第33回(2026年11月)試験対応2026年4月1日法令基準情報の正確さへの取り組み

本試験問題(2026年実施)

第31回国家資格キャリアコンサルタント試験の過去問50

収録している50問を、1問ずつ答え合わせしながら進みます。間違えた問題は 関連論点の要点整理へ直行でき、解答はこの端末に自動保存されます。

50問
収録数
学科50問・100分/論述50分/面接(50分の相談場面を想定した冒頭15分のロールプレイ+口頭試問5分)
本試験

実施日:2026-03-01/法令基準日:2025-04-01。法令・統計は設問が指定する時点で判断します。問題・公式正答は許諾を得て掲載し、解説は合トレが独自に作成しています。

1問2点・100点満点/合格基準70点 解答は試験回ごとにこの端末へ保存

0 / 50問 解答済み

1 相談実務・倫理

「男女共同参画白書 令和 6 年版」(内閣府)で示された、わが国の就業状況の変化と育児・介護問題に関する調査結果についての次の記述のうち、適切なものはどれか。

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第31回の全50問|問題文・正解・解説

収録している50問を、正解と解説つきで通して読めます。上の演習で 間違えた問題を見直すときや、特定の論点がどう問われたかを確かめたいときに使ってください。 正解番号はキャリアコンサルティング協議会/日本キャリア開発協会(JCDA)の公表資料に基づきます。

  1. 1

    相談実務・倫理

    「男女共同参画白書 令和 6 年版」(内閣府)で示された、わが国の就業状況の変化と育児・介護問題に関する調査結果についての次の記述のうち、適切なものはどれか。

    1. 1小学校入学前の未就学児の育児をしている者の内訳を就業状況別にみると、女性無業者の人数は 2012 年からほぼ一定である。
    2. 2小学校入学前の未就学児の育児をしている女性の内訳を就業状況別にみると、2022 年では有業者よりも無業者の方が多い。
    3. 3家族の介護をしている者の内訳を就業状況別にみると、家族の介護をしながら働く有業者の割合は、男性・女性ともに減少傾向にある。
    4. 4未就学児の育児をしながら、家族の介護をしている者(ダブルケアをしている者)の内訳を就業状況別にみると、2022 年においては、男性・女性ともに無業者よりも有業者の方が多い。

    正解:4

    解説

    肢4が正解です。設問の白書が扱う2022年のデータでは、育児と介護を同時に担う人は、男女とも無業者より有業者が多くなっています。ダブルケアを就業していない人だけの問題と捉えないことが大切です。育児・介護のどちらか一方だけでなく、働き方も含めて支援の必要性を確認します。

  2. 2

    職業能力開発・労働市場

    「令和 6 年度能力開発基本調査 調査結果の概要(事業所調査)」(厚生労働省)で示された、キャリアコンサルティングを行うしくみがある事業所におけるキャリアコンサルティングの実施に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

    1. 1キャリアコンサルティングを行う上での問題点は、正社員・正社員以外のいずれに対しても、「キャリアコンサルティング等のサービスを外部から調達するのにコストがかかる」という回答が最も多い。
    2. 2事業所で相談を受けているのはキャリアコンサルタントであるかとの問いに対し、「そうである」との回答は 90%を超えている。
    3. 3キャリアコンサルティングの実施時期は「40 歳、50 歳など、一定の年齢に到達したときに実施する」が最も多い。
    4. 4キャリアコンサルティングを行った効果については、「労働者の仕事への意欲が高まった」という回答が、正社員・正社員以外ともに最も多い。

    正解:4

    解説

    肢4が正解です。設問の事業所調査では、実施効果として仕事への意欲の向上を挙げる回答が、正社員・正社員以外の両方で最も多くなっています。これは「しくみがある事業所」を対象とした回答です。全事業所での実施率や、面談担当者が有資格者である割合と混同しないように読みます。

  3. 3

    職業能力開発・労働市場

    「セルフ・キャリアドック導入の方針と展開」(厚生労働省、2017 年)で示された、キャリアコンサルタントの役割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1キャリアコンサルタントが作成する全体報告書の目的は、人事部門が当該組織の現状把握を行うことを支援するものなので、面談ごとに対象者の年齢と職位、職務、詳細な相談事項について記載があることが欠かせない。
    2. 2キャリアコンサルタントが、面談を担当した従業員の上司に対して面談結果をフィードバックする必要があるときは、直接のコンタクトは避け、人事部門を通じて当該上司の上司から伝えてもらう。
    3. 3キャリアコンサルタントは、セルフ・キャリアドックにおいて従業員の「職業生活の設計とそのための能力開発」を支援するとともに、それが組織の活性化につながるという視点を持つことも必要である。
    4. 4キャリアコンサルタントは、セルフ・キャリアドック導入の大前提となる就業規則などの社内規程が整備されていなければ、当該企業での活動はできない。

    正解:3

    解説

    肢3が正解です。セルフ・キャリアドックでは、従業員のキャリア形成と能力開発を支え、それが組織の活性化にもつながる視点を持ちます。全体報告のために個別の相談内容を無条件に詳しく開示する必要はありません。本人の秘密を守ることと、組織の課題を整理して還元することを両立させます。

  4. 4

    理論・カウンセリング

    パーソンズ(Parsons, F.)の理論に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

    1. 1職業的発達理論と呼ばれる。
    2. 2特性―因子理論と呼ばれる。
    3. 3意思決定モデルと呼ばれる。
    4. 4ナラティブ・アプローチと呼ばれる。

    正解:2

    解説

    肢2が正解です。パーソンズは、自己の特性、職業側の条件、その関係を合理的に考える職業選択の考え方と結びつきます。特性‐因子論の基礎として理解します。生涯を通した発達や、自らの物語に意味を与えるナラティブの視点とは、主に着目する対象が異なります。

  5. 5

    理論・カウンセリング

    シャイン(Schein, E. H.)が提唱したキャリア・アンカーに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1キャリア・アンカーとは、個人が選択を迫られたとき、その人が最も放棄したがらない欲求、価値観、能力などのことである。
    2. 2キャリア・アンカーは、最初に就く職業に大きな影響を与えるが、転職への影響はほとんどない。
    3. 3キャリア・アンカーは、個人とその個人の組織内の所属部門をつなぎとめる役割をするため、キャリア・アンカーが明らかになった後は所属部門を変更しないほうが良い。
    4. 4キャリア・アンカーのカテゴリーは「自律・独立」、「保障・安定」、「起業家的創造性」の3 つである。

    正解:1

    解説

    肢1が正解です。キャリア・アンカーは、選択を迫られたときに手放したくない能力・欲求・価値観等の拠り所です。特定の会社や部門に留まり続けることを求める概念ではなく、転職や役割変更を考える際にも使えます。代表的な分類は8つで、肢4の3つだけには限られません。

  6. 6

    理論・カウンセリング

    バンデューラ(Bandura, A.)の自己効力感を高める 4 つの情報源に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1「言語的説得」(言葉で示唆されたり、励まされたり、認められること)
    2. 2「失敗体験」(つまずいたり、思い通りにいかなかったり、失敗すること)
    3. 3「転機」(個人にとって重要な変化や新たな方向性を示すきっかけとなる出来事)
    4. 4「偶然の出来事」(予測できず、計画に含まれていない、突然発生する事象や状況)

    正解:1

    解説

    肢1が正解です。自己効力感の情報源には、達成経験、他者を見て学ぶ代理経験、言語的説得、生理的・情動的状態があります。励ましや具体的な評価は言語的説得に当たります。失敗や偶然から学ぶ場合があっても、それらをそのまま4つの情報源の名称に置き換えることはできません。

  7. 7

    理論・カウンセリング

    ホール(Hall, D. T.)が提唱するプロティアン・キャリアの特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1「自分を尊敬できるか」よりも、「この組織から自分は尊敬されているか」を重視する。
    2. 2「私は何をすべきか」よりも、「自分は何がしたいのか」を重視する。
    3. 3「市場価値」よりも、「組織で生き残ることができるか」を重視する。
    4. 4「心理的成功」よりも、「地位、給料」を重視する。

    正解:2

    解説

    肢2が正解です。プロティアン・キャリアでは、組織が決めた成功だけでなく、本人の価値観と主体的なキャリア形成を重視します。地位・給料など外から見える成功に限らず、本人にとっての心理的成功が軸になります。「組織にどう評価されるか」だけで自分の方向を決めない考え方です。

  8. 8

    理論・カウンセリング

    キャリアの理論に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

    1. 1ハンセン(Hansen, L. S.)は、仕事をほかの生活上の役割との関係や人生の中で捉え、人生や仕事を統合する枠組みとして「統合的人生設計」の概念を構築した。
    2. 2ホール(Hall, D. T.)は、キャリア形成の主体者は組織であり、働く個人にとって重要な態度側面は組織コミットメントであると述べた。
    3. 3シュロスバーグ(Schlossberg, N. K.)は、転機への対処として、「Self(自己)」、「Support(支援)」、「Standard(基準)」、「Strategies(戦略)」の資源に着目する、「4S モデル」を提唱した。
    4. 4ジェラット(Gelatt, H. B.)は積極的不確実性を提唱し、不確実性を排除することでより合理的なキャリア選択が可能になると主張した。

    正解:1

    解説

    肢1が正解です。ハンセンの統合的人生設計は、仕事を生活の他の役割や人生全体と結びつけて考えます。シュロスバーグの4Sの一つはSituationで、Standardではありません。ジェラットの積極的不確実性も、不確実性を完全に排除する考え方ではなく、柔軟な意思決定へ生かす視点です。

  9. 9

    理論・カウンセリング

    サビカス(Savickas, M. L.)のキャリア構築理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1個人がキャリアを構築するうえで、職業パーソナリティへの客観的な意味づけを強調した。
    2. 2個人がどのようにアイデンティティを失わずに、変化する組織や職業と折り合いをつけているかに着目し、柔軟性を重視した。
    3. 3過去に起きた出来事が、現在の自身の役割にどう影響しているかについての科学的・数量的な分析を重視した。
    4. 4職業行動における「will」、「can」、「must」の 3 つの視点を用いて整理される。

    正解:2

    解説

    肢2が正解です。サビカスは、変化する環境の中で、本人が自分らしさを保ちながらキャリアを構成し直していく柔軟性を重視します。主観的な意味づけや語りが重要であり、科学的・数量的な分析だけに限定しません。「will・can・must」の整理と理論の固有の枠組みを取り違えないでください。

  10. 10

    理論・カウンセリング

    カウンセリングの理論や心理療法の名称とその提唱者、関連する用語に関する次の記述のうち、組み合わせとして最も適切なものはどれか。

    1. 1認知行動療法、ロジャーズ(Rogers, C. R.)、認知の歪み
    2. 2森田療法、森田正馬、してもらったこと・してかえしたこと・迷惑かけたこと
    3. 3構成的グループ・エンカウンター、バーン(Berne, E.)、シェアリング
    4. 4自律訓練法、シュルツ(Schultz, J. H.)、身体の弛緩

    正解:4

    解説

    肢4が正解です。自律訓練法はシュルツによって体系化されたリラクセーション法です。肢2の「してもらったこと・して返したこと・迷惑をかけたこと」は内観の視点で、森田療法の組み合わせではありません。ロジャーズは来談者中心療法、バーンは交流分析と対応させて整理します。

  11. 11

    理論・カウンセリング

    カウンセリング理論におけるクライエント理解の観点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1来談者中心アプローチでは、カウンセラーとクライエントとの間に立ち現れるクライエントの「客観的事実」を重視する。
    2. 2精神分析では、カウンセラーがクライエントに「なりきる」ことでクライエントのリアリティに迫ろうとする。
    3. 3認知行動論では、「客観性」の高い証拠を重要視し、クライエントの行動を観察し、思考パターンや反復される行動の癖について記録し、こうして得られる「事実」に着目する。
    4. 4「クライエントをわかる」、「理解する」とは何か、またそれはどのような方法で可能かについて、来談者中心、精神分析、認知行動論の 3 つのアプローチに違いはない。

    正解:3

    解説

    肢3が正解です。認知行動的な立場では、行動や思考を観察・記録し、検討できる事実や証拠を大切にします。来談者中心の立場では本人の主観的な体験世界を重視し、精神分析では無意識等にも着目します。相手を理解する目的が共通でも、理解の方法や理論上の焦点は同一ではありません。

  12. 12

    職業能力開発・労働市場

    人材開発支援助成金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

    1. 1人材開発支援助成金は、事業主等が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合等に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度である。
    2. 2人材開発支援助成金は、事業主が外部の研修機関に依頼して行う研修だけでなく、社内で行われる研修も助成の対象となる。
    3. 3人材開発支援助成金は、従業員数 1,000 人以上の大企業は利用することができず、中小企業が主な対象となっている。
    4. 4人材開発支援助成金の経費助成を受けるためには、訓練等に要した経費を支給申請までに申請事業主が全て負担していることが要件となっている。

    正解:3

    解説

    肢3が不適切で、正解です。人材開発支援助成金は、大企業を一律に対象外とする制度ではありません。コースや企業規模等によって対象要件・助成率が異なります。労働者本人の受講費を支援する教育訓練給付と区別し、事業主等が行う計画的な訓練への助成であることを押さえます。

  13. 13

    職業能力開発・労働市場

    「第 11 次職業能力開発基本計画」(厚生労働省、令和 3 年)で示された、「職業能力開発の方向性と基本的施策」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1労働者個人がジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを利用しやすいよう、平日・昼間にオンラインで利用できる環境等の整備を更に推進する。
    2. 2キャリアコンサルティングの推進に当たっては、産業界・企業における理解が不可欠であり、その理解を促す取組を推進する。
    3. 3キャリアコンサルタントについて、今後は実践力の向上に向けた取組よりも、量の確保に向けた取組を推進する。
    4. 4非正規雇用労働者が、転職を通じてキャリアアップできるよう、企業内よりも企業外におけるキャリアコンサルティングの実施を促進する。

    正解:2

    解説

    肢2が正解です。第11次計画では、産業界・企業の理解を促し、キャリアコンサルティングを推進する方向が示されています。量の確保だけを実践力より優先したり、利用環境を平日昼間に狭めたりする肢は不適切です。これは第11次計画を問う過去問で、現在の計画の名称と混同せず復習します。

  14. 14

    職業能力開発・労働市場

    「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」(厚生労働省、令和 4 年)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1近年の企業における働き方や、企業を取り巻く経済・社会環境の変化によって、OJT の重要性は低下している。
    2. 2学ぶ意欲の向上に向けたキャリアの棚卸しの効果が一層期待できるのは、職業キャリアが短い労働者である。
    3. 3労働者の自律的・主体的な学び・学び直しを促進する観点から、OFF-JT として学び・学び直しを行う場合に要する費用は、基本的に労働者の負担となる。
    4. 4管理職等の現場のリーダーには、個々の労働者との学び・学び直しの方向性・目標の擦り合わせが求められる。

    正解:4

    解説

    肢4が正解です。現場のリーダーは、本人と学習の方向や目標をすり合わせ、学ぶ機会と実践の場を支えます。自律的な学びとは、費用や負担をすべて本人に移すことではありません。OJTも含め、仕事の経験と必要な学び直しを結びつける組織的な支援が重要です。

  15. 15

    相談実務・倫理

    人事制度の一つである自己申告制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1「人生 100 年時代のキャリア形成と雇用管理の課題に関する調査」(独立行政法人労働政策研究・研修機構、2020 年)によると、自己申告制度を導入している企業は、大企業では 80%を超えている。
    2. 2自己申告制度は、従業員のキャリアや仕事上の希望を把握するものであり、家族の個別的事情等はプライバシーの観点から上司は把握しないことが望ましい。
    3. 3自己申告制度は、これを契機として仕事やキャリアに関する従業員自身の希望が明確となり、今後の能力開発目標のより強い自覚につながることにも貢献する。
    4. 4「人生 100 年時代のキャリア形成と雇用管理の課題に関する調査」によると、自己申告制度は 39 歳までの年齢層よりも、40 歳以降の年齢層に対して有効とされている。

    正解:3

    解説

    肢3が正解です。自己申告制度は、会社が希望を把握するだけでなく、本人が仕事やキャリアへの希望を言語化する機会にもなります。そこから必要な能力開発が明確になります。家庭事情等も本人の意思とプライバシーに配慮して扱い、制度の対象情報から一律に排除するものではありません。

  16. 16

    相談実務・倫理

    「男女共同参画白書 令和 6 年版」(内閣府)で述べられている、育児と仕事の両立をめぐる日本の現状に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1近年、男性の育児休業取得率は上昇しており、令和 4 年度では、民間企業で就業する男性の育児休業取得率が、国家公務員として働く男性よりも上回った。
    2. 2第 1 子出産前に就業していた女性の就業継続率(第 1 子出産後)は上昇傾向にあり、平成27 年から令和元年に第 1 子を出産した女性では約 7 割にのぼる。
    3. 3令和 5 年時点で、30 代後半から 50 代前半の週間就業時間 49 時間以上の就業者の割合は、男女とも他の年代と比べて高くなっている。
    4. 4年次有給休暇の取得率は、男女ともに近年上昇傾向にあり、令和 4 年の取得率をみると、男性、女性ともに約 8 割であった。

    正解:2

    解説

    肢2が正解です。設問の白書では、第1子出産前に働いていた女性のうち、2015〜2019年に出産した人の出産後就業継続率は約7割とされています。分母は女性全体ではなく「出産前に就業していた女性」です。育休取得率、有休取得率、長時間就業者の割合と区別して読みます。

  17. 17

    職業能力開発・労働市場

    組織と人的資源管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

    1. 1ポジティブ・アクションは、固定的な男女の役割分担意識や過去の経緯から、男女労働者の間に生じている差を解消しようと、個々の企業が行う自主的かつ積極的な取組みをいう。
    2. 2ワーク・ライフ・バランスの適正化は、少子化の解決、男女共同参画の促進に加え、就業時間の希望と実際のミスマッチや過剰就業が引き起こす労働者の健康問題、それに伴う生産性低下の防止に寄与すると言われている。
    3. 3ダイバーシティ経営は、多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営と言われている。
    4. 4メンバーシップ型といわれる雇用慣行は、組織のポストに求められる職務内容を明確にすることで、多様な価値観や高度な専門性を持つ人材にアクセスし、その職務の遂行に必要なスキルを有する人材の獲得・活躍を促すと言われている。

    正解:4

    解説

    肢4が不適切で、正解です。職務内容を明確にして、その職務に必要なスキルを持つ人材を求める説明は、ジョブ型の考え方に対応します。メンバーシップ型との取り違えです。多様性を生かす経営や両立支援の概念とは分けて、採用・配置の基準が人の所属か職務かに着目します。

  18. 18

    職業能力開発・労働市場

    次の記述のうち、完全失業率の値の求め方として、正しいものはどれか。

    1. 1(労働力人口-就業者)/労働力人口✕100 で求められる。
    2. 2(労働力人口-就業者)/就業者✕100 で求められる。
    3. 3(労働者人口-就業者)/15 歳以上人口✕100 で求められる。
    4. 4(労働者人口-就業者)/総人口✕100 で求められる。

    正解:1

    解説

    肢1が正解です。完全失業率は「完全失業者数÷労働力人口×100」です。労働力人口は就業者と完全失業者を合わせた人数なので、分子を労働力人口から就業者を引いた数で表せます。総人口や15歳以上人口には非労働力人口も含まれるため、この率の分母とは異なります。

  19. 19

    職業能力開発・労働市場

    次に挙げる厚生労働省の報道発表資料等のうち、有効求人倍率を毎月公表しているものとして、適切なものはどれか。

    1. 1一般職業紹介状況(職業安定業務統計)
    2. 2毎月勤労統計調査
    3. 3労働経済動向調査
    4. 4労働経済分析レポート

    正解:1

    解説

    肢1が正解です。有効求人倍率は、公共職業安定所の職業紹介業務に基づく一般職業紹介状況で毎月公表されます。毎月勤労統計は給与・労働時間・雇用の変動等を把握する調査です。統計名に「労働」があるかではなく、求人・求職のどのデータを集めているかで判断します。

  20. 20

    職業能力開発・労働市場

    「令和 7 年版労働経済の分析」(厚生労働省)で述べられた、社会インフラ関連職(安定的な人材確保が求められる、命に関わる仕事、物流・インフラに関わる仕事、日々の生活に関わる仕事)の人材確保に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1社会インフラ関連職の就業者は、就業者全体の約 65%となっている。
    2. 2社会インフラ関連職の賃金は、非社会インフラ関連職と比較すると、月額で約 5 万円高い。
    3. 3社会インフラ関連職は、スキルや経験の蓄積に応じて賃金が上昇する仕組みが相対的に弱い可能性がある。
    4. 4賃金プロファイルを見ると、社会インフラ関連職の賃金上昇のピークは 60-64 歳である。

    正解:3

    解説

    肢3が正解です。設問の資料は、社会インフラ関連職では経験やスキルの蓄積に応じて賃金が上がる仕組みが相対的に弱い可能性を指摘しています。人手不足だけでなく処遇や能力評価の仕組みも論点です。全職種や個々の事業所に一律に同じ賃金構造があると断定しないように読みます。

  21. 21

    職業能力開発・労働市場

    「令和 6 年版労働経済の分析」(厚生労働省)で述べられた、国際化するわが国の労働市場に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1「特定技能」で就労する外国人労働者数は、2023 年 12 月時点で約 200 万人である。
    2. 2わが国で就労する外国人労働者の主な送出国である東南アジアの国々と、わが国との平均賃金の差は、ここ 10 年ほどで拡大傾向にある。
    3. 3外国人を雇用する事業所数は、東京都・神奈川県・愛知県・大阪府ではここ 10 年ほどで増加したものの、他の道府県では減少した。
    4. 4外国人は、比較的月額賃金が高い求人や、年間休日日数の多い求人に応募しているが、残業時間が多い求人にも多く応募している。

    正解:4

    解説

    肢4が正解です。設問の分析では、外国人の応募先は月額賃金や休日だけでなく、残業時間との関係も含めて示されています。一つの労働条件だけで応募傾向を決めつけないことが重要です。外国人労働者全体の人数と特定の在留資格の人数を混同せず、対象年と母集団を確認します。

  22. 22

    職業能力開発・労働市場

    労働契約にかかる法制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. 1有期労働契約で雇用され、契約期間が 5 年を超えた労働者が、無期労働契約の締結申し込みをした場合、使用者は当該労働者をいわゆる正社員として雇用しなければならない。
    2. 2使用者は、有期労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。
    3. 3使用者の安全配慮義務は労働契約法上のものであるから、労働契約法の適用がない国家公務員については国の安全配慮義務は存在しない。
    4. 4就業規則では 5 万円支給とされている手当について、特定の労働者のみ 10 万円支給する労働契約を締結することは就業規則違反として無効とされる。

    正解:2

    解説

    肢2が正解です。有期労働契約の期間中の解雇には、やむを得ない事由が必要です。無期転換は契約期間の定めがなくなることで、当然に正社員へ変わる意味ではありません。また、就業規則を上回る有利な労働条件まで一律に無効になるわけではなく、肢4も誤りです。

  23. 23

    職業能力開発・労働市場

    次の記述のうち、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(厚生労働省、令和 4 年改定)で示された、企業が労働者の副業・兼業を制限することが許される例として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1競業により自社の利益が害される場合
    2. 2業務上の秘密が漏洩する場合
    3. 3労働者の離職につながる可能性がある場合
    4. 4自社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合

    正解:3

    解説

    肢3が不適切で、正解です。ガイドラインが挙げる制限の例は、本業への支障、秘密漏えい、競業による利益侵害、名誉・信用や信頼関係への悪影響等です。「離職につながる可能性」だけを理由に一律に制限するという例ではありません。制限する事情と具体的な支障の関係を確認します。

  24. 24

    職業能力開発・労働市場

    労働基準法で定められた、労働条件明示義務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. 1使用者は労働契約締結後、労働者を初めて労働させる際には、賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。
    2. 2労働条件明示義務として、就業場所と従事すべき業務とともに、その「変更の範囲」の明示が義務づけられている。
    3. 3労働条件の明示方法として、労働者の希望の有無を問わず、電子メール等の送信方法によることも認められている。
    4. 4有期労働契約が 1 年目の労働者であっても、次回の契約更新時には無期転換申込みに関する必要事項を明示しなければならない。

    正解:2

    解説

    肢2が正解です。就業場所・業務には、雇入れ直後の内容だけでなく変更の範囲も明示します。明示する時点は労働契約の締結時です。電子メール等による明示には労働者の希望等の条件があり、無期転換申込機会等の明示は申込権が発生する更新時に行うもので、常に1年目の次回更新ではありません。

  25. 25

    職業能力開発・労働市場

    育児休業に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

    1. 1労働者は、申出により、子が 1 歳に達するまで育児休業を取得でき、さらに保育所に入所できないなどの事情がある場合には、最長で子が 1 歳 6 ヶ月に達するまで育児休業を取得できる。
    2. 2育児休業は子ども 1 人につき両親それぞれ 1 回だけ取得できるものの、両親が同時に取得することはできない。
    3. 3常時雇用する労働者の数が 300 人を超える事業主は、毎年少なくとも 1 回、配偶者が出産した男性労働者の育児休業の取得割合、または育児休業等もしくは育児目的休暇の取得割合のいずれかをインターネット等により公表しなければならない。
    4. 4「出生時育児休業」は、子の出生から 8 週間以内の期間内に通算して 4 週間取得することができ、最大 3 回に分割して取得することが可能である。

    正解:3

    解説

    肢3が正解です。2025年4月から、男性の育児休業等の取得状況を公表する義務の対象は、常時雇用する労働者が300人を超える事業主に拡大しています。育児休業は一定の場合に2歳まで延長でき、両親が同時に取得することも可能です。出生時育児休業の分割は2回までで、3回ではありません。

  26. 26

    理論・カウンセリング

    「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」(文部科学省、厚生労働省、経済産業省、令和 4 年一部改正)で示された、インターンシップに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

    1. 1産業界と大学関係団体等で構成される「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」で議論されたうえで、学生のキャリア形成支援に係る産学協同の取組みは、4 つのタイプに整理された。
    2. 2「タイプ 2 キャリア教育」と「タイプ 3 汎用型能力・専門活用型インターンシップ」及び「タイプ 4 高度専門型インターンシップ」は、すべて「インターンシップ」と称される。
    3. 3「タイプ 1 オープン・カンパニー」は、主に企業・就職情報会社や大学キャリアセンターが主催するイベント・説明会を想定している。
    4. 4「タイプ 2 キャリア教育」において就業体験は任意であり、企業が取得した学生情報の採用活動への活用は不可である。

    正解:2

    解説

    肢2が不適切で、正解です。4類型のうち、インターンシップと呼ぶのはタイプ3とタイプ4で、タイプ2のキャリア教育は含みません。就業体験の有無だけでなく、それぞれの目的・要件で区別します。学生情報を採用活動に使えるかも別に条件があるため、参加しただけで自由に活用できるとは捉えません。

  27. 27

    理論・カウンセリング

    中学校や高等学校における職業紹介事業に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

    1. 1中学校や高等学校は、厚生労働大臣に届け出たうえで、職業安定機関の指導・援助を受けながら無料で職業紹介事業を行うことができる。
    2. 2中学校や高等学校は、厚生労働大臣に届け出れば、職業安定機関と連携することなく、職業紹介事業を行うことができる。
    3. 3中学校や高等学校は、厚生労働大臣に届け出ることなく、職業安定機関の指導・援助を受けながら職業紹介事業を行うことができる。
    4. 4中学校や高等学校は、厚生労働大臣に届け出たうえで、職業安定機関の指導・援助を受けながら有料で職業紹介事業を行うことができる。

    正解:1

    解説

    肢1が正解です。学校が届出により行う職業紹介は無料であり、職業安定機関の指導・援助との連携が前提です。「学校なら届出は不要」「届出だけで連携不要」「有料でよい」という置き換えが誤りです。進路相談そのものと、求人・求職を取り持つ職業紹介の法的な手続を分けて理解します。

  28. 28

    理論・カウンセリング

    「高等学校学習指導要領」(文部科学省、平成 30 年告示)の総則「第 5 款 生徒の発達の支援」で示されている次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

    1. 1主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと、個々の生徒の多様な実態を踏まえ、一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングの双方により、生徒の発達を支援すること。
    2. 2社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう、教科指導を要としつつ各教科・科目等の特質に応じて、キャリア教育の充実を図ること。
    3. 3生徒が適切な各教科・科目や類型を選択し学校やホームルームでの生活によりよく適応するとともに、現在及び将来の生き方を考え行動する態度や能力を育成することができるようにすること。
    4. 4学習や生活の基盤として、教師と生徒との信頼関係及び生徒相互のよりよい人間関係を育てるため、日頃からホームルーム経営の充実を図ること。

    正解:2

    解説

    肢2が不適切で、正解です。高等学校のキャリア教育は「特別活動を要としつつ」各教科・科目等の特質に応じて充実を図るとされています。「教科指導を要」との取り違えです。特別活動だけで行う意味でもなく、学校の教育活動全体を通じて社会的・職業的自立の基盤を育てます。

  29. 29

    相談実務・倫理

    「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(厚生労働省、平成 24年改訂)で示された労働者の職場復帰支援に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

    1. 1心の健康問題で休業している労働者が円滑に職場復帰するためには、職場復帰支援プログラムの策定や関連規程の整備等により、休業から復職までの流れをあらかじめ明確にしておくことが必要である。
    2. 2休業中においては、労働者が安心して療養に専念できるよう、経済的な保障、不安、悩みの相談先の紹介など情報提供の支援を行うことが大切である。
    3. 3主治医による復帰可能の診断は、職場で求められる業務遂行能力まで回復しているとの正確な判断であるため、別途、産業医等の意見は不要である。
    4. 4労働者の健康情報は、個人情報の中でも特に機微で厳格に保護されねばならず、とりわけメンタルヘルスに関する健康情報等は慎重な取扱いが必要である。

    正解:3

    解説

    肢3が不適切で、正解です。主治医の復帰可能という判断が、職場で必要な業務遂行能力の回復まで常に確認したものとは限りません。産業医等の意見や具体的な職務内容を踏まえ、事業者が復帰と配慮を検討します。医学的な回復と、特定の職場・業務への復帰可能性を分けて考えます。

  30. 30

    理論・カウンセリング

    「令和 6 年版厚生労働白書」(厚生労働省)で述べられた、こころの健康を取り巻く環境とその現状に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

    1. 1家族との死別など、大きなライフイベントは大きなストレスとなり、こころの不調の要因となることがあるが、些細な日常の出来事でも、それらが重なったり続いたりすると、同様のメカニズムで体調に影響を及ぼすと考えられている。
    2. 2高齢者のこころの特徴として、結晶性知識(知識や理念)は衰えやすい半面、流動性知識(反応の速さ、問題処理能力など)は保たれやすいことが挙げられる。
    3. 3仕事をしている女性では、勤務日の育児時間が長いほどディストレス(抑うつ・不安)が高い層が多く、共働き世帯の夫婦では、妻が夫よりも多くの時間を育児に充てている傾向にある。
    4. 4出産した女性の約 3~5 割が経験する「マタニティブルーズ」は、ホルモンバランスの変化に伴う一過性のものと考えられているが、症状が長引くことで「産後うつ」に移行することがある。

    正解:2

    解説

    肢2が不適切で、正解です。経験の蓄積で得られる知識等の結晶性能力は比較的保たれやすく、処理の速さ等の流動性能力は加齢の影響を受けやすいという関係です。肢2は逆にしています。個人差もあるため、高齢というだけで一律に能力が低いと判断せず、経験や強みも具体的に確認します。

  31. 31

    理論・カウンセリング

    スーパー(Super, D. E.)のライフステージ及び発達課題についての理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1マキシサイクル、メゾサイクル、ミニサイクルという概念を提唱した。
    2. 2生涯において 4 つの大きな役割を果たし、その役割を演ずる舞台には主役と脇役が登場し、筋書きがあるとした。
    3. 3人生を成長、探索、確立、維持、解放(衰退、下降)の 5 つのライフステージに分けた。
    4. 4これまでの人生の浮き沈みを線で描くライフ・ライン法と言われる考え方を提示して、キャリアの幅と豊かさを示した。

    正解:3

    解説

    肢3が正解です。スーパーの代表的なライフステージは成長・探索・確立・維持・解放の5段階です。一生の中で一度だけ固定的に進むと捉えるのではなく、転機に際して探索等を再び経験する小さな循環も考えます。段階の名前、生活役割、キャリアを描く図の名称を混同しないよう整理します。

  32. 32

    相談実務・倫理

    「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」(厚生労働省、令和 6 年3 月)で示された、両立支援プランに盛り込むことが望ましい事項に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1医療と職場の連携強化と復職後の適応をスムーズにするための、病状に関する詳細な医療記録
    2. 2就業上の措置及び治療への配慮の具体的内容及び実施時期・期間(労働時間の短縮、就業場所の変更等)
    3. 3治療期間中の職務遂行能力を詳細に評価するための、能力評価基準の作成と能力評価試験の実施要領
    4. 4チーム内での協力体制を強化するため、病状に応じた支援策の実施に対する同僚の同意書

    正解:2

    解説

    肢2が正解です。両立支援プランには、短時間勤務や配置等の具体的な措置と、その開始時期・期間などを整理します。病状の詳細をむやみに共有する計画ではありません。必要な配慮を実行できる形にし、本人の同意と健康情報の保護に配慮しながら関係者の役割を明確にします。

  33. 33

    相談実務・倫理

    「平成 30 年度 労働者等のキャリア形成における課題に応じたキャリアコンサルティング技法の開発に関する調査・研究事業報告書」(厚生労働省)における「治療と職業生活の両立支援技法」で示されている治療段階に応じた支援内容に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1疾病の診断・検査が行われるフェーズである「第 1 段階」では、両立支援キャリアコンサルタントは、就労への内的動機付けの醸成支援を行う。
    2. 2疾病の治療開始後のフェーズである「第 2 段階」では、両立支援キャリアコンサルタントは、キャリアの再構築の支援および受入環境への働きかけを行う。
    3. 3職場へ復帰する直前のフェーズである「第 3 段階」では、両立支援キャリアコンサルタントは、復帰後のイメージ作りの支援を行う。
    4. 4職場へ復帰した後のフェーズである「第 4 段階」では、両立支援キャリアコンサルタントは、ショック離職防止等の個別対応を行う。

    正解:3

    解説

    肢3が正解です。復帰直前は、復帰後の働き方や生活を具体的にイメージする支援が重要です。診断直後のショックへの対応、治療中の支援、復帰後の適応支援を同じものとして扱いません。本人が今どの段階にいるかを確認し、先の課題を一度に押しつけず必要な支援を選びます。

  34. 34

    理論・カウンセリング

    次の記述のうち、アイビイ(Ivey, A. E. )が提唱したマイクロカウンセリングの技法の「フィードバック」の説明として、最も適切なものはどれか。

    1. 1カウンセラーの考えや感じたことをクライエントに伝えること。
    2. 2カウンセラーが、人生状況に対するひとつの観点をクライエントに与えること。
    3. 3カウンセラーあるいは第三者が、クライエントをどうみているかというデータを与えること。
    4. 4カウンセラーが、クライエントにどのような行動をとってほしいかを明確に指示すること。

    正解:3

    解説

    肢3が正解です。フィードバックは、支援者や第三者からどう見えているかという情報を返し、本人の自己探索を助けます。支援者自身の体験や感じ方を伝える自己開示、見方を提示する解釈、行動を示す指示とは区別します。評価を押しつけるのでなく、本人が検討できる具体的な情報として伝えます。

  35. 35

    理論・カウンセリング

    カウンセラーの応答技法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

    1. 1「あいづち」は、「ええ」、「はい」、「なるほど」、「そうですか」などと返す応答である。
    2. 2「反射」は、カウンセラーがあたかも鏡となったかのように、クライエントの発言が伝えているものを映して返す応答である。
    3. 3「要約」は、クライエントが心にあることを話し終えて、一段落ついたような時に、カウンセラーが自分の理解に基づいてクライエントの話を簡潔にまとめ、伝える応答である。
    4. 4「自己開示」は、クライエントがまだはっきりとは言葉にしていない感情を明瞭にして伝える応答である。

    正解:4

    解説

    肢4が不適切で、正解です。自己開示は、支援者自身の体験・考え・感じ方等を、相談の目的に沿って伝えることです。相談者がまだ明確に言えていない感情を言葉にする応答とは違います。技法の名前だけでなく「誰の、何を言葉にしているのか」を見ると取り違えを防げます。

  36. 36

    相談実務・倫理

    グループアプローチに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1グループアプローチは、健康な人を対象に行われる。
    2. 2構成的グループ・エンカウンターは、パーソン・センタード・アプローチの理念と実践に基づいて、ロジャーズ(Rogers, C. R.)によって開発された。
    3. 3ソーシャルスキルトレーニング(SST)は、学習理論に基づく認知行動療法の一つに位置づけられる。
    4. 4グループアプローチは、組織開発や課題解決ではなく、参加者の人間的成長を目的に行われる。

    正解:3

    解説

    肢3が正解です。SSTは学習理論に基づき、対人場面などで必要な技能を練習・習得する方法で、認知行動療法の一つに位置づけられます。グループアプローチの対象や目的は多様で、健康な人や人間的成長だけに限りません。ロジャーズのベーシック・エンカウンターと構成的な方法も区別します。

  37. 37

    職業能力開発・労働市場

    ジョブ・カードに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1ジョブ・カードは、一度作成して終わるのではなく、継続的に振り返りを行っていくことが重要である。
    2. 2ジョブ・カードは、就職・転職などで求職活動をするために作成するものであり、求職活動を行わない人は作成するメリットはない。
    3. 3ジョブ・カードは、あくまでも仕事で活かせるスキルや能力のみに限定し、振り返るものである。
    4. 4職務経歴シートを作成する際に、上司に注意されたことや失敗した経験を思い出すことは役に立たない。

    正解:1

    解説

    肢1が正解です。ジョブ・カードは、新しい経験や目標に合わせて更新し、継続的に振り返ることが大切です。求職していない在職者にも利用する意味があります。成功体験だけでなく失敗や注意された経験からも、行動の特徴、学んだこと、今後必要な支援や能力を整理できます。

  38. 38

    相談実務・倫理

    システマティックアプローチにおける「目標の設定」の最終段階でチェックすべき観点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

    1. 1クライエントは、十分に目標を理解しているか。
    2. 2クライエントは、目標達成のために、今後カウンセラーに頼らず一人で努力する覚悟ができているか。
    3. 3クライエントは、目標達成の意欲が十分にあるか。
    4. 4目標達成に向けての契約について、カウンセラーとクライエントの双方ともにその内容を十分に理解し、不満はないか。

    正解:2

    解説

    肢2が不適切で、正解です。主体的に目標へ取り組むことは、誰にも頼らず一人で頑張ることではありません。必要な支援や資源を使うことも含みます。目標への理解、取り組む意欲、支援の進め方についての合意を確かめ、孤立を求める条件へすり替えないことがポイントです。

  39. 39

    相談実務・倫理

    システマティックアプローチにおける、目標設定に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

    1. 1目標設定は、クライエントの考えを方向づけ、行動することの助けになる。
    2. 2目標の設定では、クライエントの意思や希望よりも、カウンセラーの専門的知識が優先される。
    3. 3抽象的な目標の方がクライエントの動機づけに役立つ。
    4. 4目標を簡単に諦めるのは良くないため、一度設定した目標の変更は避けるべきである。

    正解:1

    解説

    肢1が正解です。明確な目標は、本人が考えを整理し行動を選ぶ手掛かりになります。支援者の専門知識は意思決定を支える材料であって、本人の希望に優先して結論を決める根拠ではありません。目標は具体的に設定し、状況や希望の変化に応じて見直せるようにします。

  40. 40

    相談実務・倫理

    観察法を行う上での留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1論理的過誤は、「あの特徴があるのだから、この特徴もあるはずである」とする傾向のことである。
    2. 2同一化は、「自分のなかにある感情や欲求を他人が自分へ向けている」と捉える傾向のことである。
    3. 3ハロー効果は、意識的、無意識的に甘く判断しがちになる傾向のことである。
    4. 4寛容効果は、一部の特徴や印象で全体を判断する傾向のことである。

    正解:1

    解説

    肢1が正解です。論理的過誤は、ある特徴から別の特徴もあるはずだと推論して判断する偏りです。ハロー効果は一部の印象が全体評価に影響すること、寛容効果は評価が甘くなることです。観察では、実際に見聞きした事実と、そこから推測した解釈を分けて記録します。

  41. 41

    職業能力開発・労働市場

    IT を活用した職業理解のための情報収集を行う際の助言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1職業情報を調べるときは、SNS における匿名情報を活用するのが有効であると勧めた。
    2. 2動画投稿サイトは常に真実が語られているので、インフルエンサーの言葉をよく勉強するように勧めた。
    3. 3職業情報提供サイト(job tag)の検索機能を活用して、興味のある仕事をいくつかリストアップすることを勧めた。
    4. 4生成 AI は発展途上のため、業界や職業情報等を調べる際には生成 AI の活用は必ず避けるよう勧めた。

    正解:3

    解説

    肢3が正解です。job tagの検索機能で候補となる仕事を探すのは、出所が確認できる職業情報を活用する方法です。匿名情報や動画の内容を常に真実と決めつけません。生成AIも一律に排除するのでなく、誤情報や更新時点に注意し、公式情報等で確かめながら補助的に利用します。

  42. 42

    職業能力開発・労働市場

    トライアル雇用制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1トライアル雇用は、職業経験の不足などから就職が困難な求職者等を原則 6 ヶ月間試行雇用することである。
    2. 2ハローワークに求人を提出していなくても、事業主が希望すればトライアル雇用制度が利用できる。
    3. 3トライアル雇用期間終了時点で、企業が求める業務遂行能力を満たした場合には有期雇用となる。
    4. 4自ら事業を営んでいる人または役員に就いている人で、1 週間当たりの実働時間が 30 時間以上の人は、トライアル雇用の対象者にはならない。

    正解:4

    解説

    肢4が正解です。設問にある、事業を営む・役員である人で週30時間以上実働する場合は、対象者から除かれます。一般的なトライアル雇用は原則3か月の試行を通じて安定した雇用への移行を目指すもので、6か月や単なる有期雇用化とは違います。申込み時には対象者・求人双方の要件を確認します。

  43. 43

    相談実務・倫理

    システマティックアプローチにおける、学習方策のモデリングに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1モデリングにおいて、カウンセラー自身は「サイコドラマ」を通じて、相談者に学習すべき行動のモデルを示す。
    2. 2モデリングでは、相談者によるモデルの観察・試行の際に、支援者が即座にフィードバックすることが推奨される。
    3. 3モデリングでは、相談者の身近に実在するモデルが効果的であり、小説の登場人物といった象徴的なモデルは対象にならない。
    4. 4モデリングは、他者の成功体験で用いられたスキルや行動を観察し学ぶことであり、相談者自身の成功体験は除外される。

    正解:2

    解説

    肢2が正解です。モデルを見て試した行動に対して、適時に具体的なフィードバックを返すことで学習を助けます。モデルは身近な実在人物だけに限定されません。本人が過去にできた行動を振り返る方法も使えます。観察だけで終えず、自分で試し改善する過程へつなげることが大切です。

  44. 44

    相談実務・倫理

    キャリアコンサルティングにおける方策の実行の支援に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1方策がクライエントの欲求、価値観などに反するとわかった場合でも、方策の変更をせずに選択した方策の実行を継続するよう促す。
    2. 2方策の実行の前に、方策の内容、目的、原理、プロセス、結果、利点と損失などをクライエントに説明する。
    3. 3クライエントが方策のすべてを行ったかどうかを確認し、実行していない場合は、ただちに別の方策の実行を求める。
    4. 4可能性のある方策をいくつか考え、その中から適切な方策について、複数の選択肢を選ばせる。

    正解:2

    解説

    肢2が正解です。方策を実行する前に、目的、進め方、期待できる結果や不利益を説明し、本人が納得して取り組めるようにします。実行しなかった場合は、すぐ別の方法に替えるより、難しかった理由を確認します。欲求や価値観に合わないと分かれば、方策の見直しも検討します。

  45. 45

    相談実務・倫理

    キャリアコンサルティングにおける、新たな仕事への適応支援に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1クライエントの適応状態やその後の様子・変化などを確認する。
    2. 2不安や不満を申し出た場合、キャリア形成には我慢が必要だということを理解させる。
    3. 3職場定着のため、本人の希望の有無に関わらず 1 ヶ月ごとにフォローアップ面談を設定する。
    4. 4今の環境に満足していても、成長のために定期的に求人に応募するよう指導する。

    正解:1

    解説

    肢1が正解です。就職後の支援では、本人の適応の状況や変化を確かめます。不安に対して我慢を一方的に求めたり、本人の希望を無視して面談や転職活動を課したりしません。本人の意向と必要性に応じてフォローアップを調整し、環境面の課題にも目を向けます。

  46. 46

    相談実務・倫理

    カウンセリングの成果の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1成果の評価によってはカウンセリングを終結させることになるが、その際、クライエントの意見や希望は必ずしも重要ではない。
    2. 2成果の評価にあたっては、クライエントの実際の行動の変化よりも、主観的な満足感が重要である。
    3. 3成果の評価では、目標に照らして、どこまで達成したかを評価する。
    4. 4成果の評価はカウンセラーのためのものであり、クライエントのためには行っていない。

    正解:3

    解説

    肢3が正解です。成果は、相談で合意した目標に照らして、行動や理解がどこまで変化したかを本人と確認します。満足感も大切ですが、それだけが評価ではありません。評価は支援者のためだけでなく、相談者が達成したことと今後の課題を把握し、終了や継続を考えるためにも行います。

  47. 47

    職業能力開発・労働市場

    企業領域で活動するキャリアコンサルタントの、環境への働きかけの認識及び実践に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

    1. 1部下の健康管理を行う上で、メンタルヘルスに関する知識がないので教えてほしいとの相談が管理職からあったため、事情を聴いた上で、当該管理職に専門家を紹介した。
    2. 2人事部門からキャリアコンサルティングに関する社内報の記事を作成するよう依頼を受けたが、自分の本来業務は面談なので辞退した。
    3. 3職場への適応を促進するため、教育部門の関係者と相談し、職場内コミュニケーション・スキル研修、キャリアデザイン研修を企画してその講師を務めた。
    4. 4メンタルヘルス不調を抱えた従業員と面談を重ねた結果、介入が望ましいと判断したので、本人の了解を得て人事労務担当者に事情を説明した。

    正解:2

    解説

    肢2が不適切で、正解です。キャリアコンサルタントの役割は個別面談に限られず、普及・啓発や組織への働きかけも含みます。社内報で利用方法や意義を伝えることも支援の入口になります。相談情報を利用する際の守秘義務は別に守り、環境への働きかけと個人の秘密の公開を混同しません。

  48. 48

    相談実務・倫理

    キャリアコンサルタントの成長に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1専門的訓練を継続的に受けることや、キャリアコンサルタント間で切磋琢磨の機会を持つことが必要である。
    2. 2クライエントへの責任を果たすためには、自分自身のできないことについて触れる必要はない。
    3. 3キャリアコンサルタントとしての経験を積んだ後は、熟練者として威厳をもって振る舞うことが必要である。
    4. 4自分と考え方の異なる人の意見に惑わされたり、専門領域の異なる人の意見に頼ることのない、毅然とした姿勢が成長を促す。

    正解:1

    解説

    肢1が正解です。継続的な訓練、事例検討、他の支援者との学び合いが専門性を育てます。自分のできないことを隠したり、異なる専門家の意見を避けたりする姿勢は適切ではありません。能力の限界を認識し、必要に応じて連携・紹介できることも専門職としての責任です。

  49. 49

    相談実務・倫理

    令和 6 年 1 月に改正された「キャリアコンサルタント倫理綱領」(特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会)で示された、キャリアコンサルタントの態度や姿勢に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1キャリアコンサルタントは、職務上知り得た事実、資料、情報のすべてについて、一切の例外なく守秘義務を負う、とされている。
    2. 2第 1 章では、キャリアコンサルタントとしての専門的な知識・スキル、第 2 章では行動規範が示されている。
    3. 3目まぐるしく変遷する最新の情報技術の流行に流されず、本質的な情報提供のあり方の修得に努め、適切に活用しなければならない、とされている。
    4. 4スーパービジョン及び事例や研究の公表に際しては、相談者の承諾を得て、業務に関して知り得た秘密だけでなく、個人情報及びプライバシー保護に十分配慮する、とされている。

    正解:4

    解説

    肢4が正解です。事例研究やスーパービジョンでも、相談者の承諾と秘密・個人情報・プライバシーへの配慮が必要です。学習目的だから自由に内容を公開してよいとはなりません。守秘義務には身体・生命の危険等の例外もあるため、「一切の例外なく」とする肢1も誤りです。

  50. 50

    職業能力開発・労働市場

    キャリアコンサルティング実施のために必要な能力要件で示されている、キャリアコンサルタントに必要な能力等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

    1. 1相談者個人に対する支援だけでは解決できない環境の問題点の発見や指摘、改善提案等の環境への介入、環境への働きかけを、関係者と協力して行うことができること。
    2. 2インターネット上の情報媒体を含め、職業や労働市場に関する情報の収集、検索、活用等を相談者に代わって行うことができること。
    3. 3グループを活用したキャリアコンサルティングの意義、有効性、進め方の留意点等について理解し、それらを踏まえてグループアプローチを行うことができること。
    4. 4方策の実行後におけるフォローアップも、相談者の成長を支援するために重要であることを十分に理解し、相談者の状況に応じた適切なフォローアップを行うことができること。

    正解:2

    解説

    肢2が不適切で、正解です。情報の収集・検索・活用をすべて相談者に代わって行うのではなく、本人が必要な情報を得て使えるよう支援する能力が求められます。事情に応じた補助は行いつつ、本人の主体性や今後の自己決定につながるよう、情報の探し方・確かめ方も一緒に整理します。