本試験問題(2025年実施)
第30回国家資格キャリアコンサルタント試験の過去問50問
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- 50問
- 収録数
- 学科50問・100分/論述50分/面接(50分の相談場面を想定した冒頭15分のロールプレイ+口頭試問5分)
- 本試験
実施日:2025-11-02/法令基準日:2025-04-01。法令・統計は設問が指定する時点で判断します。問題・公式正答は許諾を得て掲載し、解説は合トレが独自に作成しています。
1問2点・100点満点/合格基準70点 解答は試験回ごとにこの端末へ保存
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第30回の全50問|問題文・正解・解説
収録している50問を、正解と解説つきで通して読めます。上の演習で 間違えた問題を見直すときや、特定の論点がどう問われたかを確かめたいときに使ってください。 正解番号はキャリアコンサルティング協議会/日本キャリア開発協会(JCDA)の公表資料に基づきます。
問1
職業能力開発・労働市場「令和 6 年版労働経済の分析」(厚生労働省)で述べられた、無業者(在学生を除く)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 12022 年時点で約 3,000 万人いる就業希望のない無業者は、年齢に限らず総じて男性が多い。
- 2就業希望のない無業者が就業を希望しない理由は、男性・女性を問わず「病気・けが・高齢のため」がいずれの年齢層でも最も多い。
- 3就業希望はあるが求職活動を行っていない無業者が、求職活動を行わない理由は、59 歳以下では男性・女性を問わず「出産・育児・介護・看護・家事のため」が最も多い。
- 4求職者の状況を求職期間別にみると、求職期間が「1年以上」と「1か月未満」が、「1~2 か月」、「3~5 か月」、「6~8 か月」、「9~11 か月」に比べて多く、求職の状況が二極化している可能性を示唆している。
正解:4
解説
肢4が正解です。令和6年版の分析では、求職期間が1か月未満の層と1年以上の層が多いことから、二極化の可能性が示されています。無業者を一括りにせず、就業希望、求職活動、性別や年齢によって事情を分けて捉えます。調査時点の比較であり、その後も同じ割合が続くという意味ではありません。
問2
職業能力開発・労働市場「令和 6 年度能力開発基本調査 調査結果の概要」(厚生労働省)で示された「キャリアコンサルティング、キャリアに関する相談」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1調査対象者のうち、令和 4 年度中にキャリアコンサルティングを受けた者の割合は、正社員、正社員以外ともに 30%を超えていた。
- 2キャリアに関する相談をする主な組織・機関については、「職場の上司・管理者」を挙げる者の割合が、正社員、正社員以外ともに最も高かった。
- 3キャリアに関する相談が役立ったことの内訳は、「自己啓発を行うきっかけになった」を挙げる者の割合が、正社員、正社員以外ともに最も高かった。
- 4キャリアコンサルタントに相談したい内容は、正社員では「仕事に対する適性・適職」、正社員以外では「将来のキャリアプラン」を挙げる者が最も多かった。
正解:2
解説
肢2が正解です。設問の調査では、キャリアに関する相談の主な相手として、正社員・正社員以外とも職場の上司・管理者が最も多く挙げられています。相談相手、専門家への相談経験、相談したい内容、相談の効果は別の集計項目です。それぞれの設問と対象者を区別して読みます。
問3
職業能力開発・労働市場「働く環境の変化に対応できるキャリアコンサルタントに関する報告書」(厚生労働省、2021 年)で示された、「キャリアコンサルタントが果たす役割への期待」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1労使双方が抱くキャリア観の変化や、心理・行動面でのゆれ・ゆらぎを捉え、「働くことについての相談相手」として機能し、キャリア自律、キャリア実現の推進役を務めること。
- 2キャリアプランの再設計、新たな学び・学び直しの動機づけ等につながるような、適切な助言・指導を行う専門性を発揮すること。
- 3企業におけるキャリア開発は、企業の事業計画達成のための取組として進められるべきもので、連続的・長期的な視点よりも当該年度の事業目標を達成できるように支援すること。
- 4労使双方から寄せられる期待と要請に応え、更なる専門性の深化や活動領域での活躍につなげるべく、自律的・自走的な学びと実践を積むこと。
正解:3
解説
肢3が不適切で、正解です。キャリア開発を当該年度の事業目標の達成だけに従属させる考え方が誤りです。環境変化や本人のキャリア観を踏まえ、長期的な形成や学び直しを支える役割が期待されています。企業の課題も理解しつつ、個人の自律的なキャリア形成との両立を考えます。
問4
理論・カウンセリング次の語句のうち、レント、ブラウンとハケット(Lent, R. W., Brown, S. D. & Hackett,G.)が提唱した社会認知的キャリア理論に含まれる概念として、最も不適切なものはどれか。
- 1学習経験
- 2自己効力感
- 3自我同一性
- 4結果予期(結果期待)
正解:3
解説
肢3が不適切で、正解です。社会認知的キャリア理論では、学習経験を通じた自己効力感や結果予期などが、興味や選択、行動に関わります。自我同一性はエリクソンの理論を理解する中心的な概念です。自己効力感は「できそうか」、結果予期は「行動すると何が起こりそうか」と区別します。
問5
理論・カウンセリングクランボルツ(Krumboltz. J. D.)のプランド・ハップンスタンス理論における、「偶然の出来事をキャリアに取り込むための5つの資質」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1好奇心、レジリエンス、希望、効力感、リスクテイキング
- 2好奇心、粘り強さ、柔軟さ、楽観性、リスクテイキング
- 3好奇心、粘り強さ、レジリエンス、効力感、楽観性
- 4柔軟さ、粘り強さ、希望、効力感、楽観性
正解:2
解説
肢2が正解です。計画された偶発性の5つの資質は、好奇心、粘り強さ、柔軟さ、楽観性、リスクテイキングです。偶然をただ待つのではなく、新しい経験に関わり、予期しなかった出来事を学習機会として活かす姿勢を重視します。他の心理学概念に置き換えた選択肢に注意します。
問6
理論・カウンセリングホランド(Holland, J. L.)の理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1個人の行動傾向を、相互に完全に独立した 6 タイプからなるモデルとして類型化し、進路支援ツールの開発につなげた。
- 2個人の職業選択行為は、無意識的に機能するものであり、偶然の結果を無視できないと説明している。
- 3職業興味検査はパーソナリティ検査であると考え、YG 性格検査を含む、数々のアセスメントの開発に関わった。
- 4職務満足、職業上の安定性や業績は、個人のパーソナリティとその人の働く環境との一致度に依拠すると考えた。
正解:4
解説
肢4が正解です。ホランドは、個人のパーソナリティと職業環境の一致に着目しました。RIASECの6類型には相互の関係があり、完全に独立しているわけではありません。職業選択を単に無意識や偶然で説明する理論とも異なります。類型名だけでなく、人と環境の適合という考え方を押さえます。
問7
理論・カウンセリング職場における動機づけに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1チクセントミハイ(Csikszentmihalyi, M.)は、内発的に動機づけられた、時間を忘れるほどの高い集中力、楽しさ、自己没入感で言い表される意識の状態あるいは経験を指す、フローという概念を提唱した。
- 2マズロー(Maslow, A. H.)は、人は絶えず自分に足りないものを外から補おうとする欲求により動機づけられると考え、5層の欠乏欲求からなる欲求階層説を提唱した。
- 3ハーズバーグ(Herzberg, F.)は、優れたリーダーシップや、リーダーとの良好な関係といった衛生要因が十分に満たされれば、従業員の仕事への積極性を高めることができると考えた。
- 4ショーフェリ(Schaufeli, W. B.)らは、仕事に関連するポジティブで充実した状態であり、活力、献身、没頭などによって特徴づけられる状態のことを、ジョブ・クラフティングと定義づけた。
正解:1
解説
肢1が正解です。チクセントミハイのフローは、活動そのものに深く集中し没入する経験です。マズローの欲求をすべて欠乏欲求とする肢2、衛生要因の充足を積極的な動機づけと同一視する肢3は誤りです。活力・献身・没頭はワーク・エンゲイジメントであり、ジョブ・クラフティングと区別します。
問8
理論・カウンセリングカウンセリングの理論や心理療法の提唱者と、そのキーワードに関する次の記述のうち、組み合わせとして最も適切なものはどれか。
- 1フロイト(Freud, S.)・・・リビドー
- 2バーン(Berne, E.)・・・自己一致
- 3エリス(Ellis, A.)・・・ゲシュタルト
- 4パールズ(Perls, F. S.)・・・無意識
正解:1
解説
肢1が正解です。フロイトの精神分析ではリビドーが重要な概念です。他の組合せは、自己一致がロジャーズ、ゲシュタルト療法がパールズ、無意識がフロイトという対応で整理します。バーンは交流分析、エリスは論理情動行動療法と結び付け、名前と概念の入れ替えを見抜きます。
問9
理論・カウンセリング行動療法とその理論的背景である学習理論に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1行動療法は、学習理論を基礎として、人間のさまざまな不適応や行動の問題は、後天的に学習された結果であり、適応的な行動を学習し直すことによって、問題を改善できると考える。
- 2レスポンデント条件づけの代表例である「パブロフの犬の実験」では、中性刺激(音)に無条件刺激(餌)を対提示することによって、中性刺激(音)は条件反応(唾液分泌)を誘発する条件刺激となった。
- 3「スキナーのラットの実験」で説明されるオペラント条件づけとは、ラットのオペラント行動(レバー押し)に刺激(餌)を随伴させ、オペラント行動の頻度が増加する操作や過程を指す。
- 4観察学習は、モデル(他者)を観察し、観察者自身もその行動を実施したところ報酬が得られることによって学習が成立することをいう。
正解:4
解説
肢4が不適切で、正解です。観察学習は、他者の行動やその結果を観察することから成立し、観察者自身が同じ行動を行って報酬を受けることは必須ではありません。自分の行動に結果が随伴するオペラント条件づけとの違いが判断点です。肢2は刺激の結び付きによるレスポンデント条件づけです。
問10
職業能力開発・労働市場ジョブ・カードに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1ジョブ・カードは、厚生労働省が様式を定め、求職者が職務経歴やスキル、資格などを記録し、就職活動時に活用することもできる公的なツールである。
- 2ジョブ・カードを利用することで、より効果的なキャリアコンサルティングが可能になる。
- 3ジョブ・カードは、ハローワークの求職者を対象としており、在職者や学生は対象にはならない。
- 4ジョブ・カードは、将来のキャリアプランについても記載ができるようになっている。
正解:3
解説
肢3が不適切で、正解です。ジョブ・カードの利用者はハローワークの求職者に限られず、在職者や学生も含まれます。これまでの経験や能力を整理し、将来のキャリアプランを考えるためにも使えます。応募時の経歴証明だけの書類と捉えず、相談を通じた自己理解や計画づくりへの活用を押さえます。
問11
職業能力開発・労働市場ハロートレーニング(公的職業訓練)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1ハロートレーニングは、失業者を対象としており、在職者は対象となっていない。
- 2ハロートレーニングは、就職に必要なスキルや知識の習得を目的としており、資格取得を目指すコースもある。
- 3ハロートレーニングの訓練期間はコースにより異なるが、最長 1 年間となっている。
- 4ハロートレーニング受講にかかる費用は国が全額を負担し、受講者は一切費用を支払う必要がない。
正解:2
解説
肢2が正解です。ハロートレーニングは、仕事に必要な知識・技能を身に付けるための公的職業訓練で、資格取得を目指すコースもあります。在職者向けの訓練もあり、訓練期間を最長1年とする肢3は誤りです。受講料が無料の訓練でも教材費などの負担があり得るため、費用を一律にゼロと断定できません。
問12
職業能力開発・労働市場「令和 5 年度能力開発基本調査 調査結果の概要」(厚生労働省)に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
- 1OFF-JT を実施した対象を職層別にみると、正社員では「新入社員」が最も多く、次いで「中堅社員」、「管理職層」の順である。
- 2計画的な OJT については、正社員、正社員以外のどちらに対しても、企業規模が大きくなるほど実施率は高くなる傾向がある。
- 3能力開発や人材育成に関する問題点の内訳として最も多いのは、「技術革新や業務変更が頻繁なため、人材育成が無駄になる」である。
- 4「人材開発支援助成金を利用した」と回答した事業所は、20%未満である。
正解:3
解説
肢3が不適切で、正解です。令和5年度能力開発基本調査では、「技術革新や業務変更が頻繁なため、人材育成が無駄になる」が問題点の最多ではありません。企業規模による計画的OJTの実施傾向、OFF-JTの対象職層、助成金の利用割合はそれぞれ異なる指標です。順位や対象を別の集計と取り違えないことが大切です。
問13
職業能力開発・労働市場「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(厚生労働省、令和 4 年改定)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1労働者が、個人事業主として他社と準委任契約や請負契約を締結して副業・兼業を行う場合の労働時間や社会保険、最低賃金等の留意点は、被雇用者として労働契約を締結して行う場合と同様である。
- 2勤務時間外の活動は労働者が自由に行うことができるので、副業・兼業を行う場合、使用者が確認する必要はない。
- 3労働者が副業・兼業を行う場合の企業の留意点として、労働者の起業・転職につながることが指摘されている。
- 4副業・兼業を行う労働者にとっては、離職せずとも別の仕事に就くことが可能となり、スキルや経験を得ることで、労働者が主体的にキャリアを形成できることがメリットの一つとして挙げられている。
正解:4
解説
肢4が正解です。副業・兼業は、現在の仕事を続けながら別の経験や技能を得る機会となり、主体的なキャリア形成につながり得ます。雇用契約と請負・準委任では労働法や保険の扱いが異なります。勤務時間外であっても、企業側には労働時間や健康への影響などを確認する必要があります。
問14
職業能力開発・労働市場職業能力評価基準に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1「職業能力評価基準」とは、仕事をこなすために必要な「知識」と「技術・技能」に加えて、「成果につながる職務行動例(職務遂行能力)」を、業種別、職種・職務別に整理したものである。
- 2社員の「採用」や「人材育成」、「人事評価」、さらには検定試験の「基準書」として、様々な場面で活用できるものとなっている。
- 3現在の能力レベルを把握、評価するための「キャリアマップ」といったツールを用い、「次のレベルに上がるには何が不足しているのか」を具体的に把握することができる。
- 4成果につながる行動例を「職務遂行のための基準」、仕事をこなすために前提として求められる知識を「必要な知識」として、整理・体系化している。
正解:3
解説
肢3が不適切で、正解です。現在の能力を項目ごとに把握・評価するための道具は職業能力評価シートです。キャリアマップは職種や職務、能力の段階などを示し、今後の道筋を考えるために使います。「今どこまでできるかを評価するもの」と「次の段階を見通すもの」を区別します。
問15
職業能力開発・労働市場しょくばらぼ(職場情報総合サイト)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1しょくばらぼでは、職場改善に積極的な企業の職場情報の検索、職場情報の企業間での比較、職場情報のダウンロードなどが行える。
- 2しょくばらぼでは、「jobtag」、「ハローワークインターネットサービス」、「多様な働き方の実現応援サイト」の 3 サイトに分かれて掲載されている企業の職場情報を転載し、ワンストップで閲覧できるようにしている。
- 3しょくばらぼでは、掲載されている求人に、サイトから直接応募ができる。
- 4しょくばらぼには、「ハローワークインターネットサービス」だけでなく、複数の民間求人サイトの求人情報も掲載されている。
正解:1
解説
肢1が正解です。しょくばらぼは、企業の職場情報を検索し、比較やダウンロードに活用できるサイトです。職業そのものの内容を調べる情報や、求人に直接応募する機能と混同しないようにします。相談者の希望する働き方に照らして企業情報を確認する際に役立ちます。
問16
職業能力開発・労働市場次の記述のうち、( )に当てはまる語句として、適切なものはどれか。日本の女性の年齢階級別労働力率の特徴として、( )字カーブがあるとされ、近年この傾向は弱まっているものの、現在も存在している。
- 1L
- 2M
- 3U
- 4逆 U
正解:2
解説
肢2が正解です。女性の年齢階級別労働力率について、結婚・出産・育児期の低下とその後の上昇を表す形がM字カーブです。近年は谷が浅くなっていますが、設問の時点では特徴として取り上げられています。正規雇用比率など別の指標の曲線と混同せず、何の割合を示しているかを確認します。
問17
職業能力開発・労働市場近年のわが国の労働力率や就業率の現状に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- 1日本の就業率は、2000 年代後半をピークに低下傾向となっている。
- 22022 年の、日本における 65 歳以上男性の労働力率は、韓国よりは高いものの、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツよりも低い。
- 365 歳以上男性の労働力率を 1985 年と 2022 年で比較すると、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツでは大幅に上昇しているが、日本ではわずかに低くなっている。
- 42022 年の日本の就業率はドイツ、フランス、アメリカ、イギリスより低い。
正解:3
解説
肢3が正解です。設問では65歳以上男性の労働力率について、1985年と2022年の2時点を比較しています。日本はわずかに低下し、列挙された欧米諸国は上昇しています。これは期間中ずっと低下したという意味ではなく、水準の国際比較とも別です。年齢、性別、指標、比較時点をそろえて読みます。
問18
職業能力開発・労働市場「令和 6 年版労働経済の分析」(厚生労働省)で述べられた、雇用情勢の動向に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 12023 年におけるわが国の女性の就業率は、約 7 割となっている。
- 22023 年におけるわが国の女性の非労働力人口のうち、働く希望はあるが求職活動はしていない就業希望者数は、完全失業者数よりも多い。
- 3わが国において、女性の正規雇用労働者数は、2015 年以降横ばい傾向で推移している。
- 4わが国において、女性の非正規雇用労働者数は、2015 年以降減少傾向で推移している。
正解:2
解説
肢2が正解です。令和6年版の分析で扱う2023年の女性について、非労働力人口のうち就業を希望する人は、完全失業者より多くなっています。働きたい気持ちがあっても、求職活動などの要件を満たさなければ完全失業者とは分類されません。希望の有無と統計上の就業状態を分けて理解します。
問19
職業能力開発・労働市場労働力の定義に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- 1労働力人口比率は、全人口に占める労働力人口の割合である。
- 2完全失業率は、労働力人口に占める完全失業者の割合である。
- 3完全失業者は、15 歳以上の人口のうち、仕事を全くしていない人のことである。
- 4非労働力人口は、15 歳以上の人口のうち、仕事を全くしていない人のことである。
正解:2
解説
肢2が正解です。完全失業率は、完全失業者数を労働力人口で割って求めます。労働力人口は就業者と完全失業者の合計です。労働力人口比率の分母は15歳以上人口であり、全人口ではありません。仕事をしていない人をすべて完全失業者または非労働力人口とすることもできません。
問20
職業能力開発・労働市場パートタイム・有期雇用労働法における事業主の義務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1事業主は、短時間・有期雇用労働者を雇い入れたときには、速やかに「不合理な待遇の禁止」など事業主が講ずる措置(同法 8 条~13 条)について説明しなければならない。
- 2事業主は、短時間・有期雇用労働者から求めがあったときには、通常の労働者との待遇の相違の内容及び理由などについて説明しなければならない。
- 3事業主は、雇用管理の改善等に関する事項に関して、短時間・有期雇用労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければならない。
- 4事業主は、雇用管理の改善等に関する事項を管理させるため、すべての事業所に短時間・有期雇用管理者を選任しなければならない。
正解:4
解説
肢4が誤りで、正解です。短時間・有期雇用管理者の選任は、すべての事業所に一律に課された義務ではなく、対象となる事業所についての努力義務です。一方、雇入れ時の措置の説明、求めに応じた待遇差の内容・理由の説明、相談体制の整備には義務があります。「義務」と「努力義務」の違いが判断点です。
問21
職業能力開発・労働市場労働基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1使用者は、産後 6 週間を経過しない女性労働者が就業したいと請求しても就業させてはならないが、6 週間以内に出産予定の女性労働者については、本人が休業を請求しなければ就業させることは差し支えない。
- 2使用者は労働者に対し、通貨で毎月一回以上、賃金を支払わなければならないが、例外として労働者本人の同意がなくとも銀行振り込みで支払うことができる。
- 3試用期間中の者は、その期間が 14 日を超えた場合にあっても、解雇予告をせず、あるいは解雇予告手当を支払うことなく即時解雇できる。
- 4労働基準法で定められている管理監督者に該当する者は、時間外労働、休日労働及び深夜労働の割増賃金の規定は適用されない。
正解:1
解説
肢1が正解です。産前の休業は本人の請求を前提としますが、産後6週間は本人が希望しても就業させられません。賃金の銀行振込には本人の同意が必要です。試用期間でも14日を超えて使用すると解雇予告制度の対象となり、管理監督者にも深夜労働の割増賃金は適用されます。
問22
職業能力開発・労働市場雇用保険制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1雇用保険の適用事業で新たに雇用される労働者のうち、65 歳を超える者は雇用保険の適用除外となる。
- 2求職者給付の基本手当における所定給付日数は、雇用保険の被保険者であった期間および離職の日における年齢によって決定され、離職の理由は影響しない。
- 3教育訓練給付は、労働者の主体的な能力開発を支援する事業主に対して、教育訓練経費等を助成する制度である。
- 4離職者が離職後に事業を開始等した場合、事業を行っている期間等は、最大 3 年間基本手当の受給期間に算入しない特例が設けられている。
正解:4
解説
肢4が正解です。離職後に事業を開始する等の場合、一定の要件と手続により、その期間を最大3年間、基本手当の受給期間に算入しない特例があります。65歳を超えたことだけで雇用保険から除外されるわけではありません。給付日数は離職理由等にも関わり、教育訓練給付は受講者本人に対する制度です。
問23
職業能力開発・労働市場年次有給休暇に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1判例によると、労働者が年次有給休暇を利用する際には、使用者に対し利用の目的を明示しなければならないとされている。
- 2判例によると、労働者が自らが所属する事業場において、業務の正常な運営の阻害を目的として、全員一斉に休暇届を提出して職場を放棄・離脱することも、正当な年次有給休暇権の行使となる。
- 3年次有給休暇は、「年次」という文言にもかかわらず 2 年の消滅時効に服すると考えられているため、発生の日から 2 年間は行使することが可能である。
- 4年次有給休暇は、1 日の所定労働時間が 3 時間未満の短時間労働者には与えなくともよい。
正解:3
解説
肢3が正解です。年次有給休暇の請求権は2年間の消滅時効にかかります。利用目的は原則として労働者の自由であり、短時間勤務であることだけで対象外にはなりません。一方、集団的な労務不提供を年休に置き換える考え方は適切ではありません。取得要件、利用目的、時効を区別して整理します。
問24
理論・カウンセリング「生徒指導提要(改訂版)」(文部科学省、令和 4 年)で述べられた、生徒指導及びキャリア教育に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1生徒指導と同様に、児童生徒の社会的自己実現を支える教育活動としてキャリア教育があり、生徒指導を進める上で両者の独自性を尊重し、個別に取り組むことが大切である。
- 2キャリア教育を学校教育全体で進めるという前提の下、これまでの教科の学びや体験活動等を振り返るなど、教育活動全体の取組を自己の将来や社会につなげていくことが求められている。
- 3いじめや暴力行為などへの対応においては、児童生徒本人が、自他の人生への影響を考えること、自己の生き方を見つめること等と、将来の夢や進路目標を明確にすることが重要であることから、生徒指導とキャリア教育は、深い関係にあると言える。
- 4生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう、学校の教育活動全体を通じ、組織的かつ計画的な進路指導を行うこととされており、キャリア教育の中に進路指導が包含されていると言える。
正解:1
解説
肢1が正解です。生徒指導とキャリア教育は、児童生徒が社会で自分らしく生きる力を育てるうえで相互に関係します。進路の課題だけを切り離して扱うのではなく、学校生活や発達上の課題も踏まえた支援が必要です。進学先・就職先の選択だけをキャリア教育と捉えないことが大切です。
問25
理論・カウンセリング次の記述のうち、「高等学校学習指導要領」(文部科学省、平成 30 年)において、「横断的・総合的な学習を行うことを通して、自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を育成することを目指す」ために設定されたものとして、適切なものはどれか。
- 1キャリア教育
- 2進路指導
- 3総合的な学習の時間
- 4総合的な探究の時間
正解:4
解説
肢4が正解です。高等学校の教育課程で設けられているのは「総合的な探究の時間」です。小学校・中学校の「総合的な学習の時間」と名称を取り違えないようにします。キャリア教育は特定の時間だけで完結するものではなく、各教科や特別活動など学校の教育活動全体を通じて進めます。
問26
理論・カウンセリングGIGA スクール構想に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1GIGA スクール構想は、全国の児童生徒向けに、2 人に 1 台の端末の整備を目指すものなどを含めた、ICT 環境の整備にかかる構想である。
- 2GIGA スクール構想は、特別支援学級は対象外である。
- 3ネットリテラシーなどの情報活用能力を育成していくことも重要とされている。
- 4文章作成能力の向上を妨げるため、国語の授業への導入は見送られている。
正解:3
解説
肢3が正解です。GIGAスクール構想は端末や通信環境の整備だけでなく、それらを適切に活用する情報活用能力の育成にも関わります。基本は1人1台端末であり、特別支援学級や国語の学習を一律に除外するものではありません。設備を整えることと、学びに活用する力を育てることを合わせて捉えます。
問27
相談実務・倫理精神・発達障害の特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1学習障害のある人は、口頭でのコミュニケーションと理解は普通にできるが、読む、書く、計算することを極端に苦手とする傾向がある。
- 2広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)のある人の特性の一つに、見通しが立たないことへの不安耐性の低さがあげられる。
- 3気分障害のある人が躁状態にある場合、精神的・肉体的なエネルギーが増し、通常を超えた行動に走る傾向がある。
- 4パニック障害のある人は、次々と周囲のものに関心を持ち、周囲のペースよりもエネルギッシュに様々なことに取り組むことが多い傾向がある。
正解:4
解説
肢4が不適切で、正解です。パニック障害は突然の強い不安や動悸などの発作、再発への不安などが問題となり、活動性が高まる状態を特徴とする説明は適切ではありません。診断名から個人の状態を決め付けず、具体的な困り事と必要な配慮を確認します。診断・治療は医療専門職に委ねます。
問28
相談実務・倫理「令和 6 年版厚生労働白書」(厚生労働省)で述べられた、心の健康を取り巻く環境とその現状に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1ストレスとは、外部からの刺激など(ストレッサー)によって、心身に生じる反応(ストレス反応)のことをいい、ストレッサーとストレス反応を合わせてストレスと呼ぶこともある。
- 2アメリカの生物学者が生理学に応用し、日本の医学者の北里柴三郎がさらに研究を進めて「ストレス学説」を唱えたのが、今の「ストレス」の始まりといわれている。
- 3ストレッサーには、暑さや寒さや有害物質などの物理的・化学的なもの、病気や飢え、睡眠不足などの生理的なもの、職場や家庭における不安・緊張・恐怖・怒りなどの心理的・社会的なものなどがある。
- 4同じストレッサーでも、受け止める人によってそのストレスを解消しようとする防御反応の度合いは異なり、ストレッサーを制御できた場合は適応できるが、うまく制御ができなかった場合には、不適応を起こして心身にさまざまな影響が現れる。
正解:2
解説
肢2が不適切で、正解です。ストレス学説を発展させた人物はハンス・セリエであり、北里柴三郎ではありません。ストレッサーは刺激や負荷、ストレス反応はそれによって生じる心身の反応として区別します。同じ刺激でも受け止め方や利用できる支援によって反応が異なる点も大切です。
問29
理論・カウンセリングエリクソン(Erikson, E. H.)の理論に関する次の文章のうち、( )に入る語句の組み合わせとして適切なものはどれか。エリクソンは( A )を中核として( B )を捉える( C )論を提唱した。
- 1A.アイデンティティ B.人間関係全般 C.ライフロール
- 2A.アイデンティティ B.人間生涯全般 C.ライフサイクル
- 3A.アダプタビリティ B.人間関係全般 C.ライフサイクル
- 4A.アイデンティティ B.人間生涯全般 C.ライフロール
正解:2
解説
肢2が正解です。エリクソンはアイデンティティを重要な概念とし、人間の生涯全般を捉えるライフサイクル論を展開しました。青年期だけで発達が終わると考えない点が特徴です。アダプタビリティやライフロールなど、他のキャリア理論でも使う語を入れ替えた選択肢と区別します。
問30
理論・カウンセリングシュロスバーグ(Schlossberg, N. K.)が提唱した、人生の転機のモデルにおける4 つのリソース(4S)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1Source(原因、源泉)は、何が引き金になっているか、コントロール可能かなどである。
- 2Support(支援)は、周囲からの支え、親密な人間関係、家族、友人、専門機関などを含んでいる。
- 3Status(地位)は、個人の内的リソースで、社会経済的地位などの属性と、価値観などの心理的資源の 2 側面がある。
- 4Substitution(代替行動)は、対処行動ともいえるもので、状況を変える、あえて何もしないなどがある。
正解:2
解説
肢2が正解です。シュロスバーグの4Sは、Situation(状況)、Self(自己)、Support(支援)、Strategies(対処方略)です。支援には家族・友人・専門機関などが含まれます。肢1・3・4は説明に似た内容があっても、4Sの正式な概念名が別の語に置き換わっている点が誤りです。
問31
理論・カウンセリング人生の転機に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- 1シャイン(Schein, E. H.)は、組織内キャリア発達には、生物学的・社会的サイクル、仕事・キャリアサイクル、家族関係サイクルがあるとした。
- 2クランボルツ(Krumboltz, J. D.)は、転機を成人の様々な人生上の出来事と捉え、「予測していた転機」、「予測していなかった転機」、「期待していたものが起こらなかった転機」の 3 つに整理した。
- 3岡本祐子は、児童期から青年期に至る転機に焦点を当て、アイデンティティ危機における心理的変化の特徴から、青年期の「アイデンティティのらせん式発達モデル」を明らかにした。
- 4シュロスバーグ(Schlossberg, N. K.)は、転機のプロセスには、「始まり」と「終わり」の間に、新しいものの模索やニュートラルゾーンといった状態があり、個人がどの位置にいるかを見極めることが重要であるとした。
正解:4
解説
肢4が正解です。転機を出来事の発生だけで捉えず、終わり、新しい状態の模索、始まりなどを含む過程として見て、本人の現在地に応じて支援する視点が問われています。肢2の予測の有無等による転機の分類はシュロスバーグで、クランボルツとの取り違えです。理論家の名前とモデルの対象を対応させて整理します。
問32
相談実務・倫理LGBT に対するキャリアカウンセリングに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1LGBT に関する地域の身近なリソースについての情報を提供するとよい。
- 2女性的な側面を持つゲイの男性には、女性性が際立った職業に就くことを勧めるとよい。
- 3職業選択において様々な可能性があることを「モデル」を提示して伝えるとよい。
- 4LGBT の採用を考える求人企業が集まる合同説明会を紹介するとよい。
正解:2
解説
肢2が不適切で、正解です。性的指向や性別に関する固定観念から適職を決め付けることはできません。本人の関心、能力、価値観、希望する環境を確かめて選択を支えます。地域の支援やロールモデル等の情報も、本人の希望とプライバシーに配慮しながら提供します。
問33
相談実務・倫理リハビリテーション・カウンセリングの理念に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1障害のある人が人生における目標を定め、それを達成できるようにサポートする。
- 2障害のある人が職業につけるよう、その人の障害や低下した身体能力だけに焦点を当ててサポートする。
- 3障害のある人が、人生のさまざまな場面で自分の資源を利用して問題を解決できるようになるのをサポートする。
- 4人それぞれの遺伝的、生物学的、心理・社会的独自性に価値を見出し、その人のニーズにあわせたサービスを提供する。
正解:2
解説
肢2が不適切で、正解です。リハビリテーション・カウンセリングでは、障害や身体機能の低下だけに注目するのではなく、本人の目標、強み、利用できる資源や環境を含めて支援します。個人ごとのニーズを尊重し、自分の力や周囲の支えを活かして生活や職業上の課題に向き合えるよう支えます。
問34
相談実務・倫理次の記述のうち、アイビイ(Ivey, A. E.)が提唱したマイクロカウンセリングの「積極技法」に分類されるものとして、最も適切なものはどれか。
- 1意味の反映
- 2感情の反映
- 3はげまし
- 4フィードバック
正解:4
解説
肢4が正解です。マイクロカウンセリングの積極技法にはフィードバックがあります。相談者の話を受け止める基本的な傾聴に加えて、相手に気付きを促す情報を返す働きかけです。支援者の評価を一方的に押し付けるのではなく、関係性やタイミング、相手の受け止めを確かめながら用います。
問35
相談実務・倫理心理カウンセリングにおけるカウンセラーの聴き方に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1クライエントが、どのように考え、どのような感覚や感情を感じ、どのように振る舞っているのか、その体験を細やかにありのままに聴いて受け止めようとする。
- 2クライエントから聴いた話を自分なりの枠組みで分析し、そこに認められる問題に対する打開策や改善策を提案することを目指して聴く。
- 3クライエントの表情、声のトーン、視線、姿勢、身振りなどに注意を向けて、それらすべてを通して、今ここにおけるクライエントのありようを感じながら聴く。
- 4クライエントの話を聴きながら、カウンセラー自身の中に生じてくるさまざまな感覚、体感、思い、感情、考えなどを生じるがまま、心をオープンに自由にしながら聴く。
正解:2
解説
肢2が不適切で、正解です。初めから支援者自身の枠組みで分析し、解決策を提示するためだけに聴くと、相談者の体験を十分に理解できなくなります。言葉だけでなく表情や声、身体の様子にも注意し、相手がどのように感じているかを理解しようとする姿勢が重要です。支援者の思い込みにも気付きながら聴きます。
問36
相談実務・倫理ファシリテーターがグループワークを実践する際の心構えや、考え方に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1うまくいくかどうかはファシリテーター次第である。
- 2楽しむよりも、歯を食いしばって頑張ることを優先する。
- 3準備を徹底すれば、受け入れがたい事態は起こらない。
- 4参加者の成長の力を信じる。
正解:4
解説
肢4が正解です。ファシリテーターは参加者の成長する力を信頼し、相互の学びが生まれる環境を整えます。成果を自分だけの責任や統制で生み出そうとする姿勢は適切ではありません。十分な準備は大切ですが、予想外の展開もあり得るため、その場の参加者の状態に応じて柔軟に関わります。
問37
職業能力開発・労働市場ジョブ・カードの職業能力証明(免許・資格)シート作成の留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1相談者が取得した免許・資格について、まず業種・職種に限定せずに考え、必要な場面・用途等に応じて分類し、整理していく。
- 2記入する免許・資格付与の基準・目安等が不明確であったり、表現等に困った場合は記載しない。
- 3免許・資格の特長、内容を考え、様々な業種・職種での汎用性も視野に入れて、相談者の可能性が広がるように支援する。
- 4「免許・資格の内容等」欄には、具体的な内容表記以外で、必要に応じて、免許・資格付与の基準・目安等も記入する。
正解:2
解説
肢2が不適切で、正解です。免許・資格の基準や表現が分からないとき、直ちに記載を断念するのではなく、付与機関の情報等を確認して具体化を支援します。現在の職種だけで価値を判断せず、他の仕事にも活かせる内容を整理することが大切です。内容や付与基準を明確にすると、能力の伝達に役立ちます。
問38
相談実務・倫理より良いキャリアコンサルティングを行うための留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1相談者は自分で問題を解決できずに相談に訪れているので、積極的に解決策を提示し、それを実行させて、問題解決に導くことが重要である。
- 2職業の選択、今後のキャリア形成の方向の決定、手段の決定など、具体的な目標決定は相談者とともに進めることを重視する。
- 3自己理解、仕事理解などの各ステップを明確にしながら相談を進め、相談が現在どの時点にあるのかを相談者と確認しながら進める。
- 4様々な社会的な資源を活用することが効果的な場合もあるので、各種の相談機関等で行われている相談内容を知り、それらの相談機関との連携を図る必要がある。
正解:1
解説
肢1が不適切で、正解です。相談者が困っていることは、支援者が決定して実行させてよい理由にはなりません。本人の自己理解・仕事理解を支え、目標や手段を一緒に検討します。現在どの段階にいるかを共有し、必要な社会資源や専門機関とも連携しながら、本人の主体的な問題解決を支援します。
問39
相談実務・倫理次の記述のうち、國分康孝が提唱した「コーヒーカップ・モデル」の相談の初期に行う内容として、最も適切なものはどれか。
- 1リレーションづくり
- 2問題の解決
- 3コンサルテーション
- 4ケースワーク
正解:1
解説
肢1が正解です。コーヒーカップ・モデルでは、相談の初期にリレーションづくりを行います。安心して話し合える関係が、問題の把握やその後の対応の土台になります。初回から問題解決策を急ぐのではなく、相談者を受け止めて関係を築き、課題を明確にしてから必要な支援へ進みます。
問40
相談実務・倫理自己理解に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1自己理解とは、自分をひとつの側面から見つめ、特徴を描写し、より詳細な自己のイメージを明確化することである。
- 2自己理解には、自己の個性について知るだけでなく、環境の中の自己について知ることも含まれる。
- 3自己理解においては、たとえ他者に理解されなくても自分なりの言葉や内容で自己を表現することが重要である。
- 4自己とキャリアの関係は常に一定であり、一度整理した自己理解は、生涯にわたって指標とすることができる。
正解:2
解説
肢2が正解です。自己理解には、個性や能力を知ることに加え、環境や他者との関係の中での自分を理解することも含まれます。一つの側面だけで決め付けず、多面的に整理します。経験や役割の変化によって理解が深まるため、一度整理した内容を生涯変わらないものとして扱うのも適切ではありません。
問41
相談実務・倫理キャリアコンサルティングにおける職業情報の活用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1職業情報を活用するときは、クライエントが必要としていなくてもできるだけ多くの情報を提供することを最優先する。
- 2職業情報をあまり知らないクライエントの場合、混乱を生じさせないように知っている職業情報の範囲での決定を促すことが望ましい。
- 3職業情報を提供する際は、クライエントの希望を聞くよりも、キャリアコンサルタントが必要と考える情報を提供することが望ましい。
- 4職業情報を提供する際には、クライエントが理解しやすい内容に整理することが望ましい。
正解:4
解説
肢4が正解です。情報は量だけでなく、相談者が理解し、自分の選択に活かせる形に整理することが重要です。本人の希望や必要性を確かめずに大量に渡したり、既知の職業だけに選択肢を狭めたりしません。新しい選択肢も示しつつ、出典や条件を一緒に確かめることで意思決定を支えます。
問42
理論・カウンセリング「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」(文部科学省、厚生労働省、経済産業省、令和 4 年一部改正)で示された、インターンシップに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1インターンシップの場は一般企業に限られ、行政機関や公益法人は受け入れ先となることはない。
- 2インターンシップは、企業等が学生を一定期間受け入れ、仕事を体験させる仕組みのことであり、企業が CSR として実施するプログラムや大学が主導する産学協働プログラムは、インターンシップとして分類されていない。
- 3インターンシップ先を選ぶ際には、幅広い分野を対象とするのではなく学生の専攻に関連する分野に絞ることが望ましい。
- 4インターンシップにおいては、学生と受け入れ先との間で労働関係法令が適用されることはない。
正解:2
解説
肢2が正解です。令和4年改正の整理では、企業のCSRや大学主導の産学協働プログラム等はタイプ2のキャリア教育であり、インターンシップと呼ぶタイプ3・4とは区別されます。受入先は一般企業に限りません。また、実態によって労働関係法令が適用される場合があるため、一律に適用されないとする肢4は誤りです。
問43
相談実務・倫理次の記述のうち、キャリアコンサルティングの意思決定の支援に該当するものとして、最も適切なものはどれか。
- 1相談者自身が設定した目標を達成するために、必要な自己学習や職業訓練等の能力開発に関する情報を提供すること。
- 2相談を行うに当たり、受容的な態度(挨拶、笑顔、アイコンタクト等)で接することにより、心理的な親和関係を相談者との間で確立すること。
- 3方策実行後の相談者の成長を支えるため、状況に応じた適切なフォローアップを行うこと。
- 4相談者とその家族の基本的生活設計を中心に、家族のために短期的なライフプランの作成を支援すること。
正解:1
解説
肢1が正解です。本人が設定した目標に向け、学習や職業訓練の情報を提供することは、進む道や手段の意思決定を支える働きかけです。肢2は関係構築、肢3は実行後のフォローアップに当たります。ライフプランは家族のためだけの短期計画に限定せず、本人の生涯を見通して検討します。
問44
相談実務・倫理キャリアコンサルティングにおける方策の実行に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1行動計画のステップが漠然とし過ぎていたり、あまりにも努力を要する場合は、さらに分割して小さな課題に分ける。
- 2行動計画のステップは、キャリアコンサルタントが責任をもって主体的に計画して、クライエントに実行させることが望ましい。
- 3方策の実行の支援には、クライエントが能力開発に取り組む際の励ましは含まれない。
- 4方策の実行の自由度を担保するため、キャリアコンサルタントとクライエントが契約書を取り交わすことは望ましくない。
正解:1
解説
肢1が正解です。大き過ぎる行動課題は、実行可能な小さな段階に分けると着手しやすくなります。行動計画は支援者が一方的に作って実行させるのではなく、本人と合意して具体化します。能力開発中の励ましや進捗確認も実行支援に含まれ、状況に応じて計画を見直します。
問45
相談実務・倫理就職活動の支援を行い内定を得た学生から、「入社後に仕事についていけるか不安を感じている」と連絡があった際のキャリアコンサルタントの対応に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1内定を得た後は本人が自力でキャリアを作ることが重要であるため、自信を持って自分で乗り越えるよう伝えた。
- 2近年ではどの職場でも IT スキルが重視されているため、IT 系の資格を取得すれば大丈夫だと伝えた。
- 3どのような点に不安を感じているか確認する必要があると思われたので、本人了解のもとに面談の日程を調整した。
- 4内定先とのミスマッチの可能性が高いため、いますぐ就職活動を再開するようアドバイスした。
正解:3
解説
肢3が正解です。内定後の不安も、本人の了解を得て具体的に聴き、必要な支援を考えます。内容を確認せずに資格取得で解決すると断言したり、ミスマッチと決め付けて就職活動の再開を促したりするのは早計です。就職先が決まった後も、移行や適応の課題に応じたフォローアップが大切です。
問46
相談実務・倫理相談過程の総括に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1総括に時間をかける必要はないので、最低限の時間でカウンセリングの評価を行う。
- 2カウンセリングの評価は、面談の振り返りにもなり、カウンセラーの専門性を高める機会になる。
- 3カウンセリングの評価の際には、適切にまとめられた記録よりも、自分の記憶や直感が重要である。
- 4スーパーバイザーのような第三者によるカウンセリングの評価は、当事者による評価ではないため、あまり意味をもたない。
正解:2
解説
肢2が正解です。相談の評価と振り返りは、相談者の変化を確かめるだけでなく、支援者が自分の関わりを点検して専門性を高める機会にもなります。記憶や直感だけに頼らず、適切な記録を用います。スーパービジョン等の第三者の視点も、自分では気付きにくい課題の把握に役立ちます。
問47
職業能力開発・労働市場キャリア形成及びキャリアコンサルティングに関する教育並びに普及活動に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1キャリアコンサルティングの普及促進では、効果を高めるために、相談したい内容がはっきりしてから来談するよう発信することが必要である。
- 2企業における従業員のキャリア形成支援の取組を促進するためには、経営者よりも従業員一人ひとりに対して、キャリアコンサルティングが組織の活性化につながることを丁寧に説明することが有効である。
- 3キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングの利用によるメリットやリ・スキリングの必要性・重要性についての発信に積極的に取り組むことが求められる。
- 4キャリアコンサルティングの普及のために連携する際は、キャリアコンサルタント同士よりも他の専門機関・専門家との連携の方が重要である。
正解:3
解説
肢3が正解です。キャリアコンサルティングのメリットや学び直しの必要性を伝えることも役割に含まれます。相談内容が明確でなければ利用できないという発信は、必要な人の利用を妨げます。従業員だけでなく経営者にも働きかけ、同職種・他職種の双方との連携によって普及を進めます。
問48
相談実務・倫理キャリアコンサルタントに必要なネットワークに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1メンタルヘルス不調、発達障害、仕事と治療の両立などの相談に適切に対応するためには、心理臨床や福祉領域などの専門機関・専門家とのネットワークを構築しておくことが求められる。
- 2企業内キャリアコンサルタントに限っては、人事部門など組織内部の他部門とのネットワークがあれば十分なので、外部とのネットワークは特に必要とされない。
- 3相談内容の高度化・複雑化に伴い、ファイナンシャルプランナー、弁護士など、これまでよりも多様な領域の他機関・専門家とのネットワークを構築しておく必要がある。
- 4キャリア支援を効果的に実施するためには、異なる分野の専門家に意見・情報を求めるコンサルテーションも必要であり、日頃からそのためのネットワークを構築しておくことが望ましい。
正解:2
解説
肢2が不適切で、正解です。企業内で活動する場合でも、組織内部のつながりだけで十分とはいえません。医療・福祉・法律・家計等の複合的な相談には外部の専門家との連携が必要になることがあります。日頃から相談先を把握し、本人の同意や守秘義務に配慮して適切な支援につなぎます。
問49
相談実務・倫理「キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会報告書」(厚生労働省、令和 5 年12 月)で示された、スーパービジョンに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1スーパービジョンは、より高い知識技能及び豊富な経験を有する指導者による、キャリアコンサルタント各人の成長課題に応じた教育的介入を通じ、知識・技能の向上や実践力強化を図るうえで、高い効果が期待されている。
- 2キャリアコンサルタントは、個人の相談支援に特化し、組織への働きかけは専門外であることから、スーパービジョンにおいても、個人の成長に焦点を当てる必要がある。
- 3スーパービジョンを受ける側となるキャリアコンサルタントに対し、スーパービジョンを受けることを通じた研鑽の必要性や効果について認識を促す必要がある。
- 4キャリアコンサルタントが抱える課題は、その活動する領域の特徴に密接に関連しているため、スーパービジョンを受ける際にはスーパーバイザーの専門領域に着目することも必要である。
正解:2
解説
肢2が不適切で、正解です。キャリアコンサルタントの役割には、個人への面談に加えて組織への働きかけも含まれます。スーパービジョンでは、活動領域に応じた課題や実践力を扱うことができます。指導者の専門領域にも着目し、自分の成長課題に合う学びを得ることが大切です。
問50
相談実務・倫理次の記述のうち、キャリアコンサルタント倫理綱領(特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会、令和 6 年 1 月改正)に示されている、キャリアコンサルタントの守秘義務の例外事項として最も適切なものはどれか。
- 1相談者の経済的な損失が察知される場合
- 2相談者の親族等の同意が得られている場合
- 3相談者の基本的人権が尊重されない場合
- 4相談者の身体・生命の危険が察知される場合
正解:4
解説
肢4が正解です。倫理綱領では、相談者の身体・生命の危険が察知される場合が守秘義務の例外として示されています。経済的な損失や親族の同意だけで、自由な情報開示が許されるわけではありません。例外に当たる場合も、目的に必要な範囲を慎重に判断し、適切な機関と連携します。