問36
理論・カウンセリングマイクロカウンセリングの積極技法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1指示:カウンセラーがクライエントにどのような行動をとってほしいかを明確に指示することにより、クライエントが課題を理解し、行動を確実にできるように助ける。
- 2自己開示:カウンセラーの考えや感じたことをクライエントに伝えることにより、クライエントの自己開示を促し、行動変容のためのよいモデルとなる。
- 3フィードバック:カウンセラーあるいは第三者がクライエントをどうみているかというデータを与えることにより、自己探求、自己吟味を促す。
- 4対決:クライエントの行動、思考、感情、意味における矛盾、不一致、葛藤を指摘することで、クライエントが矛盾等の説明または解決策について誤った意見をもつことを防ぐ。
正解:4
解説
肢4が不適切で、正解です。対決は相手と争うことでも、誤った意見を持たせないよう矯正することでもありません。言葉・感情・行動などの食い違いに本人が気づき、理解を深められるよう働きかける技法です。支援者が正しい説明や解決策を押しつける目的と区別しましょう。
問37
相談実務・倫理構成的グループ・エンカウンター(SGE)に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
- 1SGE の 3 つの原理は、「本音(あるがままの自分)に気づくこと」、「SGE 体験の構成」、「シェアリング」である。
- 2SGE のリーダーとして個人的感情交流の能力(自己開示)が大切とされる理由には、「参加者のモデルになる」、「メンバーの心の中にあるこだわりからの解放を促進する」、「メンバーがリーダーに親近感を持つ」が挙げられる。
- 3SGE に参加している特定のメンバーが怒っている、泣いている、けんかが始まったといった状況が生じた場合は、まず、リーダーがそのメンバーと個室で個別カウンセリングを行うことが原則である。
- 4SGE のエクササイズは、サイコエデュケーショナル(心理教育的)な体験学習で、「ホンネとホンネの交流」を促進する誘発剤となる。
正解:3
解説
肢3が不適切で、正解です。強い感情や対立が生じたら、必ずまず個室へ移して個別面談するという一律の原則ではありません。場の安全、本人の状態、他の参加者への影響を見て対応します。必要な個別支援は選択肢ですが、集団での体験や分かち合いの過程を機械的に中断するものではありません。
問38
相談実務・倫理より良いキャリアコンサルティングを行うための留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1相談の目的は、クライエントのより良い適応であり、クライエントが選択ができず迷っている時には、キャリアコンサルタントがより良い選択を考えて指導・助言する。
- 2職業・職務の選択、今後のキャリア形成の方向の決定、手段の決定など、具体的な目標決定を重視する。
- 3自己理解、仕事理解、啓発的経験、意思決定、方策の実行など、各ステップを明確にしながら相談を進め、相談が現在どの時点にあるのかをクライエントと確認しながら進める。
- 4キャリアコンサルティングは、クライエントの主体性を重視した相談であり、社会一般の情報や各種の相談機関等の他の社会的な資源を活用することが効果的である。
正解:1
解説
肢1が不適切で、正解です。迷っている相談者に代わって、支援者がより良い選択を決めて導くのではありません。情報や選択肢を整理し、本人が納得して決められるよう支えます。相談の段階や目標を共有することと、結論を支援者の価値観で決めることを区別しましょう。
問39
相談実務・倫理上司との関係で悩む相談者との面談の目標設定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1相談者と話し合った結果、上司に対してアサーティブになることを目標にした。
- 2相談者と話し合った結果、上司から注意されないようにすることを目標にした。
- 3相談者と話し合った結果、上司に好かれるようになることを目標にした。
- 4相談者と話し合った結果、上司を怒らせないようにすることを目標にした。
正解:1
解説
肢1が正解です。アサーティブな伝え方は、相手を尊重しながら自分の気持ちや要望を適切に表現することです。本人が取り組める行動を目標にできます。上司に好かれる、怒らせないといった目標は相手の反応に左右されやすく、本人の変化を具体的に評価しにくい点に注意します。
問40
相談実務・倫理自己理解を支援する検査やツールに関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
- 1東大式エゴグラムは、自己分析理論に基づいて開発された自身の価値観・興味・関心を確認する検査である。
- 2VRT カードは、利用者が自らカードを分類して結果を検討する使い方のほか、対話式にカウンセラーとクライエント、教師と生徒、生徒同士で使用することもできる。
- 3内田クレペリン検査の特徴は、「作業」だけを使って受検者を測るところにある。
- 4YG 性格検査では、「情緒特性」、「人間関係特性」、「行動特性」、「知覚特性」の 4 つの特性について、受検者の特徴を判断する。
正解:1
解説
肢1が不適切で、正解です。東大式エゴグラムは交流分析の自我状態に基づく検査で、価値観・興味・関心を測る職業興味検査との取り違えです。検査は名称だけでなく、理論的背景、測る対象、実施方法を組み合わせて理解します。一つの結果だけで適職や人格を断定するものではありません。
問41
職業能力開発・労働市場職業理解のための情報収集に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1職業そのものに関する情報を得るために、わが国の労働市場や求人・求職状況を調べた。
- 2職業を取り巻く環境に関する情報を得るために、気になる企業の福利厚生や社会保険制度などを調べた。
- 3職業に就くための手段、方法に関する情報を得るために、気になる職業の職業訓練の方法や就職活動のルールを調べた。
- 4職場適応(定着)に関する情報を得るために、気になる企業の企業規模や事業所の形態を調べた。
正解:3
解説
肢3が正解です。必要な訓練や就職活動のルールは、その職業に就くための手段・方法に関する情報です。仕事内容そのもの、労働市場の動向、個別企業の条件、就職後の適応に関する情報を区別します。相談者が今どの判断をするために情報を必要としているかから、探す資料を選びましょう。
問42
職業能力開発・労働市場トライアル雇用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1トライアル雇用は就職困難な求職者を原則 3 ヵ月間試行雇用するものであるが、期間の定めのない雇用への移行は目的としていない。
- 2トライアル雇用に応募するにあたっては、対象者の要件を満たした求職者が、ハローワーク等の職業紹介を受けて、「トライアル雇用求人」に応募する必要がある。
- 3トライアル雇用情報は、ハローワークインターネットサービスからは入手できない特別な情報である。
- 4トライアル雇用により雇い入れを希望する事業主が事前に提出する「トライアル雇用求人」は、通常の求人のほか、派遣求人も対象となる。
正解:2
解説
肢2が正解です。対象要件を満たす求職者が、ハローワーク等の紹介を受けてトライアル雇用求人へ応募する手続が基本です。試行雇用は安定した雇用への移行を目指すもので、単なる短期就労の制度ではありません。すべての求職者やすべての求人に自動的に適用されるわけではありません。
問43
相談実務・倫理意思決定における目標設定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1目標設定にあたっては、短期的な目標を積み上げていけば、必ずしも中長期的な目標を設定する必要はない。
- 2まず相談者が目標の選択肢を挙げて、次にキャリアコンサルタントが比較検討・評価して絞り込んでいく。
- 3自己理解と仕事理解を行ったにもかかわらず、目標設定での情報が不足している場合は、再び自己理解・仕事理解に戻って必要な情報を探索する。
- 4目標の選択肢が複数ある場合は、なるべく多くの目標を盛り込むようにする。
正解:3
解説
肢3が正解です。意思決定に必要な情報が不足した場合は、自己理解や仕事理解へ戻って補います。支援の段階は一方向に進むだけではありません。選択肢を絞る主体は相談者であり、支援者が代わって評価・決定しません。短期の行動と中長期の方向をつなぎ、無理なく取り組める目標を整理します。
問44
相談実務・倫理キャリアコンサルタントによる方策の実行支援に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1方策の実行支援における最初のステップで最も重要なことは、契約書を取り交わすことである。
- 2可能性のある方策をいくつか検討し、メリット・デメリットを比較して、最も適当なものを 1 つ選択する。
- 3方策の実行は、クライエントの自己責任に任せ、実行結果の確認は不要である。
- 4一度選択された方策は、クライエントの希望に左右されず、そのまま実行させるべきである。
正解:2
解説
肢2が正解です。実行する方策は、複数の可能性のメリット・デメリットを相談者と比べ、目標や状況に合うものを選びます。契約書を交わすことだけが実行支援の核心ではありません。実行結果の確認も支援に含まれ、状況や本人の希望が変われば方策を見直せるようにします。
問45
相談実務・倫理次の記述のうち、内々定を得た大学 4 年生のクライエントから「入社に備えて何かしたい」と相談を受けた場合の、キャリアコンサルタントの対応として、最も適切なものはどれか。
- 1クライエントが IT が苦手であることを指摘し、就職までに、最近のトレンドでもある AIやプログラミングに関する資格試験の受験を勧めた。
- 2就職先が決まったあとは契約範囲外であるため、キャリアコンサルタントには頼らず自分で考えてみてはどうかと回答した。
- 3就職活動を振り返り、成長した点と今後の課題を踏まえ、入社までに何をすることがベストか一緒に検討することを提案した。
- 4せっかくの長期休暇なのだから勉強より海外旅行に行くほうがよいと伝え、勉強や学習についての話題は避けた。
正解:3
解説
肢3が正解です。就職活動で得た成長と残る課題を本人と振り返り、入社までの行動へつなげる支援です。流行の資格や旅行を支援者の好みで勧めるのではありません。就職先が決まった後も、新しい仕事への適応や準備は相談の対象になり得ます。本人の希望と必要性から検討します。
問46
相談実務・倫理相談の終了に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1相談の開始時に設定した目標を達成できたかどうかは、相談の終了を判断する際の重要な基準のひとつである。
- 2相談を終了する際、今後、同じテーマでの相談を再開することはできないことを相談者に確認する。
- 3相談の終了は、相談者がキャリアコンサルタントに依存せず、自立していくために必要である。
- 4相談の終了後、ケース記録を整理し、一定期間保存する。
正解:2
解説
肢2が不適切で、正解です。相談の終了は、同じテーマで二度と相談できなくなることではありません。達成した目標と残る課題を確認し、再相談が必要になったときの方法も伝えます。依存を避け自立を支えることと、将来の支援への入口を閉ざすことは異なります。
問47
理論・カウンセリング企業内の課題に対応した支援策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1新卒採用者の離職率が高いことが課題なので、新入社員研修では、キャリアプランの具体化のベースとなる仕事への向き合い方・取り組む意欲などのマインドセットと、キャリアパスの可能性を明示した。
- 2育児・介護休業者の職場復帰率が低いことが課題なので、産休前の面談では、職場復帰に関する直近のプロセスだけでなく、復帰後中長期的な視点に立った、ライフキャリア作りを支援した。
- 340 代半ばの中堅社員のモチベーションが下がっていることが課題なので、中堅社員の定期面談では、職業生活の前半戦を終えたことをねぎらい、昇進・昇格や昇給を中心としたキャリアアップの方策を示した。
- 4シニア社員の生涯キャリアの設計とその実践という課題に対し、シニア社員の活性化や能力発揮を促す研修とキャリアコンサルティング面談を連動させた施策を提供した。
正解:3
解説
肢3が不適切で、正解です。中堅社員のキャリアを昇進・昇給だけに狭めると、本人が大切にする役割や専門性、生活全体の課題を見落とします。意欲が下がった背景と今後の希望を確かめ、経験の意味づけや能力発揮の可能性も検討します。年齢だけで望むキャリアの形を決めつけないことが重要です。
問48
職業能力開発・労働市場「経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会報告書」(厚生労働省、令和 8 年 1 月)で示された、キャリアコンサルティングの各活動領域において必要な能力に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1企業領域においては、セルフ・キャリアドック導入のメリットについて企業の理解を促し、導入・活用に向けた働きかけを行うことができる能力
- 2需給調整領域においては、就職した相談者について、必要に応じて職場への定着に向けた支援を実施することができる能力
- 3教育領域においては、職業能力開発促進法における「事業主の講ずる措置」について、就職活動中の学生の理解を促すことができる能力
- 4地域・福祉領域においては、相談者の家族や関係する支援機関等との連携関係を構築し、必要な情報収集を行うことができる能力
正解:3
解説
肢3が不適切で、正解です。事業主の講ずる措置について理解を促す説明は、企業への働きかけとの関係で捉えるべき内容です。教育領域の学生支援とそのまま取り違えています。学生への制度情報の提供自体が禁止という意味ではなく、報告書が各活動領域に整理した能力の対応を問う問題です。
問49
職業能力開発・労働市場「働く環境の変化に対応できるキャリアコンサルタントに関する報告書」(厚生労働省、令和 3 年 6 月)で示された、キャリアコンサルティングの普及活動に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1企業におけるキャリア開発は、点と点の細切れの取組となるケースも見受けられることから、キャリアコンサルタントには、連続的・長期的なキャリア形成支援を念頭に、それぞれの取組を一本に繋ぐような支援がなされることに期待が寄せられる。
- 2労働者のキャリア目標の明確化やキャリア形成支援を組織全体で実践するためには、キャリアコンサルタントと人事部門あるいは上司・部下関係等の、組織内におけるキャリア形成に向けた円滑なコミュニケーションの向上を図ることが有効な手段である。
- 3ジョブ・カードは、当初は、企業の実務場面の活用促進に力点を置いていたが、現在は、就業経験の少ない人が労働市場へ参加するためのスキル獲得に関わる支援での活用が望まれている。
- 4若年層は、高年齢層と比較してキャリアコンサルティング経験が多いという結果を示すデータがあり、個人へのキャリアコンサルティングの認知を高めるには、特に中高年齢層を意識した支援を実践していく必要がある。
正解:3
解説
肢3が不適切で、正解です。ジョブ・カードは就業経験が少ない人等への職業能力形成支援から、在職者も含む幅広いキャリア形成への活用へと広がってきました。肢3はその方向を逆に捉えています。単発の訓練や面談だけでなく、経験の振り返りと継続的なキャリア形成をつなぐ道具として理解します。
問50
相談実務・倫理キャリアコンサルタント倫理綱領(特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会、2024 年 1 月)で示された、守秘義務や説明責任に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1キャリアコンサルタントは、業務並びにこれに関連する活動に関して知り得た秘密に対して守秘義務を負うが、相談者の身体・生命の危険が察知される場合等は、この限りではない。
- 2スーパービジョンはあくまで自己研鑽なので、相談内容等をスーパービジョンで取り扱う際に相談者の承諾は不要である。
- 3キャリアコンサルティングにおいて知り得た情報は、組織における能力開発の支援を行う場合に限り、プライバシーに配慮する必要はない。
- 4組織より依頼を受けてキャリアコンサルティングを行う場合、業務の目的や報告の範囲は組織側と合意する必要があるが、相談内容における守秘義務についてはクライエント個人とのことなので、組織と協議する必要はない。
正解:1
解説
肢1が正解です。守秘義務には、身体・生命の危険が察知される場合等の例外があります。ただし、例外だから相談情報を無制限に共有してよいわけではありません。スーパービジョンで扱う情報にも承諾等の配慮が必要で、組織との契約でも守秘義務や報告範囲をあらかじめ明確にします。