本試験問題(2025年実施)
第37回(2025年実施)介護福祉士国家試験の過去問125問
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- 本試験
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第37回(2025年実施)の全125問|問題文・正解・解説
収録している125問を、正解と解説つきで通して読めます。上の演習で 間違えた問題を見直すときや、特定の論点がどう問われたかを確かめたいときに使ってください。 問題文と正解番号は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターの公表資料に基づきます。各問の解説は合トレ編集部が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが作成・監修したものではありません。
問1
人間の尊厳と自立次の記述のうち、介護福祉職がアドボカシー(advocacy)の視点から行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1介護を行う前には、利用者に十分な説明をして同意を得る。
- 2利用者の介護計画を作成するときに、他職種に専門的な助言を求める。
- 3利用者個人の趣味を生かして、レクリエーション活動を行う。
- 4希望を言い出しにくい利用者の意思をくみ取り、その実現に向けて働きかける。
- 5視覚障害者が必要とする情報を、利用しやすいようにする。
正解:4
解説
正答は肢4です。アドボカシーは、表明しにくい意思や権利を尊重し、本人の立場から実現を支えることである。 1:誤り。説明と同意はインフォームド・コンセントに当たる。 2:誤り。専門職への助言依頼は多職種連携である。 3:誤り。趣味を生かす個別支援だが、権利擁護を直接示す選択肢ではない。 4:正答。本人の意思をくみ取り、実現に働きかける対応が権利擁護に当たる。 5:誤り。情報を利用しやすくする対応はアクセシビリティの確保を示す。
問2
人間の尊厳と自立Aさん(83歳、女性、要介護3)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺{まひ}があり、介護老人福祉施設で生活している。家族から、「できることは自分で行ってほしい」と希望があり、Aさんは自室から食堂まで車いすで自走することを日課としている。 1週間前から、介護福祉士養成施設の学生がAさんのフロアで実習を開始した。数日前からAさんは実習生に、「今日は腕が痛いので、食堂まで車いすを押してください」と依頼するようになった。悩んだ実習生は、実習指導者に相談をした。 実習生に対する実習指導者の最初の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1「Aさんの腕は痛くないので、気にしないでください」
- 2「どのようなときも、Aさん自身で行ってもらうことが必要です」
- 3「ご家族から自分で行うように、言われています」
- 4「それは自立につながらないので、車いすを押さないでください」
- 5「Aさんが依頼する理由を、まず考えてみることが大切です」
正解:5
解説
正答は肢5です。自立支援は、いつでも自力で行わせることではない。痛みや依頼の背景を確認し、本人に必要な支援を考える。 1:誤り。訴えを確認せず痛くないと断定してはならない。 2:誤り。体調にかかわらず自力を求めると負担や危険につながる。 3:誤り。家族の希望だけで本人の痛みや意思を退けない。 4:誤り。必要な介助を受けることも自立した生活を支える。 5:正答。痛み、疲労、心理面など依頼の理由を理解することが最初の段階である。
問3
人間関係とコミュニケーション人間関係と心理に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
- 1自己愛とは、自分という存在を、他人と区別して意識することである。
- 2自己同一性の確立とは、自分とは何かという認識をもつことである。
- 3自我とは、日常行動に影響を与える、表面化していない意識のことである。
- 4自己覚知とは、コミュニケーションにおいて自分について話すことである。
- 5自己中心性とは、自分の意思で自分の行動をコントロールすることである。
正解:2
解説
正答は肢2です。自己同一性は、自分は何者かという一貫した認識である。自己覚知・自己開示などの用語と区別する。 1:誤り。他者と区別して自分を意識する説明は自意識に近く、自己愛の定義ではない。 2:正答。自己同一性の確立は、自分について連続性・一貫性をもった認識を形成することである。 3:誤り。表面化していない意識は無意識であり、自我と同義ではない。 4:誤り。自分について他者に話すのは自己開示である。 5:誤り。行動を自分の意思で調整することは自己制御であり、自己中心性ではない。
問4
人間関係とコミュニケーションAさん(80歳、男性)は、有料老人ホームに入所することになった。一人暮らしが長かったAさんは、入所当日、担当の介護福祉職と話すことに戸惑っている様子で、なかなか自分のことを話そうとはしなかった。介護福祉職は、一方的な働きかけにならないように、Aさんとコミュニケーションをとるとき、あいづちを打ちながらAさんの発話を引き出すように心がけた。 このときの、介護福祉職の対応の意図に当てはまるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1互いの自己開示
- 2コミュニケーション能力の評価
- 3感覚機能の低下への配慮
- 4認知機能の改善
- 5双方向のやり取り
正解:5
解説
正答は肢5です。あいづちで相手の発話を促し、一方的に話さないようにしている点が判断の手掛かりである。 1:誤り。介護職自身の情報を開示した記述はない。 2:誤り。能力を評価するための検査場面ではない。 3:誤り。聴覚などの感覚低下への対応とは記されていない。 4:誤り。あいづちの主目的を認知機能の改善とする根拠はない。 5:正答。相手の発話を引き出して応答するため、双方向のやり取りを意図している。
問5
人間関係とコミュニケーション次の記述のうち、介護福祉職のキャリアパスに関するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1介護計画を作成するときのポイントを明確にする。
- 2介護福祉職の業務マニュアルを具体化する。
- 3利用サービスに応じて求められる関係書類を検討する。
- 4介護施設に必要な設備基準について確認する。
- 5介護福祉職として必要な能力や経験を明確にする。
正解:5
解説
正答は肢5です。キャリアパスは、職業上の役割や成長段階、そのために必要な能力・経験を示す道筋である。 1:誤り。介護計画の作成方法は個別業務の技術である。 2:誤り。マニュアルは業務手順を示すもので、職業上の成長経路とは異なる。 3:誤り。必要書類の検討はサービス運営上の業務である。 4:誤り。設備基準は施設の環境・運営の基準である。 5:正答。各段階で必要な能力と経験を明確にすることがキャリア形成を支える。
問6
人間関係とコミュニケーションB介護老人福祉施設に、学校を卒業したばかりの元気なC介護福祉職が加わった。2か月後、ユニットリーダーが、「最近、C介護福祉職に笑顔が少ない。いつもとちがう様子だ」と、フォロワーであるD介護福祉職に話した。D介護福祉職はチームの一員として何ができるのかを考えた。 D介護福祉職が最初に行うフォロワーシップとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1C介護福祉職に対して、元気を出すように励ます。
- 2ユニットリーダーが気になっていることを詳しく聞く。
- 3C介護福祉職の状況をユニット内のほかのメンバーと速やかに共有する。
- 4施設長に対して、何か指示を出すようにお願いする。
- 5C介護福祉職に対して、介助方法について教える。
正解:2
解説
正答は肢2です。フォロワーも主体的にチームを支える。まずリーダーが観察した内容を把握し、憶測による対応を避ける。 1:誤り。理由を確認せず励ますだけでは悩みを見落とす。 2:正答。気になっている具体的な様子を聞き、状況を理解してから支援を考える。 3:誤り。未確認の情報を速やかに全員へ広げることが最初の対応ではない。 4:誤り。自ら状況を確認せず施設長の指示を求めるのは主体的な支援にならない。 5:誤り。介助技術が原因かはまだ確認されていない。
問7
社会の理解社会福祉法に基づく社会福祉法人に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
- 1収益事業は禁止されている。
- 2所轄庁は内閣府である。
- 3設立時に所轄庁の認可は不要である。
- 4評議員会を置く必要がある。
- 5解散は禁止されている。
正解:4
解説
正答は肢4です。社会福祉法人には評議員会を置く。公益性を担保するための機関設計と、事業・設立のルールを区別する。 1:誤り。社会福祉事業に支障がない範囲で収益事業を行える。 2:誤り。所轄庁は法人の事業区域などに応じた都道府県知事・市長等である。 3:誤り。設立には所轄庁の認可が必要である。 4:正答。評議員で構成する評議員会の設置が必要である。 5:誤り。法定の事由や手続による解散は認められる。
問8
社会の理解次の記述のうち、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の説明として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1利用定員は、9人以下と定められている。
- 2日中・夜間を通じて、提供するサービスである。
- 3認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居する利用者に対して、機能訓練を行うサービスである。
- 4通い、泊まり、看護の3種類の組合せによるサービスである。
- 5都道府県が事業者の指定、指導、監督を行うサービスである。
正解:2
解説
正答は肢2です。定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、日中・夜間を通じて定期巡回と随時対応を行う地域密着型サービスである。 1:誤り。9人以下は認知症対応型共同生活介護の共同生活住居の定員に関する基準である。 2:正答。24時間の対応体制で、訪問介護と訪問看護が連携する。 3:誤り。主に在宅生活を支えるサービスであり、グループホーム内の機能訓練の名称ではない。 4:誤り。通い・泊まり・訪問を組み合わせる小規模多機能型の説明と混同している。 5:誤り。地域密着型サービスの指定・指導監督は市町村が担う。
問9
社会の理解Aさん(48歳、会社員)は、うつ症状から体調不良が続き、仕事を休むことが増えたため、自主的に退職した。その後、体調は回復したが、再就職先がなかなか見つからなかった。しばらく貯金で生活していたが、数か月後、生活を営むことができなくなってしまった。頼れる親族はなく、生活保護を受給することにした。 この事例において、日本国憲法に基づいてAさんに保障された権利として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1団体交渉権
- 2平等権
- 3財産権
- 4思想の自由
- 5生存権
正解:5
解説
正答は肢5です。憲法25条の生存権を具体化する制度の一つが生活保護であり、健康で文化的な最低限度の生活を保障する。 1:誤り。団体交渉権は労働者が使用者と交渉する権利である。 2:誤り。平等権は差別を受けない権利であり、この給付保障の直接の根拠ではない。 3:誤り。財産権の保障を示す事例ではない。 4:誤り。思想・良心の自由についての事例ではない。 5:正答。生活に困窮した人への最低生活の保障は生存権に基づく。
問10
社会の理解次の記述のうち、保健所に関するものとして、正しいものを1つ選びなさい。
- 1保健師助産師看護師法に基づいて設置されている。
- 2すべての市町村に設置の義務がある。
- 3業務には精神保健に関する事項が含まれている。
- 4歯科衛生士を置かなくてはならない。
- 5児童の一時保護を行う。
正解:3
解説
正答は肢3です。保健所は地域保健法に基づき、広域的・専門的な公衆衛生活動を担う。精神保健もその業務である。 1:誤り。設置根拠は地域保健法である。 2:誤り。都道府県、指定都市、中核市などが設置し、すべての市町村ではない。 3:正答。精神保健に関する相談や支援などが業務に含まれる。 4:誤り。歯科衛生士の配置は、すべての保健所に一律に義務づけられたものではない。 5:誤り。児童の一時保護は児童相談所等が担う。
問11
社会の理解地域包括支援センターの業務に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1地域ケア会議の開催
- 2施設サービスのケアプランの作成
- 3成年後見制度の申請
- 4介護認定審査会の設置
- 5地域密着型サービスの事業者の指導・監督
正解:1
解説
正答は肢1です。地域包括支援センターは、総合相談、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援などを担う。地域ケア会議もその機能に関わる。 1:正答。個別課題の検討や地域課題の把握のため、地域ケア会議を開催する。 2:誤り。施設ケアプランは施設の介護支援専門員が作成する。 3:誤り。成年後見制度の利用を支援するが、申立権者として一律に申請する機関ではない。 4:誤り。介護認定審査会は市町村に置かれる。 5:誤り。事業者への指定・指導監督は市町村の権限である。
問12
社会の理解Bさん(85歳、男性、要支援1)は、自宅で一人暮らしをしている。最近、物忘れが多くなり、1か月前から地域支援事業の訪問型サービスを利用するようになった。ある日、Bさんが、「これからも自宅で生活したいが、日中、話し相手がいなくて寂しい」と介護福祉職に話した。 次のうち、Bさんに介護福祉職が勧めるサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
- 2介護老人福祉施設
- 3第一号通所事業(通所型サービス)
- 4夜間対応型訪問介護
- 5居宅療養管理指導
正解:3
解説
正答は肢3です。本人は在宅生活の継続と日中の交流を希望している。要支援1の人が通いの場を利用する選択肢として通所型サービスが適切である。 1:誤り。介護予防の認知症対応型共同生活介護は要支援2が対象で、在宅継続の希望にも合わない。 2:誤り。原則要介護3以上を対象とする入所施設である。 3:正答。通いの場で交流しながら、生活機能の維持や介護予防を図れる。 4:誤り。要介護者への夜間訪問であり、日中の交流希望に合わない。 5:誤り。療養上の管理・指導を行うもので、交流の場の提供が中心ではない。
問13
社会の理解介護保険制度に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1第1号被保険者の保険料は、都道府県が徴収する。
- 2第1号被保険者の保険料は、全国一律である。
- 3第2号被保険者の保険料は、年金保険の保険料と合わせて徴収される。
- 4財源には、第1号被保険者の保険料と第2号被保険者の保険料が含まれる。
- 5介護保険サービスの利用者負担割合は、一律、1割である。
正解:4
解説
正答は肢4です。介護保険の財源は公費と第1号・第2号被保険者の保険料から成る。保険料とサービス利用時の負担は分けて覚える。 1:誤り。第1号保険料は保険者である市町村・特別区が徴収する。 2:誤り。第1号保険料は市町村ごとに定められ、所得段階もある。 3:誤り。第2号保険料は医療保険の保険料と一体的に徴収する。 4:正答。65歳以上と40~64歳の医療保険加入者の保険料が財源に含まれる。 5:誤り。利用者負担は所得などに応じて1~3割で、一律ではない。
問14
社会の理解障害者の雇用の促進等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 12024年度(令和6年度)の民間企業の法定雇用率は、2.5%である。
- 2精神障害者は、法定雇用率の対象から除外されている。
- 32024年度(令和6年度)に、障害者の雇用義務が生じるのは、従業員101人以上の事業主である。
- 4週所定労働時間が10時間以上20時間未満の労働は認められていない。
- 52024年度(令和6年度)の事業主支援(助成金)は、2023年度(令和5年度)以前と同じである。
正解:1
解説
正答は肢1です。この設問は2024年度の制度を問う。当時の民間企業の法定雇用率は2.5%である。現在の値を過去の設問へ当てはめない。2026年7月からは2.7%へ引き上げられている。 1:正答。2024年4月から2026年6月までの民間企業の法定雇用率は2.5%である。 2:誤り。精神障害者も雇用義務制度の対象である。 3:誤り。2024年度は常用労働者40.0人以上の事業主が対象である。 4:誤り。対象となる短時間労働者を一定の条件で実雇用率へ算定する仕組みがあり、労働自体を禁止していない。 5:誤り。2024年度には助成金の新設・拡充があり、以前と同一ではない。
問15
社会の理解「障害者総合支援法」のサービスに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。 (注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
- 1介護給付費の支給を受けるときに、障害支援区分の認定は不要である。
- 2短期入所は介護給付の1つである。
- 3地域生活支援事業は、国が実施主体である。
- 4自立支援給付は応益負担である。
- 5行動援護は訓練等給付の1つである。
正解:2
解説
正答は肢2です。障害福祉サービスは介護給付・訓練等給付などに区分される。短期入所と行動援護はいずれも介護給付に属する。 1:誤り。介護給付では原則として障害支援区分の認定が必要である。 2:正答。短期間、施設等で入浴・排泄・食事などの支援を受ける短期入所は介護給付である。 3:誤り。地域生活支援事業は市町村や都道府県が実施する。 4:誤り。所得に応じた月額負担上限があり、応能負担を基本とする。 5:誤り。行動援護は介護給付であり、訓練等給付ではない。
問16
社会の理解障害児支援に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
- 1サービスを受けるには、療育手帳の取得が必要である。
- 2放課後等デイサービスは、子ども・子育て支援法に基づく支援である。
- 3障害児通所支援の利用には、障害児支援利用計画の作成は不要である。
- 4障害児入所支援は、すべての市町村が実施主体である。
- 5保育所等訪問支援は、保育所等を訪問し、障害のある児童が集団生活に適応できるように専門的な支援を行う。
正解:5
解説
正答は肢5です。障害児支援では、手帳の有無だけで支援の必要性を判断しない。保育所等訪問支援は集団生活への適応を支える訪問型の支援である。 1:誤り。療育手帳の取得はすべてのサービス利用の必須条件ではない。 2:誤り。放課後等デイサービスは児童福祉法に基づく。 3:誤り。利用に当たって障害児支援利用計画を作成する仕組みがある。 4:誤り。障害児入所支援は都道府県等が実施主体となる。 5:正答。児童本人と受入施設への専門的な支援を通じて、集団生活への適応を支える。
問17
社会の理解次の記述のうち、サービス付き高齢者向け住宅に関するものとして、正しいものを1つ選びなさい。 (注) 「高齢者住まい法」とは、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」のことである。
- 1「高齢者住まい法」に基づく、高齢者のための住まいである。
- 265歳以上の者が、市町村の措置によって入居する。
- 3認知症高齢者を対象とした、共同生活の住居である。
- 4食事サービスの提供が義務づけられている。
- 5介護サービスの提供が義務づけられている。
正解:1
解説
正答は肢1です。サービス付き高齢者向け住宅は高齢者住まい法に基づく登録住宅であり、必須サービスは安否確認と生活相談である。 1:正答。高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく。 2:誤り。原則として契約による入居で、市町村の措置入所ではない。 3:誤り。認知症対応型共同生活介護の説明である。 4:誤り。食事の提供は必須ではなく、住宅ごとの契約内容による。 5:誤り。介護サービスの提供は必須ではなく、外部サービスを利用する場合もある。
問18
社会の理解Cさん(60歳、男性)は、休日に自宅で趣味の家庭菜園の作業中に脳出血(cerebral hemorrhage)を起こして救急搬送された。特に麻痺{まひ}はなく、その後、リハビリテーション病院に転院した。現在は、高次脳機能障害(higher brain dysfunction)の治療とリハビリテーションに専念している。 医療費を支払うときにCさんが利用する制度として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1介護保険制度
- 2労働者災害補償保険制度
- 3雇用保険制度
- 4医療保険制度
- 5年金制度
正解:4
解説
正答は肢4です。業務や通勤と関係のない疾病の治療費は、基本的に医療保険で扱う。障害があることだけで介護保険や労災に置き換わらない。 1:誤り。介護保険は介護サービス等の制度で、入院治療の医療費を一般に給付する制度ではない。 2:誤り。休日の私的な家庭菜園中の発症で、業務・通勤災害を示す事情がない。 3:誤り。雇用保険は失業等給付や雇用継続支援などを担う。 4:正答。疾病の診療・入院に対する医療費は医療保険の対象となる。 5:誤り。年金は老齢・障害・死亡による所得保障などを担い、診療費の保険給付とは異なる。
問19
こころとからだのしくみ次のうち、恐怖や不安、喜びなどの情動に関わる脳の機能局在の部位として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1扁桃体{へんとうたい}
- 2小脳
- 3下垂体
- 4海馬
- 5視床下部
正解:1
解説
正答は肢1です。扁桃体は恐怖や不安などの情動の処理に深く関与する。各部位の代表的な機能を区別する。 1:正答。扁桃体は情動の処理と関連する。 2:誤り。小脳は運動の調整や姿勢・平衡の維持に関与する。 3:誤り。下垂体はホルモン分泌を通じて内分泌系を調節する。 4:誤り。海馬は新しい記憶の形成に深く関与する。 5:誤り。視床下部は体温・摂食・自律神経・内分泌などの調節に関与する。
問20
こころとからだのしくみ次のうち、顔の感覚に関与する脳神経として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1嗅神経
- 2三叉神経{さんさしんけい}
- 3顔面神経
- 4迷走神経
- 5舌下神経
正解:2
解説
正答は肢2です。三叉神経は顔面の感覚と咀嚼筋の運動などを担う。顔面神経の主な運動機能と混同しない。 1:誤り。嗅神経は嗅覚の情報を伝える脳神経で、味覚を担う神経とは区別する。 2:正答。三叉神経は顔面の皮膚や口腔などの感覚に関与する。 3:誤り。顔面神経は表情筋の運動や舌前方の味覚などを担う。 4:誤り。迷走神経は胸腹部の内臓など広い範囲の自律神経機能に関与する。 5:誤り。舌下神経は舌の運動を担う。
問21
こころとからだのしくみ次の記述のうち、鼻の構造と機能として、適切なものを1つ選びなさい。
- 1鼻腔{びくう}は前鼻道・中鼻道・後鼻道に分かれる。
- 2鼻毛は塵{ちり}や埃{ほこり}を除去する。
- 3鼻腔{びくう}の奥は喉頭に直接つながっている。
- 4鼻腔{びくう}には毛細血管は少ない。
- 5嗅細胞は外鼻孔にある。
正解:2
解説
正答は肢2です。鼻には異物の除去、吸気の加温・加湿、嗅覚などの働きがある。鼻毛は入口で比較的大きな異物をとらえる。 1:誤り。鼻道は上鼻道・中鼻道・下鼻道などに区分される。 2:正答。鼻毛は塵や埃が奥へ入りにくくする役割をもつ。 3:誤り。鼻腔の後方は咽頭につながり、直接喉頭ではない。 4:誤り。鼻粘膜は血管に富み、吸気の加温に役立つ。 5:誤り。嗅細胞は鼻腔上部の嗅上皮にあり、外鼻孔ではない。
問22
こころとからだのしくみ次のうち、歯周病(periodontal disease)の症状として、適切なものを1つ選びなさい。
- 1歯のくぼみの形成
- 2歯の硬組織の軟化
- 3歯髄の炎症・疼痛{とうつう}
- 4歯のエナメル質の侵蝕{しんしょく}
- 5歯周ポケットの形成
正解:5
解説
正答は肢5です。歯周病は歯を支える歯肉や歯槽骨などの病気である。歯周ポケットの形成は代表的な所見である。 1:誤り。歯自体のくぼみ・欠損は、歯周ポケットとは異なる。 2:誤り。硬組織の軟化は主にう蝕で問題となる。 3:誤り。歯髄の炎症は歯髄炎であり、歯周病の代表所見ではない。 4:誤り。エナメル質の侵蝕は酸蝕などでみられ、歯周組織の病変とは異なる。 5:正答。歯と歯肉の間の溝が病的に深くなったものが歯周ポケットである。
問23
こころとからだのしくみAさん(78歳、女性)は、友人から口臭を指摘されて悩んでいる。また、食事をするときに、「水分と一緒に食べないと飲み込みにくい」とも話している。Aさんに歯の欠損、麻痺{まひ}はなく、ストレスの訴えもない。 次のうち、Aさんのからだの中で、機能低下が考えられるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1咀嚼{そしゃく}
- 2蠕動運動{ぜんどううんどう}
- 3嗅覚
- 4唾液分泌
- 5胃液分泌
正解:4
解説
正答は肢4です。唾液は口腔内を清潔に保ち、食物をまとめて飲み込みやすくする。口臭と乾燥による飲み込みにくさを合わせて考える。 1:誤り。歯の欠損や麻痺がなく、事例の中心は咀嚼力低下ではない。 2:誤り。消化管の蠕動低下だけでは口腔乾燥と口臭を説明しにくい。 3:誤り。嗅覚低下はにおいを感じにくくするが、食塊形成の問題とは異なる。 4:正答。唾液が減ると自浄作用が低下し、食物を湿らせる働きも弱くなる。 5:誤り。胃液分泌低下は、口腔内で水分が必要という状況の直接の説明ではない。
問24
こころとからだのしくみ皮膚の構造に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1表皮の厚さは平均2.0mmである。
- 2真皮には角質層がある。
- 3外界と接する組織は表皮である。
- 4皮脂腺は皮下組織にある。
- 5表皮の最表面は基底層である。
正解:3
解説
正答は肢3です。皮膚は外側から表皮・真皮・皮下組織の順に重なる。最も外界に接するのは表皮である。 1:誤り。表皮は一般にこの値より薄く、部位差がある。 2:誤り。角質層は表皮の最外層である。 3:正答。表皮が外界に対する第一のバリアとなる。 4:誤り。皮脂腺は主に真皮内に存在する。 5:誤り。基底層は表皮の深部であり、最表面は角質層である。
問25
こころとからだのしくみ次のうち、高齢者が嗜好{しこう}や温度覚の低下によって高温浴を希望した場合に、説明すべき高温浴の特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1血圧の上昇
- 2腸蠕動{ちょうぜんどう}の促進
- 3腎機能の促進
- 4副交感神経の亢進{こうしん}
- 5心機能の抑制
正解:1
解説
正答は肢1です。高温浴は交感神経を刺激し、血圧上昇など循環器への負担を大きくする。本人の好みだけで高温にしない。 1:正答。高温刺激による交感神経の興奮で血圧が上がりやすくなる。 2:誤り。腸蠕動の促進を高温浴の主な特徴とするのは適切でない。 3:誤り。高温浴で腎機能が促進すると説明する根拠はない。 4:誤り。高温浴では主に交感神経が優位になる。 5:誤り。心拍数の増加など負担が生じ、心機能を休ませる入浴とはいえない。
問26
こころとからだのしくみ次のうち、食物の栄養素の大部分を吸収する部位として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1胃
- 2小腸
- 3直腸
- 4横行結腸
- 5S状結腸
正解:2
解説
正答は肢2です。消化された栄養素の大部分は小腸で吸収される。大腸は水分・電解質の吸収などを担う。 1:誤り。胃は食物を貯留し、攪拌や消化を行うが、大部分の栄養吸収部位ではない。 2:正答。小腸の絨毛などにより吸収面積が広く、多くの栄養素を吸収する。 3:誤り。直腸は便を一時的にため、排便に関与する。 4:誤り。横行結腸は大腸の一部で、水分吸収などを担う。 5:誤り。S状結腸は大腸の一部で、主要な栄養吸収部位ではない。
問27
こころとからだのしくみ次の記述のうち、レム睡眠に関するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1記憶を整理し、定着させる。
- 2脳を休息させる。
- 3入眠初期に出現する。
- 4成長ホルモンの分泌を促す。
- 5深い眠りの状態である。
正解:1
解説
正答は肢1です。レム睡眠では脳の活動が比較的活発で、記憶や情動の処理に関与する。深いノンレム睡眠と区別する。 1:正答。記憶の整理・定着に関与する働きがある。 2:誤り。脳の休息は主としてノンレム睡眠の説明である。 3:誤り。通常、入眠直後はノンレム睡眠から始まる。 4:誤り。成長ホルモンの分泌は主に入眠後の深いノンレム睡眠に関連する。 5:誤り。深い眠りという説明は深いノンレム睡眠に対応する。
問28
こころとからだのしくみBさん(76歳、男性)は、この数週間、日中に、「眠い」と訴えている。Bさんは毎日15時にコーヒー1杯を飲み、たばこを1本吸い、21時に就寝する。夜間の睡眠状態を数日間観察すると、睡眠中にぴくぴくと下肢が動いていることがたびたびあった。起床後、手足に異常を感じるかをBさんに確認したが、「特にない」とのことだった。 次のうち、Bさんの睡眠障害の原因として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ニコチン摂取
- 2レム睡眠行動障害
- 3レストレスレッグス症候群
- 4カフェイン摂取
- 5周期性四肢運動障害
正解:5
解説
正答は肢5です。睡眠中の周期的な四肢の動きと日中の眠気が手掛かりである。本人が覚醒時に脚の不快感を訴えていない点も確認する。 1:誤り。ニコチンは睡眠に影響し得るが、睡眠中の反復する下肢運動を最もよく説明しない。 2:誤り。夢に伴って叫ぶ・殴るなどの行動は記されていない。 3:誤り。安静時の脚の不快感や動かしたい衝動が典型だが、その訴えがない。 4:誤り。カフェインの影響だけでは反復する下肢運動を説明できない。 5:正答。睡眠中の周期的な四肢運動で睡眠が分断され、日中の眠気につながる。
問29
こころとからだのしくみ次のうち、呼吸中枢がある部位として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1大脳
- 2中脳
- 3小脳
- 4延髄
- 5脊髄
正解:4
解説
正答は肢4です。呼吸の基本的なリズムを調節する中枢は脳幹、とくに延髄にある。橋も呼吸調節に関与する。 1:誤り。大脳は随意的な呼吸の調節に関わるが、基本的な呼吸中枢の解答ではない。 2:誤り。中脳ではなく、延髄が主要な部位である。 3:誤り。小脳は主に運動や平衡の調整に関与する。 4:正答。延髄の呼吸中枢が基本的な呼吸リズムを調節する。 5:誤り。脊髄は呼吸筋への運動経路に関与するが、中枢そのものではない。
問30
こころとからだのしくみ次のうち、脳の機能停止を示す徴候に該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
- 1呼吸不全
- 2溢流性尿失禁{いつりゅうせいにょうしっきん}
- 3心停止
- 4蠕動運動{ぜんどううんどう}の減弱
- 5瞳孔散大・対光反射消失
正解:5
解説
正答は肢5です。瞳孔散大と対光反射消失は脳機能停止に関わる徴候である。ただし、これだけで介護職が死亡や脳死を判定することはできない。 1:誤り。呼吸不全は肺や呼吸機能の障害でも起こる。 2:誤り。溢流性尿失禁は尿の排出障害に関連する。 3:誤り。心停止は循環機能停止の徴候である。 4:誤り。腸蠕動の減弱だけで脳機能停止は示せない。 5:正答。瞳孔が光に反応しなくなることは脳幹の反射消失に関わる。
問31
発達と老化の理解次の記述のうち、子どもの標準的な成長として、適切なものを1つ選びなさい。
- 11歳半から2歳ごろに、ハイハイをして移動できるようになる。
- 2生後9か月から1歳ごろに、指をさして自分の関心や欲求を他者に伝えられるようになる。
- 3子どもが使う言葉が急に増える語彙爆発は、5歳を過ぎたころに生じる。
- 4人見知りの反応は、2歳を過ぎたころに生じる。
- 5イヤイヤをしてすぐに泣く行動は、第二反抗期に生じる。
正解:2
解説
正答は肢2です。発達の時期には個人差があるが、標準的な経過では生後9か月から1歳ごろに指さしが現れる。年齢を診断の絶対基準として扱わない。 1:誤り。ハイハイは一般に1歳半より前にみられる。 2:正答。指さしによって興味や欲求を他者へ伝える行動が現れる時期である。 3:誤り。語彙が急増するのは一般に1歳半から2歳ごろ以降で、5歳過ぎではない。 4:誤り。人見知りは一般に乳児期後半からみられる。 5:誤り。幼児期のイヤイヤは第一反抗期に関連し、第二反抗期は思春期である。
問32
発達と老化の理解次の記述のうち、神経性無食欲症(anorexia nervosa)に関するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1活動性が高まる。
- 2学童期に最も生じやすい。
- 3太ることへの恐怖はみられない。
- 4低体重の深刻さを理解している。
- 5多くが男性である。
正解:1
解説
正答は肢1です。神経性無食欲症では強いやせ願望・体重増加への恐怖があり、低体重でも過活動がみられることがある。単なる食欲低下とは異なる。 1:正答。低体重にもかかわらず活動性が高く、過剰な運動をすることがある。 2:誤り。思春期・青年期の発症が多い。 3:誤り。太ることへの強い恐怖が特徴の一つである。 4:誤り。低体重の深刻さの認識が乏しい場合がある。 5:誤り。女性に多いが、男性にも起こり得る。
問33
発達と老化の理解Aさん(73歳、男性)は、会社の役員として勤めていたが、3年前に退職した。地域の老人クラブへの入会を勧められたが拒否している。毎年、敬老の日に記念品が配布されても、不快感を示して受け取らない。退職後も会社の状況を気にしていて、後輩とときどき連絡をとっている。Aさんは、身体が衰えることに強い不安を感じて、筋力トレーニングを毎日行っている。会社の後輩から、「いつも若々しいですね」と言われることに喜びを感じている。 ライチャード(Reichard, S.)による、引退後の男性の5つの適応タイプのうち、Aさんに相当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
- 1外罰(憤慨)型
- 2内罰(自責)型
- 3円熟(成熟)型
- 4自己防衛(装甲)型
- 5ロッキングチェアー(安楽椅子)型
正解:4
解説
正答は肢4です。老いを認めることへの不安を、活動や若さへのこだわりで防ごうとしている点から自己防衛型と考える。類型だけで実際の人の性格を決めつけない。 1:誤り。外罰型は不満や失敗の責任を他者へ向ける傾向を示す。 2:誤り。内罰型は自分を責める傾向を示す。 3:誤り。円熟型は老いを受け入れ、生活に適応しているタイプである。 4:正答。老化への不安に対して活動を続け、自己を防衛する特徴に合う。 5:誤り。安楽椅子型は責任から解放された生活を受け入れる特徴をもつ。
問34
発達と老化の理解次の記述のうち、結晶性知能に関する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1感覚や運動に基づく知能である。
- 2過去に得た知識を活用して問題を解決する能力である。
- 340~50歳で急激に低下する。
- 4知識や文化の影響よりも、生理的な老化の影響を受けやすい。
- 5その場で新しい問題を解決する能力である。
正解:2
解説
正答は肢2です。結晶性知能は、学習や経験によって蓄積した知識を使う能力であり、流動性知能と区別する。 1:誤り。感覚・運動を中心とする説明は結晶性知能の特徴ではない。 2:正答。蓄積した知識や経験を利用する能力を指す。 3:誤り。40~50歳で一律に急激に低下するとはいえない。 4:誤り。結晶性知能は知識・文化・経験の影響を強く受ける。 5:誤り。未知の問題にその場で対応する能力は流動性知能に関係する。
問35
発達と老化の理解次の記述のうち、加齢に伴う感覚機能の変化として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1皮膚感覚が敏感になる。
- 2高音域の聴力が高まる。
- 3暗順応の時間が延長する。
- 4味覚が敏感になる。
- 5嗅覚が敏感になる。
正解:3
解説
正答は肢3です。加齢で暗い場所に目が慣れるまでの時間が長くなる。明暗差を小さくする環境整備が必要である。 1:誤り。皮膚の感覚は一般に低下し、熱さや痛みに気づきにくくなる。 2:誤り。高い音は一般に聞き取りにくくなる。 3:正答。暗順応が遅くなり、暗い場所へ移動した直後に見えにくくなる。 4:誤り。味覚は一般に低下する傾向がある。 5:誤り。嗅覚は一般に低下する傾向がある。
問36
発達と老化の理解Bさん(74歳、女性)は、地方で一人暮らしをしている。持病はなく、認知機能の異常もない。ダンスサークルに通い、近所との付き合いも良好で、今の暮らしに満足している。最近、白髪が増え、友人との死別もあり、年をとったと感じている。ある日、一人息子(50歳、未婚)から、東京で一緒に住むことを提案された。Bさんは、「ここには知り合いがいるが、東京には誰もいない。ここが一番いい」と言った。すると息子は、Bさんに、「年をとると頑固になる。あと数年したら認知症(dementia)になるかもしれないので、自分と一緒に暮らすべきだ」と言った。 次のうち、Bさんに関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1Bさんには、老性自覚はみられない。
- 2Bさんには、友人との死別による悲嘆がみられる。
- 3Bさんは、今、住んでいる環境や生活に適応できていない。
- 4Bさんには、エイジズム(ageism)の考え方がみられる。
- 5Bさんには、住み慣れた環境や仲間を喪失することへの不安がみられる。
正解:5
解説
正答は肢5です。本人は現在の生活に満足し、なじみの関係を失いたくないと表明している。高齢を理由に本人の意思を否定しない。 1:誤り。白髪や友人との死別から年をとったと感じており、老性自覚はある。 2:誤り。死別した事実はあるが、現在の悲嘆の状態までは記されていない。 3:誤り。地域の活動や人間関係が良好で、今の生活に適応している。 4:誤り。年齢だけで頑固・認知症と決めつける発言は息子側にみられる。 5:正答。東京には知り合いがいないという発言に、環境と仲間を失う不安が表れている。
問37
発達と老化の理解次の記述のうち、サクセスフル・エイジング(successful aging)として、適切なものを1つ選びなさい。
- 1長生きすることが、最大の目的である。
- 2一人暮らしで、周囲の人と交流をしないようにしている。
- 3膝に痛みがあるので、一日中ベッド上で過ごすようにしている。
- 4難聴があるので、補聴器をつけてパソコン教室に通い始めた。
- 5歌を上手に歌えなくなったので、カラオケに誘われても行かないようにしている。
正解:4
解説
正答は肢4です。サクセスフル・エイジングは、変化に適応しながら、その人らしく社会と関わり充実して生きることを考える概念である。 1:誤り。寿命の長さだけを最大の目的とするものではない。 2:誤り。本人が望む社会的なつながりを保つ視点が欠けている。 3:誤り。痛みへの支援を検討せず臥床だけにすると機能低下を招き得る。 4:正答。補聴器で困難を補い、新しい学習や社会参加を続けている。 5:誤り。苦手になったことを理由に活動から離れるだけでは適応の工夫にならない。
問38
発達と老化の理解次のうち、老年症候群に直接関わる疾患として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1高血圧症(hypertension)
- 2糖尿病(diabetes mellitus)
- 3骨粗鬆症{こつそしょうしょう}(osteoporosis)
- 4心筋梗塞(myocardial infarction)
- 5脂質異常症(dyslipidemia)
正解:3
解説
正答は肢3です。老年症候群には転倒・骨折、失禁、低栄養など多様な問題が含まれる。骨粗鬆症は骨折の起こりやすさに直結する。 1:誤り。高血圧は重要な慢性疾患だが、この選択肢では骨折との直接的な関係を優先する。 2:誤り。糖尿病は多くの合併症を伴うが、老年症候群との直接の関係を問う選択肢では骨粗鬆症が適切である。 3:正答。骨がもろくなり、転倒などで骨折しやすくなる。 4:誤り。心筋梗塞は急性の虚血性心疾患である。 5:誤り。脂質異常症は動脈硬化の危険因子である。
問39
認知症の理解次の記述のうち、2019年(令和元年)の認知症施策推進大綱に関する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく。
- 2「予防」とは、「認知症(dementia)にならない」という意味である。
- 3「認知症高齢者等にやさしい地域づくり」を推進する7つの柱が示された。
- 4「普及啓発・本人発信支援」として、家族が積極的に本人の意思を代弁することが示された。
- 5策定後は、毎年施策の進捗を確認することが示された。
正解:1
解説
正答は肢1です。設問は2019年の認知症施策推進大綱についてである。現在の認知症基本法・基本計画と区別し、当時の「共生」と「予防」の意味を押さえる。 1:正答。共生と予防を両輪とする考え方が示された。 2:誤り。予防は発症を遅らせる、進行を緩やかにする意味を含み、ならないことではない。 3:誤り。7つの柱は新オレンジプランの構成で、大綱は5つの柱である。 4:誤り。本人が自ら発信することを支援するもので、家族による代弁へ一律に置き換えない。 5:誤り。大綱は策定後3年を目途に施策の進捗を確認するとした。
問40
認知症の理解Aさん(84歳、女性、要介護3)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)で、介護老人福祉施設に入所している。赤ちゃんの人形を持っていて、「はなちゃん」と呼んで話しかけている。 昼食のため、介護福祉職が居室を訪問すると、Aさんは不安そうな顔で、「はなちゃんがいなくなった。どこへ連れて行ったの?返して」と大声を出した。人形はAさんのロッカーの上に置かれていた。 Aさんに対する介護福祉職の最初の声かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1「私を疑っているんですか」
- 2「置いた場所を忘れたんですか」
- 3「心配ですね、一緒に探しませんか」
- 4「ご飯を食べてから探してはどうですか」
- 5「ロッカーの上にあるのが見えないんですか」
正解:3
解説
正答は肢3です。本人にとって大切な存在がいなくなった不安を受け止め、安全に一緒に探す対応が適切である。 1:誤り。疑われたことへの反論は不安と対立を強める。 2:誤り。忘れたことを指摘すると自尊心を傷つけることがある。 3:正答。心配な気持ちに共感し、一緒に行動する提案で安心を支える。 4:誤り。昼食を優先して本人の不安を後回しにしている。 5:誤り。見えていないことを責める表現で、本人の体験を理解していない。
問41
認知症の理解認知症(dementia)の高齢者にみられる、せん妄に関する記述として、適切なものを1つ選びなさい。
- 1覚醒レベルが重度に低下した状態である。
- 2症状の変動が少ないことが特徴である。
- 3夜間よりも日中に生じやすいことが特徴である。
- 4認知機能障害がみられることはまれである。
- 5関与する因子を特定することが重要である。
正解:5
解説
正答は肢5です。せん妄では注意・意識・認知の変化が急に現れ、変動する。感染、脱水、薬剤、環境変化などの要因の確認が重要である。 1:誤り。重度の覚醒低下だけで定義される状態ではない。 2:誤り。日内変動など症状の変動が特徴である。 3:誤り。夜間に悪化することも多く、日中に多いとはいえない。 4:誤り。注意や認知機能の障害を伴う。 5:正答。原因・誘因を特定し、医療職と連携して対応することが重要である。
問42
認知症の理解次の記述のうち、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)の特徴として、適切なものを1つ選びなさい。
- 1近時記憶(新しい記憶)の障害は、初期から始まる。
- 2特徴的な症状として幻視がある。
- 3脳にアミロイドβが沈着し始めると、すぐに発症する。
- 4歩行障害が多く現れるのは、初期の段階である。
- 5嚥下障害{えんげしょうがい}が多く現れるのは、初期の段階である。
正解:1
解説
正答は肢1です。アルツハイマー型認知症では新しい出来事を覚えにくい近時記憶障害が初期からみられやすい。進行には個人差がある。 1:正答。最近の出来事の記憶障害が典型的な初期症状である。 2:誤り。繰り返す具体的な幻視はレビー小体型で特徴的である。 3:誤り。アミロイドβの蓄積と臨床症状の発現には長い時間差がある。 4:誤り。歩行障害が目立つのは一般に進行した段階である。 5:誤り。嚥下障害が多くなるのは一般に進行した段階である。
問43
認知症の理解次のうち、認知症(dementia)のリスクを高める要因として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1身体活動
- 2不飽和脂肪酸の摂取
- 3歯がなくなることによる咀嚼機能{そしゃくきのう}の低下
- 4難聴による補聴器の使用
- 5ボランティア活動
正解:3
解説
正答は肢3です。口腔機能の低下は認知症のリスクと関連する。単一の要因で発症が決まるわけではないが、口腔の健康を保つ支援が大切である。 1:誤り。身体活動は健康や認知機能の維持を支える方向の要因である。 2:誤り。適切な不飽和脂肪酸の摂取をリスク増大要因として選ばない。 3:正答。歯の喪失と咀嚼機能低下は認知症リスクとの関連が指摘される。 4:誤り。難聴への補聴器使用は聞こえを補う対応である。 5:誤り。社会参加の一つであり、一般にリスクを高める活動とはいえない。
問44
認知症の理解次のうち、全般的な認知機能を評価する尺度であり、30点満点で20点以下を認知症の目安とするものとして、正しいものを1つ選びなさい。
- 1バーセルインデックス(Barthel Index)
- 2改訂長谷川式認知症スケール(HDS-R)
- 3FAST(Functional Assessment Staging)
- 4認知症高齢者の日常生活自立度判定基準
- 5臨床的認知症尺度(CDR:Clinical Dementia Rating)
正解:2
解説
正答は肢2です。HDS-Rは30点満点の認知機能のスクリーニング尺度である。20点以下は疑いの目安であり、これだけで診断を確定しない。 1:誤り。バーセルインデックスは基本的日常生活動作を評価する。 2:正答。改訂長谷川式認知症スケールが該当する。 3:誤り。FASTは主にアルツハイマー型認知症の機能的な進行段階をみる。 4:誤り。日常生活自立度は生活上の支障や介護の必要性を区分する。 5:誤り。CDRは生活機能などを含めた臨床的な重症度を評価する。
問45
認知症の理解次の記述のうち、「認知症(dementia)の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」(2018年(平成30年)(厚生労働省))で示されている、意思決定支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1認知症(dementia)の人の家族の意思を支援することである。
- 2意思決定支援者は特定の職種に限定される。
- 3一度、意思決定したら、最後まで同じ内容で支援する。
- 4看取りの場面になってから支援を開始する。
- 5身振りや表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行う。
正解:5
解説
正答は肢5です。認知症があっても本人の意思を中心に据える。言葉だけでなく、表情や身振りからも意思を読み取る努力をする。 1:誤り。中心となるのは家族ではなく本人の意思である。 2:誤り。家族や幅広い職種など、本人に関わる人が支援者となる。 3:誤り。意思や状態は変化するため、繰り返し確認する。 4:誤り。日常生活の段階から継続して支援する。 5:正答。非言語的な表現も意思表示として受け止め、本人の力を最大限に生かす。
問46
認知症の理解次の記述のうち、回想法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1肩や背中から優しくゆっくりと触れる。
- 2共感を通して、認知症(dementia)の人が体験している現実を受け入れる。
- 3見当識を高めるために、時間や場所、現在の状況を説明する。
- 4昔の写真や音楽を活用して、記憶を活性化する。
- 5残存能力を活用し、共同作業を通して仲間をつくる。
正解:4
解説
正答は肢4です。回想法では、写真・音楽・生活道具などを手掛かりに過去の経験を語り、交流や安心感につなげる。 1:誤り。優しく触れる支援であり、過去の記憶を語る回想法の説明ではない。 2:誤り。本人の感情や体験を受け入れるバリデーションの考え方に近い。 3:誤り。時間・場所などを確かめるリアリティ・オリエンテーションの説明である。 4:正答。昔の写真や音楽をきっかけに思い出を語る方法が回想法である。 5:誤り。共同作業による活動支援であり、回想法の中心的な手順ではない。
問47
認知症の理解次の記述のうち、認知症疾患医療センターの説明として、適切なものを1つ選びなさい。
- 1事業の実施主体は、市町村である。
- 2都道府県ごとに、1か所の設置が義務づけられている。
- 3認知症(dementia)の鑑別診断を行う。
- 4主に認知症(dementia)が進行した人の入院治療を行う。
- 5介護保険法に定められている。
正解:3
解説
正答は肢3です。認知症疾患医療センターは、専門医療機関として鑑別診断、専門医療相談、地域連携などを担う。 1:誤り。実施主体は都道府県・指定都市である。 2:誤り。都道府県ごとに必ず1か所だけという制度ではない。 3:正答。認知症の原因疾患等を見分ける鑑別診断を行う。 4:誤り。進行後の入院治療だけでなく、早期診断や身体合併症・行動心理症状への対応等を担う。 5:誤り。介護保険法に直接定めた施設サービスではない。
問48
認知症の理解Bさん(87歳、男性)は、一人暮らしである。玄関前で、脱水で倒れているところを発見され、救急搬送された。入院中、認知症(dementia)の疑いがある行動が見られた。Bさんは、「自宅で暮らしたい」と強く希望していた。退院後、Bさんは外出して自宅に戻れなくなることがあった。近所の人たちが、Bさんの生活を心配して、地域包括支援センターに相談した結果、認知症初期集中支援チームが編成された。 次の記述のうち、Bさんに対して認知症初期集中支援チームが行う支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1金銭管理を行う。
- 2支援方針を検討する。
- 3居宅サービス計画書を作成する。
- 4介護保険サービスを契約する。
- 5法定後見を行う。
正解:2
解説
正答は肢2です。認知症初期集中支援チームは、医療・介護の専門職が訪問し、状態評価と支援方針の検討、サービスへの接続などを行う。 1:誤り。継続的な金銭管理そのものを担う制度ではない。 2:正答。本人の生活や希望を把握し、必要な支援の方針を検討する。 3:誤り。居宅サービス計画は担当の介護支援専門員が作成する。 4:誤り。本人の契約を代行することがチームの役割ではない。 5:誤り。法定後見は家庭裁判所が選任した成年後見人等が担う。
問49
障害の理解次のうち、ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)の社会(人生)レベルに該当するものとして、正しいものを1つ選びなさい。
- 1心身機能・身体構造
- 2活動
- 3参加
- 4機能障害
- 5活動制限
正解:3
解説
正答は肢3です。ICFの生活機能は心身機能・身体構造、活動、参加から構成される。社会・人生の場面への関わりは参加である。 1:誤り。生物・身体のレベルを表す。 2:誤り。課題や行為の遂行という個人のレベルを表す。 3:正答。生活・人生場面への関与であり、社会レベルに当たる。 4:誤り。心身機能・身体構造の問題を表す。 5:誤り。活動の遂行上の困難を表す。
問50
障害の理解次の記述のうち、障害者のエンパワメントに関するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1障害のある人が障害のない人と同等に生活し、活動する社会を目指す。
- 2専門職が主導し、障害がある人は受動的に支援を受ける。
- 3障害のある人が自らの能力や長所に気づき、課題に対応する。
- 4障害のある人が、主体性や人権が守られないことに耐える。
- 5障害のある人が、医学的リハビリテーションを受ける。
正解:3
解説
正答は肢3です。エンパワメントは、本人の力や強みを生かし、主体的に選択・行動できるよう支える考え方である。 1:誤り。ノーマライゼーションの理念に近い説明である。 2:誤り。専門職主導の受動的な支援は本人の力を生かしていない。 3:正答。自分の能力や長所に気づき、課題へ主体的に向き合うことが該当する。 4:誤り。権利が守られない状態に耐えることではない。 5:誤り。医学的リハビリテーションの受療だけに限られる概念ではない。
問51
障害の理解次のうち、クローン病(Crohn disease)にみられる特徴的な症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1視力低下
- 2栄養障害
- 3咳嗽{がいそう}
- 4運動失調
- 5関節痛
正解:2
解説
正答は肢2です。クローン病は消化管に慢性の炎症が生じる疾患で、下痢・腹痛や栄養吸収の障害などが問題となる。 1:誤り。眼の合併症はあり得るが、この設問で最も特徴的な症状ではない。 2:正答。摂取不足や吸収障害などにより栄養障害が生じる。 3:誤り。咳嗽は主に呼吸器の症状である。 4:誤り。運動失調は小脳などの障害でみられる。 5:誤り。関節症状を伴うことはあるが、最も特徴的な消化管の問題は栄養障害である。
問52
障害の理解次の記述のうち、遂行機能障害の特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1些細{ささい}なことですぐに興奮して怒鳴る。
- 2新しい知識を覚えることが困難である。
- 3ぼんやりして周囲に注意を向け続けることが困難である。
- 4行動を計画して実行することが困難である。
- 5言葉の表出や理解が困難である。
正解:4
解説
正答は肢4です。遂行機能は、目標を立て、計画し、順序立てて実行・修正する能力である。 1:誤り。感情コントロールの障害などに関わる。 2:誤り。新しい情報を覚える困難は記憶障害である。 3:誤り。注意を保つ困難は注意障害である。 4:正答。計画を立てて行動へ移すことの困難が遂行機能障害の特徴である。 5:誤り。言葉の表出・理解の障害は失語症に関わる。
問53
障害の理解視覚障害の特徴と視覚障害者の生活支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ロービジョンは、視覚情報をまったく得られない状態である。
- 2中途視覚障害者は、先天性の障害に比べて障害を受容しやすい。
- 3白杖{はくじょう}には、視覚に障害があることを周囲に知らせる役目がある。
- 4視覚障害を補うために、ペットの犬と一緒に外出する。
- 5視覚障害者は、ガイドヘルパーの利用はできない。
正解:3
解説
正答は肢3です。白杖は足元の確認や身体の保護に加え、視覚障害があることを周囲に知らせる役割をもつ。 1:誤り。ロービジョンでは残っている視機能を活用できる。 2:誤り。中途障害の受け止めには喪失感など個別の経過があり、容易とはいえない。 3:正答。白杖の役割には視覚障害があることの周知が含まれる。 4:誤り。訓練を受けた盲導犬と一般のペットは区別する。 5:誤り。同行援護など、外出時の支援を利用できる。
問54
障害の理解Aさん(76歳、女性)は、パーキンソン病(Parkinson disease)と診断され、日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)は、車いすやベッド上で全介助である。最近、食事に時間がかかって嫌がるようになり、かすれ声が目立つようになった。 次のうち、現在のAさんに対して介護福祉職が留意すべきこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1安静時振戦
- 2筋固縮
- 3仮面様顔貌
- 4誤嚥{ごえん}
- 5便秘
正解:4
解説
正答は肢4です。パーキンソン病では嚥下機能も低下し得る。食事の長時間化と声の変化から誤嚥の危険に注意し、医療職へつなぐ。 1:誤り。安静時振戦は代表症状だが、今回の食事・声の変化で優先する問題ではない。 2:誤り。筋固縮だけに着目すると嚥下機能の変化を見落とす。 3:誤り。表情が乏しくなる徴候だが、食事の危険への対応ではない。 4:正答。嚥下機能低下による誤嚥を疑い、観察・報告と食事支援の評価が必要である。 5:誤り。便秘も起こり得るが、提示された変化の中心ではない。
問55
障害の理解聴覚障害者の特徴や支援の方法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1要約筆記によって意思疎通を補う。
- 2軽度の聴覚障害を「ろう」という。
- 3フラッシュベルは周囲の音を増幅させて伝える。
- 4手話は意思の伝達に役立たない。
- 5両耳の聴力レベルが40dBで身体障害者手帳が交付される。
正解:1
解説
正答は肢1です。聴覚障害者との意思疎通では、本人が利用しやすい手話・筆談・要約筆記などを確認する。 1:正答。話された内容の要点を文字で伝える要約筆記が役立つ。 2:誤り。ろうは高度な聴覚障害の状態を指し、軽度の難聴ではない。 3:誤り。フラッシュベルは光で音の情報を知らせる装置である。 4:誤り。手話は重要な意思伝達手段である。 5:誤り。両耳40dBという条件だけで身体障害者手帳の聴覚障害基準を満たすわけではない。
問56
障害の理解Bさん(24歳、男性)は、母親と二人暮らしで、小学生のときに注意欠陥多動性障害と疑われていた。Bさんは、最近になって昼夜を問わずゲームを続け、朝起きられずにアルバイトを無断で休むことが増えた。 次のうち、Bさんの母親が相談する機関として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ハローワーク(公共職業安定所)
- 2難病情報センター
- 3認知症カフェ
- 4放課後等デイサービス
- 5発達障害者支援センター
正解:5
解説
正答は肢5です。幼少期から発達特性が疑われ、現在の生活・就労にも困難がある。発達障害者支援センターは本人や家族の相談に応じる。 1:誤り。就職支援は行うが、発達特性を含む生活全般の相談先としては選択肢5が適切である。 2:誤り。難病に関する情報提供機関である。 3:誤り。認知症の本人・家族等の交流の場である。 4:誤り。就学中の障害児への通所支援であり、24歳の本人の相談先ではない。 5:正答。発達障害に関する相談・生活支援・就労支援等を行い、関係機関へつなぐ。
問57
障害の理解次の記述のうち、「障害者差別解消法」の合理的配慮に沿った対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。 (注) 「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
- 1車いすの身体障害者から、陳列棚にある商品を見せてほしいと言われたが、口頭で商品を説明した。
- 2聴覚障害者の手話による注文がわからなかったので、最も人気のあるメニューを出した。
- 3盲導犬を連れた視覚障害者が来店したが、動物嫌いの客から苦情を言われると思い、犬は店の中に入れないように頼んだ。
- 4役所に相談に来た精神障害者から、多くの人の中だと不安になると言われたため、帰宅してもらった。
- 5知的障害者から申し出があったので、会議に参加するための資料をわかりやすい言葉に直して、事前に口頭で説明した。
正解:5
解説
正答は肢5です。合理的配慮は、本人との対話を通じて個別の障壁を取り除くための必要かつ合理的な対応である。 1:誤り。商品を実際に見たいという希望への対応を検討せず、説明だけに置き換えている。 2:誤り。注文内容を確認せず勝手に商品を決めている。 3:誤り。身体障害者補助犬の同伴を、他の客の苦情の予測だけで拒むのは適切でない。 4:誤り。静かな場所の用意などを検討せず利用を断っている。 5:正答。理解しやすい資料と事前説明で、本人の会議参加を支えている。
問58
障害の理解レスパイトケアの望ましいあり方に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1障害者はサービスを利用せずに生活するべきである。
- 2利用中、家族は自宅で休まなくてはならない。
- 3家族が障害者を預けて旅行に行くことは認められない。
- 4家族の休息が目的なので、障害者の施設利用は宿泊に限定される。
- 5家族が休息している間も、障害者が自分らしく過ごせるようにする。
正解:5
解説
正答は肢5です。レスパイトケアは家族の休息を支えるとともに、本人の生活の質も守る。休息中の過ごし方を一律に制限しない。 1:誤り。必要なサービス利用は本人と家族の生活を支える。 2:誤り。家族が自宅で休むことだけに限定されない。 3:誤り。旅行などの気分転換も休息のあり方の一つである。 4:誤り。通所や訪問などを活用する場合もあり、宿泊だけではない。 5:正答。家族の休息と本人らしい生活を両立させることが望ましい。
問59
医療的ケア次の記述のうち、成人に対する救急蘇生法{きゅうきゅうそせいほう}での胸骨圧迫の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1呼吸が確認できない場合は、すぐに圧迫を始める。
- 2圧迫する部位は、胸骨の左側である。
- 3実施者の両手を重ねて、指先で圧迫する。
- 4圧迫の深さは、胸が10cm沈むようにする。
- 51分間に60回を目安に圧迫する。
正解:1
解説
正答は肢1です。反応がなく普段どおりの呼吸がない、または判断に迷う場合は、救急要請・AED手配とともに胸骨圧迫を始める。実際は救急の指令と訓練に従う。 1:正答。普段どおりの呼吸が確認できないときは胸骨圧迫を開始する。 2:誤り。圧迫位置は胸の真ん中、胸骨の下半分である。 3:誤り。手の付け根を胸に当て、両手を重ねて圧迫する。 4:誤り。成人では約5cm、6cmを超えない深さが目安で、10cmでは深すぎる。 5:誤り。成人では1分間に100~120回のテンポが目安である。
問60
医療的ケア次の記述のうち、痰{たん}を喀出{かくしゅつ}する仕組みに関するものとして、正しいものを1つ選びなさい。
- 1呼吸器官の内部は乾燥した状態になっている。
- 2気管の内部の表面には絨毛{じゅうもう}があり、分泌物の侵入を防いでいる。
- 3分泌物は、咽頭で吸収される。
- 4痰{たん}は、咳{せき}や咳払{せきばら}いによって排出される。
- 5咳{せき}は、下垂体にある咳中枢{せきちゅうすう}によっておこる反射運動である。
正解:4
解説
正答は肢4です。気道の粘液と線毛運動が異物を口側へ運び、咳反射などで排出する。絨毛と線毛の用語も区別する。 1:誤り。気道粘膜は湿潤に保たれ、乾燥は痰の排出を難しくする。 2:誤り。気管の表面には線毛があり、粘液を移動させる。 3:誤り。分泌物は咳で排出したり飲み込んだりし、咽頭で吸収する仕組みではない。 4:正答。咳や咳払いが痰の排出に役立つ。 5:誤り。咳反射の中枢は主に延髄にあり、下垂体ではない。
問61
医療的ケア次の記述のうち、介護福祉士が行う口腔内{こうくうない}の喀痰吸引{かくたんきゅういん}の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1吸引圧は、利用者の体調によって介護福祉士が決める。
- 2吸引圧をかけた状態で、吸引チューブを挿入する。
- 3口蓋垂まで吸引チューブを挿入する。
- 4吸引チューブを回転させながら痰{たん}を吸引する。
- 5吸引後は洗浄水を吸引し、清浄綿でチューブを拭く。
正解:4
解説
正答は肢4です。喀痰吸引は必要な研修・登録等の条件と医師の指示、看護職との連携のもとで行う。吸引圧や挿入範囲を介護職が独断で変えない。 1:誤り。吸引圧は個別の指示に従い、介護福祉士が体調だけで決めない。 2:誤り。挿入時は吸引圧をかけず、粘膜への吸着・損傷を防ぐ。 3:誤り。口腔内吸引は咽頭の手前までの範囲を守り、口蓋垂まで挿入しない。 4:正答。一点に吸着させないよう、チューブを回転させながら吸引する。 5:誤り。外側を清浄綿で拭いてから洗浄水を吸引し、所定の手順で清潔を保つ。
問62
医療的ケア次の記述のうち、消化器症状の説明として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1腹部膨満感は、腹部が張る感覚のことである。
- 2しゃっくり(吃逆{きつぎゃく})は、胸膜の刺激で起こる現象である。
- 3胸やけは、飲食物による食道の熱傷のことである。
- 4げっぷ(噯気)は、咽頭にたまった空気が排出されることである。
- 5嘔気{おうき}は、胃や腸の内容物が、食道を逆流して口外に吐き出されることである。
正解:1
解説
正答は肢1です。消化器症状の言葉は、本人の訴えを正確に記録・報告するために区別する。腹部膨満感は腹部が張る感覚である。 1:正答。腹部の張りを感じる状態をいう。 2:誤り。しゃっくりは横隔膜の不随意な収縮などで起こる。 3:誤り。胸やけは胃内容物の逆流などによる胸部の焼けるような感覚で、熱傷そのものではない。 4:誤り。げっぷは主に胃内の空気が口から出る現象である。 5:誤り。実際に吐き出すのは嘔吐であり、嘔気は吐きそうな感覚である。
問63
医療的ケアAさん(80歳、女性)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺{ひだりかたまひ}があり、介護老人保健施設に入所して在宅復帰に向けた訓練をしている。嚥下障害{えんげしょうがい}もあるため、経鼻経管栄養による栄養摂取をしているが、経口摂取できないことでイライラしてチューブを抜去したことがある。医師からは一時的な治療であると説明を受けて同意していた。 経管栄養中に介護福祉士が訪室すると、チューブを触りながら、「自分の口から食べたいから、このチューブを抜いてほしい。見た目も良くない」と訴えがあった。看護師に連絡し、チューブが抜けていないことを確認してもらった。 このときのAさんへの介護福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1チューブを抜かないようにAさんの右手を固定する。
- 2経管栄養が早く終わるように滴下速度を調節する。
- 3医師や看護師にAさんの思いを伝える。
- 4Aさんに胃ろうの造設を提案する。
- 5Aさんに経口摂取を提案する。
正解:3
解説
正答は肢3です。口から食べたいという希望を受け止め、医師・看護師へ共有して、治療と生活の両面から支援を検討する。 1:誤り。身体拘束を安易に用いず、気持ちや不快感への対応を考える。 2:誤り。滴下速度を介護福祉士の判断で変更してはならない。 3:正答。本人の希望と苦痛を医療職へ伝え、方針の説明や再評価につなげる。 4:誤り。胃ろうの適応を介護福祉士が独自に決めて提案する場面ではない。 5:誤り。嚥下障害があり、安全性の評価なしに経口摂取を提案しない。
問64
介護の基本介護福祉に関連する法律に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。 (注)1 「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。 2 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
- 1「高齢者虐待防止法」は、福祉六法の1つである。
- 2「障害者総合支援法」は、障害者基本計画の策定を義務づけている。
- 3社会福祉法によって、社会福祉士の定義が規定されている。
- 4介護保険法は、国民の共同連帯の理念に基づいて介護保険制度を設けている。
- 5医師法によって、介護福祉の業務の一部として医行為が認められている。
正解:4
解説
正答は肢4です。介護保険法は国民の共同連帯の理念に基づいて制度を設ける。資格・業務の根拠法と制度の理念を区別する。 1:誤り。福祉六法には生活保護法、児童福祉法、老人福祉法などが含まれ、高齢者虐待防止法ではない。 2:誤り。障害者基本計画の根拠は障害者基本法である。 3:誤り。社会福祉士の定義は社会福祉士及び介護福祉士法にある。 4:正答。介護を社会全体で支える共同連帯の理念が明記されている。 5:誤り。一定の喀痰吸引等の根拠は社会福祉士及び介護福祉士法等の特例である。
問65
介護の基本社会福祉士及び介護福祉士法に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
- 1資質向上のために、5年に1回、資格更新研修を受けなければならない。
- 2社会福祉士の業務を介護福祉士が行うことは禁じられている。
- 3介護福祉士の信用を傷つける行為をしてはならない。
- 4介護福祉士は、その業を辞した後は秘密保持義務が解除される。
- 5介護福祉士国家試験に合格した日から、介護福祉士を名乗ることができる。
正解:3
解説
正答は肢3です。介護福祉士には信用失墜行為の禁止、秘密保持、連携、資質向上などの義務がある。試験合格後には登録が必要である。 1:誤り。5年ごとの資格更新研修を義務とする資格ではない。 2:誤り。双方とも名称独占資格で、社会福祉士の名称を無登録で用いることと相談業務を行うことは別である。 3:正答。介護福祉士としての信用を傷つける行為は禁止される。 4:誤り。業務を辞めた後も秘密保持義務は続く。 5:誤り。試験合格だけでなく、登録を受けて介護福祉士となる。
問66
介護の基本Aさん(75歳、女性)は、3か月前に、血管性認知症(vascular dementia)を発症し、軽度の左片麻痺{ひだりかたまひ}で杖歩行{つえほこう}となり、要介護3と認定された。Aさんは、料理が大好きで、娘と一緒に食事を作ることを楽しみに生活していた。1か月前から認知症(dementia)が進行し、ユニット型介護老人福祉施設に入所した。Aさんは夕方になると、「ご飯の支度をしないといけないから帰ります」と言いながら、興奮して歩き回る様子がみられるようになった。 Aさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1居室に鍵をかけて、自室で過ごしてもらう。
- 2介護福祉職と一緒に、夕食の準備をしてもらう。
- 3杖{つえ}を預かり、低めの丸椅子に座ってもらう。
- 4介護福祉職の判断で、向精神薬を服用してもらう。
- 5ここがAさんの自宅であることを、理解してもらう。
正解:2
解説
正答は肢2です。夕食を作る役割が本人の生活史と結び付いている。危険を避けながら、本人の役割や得意なことを生かす。 1:誤り。鍵をかけて出られなくする対応は身体拘束に当たり得る。 2:正答。大切にしてきた料理の役割を、職員と一緒に担えるようにする。 3:誤り。杖を取り上げて行動を妨げるのは本人の力と安全を損なう。 4:誤り。向精神薬の使用を介護職だけで判断してはならない。 5:誤り。事実と異なる自宅だという説明を理解させるより、本人の気持ちと役割を支える。
問67
介護の基本ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)における「参加」と「活動」の2つが関連した、認知症の人の支援に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1若年性アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type with early onset)があり、治療している。
- 2認知症カフェに通い、体操をしている。
- 3近所に住む長男が、買物を代行している。
- 4自宅にある広い庭を、バリアフリー化している。
- 5見当識障害があり、GPS装置を身に着けている。
正解:2
解説
正答は肢2です。参加は生活場面への関わり、活動は課題・行為の遂行である。認知症カフェへの参加と体操という活動の組合せが該当する。 1:誤り。疾患と治療は主に健康状態に関する記述である。 2:正答。カフェに通う社会参加と、体操をする活動が示されている。 3:誤り。長男による支援という環境因子が中心である。 4:誤り。住環境の整備という環境因子が中心である。 5:誤り。見当識障害という心身機能の問題と、機器という環境因子の記述である。
問68
介護の基本次の記述のうち、介護保険制度における訪問介護員(ホームヘルパー)が行うサービス内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1利用者が大切にしている庭の植木に、水やりをする。
- 2利用者が長年飼っている猫のペットフードを、購入してくる。
- 3掃き掃除をする習慣のある利用者と一緒に、寝室をほうきで掃除する。
- 4利用者と一緒に、近所のラーメン屋に行く。
- 5利用者のクレジットカードを預かって、買物を代行する。
正解:3
解説
正答は肢3です。訪問介護では本人の日常生活に必要な支援を行う。本人と一緒に掃除し、できることを維持する対応は自立支援にもつながる。 1:誤り。庭の植木への水やりは一般に保険給付の訪問介護の対象外である。 2:誤り。ペットの世話に関する買物は一般に対象外である。 3:正答。本人の寝室の掃除を一緒に行い、日常生活の維持を支えている。 4:誤り。趣味・娯楽としての外食同行は一般に保険給付の対象外である。 5:誤り。クレジットカードの預かりは事故や不正利用の危険があり、適切な買物援助ではない。
問69
介護の基本次の記述のうち、介護従事者を守る法制度として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1労働安全衛生法では、年に1回以上の健康診断を行うことを義務づけている。
- 2労働者災害補償保険法では、労働時間、賃金、休暇などの労働条件を定めている。
- 3環境基本法では、快適な職場環境の形成の促進を定めている。
- 4介護休業は、対象家族1名につき、毎年93日間を取得できる。
- 5出生時育児休業は、子の出生後から8週間取得できる。
正解:1
解説
正答は肢1です。労働安全衛生法に基づき、常時使用する労働者には定期健康診断が必要である。休業制度の日数は「毎年」か「通算」かを確認する。 1:正答。原則として1年以内ごとに1回の定期健康診断を実施する。業務によってはより短い間隔となる。 2:誤り。労働条件の最低基準を定めるのは労働基準法である。 3:誤り。快適な職場環境の形成は労働安全衛生法に関わる。 4:誤り。対象家族1人につき通算93日までで、毎年93日ではない。 5:誤り。出生後8週間以内に通算4週間まで取得する制度である。
問70
介護の基本Bさん(68歳、女性、要介護1)は、ヨーロッパで生まれ育ち、50歳のときに日本人と結婚した。65歳で夫と共に日本で暮らすようになったが、日本語は十分に理解できない。半年前に、脳梗塞(cerebral infarction)を起こし、利き手に麻痺{まひ}があり、立ち上がりも不安定である。現在は、介護老人保健施設に入所し、在宅復帰へ向けたリハビリテーションを行っている。Bさんはこれまでの生活様式を守り、自宅で自分のペースで食事ができるようになりたいと希望している。 次の記述のうち、Bさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1入所中は母語を使わずに、日本語を話すように伝える。
- 2居室の床に布団を敷いて、寝起きができるようにする。
- 3自分で食事ができるように、自助具の使用状況を確認する。
- 4ほかの利用者と同じ時間に食べ終えるように伝える。
- 5日本の生活に合わせるように、余暇活動の内容は介護福祉職が判断する。
正解:3
解説
正答は肢3です。本人の文化や生活歴、希望を尊重して、食事の自立に必要な道具と方法を確かめる。 1:誤り。母語を禁止せず、理解しやすい言語や伝達手段を使う。 2:誤り。生活歴と立ち上がりの不安定さを踏まえず、床上生活を一律に勧めない。 3:正答。利き手の麻痺を補う自助具が適合しているかを確認する。 4:誤り。他者と同じ速度を求めると、本人の希望や安全を損なう。 5:誤り。余暇活動も本人の選択を尊重する。
問71
介護の基本次の記述のうち、チームアプローチに関するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
- 1介護福祉職が利用者のところに行って、相談、支援を行う。
- 2障害者が、地域の資源を活用して、共生社会の実現を目指す。
- 3複数の専門職が共通の目標に向かって協働し、課題解決に取り組む。
- 4利用者に代わって、専門職がサービスを決定する。
- 5当事者が集まって体験談を話し、共に支えあう。
正解:3
解説
正答は肢3です。チームアプローチでは、多職種が専門性を生かし、本人を中心とした共通目標に向かって協働する。 1:誤り。訪問して働きかけるアウトリーチの説明である。 2:誤り。地域資源を使う社会参加の説明であり、多職種協働を直接示していない。 3:正答。共通目標と複数専門職の協働がチームアプローチの要点である。 4:誤り。本人に代わって専門職だけで決めることではない。 5:誤り。当事者同士によるピアサポートの説明である。
問72
介護の基本介護保険施設における防災対策に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1介護福祉士は、災害派遣福祉チームで活動することが義務づけられている。
- 2介護福祉士は、防災スキル向上のために、防災士の資格取得が義務づけられている。
- 3災害対策基本法に基づき、個別避難計画の作成が施設長に義務づけられている。
- 4一般的に、飲料水と非常食は1日分の備蓄が義務づけられている。
- 5災害時等に備えて、業務継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定が義務づけられている。
正解:5
解説
正答は肢5です。災害時にも必要な介護を継続できるよう、介護サービス事業者にはBCPの策定等が求められる。 1:誤り。すべての介護福祉士に災害派遣福祉チームでの活動義務があるわけではない。 2:誤り。防災士資格の取得は一律の法定義務ではない。 3:誤り。個別避難計画の作成は市町村の努力義務で、施設長への一律義務ではない。 4:誤り。1日分という一律の義務ではなく、地域の災害想定等に応じた備蓄が必要である。 5:正答。業務継続計画を策定し、研修・訓練などを通じて備える。
問73
介護の基本次のうち、結核(tuberculosis)の予防対策に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1便座のアルコール消毒
- 2肺炎球菌ワクチンの接種
- 3紫外線を避けた生活
- 4年に1回の胸部X線検査
- 550℃以上の温水によるリネン類の洗濯
正解:4
解説
正答は肢4です。高齢者の結核では症状が目立たないこともある。胸部X線検査による早期発見が感染拡大防止に重要である。 1:誤り。結核の主な感染経路は空気感染であり、便座の消毒が中心的対策ではない。 2:誤り。肺炎球菌ワクチンは結核を予防するワクチンではない。 3:誤り。紫外線を避けることが結核予防になるわけではない。 4:正答。対象となる高齢者等の定期的な胸部X線検査で早期発見を図る。 5:誤り。50℃の洗濯を結核の代表的な予防対策として選ばない。
問74
コミュニケーション技術次の記述のうち、利用者とのコミュニケーションの場面で用いる要約の技法として、適切なものを1つ選びなさい。
- 1開かれた質問をして、利用者の気持ちを明らかにした。
- 2共感しながら話を聞き、利用者の気持ちを受け止めた。
- 3話の途中でうなずき、利用者の気持ちに同意した。
- 4話の内容を総合的にまとめて返し、利用者の気持ちを整理した。
- 5自己覚知を図り、利用者との人間関係の形成に努めた。
正解:4
解説
正答は肢4です。要約は、相手の話の要点をまとめて返し、理解を確かめたり気持ちを整理したりする技法である。 1:誤り。開かれた質問は自由な発話を促す技法である。 2:誤り。共感的な傾聴の説明である。 3:誤り。うなずきは応答の一つだが、内容をまとめる要約ではない。 4:正答。全体の内容を整理して返す対応が要約に当たる。 5:誤り。自己覚知は自分の価値観や感情の傾向を理解することである。
問75
コミュニケーション技術次の記述のうち、利用者と家族の意向が異なるとき、家族とのコミュニケーションにおいて介護福祉職が留意すべき点として、適切なものを1つ選びなさい。
- 1家族に支援方針を決めてもらう。
- 2家族を通して利用者の意向を聴き取る。
- 3家族と話す機会を別に設ける。
- 4家族にカウンセリングを行うことを意識する。
- 5家族を説得する。
正解:3
解説
正答は肢3です。本人と家族の意向が異なる場合、それぞれが安心して思いを話せる機会を設け、背景を理解する。 1:誤り。家族だけに支援方針を決めてもらわず、本人の意思を中心に調整する。 2:誤り。本人の意向は可能な限り本人から確認する。 3:正答。別の機会を設けることで、家族の不安や事情を率直に聞ける。 4:誤り。心理的支援は必要でも、介護職が専門的カウンセリングを行うことを目的化しない。 5:誤り。理解する前から説得を目的にすると対立を深める。
問76
コミュニケーション技術Aさん(80歳、男性、要介護3)は、介護老人福祉施設に入所している。アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)が進行している。ある日の昼食時、介護福祉職がAさんに配膳すると、「お金はこれしかありません。足りますか」と小さくたたまれたティッシュペーパーを渡してきた。 このときのAさんに対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ティッシュペーパーは、口の周りが汚れたら拭くものだと伝える。
- 2ティッシュペーパーが不足しているサインとして受け止める。
- 3飲食店での会計の場面であると認識して対応する。
- 4食事に集中するように促す。
- 5小遣いの増額を家族に相談する。
正解:3
解説
正答は肢3です。本人が食事の場面を飲食店の会計として捉えていることを理解し、その不安や気遣いを受け止める。 1:誤り。物の用途の訂正だけでは会計への不安に応えられない。 2:誤り。ティッシュ不足を訴えたとする根拠はない。 3:正答。本人が体験している場面を理解し、安心して食事できる応答を考える。 4:誤り。食事への集中だけを求めても本人の心配は解消しない。 5:誤り。金額不足という実際の家計問題だと決めつけない。
問77
コミュニケーション技術構音障害のあるBさんは、現在発語訓練を実施中である。ある日、介護福祉職に対して、「おあんで、あつがおごれた」と訴えた。介護福祉職は、Bさんの発語をうまく聞き取れず、「もう一度、言ってください」と伝えた。Bさんは、自身の発語で会話を続けようとしているが、介護福祉職には、その内容を十分に理解することができなかった。 このときの、Bさんに対する介護福祉職の判断として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1Bさんは言葉の意味の理解に支障があるため、会話の継続は困難である。
- 2発音が苦手なため、短い言葉でゆっくり話してもらう必要がある。
- 3話す意欲があるため、開かれた質問が有効である。
- 4発語訓練の効果がみられないため、訓練を中止する必要がある。
- 5Bさんの言葉が聞き取れないため、会話を中断する必要がある。
正解:2
解説
正答は肢2です。構音障害は発音に関わる運動の障害で、言葉の理解が保たれる場合がある。話したい意欲を尊重して伝えやすくする。 1:誤り。聞き取りにくさだけで意味理解の障害と判断しない。 2:正答。短い言葉でゆっくり話す方法で確認し、必要に応じ他の手段も併用する。 3:誤り。自由で長い回答を求めるより、短く確認できる質問が役立つ。 4:誤り。訓練の効果や中止を介護職だけで判断しない。 5:誤り。伝達方法を工夫せず会話を中断すると意思表出の機会を奪う。
問78
コミュニケーション技術Cさん(55歳、男性)は、知的障害がある。3か月前に、施設から居宅での一人暮らしに移行し、現在は、居宅介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら生活している。ある日、Cさんが、「ゴミ、分けて捨てるの、難しいよ」と言うので、室内に分別収集の説明書を貼って、カレンダーに収集日を書くことにした。そして、介護福祉職は、「この説明書とカレンダーを見て、捨てるといいですよ」とCさんに伝えた。その後、Cさんは努力していたが、分別できなかったゴミが少しずつ増えていった。 次のうち、Cさんにかける介護福祉職の最初の言葉として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1「ゴミでいっぱいになる前に、適切に捨てられるようになりましょう」
- 2「説明書とカレンダーをよく見てください」
- 3「ゴミが増えてきて、気持ち悪いですね」
- 4「がんばっていれば、上手にできるようになりますよ」
- 5「ゴミ捨ては難しいですよね。できることをいっしょに考えましょう」
正解:5
解説
正答は肢5です。説明書を貼るだけでは本人に合っていない可能性がある。困難を受け止め、どの手順ならできるか一緒に確認する。 1:誤り。できていないことを責める印象となり、具体的な支援にならない。 2:誤り。すでに試して難しかった方法を繰り返すだけである。 3:誤り。本人の気持ちを確かめず、不快という評価を押し付けている。 4:誤り。努力不足の問題として扱わず、方法を見直す必要がある。 5:正答。困難に共感し、本人と実行可能な方法を考える第一歩となる。
問79
コミュニケーション技術介護保険サービスにおける記録に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1記録に含まれないものとして食事チェック表がある。
- 2介護記録は介護福祉職の意見を中心に記録する。
- 3調査・研究目的で記録を利用することは避ける。
- 4主観的情報と客観的事実は区別しないで記録する。
- 5利用者は記録の閲覧を請求することができる。
正解:5
解説
正答は肢5です。介護記録は支援の継続性・評価・説明責任を支える。本人には自分に関する記録の閲覧を求めることができる。 1:誤り。食事チェック表も介護の経過を示す記録である。 2:誤り。観察した事実と本人の発言を基本に、判断と区別して記す。 3:誤り。個人情報保護や同意などの条件を満たして調査・研究に利用する場合がある。 4:誤り。主観的情報と客観的事実は区別して記録する。 5:正答。本人は自分に関する記録の閲覧を請求でき、事業者は所定の手続で対応する。
問80
生活支援技術高齢者に配慮した居室環境に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1夏は高齢者が発汗してから冷房を使用する。
- 2暖房を使用するときは除湿機を併用する。
- 3冷房を使用するときは換気を控える。
- 4温度は介護福祉職の感覚で調整する。
- 5冬はトイレの温度を居室の温度に近づける。
正解:5
解説
正答は肢5です。冬季の居室とトイレ・浴室の大きな温度差は循環器への負担となる。移動先も含めた温度管理が必要である。 1:誤り。高齢者は発汗や暑さの自覚が遅れることがあり、汗を待たない。 2:誤り。暖房時は乾燥に注意し、湿度を確認する。 3:誤り。冷房の使用中も適切な換気が必要である。 4:誤り。温湿度計と本人の状態・希望を確認し、介護職の感覚だけで決めない。 5:正答。トイレも居室に近い温度に整え、急な温度変化を減らす。
問81
生活支援技術次の記述のうち、介護の現場において、レクリエーション活動で実施するアイスブレーキングの効果として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1参加者の緊張感を軽減することができる。
- 2活動内容を毎回固定して実施することができる。
- 3介護福祉職の負担を軽減することができる。
- 4利用者の参加を義務づけることができる。
- 5勝敗を楽しむことができる。
正解:1
解説
正答は肢1です。アイスブレーキングは、活動の導入で緊張をほぐし、参加者同士が関わりやすい雰囲気をつくる。 1:正答。安心して参加しやすくなり、緊張感の軽減が期待できる。 2:誤り。活動内容を毎回固定するための方法ではない。 3:誤り。主眼は参加者の関係づくりで、職員負担の軽減そのものではない。 4:誤り。参加は本人の意思を尊重し、義務づけない。 5:誤り。勝敗を競うことが目的ではない。
問82
生活支援技術次の記述のうち、介護福祉職が行う身じたく・整容の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ベッド上で行う口腔{こうくう}ケアは、ガーグルベースンを用いる。
- 2総義歯の洗浄は、歯みがき剤を用いる。
- 3耳垢{じこう}の除去は、ピンセットを用いる。
- 4ベッド上で行う洗顔は、冷水に浸して絞ったタオルを用いる。
- 5浴室で行う洗髪は、ドライシャンプーを用いる。
正解:1
解説
正答は肢1です。ベッド上の口腔ケアでは、姿勢と誤嚥に注意し、ガーグルベースンなどで汚水を受ける。 1:正答。口元に沿う形の受け皿で、うがいの水などを受けられる。 2:誤り。一般の歯磨き剤の研磨材は義歯を傷つけることがあるため、義歯用の方法で洗う。 3:誤り。ピンセットを耳の奥へ入れると損傷の危険がある。 4:誤り。冷水でなく適温のタオルを用い、本人にも温度を確認する。 5:誤り。浴室で水洗いできる場合は、通常の洗髪方法を状態に合わせて選ぶ。
問83
生活支援技術次の記述のうち、障害のある人への事故防止の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1パーキンソン病(Parkinson disease)の人には、低めのベッドを用意する。
- 2認知症(dementia)の人には、ガスコンロを用意する。
- 3在宅酸素療法中の人のそばでは、喫煙しない。
- 4視覚障害のある人には、洗体用に頭受け台を用意する。
- 5聴覚障害のある人には、補高便座を用意する。
正解:3
解説
正答は肢3です。酸素は燃焼を助けるため、在宅酸素療法中は火気を厳重に管理する。本人だけでなく周囲の喫煙も危険である。 1:誤り。低すぎるベッドは立ち上がりを難しくするため、高さを個別に調整する。 2:誤り。認知症の状態に応じて火の管理を評価し、安全な調理器具を検討する。 3:正答。喫煙による引火・火災を防ぐため、酸素機器の周囲に火気を近づけない。 4:誤り。頭受け台は主に洗髪時の頭部支持に用い、視覚障害の事故予防に直接対応しない。 5:誤り。補高便座は立ち座りを助ける道具で、聴覚障害への対応ではない。
問84
生活支援技術次のうち、右片麻痺{みぎかたまひ}の利用者が多点杖{たてんづえ}を使用して3動作歩行を開始するときに、介護福祉職が行う説明として、適切なものを1つ選びなさい。
- 1「杖{つえ}、右足、左足の順で歩きましょう」
- 2「杖{つえ}、左足、右足の順で歩きましょう」
- 3「右足、左足、杖{つえ}の順で歩きましょう」
- 4「左足、杖{つえ}、右足の順で歩きましょう」
- 5「左足、右足、杖{つえ}の順で歩きましょう」
正解:1
解説
正答は肢1です。杖による3動作歩行は、基本として杖、患側の足、健側の足の順に進む。右片麻痺なら患側は右である。 1:正答。杖を先に出し、右足、左足の順で支持を確保して進む。 2:誤り。健側の左足を先に出すと、患側だけに負担がかかりやすい。 3:誤り。杖による支持を作る前に患側を出す順序ではない。 4:誤り。健側を先に出し、杖が後になるため基本手順と異なる。 5:誤り。杖を最後に出すと支持を活用できない。
問85
生活支援技術ノーリフティングケアに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1仰臥位{ぎょうがい}(背臥位{はいがい})の利用者を抱え上げて、端座位にする。
- 2仰臥位{ぎょうがい}(背臥位{はいがい})の利用者を手前に引きよせて、ストレッチャーに移乗する。
- 3端座位の利用者の体幹を抱きかかえて、車いすに移乗する。
- 4端座位の利用者にスライディングボードを使用して、車いすに移乗する。
- 5立位が困難な端座位の利用者に回転移動盤を使用して、車いすに移乗する。
正解:4
解説
正答は肢4です。ノーリフティングケアでは、人力で抱え上げることを避け、本人の能力と福祉用具を活用する。 1:誤り。人力で抱え上げているため該当しない。 2:誤り。用具なしで引き寄せると摩擦や介護者の腰への負担が大きい。 3:誤り。体幹を抱きかかえる人力移乗では負担を減らせない。 4:正答。適応を確認したスライディングボードで、抱え上げずに移乗できる。 5:誤り。回転移動盤には立位保持などの条件が必要で、立位困難な人へ一律に使わない。
問86
生活支援技術次の記述のうち、左片麻痺{ひだりかたまひ}の利用者を右側臥位{みぎそくがい}から端座位にするときの介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1利用者に左手でベッド柵をつかむように伝える。
- 2利用者に右肘を支点にして上体を起こしてもらう。
- 3利用者の右脚をベッドから下ろす。
- 4利用者の頸部{けいぶ}を支えて上体を起こす。
- 5端座位の利用者の右側に立って上体を支える。
正解:2
解説
正答は肢2です。左片麻痺では健側である右上肢の力を使い、体幹と下肢の動きを支えて起き上がる。 1:誤り。麻痺のある左手に把持を求める方法は適切でない。 2:正答。右肘を支点とすることで、残っている力を活用できる。 3:誤り。右脚だけでなく、両下肢の位置と動きを調整して下ろす。 4:誤り。頸部を引っ張るように起こすと負担となり、肩・体幹などを適切に支持する。 5:誤り。不安定になりやすい患側への配慮が必要で、健側だけに立つ説明では不十分である。
問87
生活支援技術口腔{こうくう}ケアに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1うがいは、顔貌を整える。
- 2歯みがきは、感染予防になる。
- 3口腔内{こうくうない}の乾燥は、口臭を予防する。
- 4唾液腺マッサージは、唾液の分泌を抑える。
- 5咀嚼機能{そしゃくきのう}の向上のために、タッピングを行う。
正解:2
解説
正答は肢2です。歯磨きで口腔内の細菌や汚れを減らすことは、口腔の疾患や誤嚥性肺炎などの予防に役立つ。 1:誤り。うがいの主目的は口腔内の洗浄である。 2:正答。歯垢や汚れを除去することが感染予防につながる。 3:誤り。乾燥は細菌増殖や口臭の一因となる。 4:誤り。唾液腺マッサージは唾液の分泌を促す目的で行う。 5:誤り。タッピングは咀嚼機能向上の代表的な訓練ではない。
問88
生活支援技術次の記述のうち、口腔{こうくう}ケアを実施するときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1実施中は、利用者に顎を上げた姿勢をとってもらう。
- 2総義歯は、上顎から下顎の順に外してもらう。
- 3歯みがきの前に、うがいを行ってもらう。
- 4歯ブラシは、大きく動かして磨いてもらう。
- 5舌ブラシは、舌先から咽頭に向かって動かしてもらう。
正解:3
解説
正答は肢3です。口腔ケアの前に、可能な人はうがいで食物残渣などを取り除く。姿勢・義歯の扱い・ブラシの方向にも注意する。 1:誤り。顎を上げると誤嚥しやすくなるため、状態に合う姿勢をとる。 2:誤り。総義歯は一般に下顎から外し、装着は上顎から行う。 3:正答。歯磨き前のうがいで大きな汚れを流し、口腔内を湿らせる。 4:誤り。小刻みに動かし、歯や歯肉を傷つけない。 5:誤り。舌ブラシは奥から手前へ優しく動かし、汚れを咽頭へ押し込まない。
問89
生活支援技術次の記述のうち、介護が必要な人への熱中症対策のために、介護福祉職が行う水分補給の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1のどが渇いてから、水分を取るように伝える。
- 2水でむせるときは、ゼリーの提供を控える。
- 3起床時は、水分摂取を控えるように伝える。
- 4食事のときの水分は、一日の水分摂取量から除く。
- 5汗の量が多いときは、塩分を含んだ飲み物を勧める。
正解:5
解説
正答は肢5です。暑い環境で多量に汗をかくと、水分とともに塩分も失う。水分・塩分制限がある人は個別の指示を確認する。 1:誤り。高齢者は口渇を感じにくいことがあり、定期的に補給する。 2:誤り。嚥下状態に合ったゼリーなどで補給できる場合がある。 3:誤り。睡眠中にも水分を失うため、起床時の補給は大切である。 4:誤り。食事に含まれる水分も一日の摂取量に含める。 5:正答。多量の発汗時には塩分を含む飲み物などで補給する。
問90
生活支援技術Aさん(75歳、男性)は、1年前に前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)と診断され、現在は、認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居している。若い頃から食べることが好きである。現在、咀嚼{そしゃく}や嚥下機能{えんげきのう}の低下はなく、スプーンを使い、自分で食べている。最近、飲み込む前に次々と食べ物を口に入れることが増えた。 次の記述のうち、Aさんの現在の状態に合わせた食事の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1取っ手つきのコップを準備する。
- 2食器に少量ずつ盛りつけて提供する。
- 3すべての料理をテーブルの上に並べる。
- 4大きなスプーンに変更する。
- 5手で持って食べられる物を準備する。
正解:2
解説
正答は肢2です。飲み込む前に次々と口へ入れる状態には、一度に見える量・取れる量を減らして安全なペースを支える。 1:誤り。コップの持ちにくさは示されていない。 2:正答。少量ずつ盛ることで、口へ詰め込み過ぎることを防ぎやすい。 3:誤り。全量を並べると次々に手を伸ばしやすくなる。 4:誤り。大きいスプーンでは一口量が増える。 5:誤り。手で食べる方法へ変えるだけでは詰め込みを防げない。
問91
生活支援技術次の記述のうち、パーキンソン病(Parkinson disease)で上肢の震えはあるが、自力摂取が可能な利用者の食事の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1食事後に口腔内{こうくうない}のアイスマッサージを行う。
- 2片側の縁が高くなっている皿を準備する。
- 3上半身を後ろに20度程度倒すように伝える。
- 4食器の置いてある位置を説明する。
- 5踵{かかと}を床から浮かすように伝える。
正解:2
解説
正答は肢2です。手の震えがあっても自力摂取できるため、食物をすくいやすい食器で残っている力を支える。 1:誤り。アイスマッサージは嚥下への働きかけで、食後に行うことがこの事例の課題への対応ではない。 2:正答。縁の高い部分を使うと、食物をスプーンですくいやすくなる。 3:誤り。自力摂取では安定した座位を整え、根拠なく後傾させない。 4:誤り。視覚障害を示す記述はなく、位置説明が主な対応ではない。 5:誤り。足底を床などに接地し、姿勢を安定させる。
問92
生活支援技術次の記述のうち、入浴の作用を生かした、高齢者への入浴の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1食事は、入浴直前に摂取する。
- 2高血圧の人には、42℃以上の湯につかってもらう。
- 3浴槽の中では、関節運動を促す。
- 4心疾患(heart disease)のある人には、肩まで湯につかってもらう。
- 5個浴の浴槽内では、足を浮かせてもらう。
正解:3
解説
正答は肢3です。水の浮力によって体重の負担が軽くなり、浴槽内では関節を動かしやすくなる。運動の可否は状態に合わせる。 1:誤り。食直後の入浴は避け、体調と消化への負担に配慮する。 2:誤り。高温浴は血圧変動や循環器負担を大きくする。 3:正答。浮力や温熱作用を生かし、無理のない関節運動を促せる。 4:誤り。肩までの深い入浴は水圧による心臓への負担が大きくなり得る。 5:誤り。足が滑ったり体が浮いたりしないよう安定を確保する。
問93
生活支援技術次の記述のうち、下肢筋力が低下して介護を必要とする人の入浴に適した環境として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1浴室の入口は開き戸にする。
- 2床から浴槽の縁までの高さは20cmにする。
- 3縦に長く、浅めの洋式の浴槽にする。
- 4浴槽の縁の幅は20cmにする。
- 5浴槽への出入りのために、水平および垂直の手すりを設置する。
正解:5
解説
正答は肢5です。下肢筋力が低下した人の浴槽への出入りでは、立ち座り・またぎ動作に合う手すりなどの支持が重要である。 1:誤り。開き戸は転倒時に身体でふさがれることがあり、引き戸等を検討する。 2:誤り。低すぎる浴槽縁は立ち座りを難しくするため、本人に合う高さを選ぶ。 3:誤り。長すぎる浴槽では足で支えにくく、体が滑る危険がある。 4:誤り。幅の広い縁はまたぎ越しの負担となり、20cmを一律に推奨しない。 5:正答。水平・垂直の手すりを動作に合わせて使えるよう設置する。
問94
生活支援技術次の記述のうち、体調不良で入浴できない片麻痺{かたまひ}の利用者に対して、ベッド上で行う全身清拭の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1清拭時は、窓を開けて行う。
- 2洗面器には、40℃程度のお湯を準備する。
- 3最初に、腹部から清拭する。
- 4背部は、患側を下にした側臥位{そくがい}にして拭く。
- 5蒸しタオルで拭いた後は、乾いたタオルで水分を拭き取る。
正解:5
解説
正答は肢5です。清拭では保温と羞恥心に配慮し、拭いた後の水分をすぐに除く。体調不良時は負担を小さくする。 1:誤り。窓からの冷気を避け、暖かい室内で行う。 2:誤り。容器のお湯はタオルを絞る間に冷めるため、40℃では不足しやすい。皮膚に当てる前に必ず適温を確認する。 3:誤り。通常は清潔な顔などから順に行い、腹部から始める説明ではない。 4:誤り。患側を圧迫しないよう、状態に応じて健側を下にするなど姿勢を調整する。 5:正答。気化による体温低下を防ぐため、乾いたタオルで水分を拭き取る。
問95
生活支援技術次のうち、同居の高齢者におむつを使用する家族介護者に対する、介護福祉職の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1「使用する本人の羞恥心に気を配りましょう」
- 2「尿失禁を防ぐことができます」
- 3「尿量を気にせずに、1日中同じおむつを使うことができます」
- 4「おむつを着けると、安心して排泄{はいせつ}ができます」
- 5「家族の都合に合わせて、おむつを使いましょう」
正解:1
解説
正答は肢1です。おむつは必要性を個別に判断し、本人の尊厳と排泄の自立を支える。家族の都合だけで使用を決めない。 1:正答。露出や言葉掛けに気を配り、羞恥心とプライバシーを守る。 2:誤り。おむつは漏れを受けるもので、尿失禁そのものを防ぐとはいえない。 3:誤り。尿量や皮膚の状態を確認し、適時交換する。 4:誤り。本人が必ず安心するとは限らず、抵抗感や不快感を確認する。 5:誤り。本人の状態・意思と必要性に基づいて選ぶ。
問96
生活支援技術次の記述のうち、ポータブルトイレを使用するときの排泄{はいせつ}の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ポータブルトイレの下に新聞紙を敷く。
- 2ベッドで臥床{がしょう}している状態で、ズボンや下着をおろす。
- 3ポータブルトイレには、前かがみになって座ってもらう。
- 4排泄{はいせつ}が終わるまで、ポータブルトイレの後ろに立って待つ。
- 5排泄後{はいせつご}の陰部の清拭は、ベッドの上で行う。
正解:3
解説
正答は肢3です。排便時は、足底を安定させた前かがみの姿勢で腹圧をかけやすくする。安全とプライバシーを両立させる。 1:誤り。新聞紙は滑る危険があり、安定を損なう。 2:誤り。不要な露出を避け、便座に移る動作に合わせて衣類を下ろす。 3:正答。前かがみの姿勢は腹圧をかけやすく、排便を助ける。 4:誤り。安全に応じた見守りは必要だが、背後で待ち続けると羞恥心への配慮が不足する。 5:誤り。可能ならその場で適切に清潔を保ち、汚れたままベッドへ移動させない。
問97
生活支援技術次の記述のうち、介護福祉職が行うことのできる、坐薬{ざやく}(座薬)を用いた介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1膣{ちつ}から挿入する坐薬{ざやく}(座薬)が扱える。
- 2坐薬{ざやく}(座薬)は、あたたかな場所で保管する。
- 3坐薬{ざやく}(座薬)は、とがっていない方から挿入する。
- 4腹部に力を入れるよう促しながら、坐薬{ざやく}(座薬)を挿入する。
- 5下剤以外の坐薬{ざやく}(座薬)挿入は、先に排泄{はいせつ}を済ませてから行う。
正解:5
解説
正答は肢5です。坐薬の介助は、状態が安定し、処方・指示など必要な条件を満たした範囲で行う。下剤以外では排便による薬剤排出を避ける配慮が必要である。 1:誤り。介護職が行う薬剤使用の介助で、膣坐薬を一律に扱えるわけではない。 2:誤り。製品の保存条件に従い、溶けやすい高温を避ける。 3:誤り。通常は先端のとがった側から挿入する。 4:誤り。力を抜いてもらい、無理な力をかけない。 5:正答。下剤以外は先に排泄を済ませ、挿入後に薬が排出されにくくする。
問98
生活支援技術次の記述のうち、調理における基本調味料の効果や使い方として、適切なものを1つ選びなさい。
- 1砂糖は、塩より先に入れると、食物に甘みが浸透しやすくなる。
- 2塩は、食物のうま味を増し、照りを出す。
- 3酢は、食物の水分を引き出し、保存性を高める。
- 4しょうゆは、食物のくさみを抜き、肉を柔らかくする。
- 5みそは、味付けの最初に入れると、特有の香りが逃げない。
正解:1
解説
正答は肢1です。煮物では一般に砂糖を塩より先に加える。調味料の分子の大きさや香りの失われやすさを考えて順序を決める。 1:正答。砂糖は塩より浸透しにくいため、先に加えると味が入りやすい。 2:誤り。照りを出す代表的な調味料はみりんなどである。 3:誤り。浸透圧で水分を引き出す代表的な作用は塩である。 4:誤り。臭みを取る、肉を柔らかくする作用は酒などの説明に近い。 5:誤り。みそは加熱し過ぎると香りが失われるため、仕上げに近い段階で加える。
問99
生活支援技術食品の保存に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1賞味期限の切れた未開封の缶詰は、すぐに廃棄する。
- 2ウインナーには、消費期限が記載されている。
- 3前日調理して常温保存した肉入りカレーは、再加熱する。
- 4りんごを冷蔵庫で保存するときは、ビニール袋に入れて密封する。
- 5冷凍食品は、一度解凍しても再冷凍すれば長期間の保存が可能である。
正解:4
解説
正答は肢4です。食品は表示の条件を守って保存する。りんごはエチレンを出すため、他の青果への影響や乾燥を抑えるよう袋に入れる。 1:誤り。賞味期限はおいしく食べられる期限で、過ぎたら直ちに廃棄という意味ではない。状態と保存条件を確認する。 2:誤り。一般的なウインナーには賞味期限が表示されることが多い。 3:誤り。常温保存したカレーは菌の増殖や毒素等の危険があり、再加熱だけで安全を保証できない。 4:正答。袋に入れて密封すると乾燥を防ぎ、他の青果へのエチレンの影響も抑えられる。 5:誤り。解凍・再冷凍を繰り返すと品質や衛生面の問題が生じる。
問100
生活支援技術次の記述のうち、衣類の保管方法として、適切なものを1つ選びなさい。
- 1衣装ケースで保管するときは、たたんだ衣類の下に防虫剤を入れる。
- 2ドライクリーニング後の衣類は、ビニールを外さずに保管する。
- 3汚れのひどい衣類は、介護福祉職の判断で廃棄する。
- 4湿気を含んだ衣類は、たたんで引き出しに保管する。
- 5絹製品は、タンスの上部に保管する。
正解:5
解説
正答は肢5です。衣類は清潔で乾いた状態で保管し、湿気や虫害から守る。絹など湿気に弱い衣類はタンス上部に置く。 1:誤り。防虫成分が下へ広がる製品では衣類の上に置き、製品表示に従う。 2:誤り。包装を外して湿気などを逃がしてから保管する。 3:誤り。本人の所有物を介護職だけで廃棄しない。 4:誤り。湿気を残すとカビなどの原因になるため、十分乾かす。 5:正答。比較的湿気が少ない上段に絹製品を置くのが適切である。
問101
生活支援技術次の記述のうち、介護の現場で行うベッドメイキングとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1居室の窓は、閉めて行う。
- 2キャスターのあるベッドは、ストッパーを外す。
- 3シーツの中心線を、マットレスの端に合わせる。
- 4シーツをマットレスの下に入れるときは、手掌を下にする。
- 5シーツ交換は、両膝を伸ばしたままで行う。
正解:4
解説
正答は肢4です。ベッドメイキングではベッドを固定し、しわを伸ばしながら安全な姿勢で作業する。差し込む手の爪でシーツを傷つけないようにする。 1:誤り。換気やほこりへの配慮を行い、窓を必ず閉めて行うわけではない。 2:誤り。作業中に動かないようストッパーをかける。 3:誤り。シーツの中心線をマットレスの中心に合わせる。 4:正答。手掌を下にして差し込み、爪がシーツに引っ掛からないようにする。 5:誤り。膝を適度に曲げ、作業高を調整して腰への負担を減らす。
問102
生活支援技術Bさん(90歳、女性、要介護3)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)があり、介護老人福祉施設に入所している。テレビを見ることが好きで、日中はお茶を飲みながら、テレビを見て過ごすことが日課である。1週間前からBさんは、夜中に目が覚めたり、3時ごろに起きたりと、不眠が続いている。2時間ほどしか寝ていない日もある。ある日、Bさんは、「昼間、眠くてしかたがない。からだがだるい」と介護福祉職に話した。 次の記述のうち、Bさんに安眠を促すための介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1午前中、太陽の光を浴びることを勧める。
- 2昼間眠いときは、1時間以上の昼寝を勧める。
- 3夕食後、すぐに寝ることを勧める。
- 4寝る前に、介護福祉職の判断で睡眠薬を勧める。
- 5夜眠れないときは、居室でテレビを見ることを勧める。
正解:1
解説
正答は肢1です。朝から午前中の光は体内時計を整える手掛かりになる。新たな不眠と倦怠感は医療職とも共有し、原因を確認する。 1:正答。午前中に自然光を浴び、昼夜のリズムを整える。 2:誤り。長い昼寝は夜の睡眠を妨げることがある。 3:誤り。早過ぎる就床は早朝覚醒や長い床上時間につながることがある。 4:誤り。睡眠薬の使用を介護職が独断で勧めない。 5:誤り。夜間のテレビの光や刺激は覚醒を促し得る。
問103
生活支援技術終末期の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1決まった時間に食事を提供する。
- 2部屋の換気は控えるようにする。
- 3無反応のときは無言で静かに介護を行う。
- 4呼吸困難時は、顎を下げて頭部を前屈させた仰臥位{ぎょうがい}(背臥位{はいがい})にする。
- 5せん妄によって話のつじつまが合わないときは、否定せずに受け止める。
正解:5
解説
正答は肢5です。終末期のせん妄では、本人の不安や苦痛を受け止め、原因や緩和方法を医療職と共有する。つじつまの訂正を優先しない。 1:誤り。本人の状態や希望に合わせ、定時の摂食を無理に求めない。 2:誤り。室温と体調に配慮しながら適切に換気する。 3:誤り。反応が乏しくても、行うケアを穏やかに説明する。 4:誤り。呼吸が楽になる姿勢を個別に整え、顎を強く引いた仰臥位に固定しない。 5:正答。否定して対立せず、訴えと感情を受け止めて安心を支える。
問104
生活支援技術次のうち、キューブラー・ロス(Kubler-Ross, E.)が提唱した終末期にある人の死の受容過程のうち、「死は避けられないと知り、さまざまな喪失感を抱く段階」に該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
- 1否認
- 2怒り
- 3取り引き
- 4抑うつ
- 5受容
正解:4
解説
正答は肢4です。この設問の喪失感を抱く段階は抑うつである。受容過程は全員が同じ順に進むものではなく、実際の支援で段階を押し付けない。 1:誤り。否認は死の可能性を認められない反応である。 2:誤り。怒りは不公平感や「なぜ自分が」という感情が中心となる。 3:誤り。取り引きは延命などを求めて条件を提示するような反応である。 4:正答。避けられない死と喪失を意識した悲しみが抑うつの段階に対応する。 5:誤り。受容は死を受け入れる方向の段階である。
問105
生活支援技術Cさん(58歳、男性)は、アテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺{のうせいまひ}(cerebral palsy)がある。腕、脚、体幹の筋肉は不随意的にゆっくりと動くことが多く、手指を細かく動かすことは難しい。言葉をはっきり発音することが困難であるが、音の聞き取りはできる。 次のうち、Cさんが使用している情報・意思疎通支援用具として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1福祉電話
- 2携帯用会話補助装置
- 3人工喉頭
- 4助聴器
- 5点字器
正解:2
解説
正答は肢2です。発音が難しくても理解や聴覚が保たれている場合、本人が操作できる入力方法を選び、会話を補う装置を利用できる。 1:誤り。電話だけでは対面での発話の困難を十分に補えない。 2:正答。記号や文字等から音声を出す会話補助装置が意思表出を支える。 3:誤り。人工喉頭は主に喉頭摘出などによる発声困難を補う。 4:誤り。助聴器は聞こえを助けるもので、発音の困難への対応ではない。 5:誤り。点字器は視覚障害者の文字情報の記録等に使う。
問106
介護過程次の記述のうち、介護過程を展開する目的として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1家族が抱える生活課題の解決
- 2個別ケアに基づく利用者の自立支援
- 3介護福祉職の職業倫理の向上
- 4利用者と家族の信頼関係の構築
- 5介護福祉職と他職種の連携の促進
正解:2
解説
正答は肢2です。介護過程は、本人の生活課題を根拠に基づいて捉え、個別的な支援を計画・実施・評価する過程である。 1:誤り。家族支援も関わるが、中心となる目的は本人の生活と自立の支援である。 2:正答。一人ひとりの状態と希望に基づく個別ケアで自立を支える。 3:誤り。職業倫理の向上そのものを直接の目的とする過程ではない。 4:誤り。信頼関係は重要だが、介護過程全体の目的を表す選択肢ではない。 5:誤り。連携は実現手段の一つであり、それ自体が最終目的ではない。
問107
介護過程生活課題に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1家族の立場から検討する。
- 2利用者のニーズを判断の基盤にする。
- 3利用者の要望を1つに集約する。
- 4介護福祉職の主観を尊重する。
- 5生命の危機よりも利用者の意向を優先する。
正解:2
解説
正答は肢2です。生活課題は本人のニーズを基盤に、希望・能力・環境・健康状態などを総合して明らかにする。 1:誤り。家族だけの立場でなく本人を中心に検討する。 2:正答。本人の生活上の必要性と望む生活を判断の基盤とする。 3:誤り。複数のニーズを無理に一つへ集約せず、関連と優先順位を整理する。 4:誤り。職員の主観より観察や本人の発言などの根拠を重視する。 5:誤り。生命の危険を見過ごさず、意思尊重と安全を両立する支援を検討する。
問108
介護過程次の記述のうち、介護過程の展開における評価の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1他の利用者と比較して評価する。
- 2短期目標の評価によって、介護過程の展開を終了する。
- 3目標の達成状況を評価する。
- 4介護計画の実施後に評価日を検討する。
- 5介護計画を修正した場合は、評価を省略する。
正解:3
解説
正答は肢3です。評価は、設定した目標と実施後の状態を照らし合わせ、達成状況や支援方法の妥当性を確かめることである。 1:誤り。他の人でなく本人の目標と経過に照らして評価する。 2:誤り。評価結果を再アセスメントや計画修正につなげ、循環させる。 3:正答。目標をどの程度達成したかを確認する。 4:誤り。評価時期は計画の段階から設定する。 5:誤り。修正後の計画も評価が必要である。
問109
介護過程次のうち、介護保険制度のサービス担当者会議におけるサービス提供責任者の役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1会議の主催
- 2居宅サービス計画の原案の説明
- 3他職種が実施したサービス内容の評価
- 4訪問介護計画の作成に要した時間の報告
- 5訪問介護計画の作成に必要な情報の確認
正解:5
解説
正答は肢5です。サービス提供責任者は、ケアプランと整合する訪問介護計画を作成するため、本人の状態や他サービスとの役割分担を確認する。 1:誤り。サービス担当者会議は通常、介護支援専門員が開催する。 2:誤り。居宅サービス計画の原案の説明は介護支援専門員が担う。 3:誤り。他職種のサービスを単独で評価することが中心の役割ではない。 4:誤り。計画作成の所要時間は会議で最優先する情報ではない。 5:正答。訪問介護計画に必要な生活状況・目標・支援内容を確認する。
問110
介護過程次の事例を読んで、問題110、問題111について答えなさい。 〔事 例〕 Aさん(78歳、男性、要介護1)は、一人暮らしで、脳梗塞(cerebral infarction)を発症し入院した。その後、リハビリテーションを経て、自宅に戻った。利き手の右手に麻痺{まひ}が残ったため、左手を使った調理の自立を目的に、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。サービス利用時は、訪問介護員(ホームヘルパー)の協力を得ながら、孫からプレゼントされた包丁を使って、調理に取り組んでいた。 ある日、好物の牛肉をうまく押さえることができず、切ることができなかった。すると、Aさんは包丁を置き、部屋で横になってしまった。心配した訪問介護員(ホームヘルパー)が声をかけ、バイタルサインを確認したところ変化はなかった。Aさんは、「右手が思うように動いてくれない。悔しい。でも、もう一度ひとりで作れるようになりたい」と話した。 次の日、Aさんは、「今日も手伝って」と訪問介護員(ホームヘルパー)に話した。 調理中にAさんが包丁を置き、部屋で横になってしまった行動に対する解釈として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1体調不良による休憩
- 2食材に対する不満
- 3調理に対する興味の喪失
- 4包丁に対する不満
- 5調理がうまくできないことに対する苛立{いらだ}ち
正解:5
解説
正答は肢5です。本人は「悔しい」「もう一度ひとりで作りたい」と話している。観察した行動を本人の言葉と合わせて解釈する。 1:誤り。バイタルに変化がなく、本人の言葉も体調不良を示していない。 2:誤り。牛肉は好物で、食材への不満の記述はない。 3:誤り。再び自分で作りたいという希望が続いている。 4:誤り。孫からの包丁への不満は示されていない。 5:正答。思うように調理できない悔しさが行動の背景と考えられる。
問111
介護過程次の事例を読んで、問題110、問題111について答えなさい。 〔事 例〕 Aさん(78歳、男性、要介護1)は、一人暮らしで、脳梗塞(cerebral infarction)を発症し入院した。その後、リハビリテーションを経て、自宅に戻った。利き手の右手に麻痺{まひ}が残ったため、左手を使った調理の自立を目的に、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。サービス利用時は、訪問介護員(ホームヘルパー)の協力を得ながら、孫からプレゼントされた包丁を使って、調理に取り組んでいた。 ある日、好物の牛肉をうまく押さえることができず、切ることができなかった。すると、Aさんは包丁を置き、部屋で横になってしまった。心配した訪問介護員(ホームヘルパー)が声をかけ、バイタルサインを確認したところ変化はなかった。Aさんは、「右手が思うように動いてくれない。悔しい。でも、もう一度ひとりで作れるようになりたい」と話した。 次の日、Aさんは、「今日も手伝って」と訪問介護員(ホームヘルパー)に話した。 訪問介護計画の修正を目的としたカンファレンスで、訪問介護員(ホームヘルパー)が提案する内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1訪問介護員(ホームヘルパー)による調理の代行
- 2担当する訪問介護員(ホームヘルパー)の交代
- 3配食サービスの利用
- 4調理に関する福祉用具の活用
- 5訪問回数の削減
正解:4
解説
正答は肢4です。調理を続けたい本人の希望に対し、片手で食材を固定できる道具などを検討する。できない部分を補って参加を保つ。 1:誤り。全面的な代行では本人の調理の希望を生かせない。 2:誤り。担当者との関係の問題を示す事情はない。 3:誤り。配食だけでは本人が作る目標につながらない。 4:正答。食材を固定する用具などで左手の調理を支えられる可能性がある。 5:誤り。訪問を減らすと必要な支援が不足し得る。
問112
介護過程次の事例を読んで、問題112、問題113について答えなさい。 〔事 例〕 Bさん(42歳、女性、障害支援区分3)は、知的障害があり、母親と二人暮らしである。日中は生活介護事業所に通っている。日常生活動作の一部に見守りが必要である。個別支援計画の短期目標を、「見守りのもと、トイレで排泄{はいせつ}ができる」としている。 しかし、最近、排泄{はいせつ}のときに下着やズボンを汚してしまい、それをほかの利用者にからかわれ、しばらく一人でいる様子があったと生活支援員から申し送りがあった。 ある日、事業所長が話しかけると、Bさんは、「トイレで失敗したら恥ずかしい」と元気なく話した。母親からも電話で、「これからは紙おむつを使うように勧めているのだけど、使いたくないとBは話している」とサービス管理責任者に連絡があった。 次のうち、Bさんがしばらく一人でいた様子を理解するために必要な情報として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
- 1サービス管理責任者との関係
- 2生活支援員との関係
- 3事業所長との関係
- 4ほかの利用者との関係
- 5母親との関係
正解:4
解説
正答は肢4です。排泄の失敗をからかわれた後に一人になっており、他の利用者との関係を優先して確認する。 1:誤り。サービス管理責任者とのトラブルは記されていない。 2:誤り。生活支援員との関係より、からかいの影響が直接的な手掛かりである。 3:誤り。事業所長には恥ずかしい気持ちを話している。 4:正答。他の利用者からのからかいと、本人の不安・孤立との関係を確認する。 5:誤り。母親の意向も必要な情報だが、一人になった直前の出来事への確認が先である。
問113
介護過程次の事例を読んで、問題112、問題113について答えなさい。 〔事 例〕 Bさん(42歳、女性、障害支援区分3)は、知的障害があり、母親と二人暮らしである。日中は生活介護事業所に通っている。日常生活動作の一部に見守りが必要である。個別支援計画の短期目標を、「見守りのもと、トイレで排泄{はいせつ}ができる」としている。 しかし、最近、排泄{はいせつ}のときに下着やズボンを汚してしまい、それをほかの利用者にからかわれ、しばらく一人でいる様子があったと生活支援員から申し送りがあった。 ある日、事業所長が話しかけると、Bさんは、「トイレで失敗したら恥ずかしい」と元気なく話した。母親からも電話で、「これからは紙おむつを使うように勧めているのだけど、使いたくないとBは話している」とサービス管理責任者に連絡があった。 Bさんについて、個別支援会議が開催され、短期目標を、「排泄{はいせつ}の自立(下着を汚さずに排泄{はいせつ}する)(3か月)」とした。次の記述のうち、Bさんの短期目標を実現するために生活支援員がとる対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1定期的に、手順を理解できているか一緒に確認する。
- 2自宅で排泄{はいせつ}を済ませ、事業所で排泄{はいせつ}しないように助言する。
- 3母親の要望であると伝え、紙おむつを使うように助言する。
- 4ポータブルトイレを設置し、そこで排泄{はいせつ}をするように誘導する。
- 5排泄{はいせつ}に関する行為を、全介助にする。
正解:1
解説
正答は肢1です。排泄手順のどこで衣類を汚すかを確認し、理解できる説明と適切な見守りで自立を支える。 1:正答。手順の理解と実行を一緒に確認し、難しい部分を補う。 2:誤り。事業所で排泄しないよう求めると我慢や健康問題につながる。 3:誤り。本人の意思を無視しておむつを勧める対応ではない。 4:誤り。トイレの場所が問題とは示されておらず、用具変更が第一ではない。 5:誤り。できる行為まで全介助にすると自立の目標と合わない。
問114
総合問題次の事例を読んで、問題114から問題116までについて答えなさい。 〔事 例〕 Aさん(70歳、男性)は、妻と二人で暮らしている。旅行や釣りが趣味で、会社員として勤務していたころは、活動的な生活を送っていた。66歳のときにパーキンソン病(Parkinson disease)と診断されたが、内服治療が開始され、症状はあまり気にならなかった。1年前から顔の表情が乏しくなり、歩行開始時に、はじめの一歩が出にくくなった。3か月前からは、歩き始めると方向転換が難しく、急に止まることができないことがある。 Aさんは、今後の生活について相談するために、地域包括支援センターに行った。センターで対応してくれたB主任介護支援専門員は、介護福祉士としての実務経験が豊富だった。Aさんは信頼して、気になっていたことをすべて話すことができた。Aさんは、要介護認定を申請することを勧められ、後日、市役所に行き、要介護認定の申請を行った。 現在のAさんの症状に該当するホーエン・ヤール重症度分類として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ステージⅠ
- 2ステージⅡ
- 3ステージⅢ
- 4ステージⅣ
- 5ステージⅤ
正解:3
解説
正答は肢3です。姿勢反射障害を伴う歩行の不安定さがありつつ、独立した生活や歩行が可能な状態はホーエン・ヤールのステージⅢに対応する。 1:誤り。Ⅰは主に片側の症状である。 2:誤り。Ⅱは両側症状があっても姿勢反射障害を認めない段階である。 3:正答。姿勢保持・方向転換などに障害が現れるが、身体的には独立している段階である。 4:誤り。Ⅳはより重い障害があるが、介助なしの立位・歩行が可能な段階である。 5:誤り。Ⅴは介助がなければ車いすまたは寝たきりの状態である。
問115
総合問題次の事例を読んで、問題114から問題116までについて答えなさい。 〔事 例〕 Aさん(70歳、男性)は、妻と二人で暮らしている。旅行や釣りが趣味で、会社員として勤務していたころは、活動的な生活を送っていた。66歳のときにパーキンソン病(Parkinson disease)と診断されたが、内服治療が開始され、症状はあまり気にならなかった。1年前から顔の表情が乏しくなり、歩行開始時に、はじめの一歩が出にくくなった。3か月前からは、歩き始めると方向転換が難しく、急に止まることができないことがある。 Aさんは、今後の生活について相談するために、地域包括支援センターに行った。センターで対応してくれたB主任介護支援専門員は、介護福祉士としての実務経験が豊富だった。Aさんは信頼して、気になっていたことをすべて話すことができた。Aさんは、要介護認定を申請することを勧められ、後日、市役所に行き、要介護認定の申請を行った。 要介護認定を申請してから2週間が経過した。Aさんは要介護認定の認定結果が届かないことが気になった。そこで、以前に対応してくれたB主任介護支援専門員に電話で相談した。 次のうち、B主任介護支援専門員の応答として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1「次の受診時に主治医に相談しましょう」
- 2「通常1か月程度かかるので、あと2週間くらい待ってみましょう」
- 3「以前に自宅に来てくれた認定調査員に相談しましょう」
- 4「念のためにもう一度要介護認定を申請してください」
- 5「通常であれば認定結果は出ていると思います」
正解:2
解説
正答は肢2です。要介護認定は原則として申請から30日以内に行う。遅れる場合には理由と処理見込期間の通知が必要である。 1:誤り。認定結果の進行確認は保険者等へ行い、主治医への次回受診だけに任せない。 2:正答。申請2週間の段階では、通常の処理期間を説明する応答が適切である。 3:誤り。調査員個人が最終的な認定結果を決定するわけではない。 4:誤り。重ねて申請する必要はない。 5:誤り。2週間で必ず結果が出ているとはいえない。
問116
総合問題次の事例を読んで、問題114から問題116までについて答えなさい。 〔事 例〕 Aさん(70歳、男性)は、妻と二人で暮らしている。旅行や釣りが趣味で、会社員として勤務していたころは、活動的な生活を送っていた。66歳のときにパーキンソン病(Parkinson disease)と診断されたが、内服治療が開始され、症状はあまり気にならなかった。1年前から顔の表情が乏しくなり、歩行開始時に、はじめの一歩が出にくくなった。3か月前からは、歩き始めると方向転換が難しく、急に止まることができないことがある。 Aさんは、今後の生活について相談するために、地域包括支援センターに行った。センターで対応してくれたB主任介護支援専門員は、介護福祉士としての実務経験が豊富だった。Aさんは信頼して、気になっていたことをすべて話すことができた。Aさんは、要介護認定を申請することを勧められ、後日、市役所に行き、要介護認定の申請を行った。 最近、Aさんは急に体の動きが悪くなる時間帯があり、不安を感じた。そこでAさんは、週に2回利用している訪問介護員(ホームヘルパー)に相談した。相談を受けた訪問介護員(ホームヘルパー)はAさんに、日々の症状の変化とその時間、さらにもう一点をメモして、医師に伝えるようにと助言した。 日々の症状の変化とその時間に加えて、Aさんが医師に伝える内容として、最も優先度の高いものを1つ選びなさい。
- 1服薬の時間
- 2起床の時間
- 3食事の時間
- 4排便の時間
- 5入浴の時間
正解:1
解説
正答は肢1です。パーキンソン病の症状の日内変動では、薬の効果との時間的な関係が重要である。服薬量・時刻を介護職が変更せず医師へ情報を伝える。 1:正答。服薬と症状変化の時間関係からウェアリングオフ等を評価できる。 2:誤り。起床時刻も参考になるが、薬効との関係の確認を優先する。 3:誤り。食事も薬効に関わる場合があるが、まず服薬時刻を把握する。 4:誤り。排便時刻は今回の変動をみるための最優先情報ではない。 5:誤り。入浴時刻より服薬時刻との対応が重要である。
問117
総合問題次の事例を読んで、問題117から問題119までについて答えなさい。 〔事 例〕 Cさん(90歳、女性)は、動物好きで長年ペットのオウムを飼っている。5年前に夫が亡くなったときも、ペットが大きな心の支えになった。2年前、身体の衰えから買物や調理などの家事が難しくなり、一人暮らしが困難になったので、ペットと入所できる健康型有料老人ホームに入所した。 最近Cさんは、毎週楽しみにしていたレクリエーションがある曜日や時間を忘れてしまう、トイレの場所がわからず失禁するなどの症状が繰り返し生じるようになってきた。心配した娘がCさんと病院を受診したところ、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断を受けた。 健康型有料老人ホームでは対応が困難になってきたため、心配した娘はCさんが入所できる施設に移ることを検討し始めた。 次のうち、最近のCさんの症状に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1妄想
- 2見当識障害
- 3失語
- 4遂行機能障害
- 5観念失行
正解:2
解説
正答は肢2です。曜日・時刻やトイレの場所が分からない状態は、時間・場所の見当識障害に当たる。 1:誤り。妄想は訂正が難しい誤った確信であり、この事例の説明ではない。 2:正答。時間や場所の認識の障害が示されている。 3:誤り。言葉の表出や理解の障害は記されていない。 4:誤り。計画・段取りの困難そのものより、時間と場所の認識が問題である。 5:誤り。道具を組み合わせた一連の行為の障害を示す事例ではない。
問118
総合問題次の事例を読んで、問題117から問題119までについて答えなさい。 〔事 例〕 Cさん(90歳、女性)は、動物好きで長年ペットのオウムを飼っている。5年前に夫が亡くなったときも、ペットが大きな心の支えになった。2年前、身体の衰えから買物や調理などの家事が難しくなり、一人暮らしが困難になったので、ペットと入所できる健康型有料老人ホームに入所した。 最近Cさんは、毎週楽しみにしていたレクリエーションがある曜日や時間を忘れてしまう、トイレの場所がわからず失禁するなどの症状が繰り返し生じるようになってきた。心配した娘がCさんと病院を受診したところ、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断を受けた。 健康型有料老人ホームでは対応が困難になってきたため、心配した娘はCさんが入所できる施設に移ることを検討し始めた。 娘はCさんの病状を心配して、「お父さんが残してくれた貯金があるから、もっとお母さんのお世話をしてくれる施設に移ろう」と提案した。Cさんは、「ペットと一緒に暮らせなくなるのは嫌だ」とつぶやき、うつむいた。困った娘は健康型有料老人ホームの介護福祉士に相談した。 次のうち、娘への介護福祉士の応答として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1「Cさんがペットを大事にしている意思を尊重してはいかがですか」
- 2「Cさんが新しい施設に行くことが最優先です」
- 3「あなたの意向を優先してはいかがですか」
- 4「Cさんがペットを飼うことは優先度の高いニーズとは言えません」
- 5「Cさんが新しい施設に行くことを受け入れるように説得してください」
正解:1
解説
正答は肢1です。ペットは本人の大切な心の支えである。住み替え先を考えるときも、本人の価値観と生活の継続を尊重する。 1:正答。ペットとの暮らしを本人の重要な希望として検討する姿勢が適切である。 2:誤り。移転だけを優先すると生活の質を損なう可能性がある。 3:誤り。家族の意向のみを優先しない。 4:誤り。本人にとっての重要性を職員が一方的に低く評価しない。 5:誤り。説得の前に希望を理解し、実現できる選択肢を探す。
問119
総合問題次の事例を読んで、問題117から問題119までについて答えなさい。 〔事 例〕 Cさん(90歳、女性)は、動物好きで長年ペットのオウムを飼っている。5年前に夫が亡くなったときも、ペットが大きな心の支えになった。2年前、身体の衰えから買物や調理などの家事が難しくなり、一人暮らしが困難になったので、ペットと入所できる健康型有料老人ホームに入所した。 最近Cさんは、毎週楽しみにしていたレクリエーションがある曜日や時間を忘れてしまう、トイレの場所がわからず失禁するなどの症状が繰り返し生じるようになってきた。心配した娘がCさんと病院を受診したところ、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断を受けた。 健康型有料老人ホームでは対応が困難になってきたため、心配した娘はCさんが入所できる施設に移ることを検討し始めた。 Cさんと娘は介護福祉士と相談し、希望に沿った施設を見つけることができた。 次のうち、Cさんが入所する施設として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1経過的軽費老人ホーム(B型)
- 2介護医療院
- 3介護老人保健施設
- 4養護老人ホーム
- 5介護付有料老人ホーム
正解:5
解説
正答は肢5です。認知症への介護が必要となり、本人の希望も踏まえた住まいを探す事例である。介護付有料老人ホームは生活と介護を一体的に支える。 1:誤り。自炊が基本で自立生活を対象とする住まいであり、必要な介護に合わない。 2:誤り。長期的な医療と介護が必要な人の施設で、事例にはその医療ニーズが示されていない。 3:誤り。在宅復帰に向けたリハビリ等を担い、永続的な住まいを主目的としない。 4:誤り。環境上・経済上の理由による措置入所の施設であり、提示された状況とは異なる。 5:正答。必要な介護を受けながら暮らせる。ペット同伴の可否は個別施設の契約条件を確認する。
問120
総合問題次の事例を読んで、問題120から問題122までについて答えなさい。 〔事 例〕 Dさん(男性、障害支援区分4)は、ベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy)である。自宅で家族と生活をしている。Dさんは、食事は自立しているが、排泄{はいせつ}、入浴に介護が必要である。歩行はできず、移動は電動車いすを使用している。絵を描くことが趣味であり、日中は創作活動に取り組んでいる。 これまでDさんは自宅で家族の介護を受けながら生活してきたが、Dさんの身体機能の低下に伴い、家族の介護負担が増えたため、居宅介護を利用することになった。 Dさんの疾患で生じる病態として、適切なものを1つ選びなさい。
- 1筋線維の変性
- 2運動神経の変性
- 3網膜の変性
- 4自己免疫の低下
- 5脳細胞の変性
正解:1
解説
正答は肢1です。筋ジストロフィーは筋線維の変性・壊死などにより筋力が低下する遺伝性疾患群である。ベッカー型もその一つである。 1:正答。筋線維が障害され、筋力低下などが進む。 2:誤り。運動神経の変性を中心とするALSなどとは区別する。 3:誤り。網膜変性を主体とする疾患ではない。 4:誤り。自己免疫の低下を基本病態とする説明ではない。 5:誤り。脳細胞の変性が筋力低下の主原因となる疾患ではない。
問121
総合問題次の事例を読んで、問題120から問題122までについて答えなさい。 〔事 例〕 Dさん(男性、障害支援区分4)は、ベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy)である。自宅で家族と生活をしている。Dさんは、食事は自立しているが、排泄{はいせつ}、入浴に介護が必要である。歩行はできず、移動は電動車いすを使用している。絵を描くことが趣味であり、日中は創作活動に取り組んでいる。 これまでDさんは自宅で家族の介護を受けながら生活してきたが、Dさんの身体機能の低下に伴い、家族の介護負担が増えたため、居宅介護を利用することになった。 この問題は、視覚素材問題です。 Dさんのジェノグラムが示されています。 ジェノグラムに示されていることを説明します。 Dさん男性は、結婚し息子と3人で暮らしている。 Dさんの兄は独身である。 Dさんは、母親と一緒に暮らしていない。 Dさんの父親は、死亡している。 Dさんの妻は一人娘で、両親は生存している。 問題 E居宅介護事業所に勤務するF介護福祉職は、Dさん宅を初回訪問するにあたりフェイスシートのジェノグラムを確認した。 以下のジェノグラムからF介護福祉職が把握した内容として、適切なものを1つ選びなさい。

公式問題の図・出典 - 1Dさんは、Dさんの母親と同居している。
- 2Dさんには息子がいる。
- 3Dさんの兄は結婚している。
- 4Dさんの父親は生存している。
- 5Dさんの妻には兄弟姉妹がいる。
正解:2
解説
正答は肢2です。公式図の説明では、Dさんは妻と息子との3人暮らしである。ジェノグラムは関係を示す記号と同居の範囲を分けて読む。 1:誤り。母親とは同居していないと示されている。 2:正答。Dさんには息子がおり、同居している。 3:誤り。兄は独身と示されている。 4:誤り。父親は死亡していると示されている。 5:誤り。妻は一人娘で、兄弟姉妹は示されていない。
問122
総合問題次の事例を読んで、問題120から問題122までについて答えなさい。 〔事 例〕 Dさん(男性、障害支援区分4)は、ベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy)である。自宅で家族と生活をしている。Dさんは、食事は自立しているが、排泄{はいせつ}、入浴に介護が必要である。歩行はできず、移動は電動車いすを使用している。絵を描くことが趣味であり、日中は創作活動に取り組んでいる。 これまでDさんは自宅で家族の介護を受けながら生活してきたが、Dさんの身体機能の低下に伴い、家族の介護負担が増えたため、居宅介護を利用することになった。 Dさんが居宅介護を利用してから数年が経過し、Dさんの身体機能は徐々に低下して、着替えに時間がかかるようになった。Dさんは自分のことはできるだけ自分で行いたいという思いがあり、時間がかかっても自分で着替えをしていた。 ある日、DさんはF介護福祉職に、「着替えをすると疲れてしまい、絵を描くことができない」とつぶやいた。F介護福祉職は、「着替えは私たちや家族の介護を利用して、Dさんは好きな絵を描いたらいいのではないですか」と伝えた。その後、Dさんは介護福祉職と家族の介護を利用して、短時間で着替えを済ませ、絵を描くことに専念できるようになった。 F介護福祉職が発言した自立観を示した人物として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ヴィクトール・フランクル(Frankl, V.)
- 2バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen, N.)
- 3エド・ロバーツ(Roberts, E.)
- 4フェリックス・バイステック(Biestek, F.)
- 5ミルトン・メイヤロフ(Mayeroff, M.)
正解:3
解説
正答は肢3です。自立生活運動では、必要な介助を使いながら本人が生活を選び、主導する自立を重視する。エド・ロバーツはその運動を担った人物である。 1:誤り。フランクルは生きる意味を重視するロゴセラピーに関わる。 2:誤り。バンク=ミケルセンはノーマライゼーションの提唱に関わる。 3:正答。介助を活用し、本人が望む活動を主体的に選ぶ自立観に対応する。 4:誤り。バイステックはケースワークの援助関係の原則で知られる。 5:誤り。メイヤロフはケアの本質を論じた人物である。
問123
総合問題次の事例を読んで、問題123から問題125までについて答えなさい。 〔事 例〕 Gさん(38歳、女性)は、母親(65歳)と暮らしていた。両側性感音難聴(sensorineural hearing loss)があり、雑音がある場所では話を聞き取りにくい。相手の口の動きや表情から会話の内容を理解することはできる。Gさんは、脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、左片麻痺{ひだりかたまひ}で車いすの生活となり、障害支援区分4と認定された。母親による介護が難しくなったため、障害者支援施設に入所することになった。 Gさんは、写真を撮ることが好きで、施設で近くの公園に出かけたときに、介護福祉職に手伝ってもらいながら好きな風景を撮影している。Gさんは、その写真をアルバムにして、母親にプレゼントしたいと考えている。 ある日、Gさんから、「アルバムを作りたい。飾りの付け方やメッセージの書き方を教えてほしい」と相談があった。介護福祉職は、Gさんとアルバムを作ることにした。 次のうち、Gさんが施設入所支援と同時に利用している障害福祉サービスとして、適切なものを1つ選びなさい。
- 1自立生活援助
- 2療養介護
- 3短期入所
- 4生活介護
- 5居宅介護
正解:4
解説
正答は肢4です。障害者支援施設では、夜間等の施設入所支援と、日中の生活介護などを組み合わせる。 1:誤り。自立生活援助は地域での一人暮らし等を定期訪問などで支える。 2:誤り。療養介護は医療と常時介護の必要性などの対象要件があり、本事例には示されていない。 3:誤り。短期入所は一時的な入所である。 4:正答。日中の介護と創作活動・生産活動等の機会を提供する生活介護が該当する。 5:誤り。居宅介護は自宅で行う訪問型の支援である。
問124
総合問題次の事例を読んで、問題123から問題125までについて答えなさい。 〔事 例〕 Gさん(38歳、女性)は、母親(65歳)と暮らしていた。両側性感音難聴(sensorineural hearing loss)があり、雑音がある場所では話を聞き取りにくい。相手の口の動きや表情から会話の内容を理解することはできる。Gさんは、脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、左片麻痺{ひだりかたまひ}で車いすの生活となり、障害支援区分4と認定された。母親による介護が難しくなったため、障害者支援施設に入所することになった。 Gさんは、写真を撮ることが好きで、施設で近くの公園に出かけたときに、介護福祉職に手伝ってもらいながら好きな風景を撮影している。Gさんは、その写真をアルバムにして、母親にプレゼントしたいと考えている。 ある日、Gさんから、「アルバムを作りたい。飾りの付け方やメッセージの書き方を教えてほしい」と相談があった。介護福祉職は、Gさんとアルバムを作ることにした。 次のうち、Gさんの難聴の原因となっている損傷部位に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1内耳から聴神経
- 2外耳道から中耳
- 3耳介から中耳
- 4耳介から外耳道
- 5耳介
正解:1
解説
正答は肢1です。感音難聴は内耳や聴神経など音を感じて伝える部分の障害である。外耳・中耳の伝音難聴と区別する。 1:正答。内耳から聴神経の障害が感音難聴に該当する。 2:誤り。外耳道・中耳の障害は主に伝音難聴に関わる。 3:誤り。耳介から中耳は音を伝える部分である。 4:誤り。耳介・外耳道は外耳であり、伝音の経路である。 5:誤り。耳介だけの障害を感音難聴の原因部位として選ばない。
問125
総合問題次の事例を読んで、問題123から問題125までについて答えなさい。 〔事 例〕 Gさん(38歳、女性)は、母親(65歳)と暮らしていた。両側性感音難聴(sensorineural hearing loss)があり、雑音がある場所では話を聞き取りにくい。相手の口の動きや表情から会話の内容を理解することはできる。Gさんは、脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、左片麻痺{ひだりかたまひ}で車いすの生活となり、障害支援区分4と認定された。母親による介護が難しくなったため、障害者支援施設に入所することになった。 Gさんは、写真を撮ることが好きで、施設で近くの公園に出かけたときに、介護福祉職に手伝ってもらいながら好きな風景を撮影している。Gさんは、その写真をアルバムにして、母親にプレゼントしたいと考えている。 ある日、Gさんから、「アルバムを作りたい。飾りの付け方やメッセージの書き方を教えてほしい」と相談があった。介護福祉職は、Gさんとアルバムを作ることにした。 次の記述のうち、Gさんに介護福祉職がアルバムの作り方を説明するときに配慮することとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1Gさんの左側に座る。
- 2閉じられた質問を用いる。
- 3小さな声で話す。
- 4Gさんの好きな音楽を流す。
- 51対1で向かい合って話す。
正解:5
解説
正答は肢5です。口の動きや表情を見て理解できるため、静かな場所で顔を見合わせて話す。本人に適した音量や速さも確認する。 1:誤り。左右の位置だけでなく、口と表情が見える位置が重要である。 2:誤り。手順の説明には具体的な説明や実演が必要で、はい・いいえの質問だけでは伝えられない。 3:誤り。聞き取れる音量を確認し、小声に限定しない。 4:誤り。雑音があると聞き取りにくいため、背景音楽を避ける。 5:正答。1対1で向かい合うことで口の動き・表情と音声を合わせて理解できる。